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日( )
2010年12月10日(金)
 
走行300Km、収穫なし
 
 埼玉県と群馬県の山の中を走ってきた。予測どおり峠道は凍っていて通行する車は非常に少なかった。お目当てのキノコは見つけることができず、コケも期待していたものには出会えなかった。むかし叶山に登ったことがあった。石灰岩の大岩壁は以前のままだが、下から見上げる山頂部は掘り削られてすっかり様相が変わっていた。山頂部に通じる車道にはゲートがあって、採掘関係者以外は出入りできなくなっていた。私有地ではどうにもならない。
 双子山には登らなかった。往復300Kmほどの走行結果は、コンニャクイモと消石灰の購入、そして農産物直売所での野菜の購入、それがすべてだった。山には雪雲が漂っていた。

2010年12月8日(水)
 
冬季用タイヤに交換
 
 あまりにも温かい日が続いているせいで、車に限らず冬への準備はまだ何もしていない。気になっているきのこの様子を見に行こうとして、ノーマルタイヤのままだったことを思い出した。峠道は朝晩凍っている可能性が高い。場合によっては雪がついているかもしれない。
 そこで昨日、なじみのオートバックスまでタイヤを運んでいって交換してもらった。例年だと平日でも30〜40分は待たされるのだが、まだタイヤ交換をする人は少ないとみえて、待ち時間はゼロだった。昨夜から関東地方も気温が下がり始めたから、朝夕の山道は確実に凍結していることだろう。来年の5月頃まで冬季用タイヤで走ることになる(雑記2010.5.11)。
 ケシボウズ標本の整理が少しずつ進行し始めた。この冬の間に終わらせるつもりでの作業。

2010年12月7日(火)
 
非力ノートPCで検証
 
 非力なノートパソコンの可能性を判断するために PhotoRulerInkscape をインストールして試してみた。PCは、2年前2万2千円で購入したASUSの小さなパソコンだ(a)。ハードディスクの代わりに16GBのSSDが装着された WindowsXP 機で、メモリは1GB、画面は1024x600ピクセル(b)。PhotoRuler や Minitica(古典ギリシア語入力) を使うには Microsoft .NET Framework 2.0が必要だが、XP には入っていない。まずは Windows Update でこれをインストールした。WindowsVista や Windows7 ではもともと入っているのでこの作業は不要となる。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 稼働確認が目的だったので、初期設定などは無視して PhotoRuler を動かしてみた(c)。短時間に多数の胞子などを計測・記録するには不可欠のアプリだ。GNU のドローソフト Inkscape は起動にこそ多少時間がかかったが、思いの外軽く動いた(d)。ペンツールを使うにはノートバッドではなく、USBマウスを外付けにして使った方が楽だ。
 Minitica を起動するとキーボードからギリシア文字を入力できる。これを使って Word 上にスフィンクスという文字を入力してみた。これはとても軽くサクサク動く(e)。Inkscape が快調に動くので、同じ GNU のグラフィックソフト GIMP で画像処理をしてみた(f)。さすがにこれはあらゆる処理に時間がかかる。非力なPCによる画像処理はやはり現実的ではない。

2010年12月6日(月)
 
ようやく読了:初級ラテン語入門
 
 9月に始めた有田潤『初級ラテン語入門』をひととおり読み終えた(雑記2010.9.27)。目標より4〜5日遅れたが、何とかラテン語の基礎文法と基礎単語を一通り理解することができた。語彙を見たときに直ぐに辞書に掲載されている基本形が思い浮かぶようになったからだろう。学習前と比較すると、ラテン語の辞書を引くのが嘘のように楽になった。大収穫だ。
 今日からこの教科書の再読開始。年内には楽に読了できるだろう。一方、小林標『ラテン語文選』を読み始めた。この読み物の副題は『楽しく学ぶラテン語II』。著名な教科書の続編だ。文章が易から難へうまく配列されているのがありがたい(雑記2010.11.25)。
 植田かおり『古典ギリシア語のしくみ』は面白くて何度か読み返してしまった。「新書みたいにスラスラ読める!」は嘘ではなかった。年内の目標はギリシャ語の名詞・形容詞の格変化をわかるようになること。ややこしい動詞はとりあえず後回し。それにしても、まだまだお経を唱える日常からは離れられそうもない(家族が気の毒・・・・)。

2010年12月3日(金)
 
小さな脆いきのこ
 
 4〜5日前に公園の落ち葉の間から出ていた小さなきのこを持ち帰った(a)。落ち葉の下はウッドチップだ。隣接するカサには暗色の胞子紋がベッタリとついていた。ヒダは疎で、柄の基部には白色の菌糸がまとわりついていた(b, c)。数分間で胞子がたっぷり落ちた。ここまでは、採集したその日に行なったが、そのまま紙袋に入れて冷蔵庫に放置してあった。
 紙袋を開けると、まだきのこは比較的きれいな姿を保っていた(d)。先日カバーグラスにとった胞子紋をそのまま覗いてみた。胞子は意外と大きく、どうやら発芽孔もあるようだ(e)。ヒダを一枚スライドグラスに寝かせて(f)、縁をみると薄膜で透明な縁シスチジアがまばらにある(g)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 ヒダを切り出してみたが(h)、縁をみてもあるはずのシスチジアが見えない。何枚か切り出しても結果は同じだった。ヒダ実質は太くて短い菌糸が何となく乱れて並ぶ(i)。側シスチジアはみつからない。改めてヒダの縁から小片をつまみ出して押しつぶしてみた。シスチジアは少ない(j)。担子器の基部にクランプはなさそうだ(k)。カサの表皮細胞は偽柔組織が数層にわたって積み重なったようにみえた。胞子紋の色などからナヨタケ属のキノコのようだが、種まで探索するのは面倒だ。このあと廃棄処分した。紙袋の内側には胞子紋が黒々と付着していた。

2010年12月2日(木)
 
ギリシア語 何という変化表!
 
 『初級ラテン語入門』もようやく第29課を終えようとしている。この課から最後の34課までは、もはや暗記的要素は全くなく、接続法を駆使した統語法の修得が課題となっている。動詞の活用やら名詞・形容詞・代名詞の格変化の暗記がなくなったのでホットしたのも束の間で、「独立奪格句」やら「時制の照応」といったややこしい内容に手を焼いている。

 菌類関連で頻出するラテン語にはギリシア語由来のものがやたらに多い。これらの語彙の大部分は本格的ラテン語辞典にも載っていない。ところがギリシア語の辞書には単数主格や能動相直説法現在単数一人称の形しか載っていない。辞書を引くには、名詞と形容詞の格変化、動詞活用の知識が必要だ。せめてギリシア語辞書を楽に引けるようになりたい。
 教科書として選んだ池田黎太郎『古典ギリシア語入門』が数日前アマゾンから届いた。演習問題には解答例がついている。しかし、たかだか200ページほどの本のうち50ページを変化表が占めている。ギリシア文字の入力にはシェアウエアの Minitica (古典ギリシア語)、Spitia (現代ギリシア語) を使うことにした。書体に Palatin Linotype を指定し、作文には WZエディタか Word を、印刷には Word を使う。秀丸エディタではまともに表示されない(・・・自分のための覚書)。


2010年12月1日(水)
 
幼菌採取が肝心:××ヒトヨタケ
 
 先日見沼公園から持ち帰ったネナガノヒトヨタケ(あるいはウシグソヒトヨタケ)らしきキノコを覗いてみた。採取時には成菌のカサはまだ形を保っていたが、自宅に持ち帰った時点で既にドロドロに溶けて黒色インク状となっていた。このドロドロの液からは胞子は見られるが(g)、担子器やカサ表皮の構造などは全くわからない。現地で幼菌を掘り出して持ち帰っていた(b, c)。
 幼菌を縦横に切ってルーペで覗いてみた(d, e)。薄片を作って低倍率の顕微鏡で見ると、多数の側シスチジアがまるで水滴柱のように見える(f)。さらに倍率を上げると薄膜で風船のようなものや楕円体の柱のような姿を見せてくれる(h, i)。担子器もできあがっているが胞子の姿はまだない(i, j)。ヒダを一枚寝かせて顕微鏡で見ると、担子小柄が出っぱって見える(k)。カサ表皮は薄膜で平滑な太い菌糸が平行に並んでいる(l)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 ネナガノヒトヨタケかウシグソヒトヨタケのようだ。この仲間は成菌だけではなく幼菌を持ち帰らないと、子実層やカサ表皮の構造を確認するのが難しい(雑記2008.6.11同2009.6.13)。

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