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面白いサイトが開設されている。''kinoko-mono'' というサイトで、「きのこをテーマとした創作物」が図鑑形式で展示されている。今現在はまだ出品者5組、きのこの種類は22種と少ないが、おいおい出品者など増えていくことが予測されている。 事務局Gさんの奮闘で、いまや全国組織となったキンコン界には興味深い毒キノコが棲息しているという。知る人ぞ知る?きのこらしいが、kinoko-mono には、それらの展示もある。また、国立科学博物館の菌類展で採用・展示された工房の作品なども展示されている。
福島県から帰宅したばかりだが、昨日から3日間、平成21年度 菌学教育研究会 菌類の多様性と分類 後期講座が始まっっている。11月1日に講座が終了したら、そのまま布団を抱えて夜っぴで奈良・大阪を目指して走り、帰宅するのは11月4日となる。雑記も3日まではお休み。 |
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生教材を求めて、早朝多摩湖畔の緑地まで車を走らせた。先日雨も降ったので少しはきのこが出ているだろうと思ったが、やはり発生は悪かった。それでも、ベニタケ属、チチタケ属、テングタケ属、モエギタケ属など、10数種のきのこを採取できた。往復80Km、早朝のドライブだった。 |
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スッポンタケ(a, b)、スギタケ属(c, d)、チャヒラタケ属(e, f)、ベニヒダタケ、ヒメワカフサタケ、ツルタケ、など端正な姿のきのこもいくつかでていた。これから、これらのきのこを抱えて筑波までドライブ。月末の金曜日だから道路は渋滞が予測される。いつも通り2時間半で到着するのだろうか。出発までに検鏡が間に合ったのはスギタケ属(c, d)だけだった(下記)。どうやら、少しやっかいなスギタケ属のようだ。
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やばい! 朝カメラを持ち出すとき、バッテリ残量を確認した後、装着されていた記録媒体を初期化してしまった。スッポンタケを記録したコンパクトフラッシュは、先日福島県で一眼レフで撮影したときのものだ。その画像(RAWデータ)は、時間がなくまだ一部しかパソコンに転送していなかった。たった今気づいたが後の祭り。200枚ほどのデータが消えてしまった。今年二度目の愚行! あぁ嘆かわしい。アルツハイマー?が着々と忍び寄っている。 |
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普及した材の切り口からミミナミハタケ属の小さなきのこが出ていた(a, b)。カサ表面は肌色で細かい白色の毛に被われている(d)。ヒダの縁は鉅歯状(c)。胞子はとても小さくてアミロイド(e)。表面が平滑なのか微疣に被われているのかはよくわからない。
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ヒダ実質は錯綜型でアミロイド(f)。ヒダをスライドグラスに寝かせ、フロキシンでそめて3%KOHで封入して縁をみた(g, h)。保育社図鑑にあるように「ひだ実質およびかさ表皮の組織には,油脂様の内容物をもった菌糸(gloeohypha)がひんぱんに存在する」(i)。菌糸は二菌糸形(dimitic)で、クランプがある(j)。何とも妙だが、いくら探しても担子器をみつけることができなかった。透明ないし小さくて見いだせなかったのかもしれない。 保育社の検索表をたどるとキツネナミハタケ Lentinellus vulpinus に落ちるが、7年ほど前に日光で出会ったキツネナミハタケらしき菌とはかなり姿が違う(雑記2002.6.27)。同図鑑には、キツネナミハタケは国内では北海道でしか知られていないとある(伊藤, 1959)。しかし、北海道の気候とよく似た日光でなら、キツネナミハタケが発生しても少しも不思議ではない。ただ、今日観察したこのきのこは明らかにキツネナミハタケとは違うが近縁の種なのかもしれない。 |
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一昨日と昨日の二日間、福島県の高原で5人で勉強会を行った。台風性の強い雨と風のなか山を歩くとチャナメツムタケ、シロナメツムタケ、エノキタケ、クリタケなどのキノコがでていた。一部は夜きのこ鍋の食材になった。例年と比較すると発生はとても悪い。 そんな中で、何年ぶりかに多数のコウボウフデに出会うことができた。強い雨の中、傘をさして観察したり、嵐の後の好天の山でのんびり、じっくりとコウボウフデを観察しつつ楽しむことができた。室内での勉強会も充実して楽しめた。 |
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きのこの種類と数こそ少なかったが、紅葉がとても美しかった。先週の日光、塩原をはじめ、昨日の福島県でも、紅葉が例年になく鮮やかで、まさに錦秋の山を楽しめた。 | |||||||
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明日早朝出発して二日間、福島県浜通りに出かけての勉強会。天気はパッとしないようだ。昨年は10月28〜29日に行ない海浜生のキノコやコウボウフデに出会えた(雑記2008.10.30)。昨年とほぼ同じような時期だが、今秋は全般にきのこ不作、何か出ているとよいのだが。とりあえずパソコンと採集用具は持って行こう。帰宅は明後日の夜になる予定。
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出発準備のため、外出時に持ち歩いていた顕微鏡装着専用カメラを取り外したところ、10月12日に青森県下北半島むつ市の宿で撮影したシモコシの画像がでてきた。キシメジ属のきのこは、一般に大形肉質で優秀な食菌が多い。しかし、多くはシスチジアがなく、胞子は小さく単純な形をしたものが多い。つまり顕微鏡を覗いてもあまり有益な情報は得られない。 胞子は非アミロイド、ヒダ実質は並列型。カサ表皮は菌糸が平行気味に匍匐するが(i)、3%KOHで封入したら、バラバラになって立ち上がっていた(j)。 |
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10日ほど前に栗駒山の須川温泉に泊まった(a)。そのとき湿原脇でコケのなかに埋もれるようにでていたきのこを持ち帰った(b〜d)。持ち帰ったまま、紙袋に入れた状態で冷蔵庫の肥やしとなっていた。袋を開いてみると、少し縮れて乾燥気味とはなっていたが、まだ崩れきってはいなかった(e)。縦に切ってみるとまだ観察に堪えそうだ(f)。
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やや乾燥気味なので、ヒダの横断面は楽に切り出せた(g)。なぜかほとんどのヒダで先端が欠けている。ヒダ実質は面白い形の組織が錯綜して並列気味にならぶ(h, l)。ヒダをスライドグラスになすりつけてもほとんど胞子が落ちなかった。 ヒダの一部をメルツァーで封入して縁をみると、胞子が灰青色となった(i)。アミロイドだ。担子器の基部にはクランプがある(j)。カサ表皮は柔組織が縦に連なったような姿をしている(k)。ヒダ実質をはじめ、カサ肉や柄の菌糸にはクランプがある。シワカラカサタケのようだ。 |
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昨日日光から川俣温泉、塩原温泉、鶏頂山と回ってきた。どこも地表はよく乾燥していて、きのこの姿はほとんどなかった。ヒグマアミガサタケ、クチベニタケ、小形の落ち葉分解菌くらいしか出会うことはなかった。紅葉はどこも美事で、紅葉狩りの人たちで賑わっていた。
先日青森県産のマツタケを観察したが(雑記2009.10.6)、中国産のマツタケと比較してみようと、安価に出回っているものを買った。胞子紋をとるため、なるべくカサの開いたものを選んだ。イトーヨーカ堂系のディスカウント・スーパーで526円(a)。国産物の1/20〜1/30の価格だ。 |
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先日の国産マツタケは標本にしたが、観察の終わった中国産マツタケは、網焼きにして酒の肴にした。好みは人によって千差万別だが、マツタケよりもクロカワの方が美味い。 | |||||||||||||
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狭山湖畔の緑地にはヒメワカフサタケが多数発生している(a〜c)。サケツバタケやヒメヒガサヒトヨタケなどウッドチップ生のきのこばかりのなかで、土から出ているわずかなきのこのひとつだ。ちょっと見たところアカヒダワカフサタケと紛らわしいが、独特の甘い臭気でそれと分かる。 採集袋に入れたまま一晩放置したところ、今朝になるとヒダの縁が乾燥して崩れている(d)。やや乾燥すると、甘い臭気はさらに強くなっていた。胞子紋もたっぷり落ちていた。胞子はレモン形〜アーモンド形で表面には微疣がある(e)。胞子を消毒用アルコールで封入するとまるで違った姿となり、表面の微疣はあいまいとなり、全体が透けてみえた(f)。 |
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ヒダを切り出すと、懸念していたとおり縁が上手く切り出せない(g)。ヒダ実質は並行型で側シスチジアはない。あらためて、縁に重点を置いて切り、倍率を上げると縁シスチジアがみえた(h)。あらためてヒダを一枚スライドグラスにのせてフロキシンと3%KOHで縁をると、縁シスチジアが群生している(i, j)。カサ表皮には菌糸が匍匐し、菌糸表面には微疣や螺旋状の模様がみえる。いたるところにクランプがある。 同じ場所で外見のよく似たワカフサタケ属のきのこを梅雨の頃にしばしば見かける。梅雨の頃に出るものは、胞子の形やサイズこそそっくりだが、縁シスチジアの形がまるで異なり、ヒメワカフサタケではなかった(雑記2009.6.25)。 |
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初心者のための和文論文執筆講座−日菌報に日本新産種を書こう− 2010年1月16日(土)〜17日(日) [幼菌の会・菌類懇話会共催・日本菌学会協賛] の申込締切日10月30日が近づいた。一流の講師によるゼミ形式の講座で、まだ若干のゆとりがあるという。数少ないチャンスだといえよう。きのこに関心を持つ意欲ある方は是非とも参加してはどうだろうか(cf: 日本菌学会→集会・イベント情報→日本菌学会イベント情報)。
先日採取したサケツバタケはそのまま冷蔵庫に放り込んであった。今朝このきのこを検鏡して遊んだ。胞子紋は紫褐色、胞子は水封では紫色だが(b)、3%KOHでは淡茶褐色(c)、これに濃硫酸を加えると紫褐色になった(d)。 |
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サケツバタケは検鏡するまでもなく、目視ですぐに同定できるきのこだから、いちいち検鏡する好き者はほとんどいない。縁シスチジアに2種類があることや、側シスチジアは紡錘形のものだけであること、などを確認したことのある人は少ないんじゃあないかなぁ。 | |||||||||||||
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