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昨日、オドタケとニカワウロコタケを主たる目的として日光を歩いてきた。オドタケは2004年10月後半にミズナラ倒木で出会ったのが最後だった(雑記2004.10.23)。今年の猛暑で発生時期の予測がまったできなくなっていたが、ミズナラの巨木、立ち枯れ、倒木をじっくりと探索していった。最初に出会ったオドタケは巨木の高いところに発生していた(a, b)。4mほどの長い枯れ枝を探して突っついてみたが、カサの一部が崩れ落ちるばかりだった。検鏡のため、分離培養のため、あるいはDNA採取のための標本は採取できても、学術標本にはなり得ない。
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かなり歩いたあと、太いミズナラの倒木の洞(ウロ)に立派なオドタケが発生しているのを見つけることができた(c, d)。なかばあきらめていた矢先のことだった。ふと近くのハルニレの立ち枯れをみると、ニカワウロコタケがついていた。ニカワウロコタケはこの日既に他所で採取していたが、この子実体が最も整った姿をしていた。こられのきのこは帰宅後すべて乾燥標本にした。 | |||||||
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ゆえあって久しぶりにコケの葉やきのこをトレースした。いわゆる「きのこ名刺」「こけ名刺」に入れる図柄として、従来は写真の一部をトリミングして使っていた。しかし、どうにも面白くない。そこで、どうせなら写真をなぞってイラストにしてしまえ、と考えたのがいけなかった。 文字のアウトライン化や写真のトレースにはドロー系ソフトを使う。Illustrator や CorelDRAW だ。このたぐいのアプリに触れたのは7年ほど前が最後で、菌学教育研究会のロゴを作ったときだ。それいらい今日まで全く触れることはなかった。 |
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7年前に職場の Illustrator を使って顕微鏡(a)をトレースして、それを基にイラスト案をいくつか作った(b, c)。そして最終的に決まったのが(d)案だった。その菌学教育研究会も来年3月をもって解散が決まったので、このロゴを使うことはもうない。 トレースで最も多用するのがベジェ曲線だ。7年ぶりのベジェ曲線には最初少し戸惑ったが、すぐに体が思い出した。今回はフリーソフトの Inkspace を使った。Illustrator のペンツールはベジェ曲線が書きやすいが(e)、Inkspace にはちょっと癖がある。ひとつ前のハンドルがすぐに消えてしまう。違和感があったのは、7年前は Mac だったのが今回は Windows ということもあったのだろう。ショウゲンジひとつをトレースするのに5分以上もかかってしまった(f)。 |
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関東南部の里山、低地の雑木林などには全くきのこの姿がない。今朝も、薄暗い早朝、霧雨の中を川越方面に足を伸ばしたが、一部の硬質菌、ごくわずかの微細な落葉分解菌の他には何もみられなかった。往路はスイスイ、帰路は渋滞のうんざり路だった。 今月12日、13日の雑記の曜日が間違っていることに気づいた。念のために、HTMLファイル生成プログラムを見たら、曜日計算のアルゴリズムが間違っていた。9月11日以降の年月日に対して、本来の曜日よりも一日先の曜日が表示される。あきらめて手動で直すことにした。 |
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どうやら猛暑も一段落したようなので、久しぶりに早朝きのこを覗いて楽しんだ。先日富士山で採取したドクツルタケをスキャナーに並べて画像を得た(a)。現地で既に滴下して確認しているが、あらためて3%KOHをカサ表皮やヒダ、カサ肉や柄などにかけて黄変するのを撮影した。 子ヒダの形を比較してみた。大きなものと小さなものを親ヒダと一緒に撮影した(c, d, e)。子ヒダの柄に近い側はなめらかなカーブを描いている。同じテングタケ属でも種によっては、この部分が縦にすっぱり切れ落ちたような形となる。ツバとツボ、柄の表皮については省略。 |
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顕微鏡を覗いたところであまり意味はないが、ヒダの断面を切り出した(f)。ヒダ実質は緩い散開型(g)。胞子はアミロイド(h)。カサ表皮は平行菌糸被(i)。担子器は結構大きい(j)。久しぶりにきのこ虫とのバトルなしにじっくりときのこを眺めることができた。 | |||||||||||
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あまりの暑さに耐えかねて、またまた富士山に逃げ出した。終日見晴らしはよく南アルプスの展望を楽しめた。標高2,000mあたりまでいくと、日陰ではやや肌寒かったが、さすがに日向の直射日光下は暑かった。それでも、首都圏の都会と比較すると天国のようだった。
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きのこはとても少なかった。採る人が少ないのか、ショウゲンジばかりはやたらに目についた。今年はクロカワの発達が悪いようで、大形のものは殆ど見かけなかった。久々にツチダンゴから出たハナヤスリタケの仲間やオオモミタケにも出会った。 イグチ類も少なかったが、ウラグロニガイグチ、アメリカウラベニイロガワリ、バライロウラベニイロガワリ、ハナイグチ、アミハナイグチなどには出会った。テングタケ類はなぜか、ドクツルタケばかりやたらに多く、ベニテングタケなどには全く出会わなかった。一眼レフの出番はなかった。 |
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