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このひと月ばかりテングタケの仲間ばかり集中して観察していた。Hygrocybeの仲間は去年ネッタイベニヒガサの異形胞子と異形担子器をみてからフィールドでついつい手がでてしまう。久しぶりに先週採取したHygrocybeで、ひだ実質の構造、シスチヂアの有無などを観察してみた。 すっかり基本的な手順を忘れている。ひだの切片で縁シスチヂアを探していた。縁シスチヂアの有無や形を確認するには、ひだの先端部分をカットして軽く押しつぶして見る、ということも忘れていた。おまけにKOHを使用すれば組織がほぐれやすいということも忘れていた。 |
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今までは担子器の基部のクランプ (basal clamp) をなかなか観察できなかった。KOHで封入し組織をほぐし、フロキシンで染色すると今回の3種はけっこうきれいにほぐれ、確信をもって basal clamp をみることができた。今までは多分これだろうぐらいにしか見ることができなかったのである。写真もなんとかとることができた(d〜f)。小躍りしたくなるほどうれしかった。
今年の4月頃連れ合いに質問すると、きのこの顕微鏡観察は基本的にはこの手順でやるとよい、と1枚のメモを書いてくれた。縁シスチヂアで苦労していた時であった。@のみ見ていて他の項目はいいかげんにしか考えていなかったのだ。ちょうどよい、この機会だから菌学教育研究会の「顕微鏡の使い方」をじっくりと読んでみた。顕微鏡の使い方、きのこの観察の仕方を思い起こしてみると、けっこう間違っている方向に暴走していた。 (Y. A.) |
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スギタケモドキ(a)を日光で採取してから1週間強。そのまま冷蔵庫に放置したままになっていた。虫たちはしっかり生きていた。きのこのヒダはペシャンコになりかけ隣同士が癒着しそうな気配となっているが、カサの縁の皮膜やとげ状の鱗片、ツバや柄の鱗片も健在だ(b)。 胞子紋はほとんど落ちなかった。メルツァー試薬でも胞子の色はほとんど変わらない(c)。ヒダをなんとか1枚はがして、縁をみると縁シスチジアらしきものがある。透明で見にくいのでフロキシンで染めた(d)。次いでヒダの断面を切ってみた。やはりペシャンコになりかけたヒダは上手く切れない(e)。一部を拡大するとクリソシスチジア類似の側シスチジアも見られる(f)。 |
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クリソシスチジア類似のシスチジアをKOH(g)とフロキシン染色(h)で、同じく薄膜で透明な側シスチジアをKOH(i)とフロキシン染色(j)をして遊んだ。フロキシンを加えると、KOHだけのときよりコントラストが明瞭になって見やすくなる。菌糸にはクランプがある(k)。カサ表皮はクランプをもった細い菌糸が匍匐しつつ絡み合っている(l)。 やはり顕微鏡での観察は新鮮なうちにするのがよい。ところで、保育社図鑑には解説のあるスギタケ属について、そのほとんどに胞子やシスチジアなどの図が掲載されている。しかし、なぜかスギタケモドキにはそれがない。図の番号も359から361にとんでいる(p.206)。 |
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バックアップ専用に使っていた1TBのUSBハードディスクが、暑さのためクラッシュしてしまった。風通しの悪い書棚の隅に置いて、夜を徹して稼働させたことがいけなかったようだ。早朝妙な音がしてディスプレイからハードディスクの姿が消え、Windowsがフリーズした。パソコンとUSBディスクの電源を落として温度を測ってみた。パソコン本体内部の周辺温度が40℃だったのに対して、書棚周辺では45℃、ケース側面では60℃を越えていた。 さいわいにもパソコン本体と内蔵ハードディスクは無事だった。本体には、CPU、電源、ハードディスク、グラフィックボードに、それぞれ4つの大きな専用ファンがついている。このところファンがフル稼働していたせいか、パソコンがしばしば非常にうるさかった。 壊れた外付けディスクの仕様書をみると、正常稼働を保証する周辺温度について、「動作時 5〜55℃、非動作時 -40〜65℃」となっている。内蔵ディスクほど気を遣っていなかった。このところの猛暑と通風の悪い場所での使用のため、限界を越えてしまったらしい。あきらめてUSBディスクのケースを開けて内部のディスク本体を交換した。 今朝は新たにバックアップを開始した。ファイル数で約50万件、使用量で580GBほどあるので、すべてをコピーするには10時間以上が必要となる。コピーを開始して1時間ほどすると、ケースが触れないほど熱くなっている。慌てて冷蔵庫からアイスノン(保冷剤)を二つ出して、USBハードディスクをサンドイッチした。コピー開始から既に数時間経過する。アイスノンは30〜40分ほどで温かくなってしまう。既に何度交換したことだろうか。精密機器も猛暑には弱い。 |
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私のパソコンの設置場所は、連れ合いのと違ってとりわけ炎熱地獄である。連れ合いが冷暖房を嫌うので、わが家にもいちおうエアコンはあるのだが使わせてもらえない! 「雑記」に何か書いたら、と言われるのでなんとかしようと決心してみた。 保冷剤を膝の下に挟み、タオルで額にも巻き付けてパソコンの前に座ってはみる。猛烈な暑さのうえに苦手な文章書きなので、やはり逃げ出してしまうのだ。大好きなキーボード練習を兼ねたゲームすらやる気の起こらない炎熱地獄である。日常きのこ観察で記録しているといろいろ疑問が出てくる。連れ合いに質問すると「それを書けば」といつも言われる。でも、ともかくパソコンの前に座る気がしないのだ。 |
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3月から始めたデジカメ写真もかなり溜まってきた。自分のきのこ名刺には、自分で撮った写真を使いたい。それも写真撮影の目標の一つであった。最近は撮影のために連れ合いを待たせるということにも慣れ、連れ合いも慣れてきたようだ。最初の頃、連れ合いは自分が撮影すると私も撮影するということを忘れて採取してしまうことも度々あった。これなら名刺に使えってもいいかな、と思える写真がぼちぼち撮れる様になってきた。 「そろそろ一眼レフかね」とも言われるが、覚えたり練習の必要なことばかり。いい加減にあきらめてくらないかな〜、と思うのだが・・・。 (Y. A.) |
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日光ではニカワハリタケ、ムカシオオミダレタケ、ロウタケなどのキクラゲ仲間がかなりみられた。今朝はネコの舌つまりニカワハリタケで遊んだ。子実層のある下側の面をルーペでみるとまさに、ネコの舌そのものだ(e)。これをフロキシンで染めて縦切りにし(f)、三角錐をいくつか外して(g)、スライドグラスに寝かせ、カバーグラスをかぶせると見事に潰れた(h)。
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円錐の表面は子実層がグルリと取り巻いている(i)。担子器は長い柄を持った類球形で4室に分かれ各部屋から小柄をのばして担子胞子を放出する(j)。菌糸のクランプは細くてわかりにくい(k)。若かったのか胞子は充分には落ちず、分生子のようなものが一緒に多数落ちていた(l)。 | |||||||||||||
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昨日の早朝、狭山湖畔の緑地、川越の保護林と歩いてみた。一部の硬質菌ではわずかに幼菌もあったが、きのこの姿はほとんどない。すっかり虫に食われたムレオオイチョウタケ、成長できずにいじけたテングタケ属、別の菌に冒されたベニタケ属、などに混じって、ごくわずかにキツネノハナガサが3個体(成菌2、幼菌1)見られただけだった(a)。 キツネノハナガサを持ち帰ってきた。現地ではシャンとしていた子実体は、持ち帰った時にはすっかりクシャクシャになって、どこがヒダでどこがカサの裏側なのかはっきりしない状態だった。かろうじて、小さな幼菌が何とか比較的よい状態だった(g)。 |
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胞子は偽アミロイド(d)。若い胞子はフロキシンで内部がよく染まるが(f)、成熟したものでは内部にフロキシンは回り込まなかった(e)。小さな若い個体の頭部を輪切りにした(g)。ここから薄めの部分を選び(h)、顕微鏡で覗くと縁シスチジアと側シスチジアがみえた(i)。シスチジアは薄膜でボーリングのピン形(j)やら熱気球形(k)をしている。側シスチジアは縁シスチジアより大きく、薄膜嚢状をしている。カサ表皮は黄色の部分が類球形、それ以外の部分は菌糸が絡み合ったような姿をしている(c, l)。そうそう、ヒダ実質は並列型のように見える。 それにしても、キツネノハナガサやクズヒトヨタケ、ヒメヒガサヒトヨタケなどの検鏡は難しい(雑記2002.12.5、同2004.4.26、同2004.10.16、同2005.6.24)。胞子の観察には今にも崩れそうな成菌(老菌?)を、ヒダ実質やシスチジア、カサ表皮の確認には幼菌を使う。 |
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ふだんやらないことをいくつかやってみた。素材は先日の日光で採取したチチタケ属(a, b)。
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チチタケ属のこの節のきのこには、なぜかヒダ切片を切り出しても縁シスチジアを上手く捉えられないものが多い(h, i)。でも、たいていは縁シスチジアがある。ヒダを一枚スライドグラスに寝かせて縁をみると目立ちにくい小さなシスチジアが見つかる。透明でコントラストも弱いのでフロキシンで染めたが、それでもわかりにくい(j)。縁シスチジアには担子器と同じくらいの大きさのものから、倍くらいのものまである。カサ表皮はアイタケ型ではなく、平滑で細い菌糸が絡み合っている。KOHで封入して少しほぐさないと、構造がよくわかりにくい。 それにしても、チチタケの仲間の検鏡をすると、カミソリはすぐに切れなくなり、スライドグラスやカバーグラスは汁でベタベタになる。たまに珍しいことをするから余計にそれを感じた。 |
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「きのこ」がある種の隠語として使われていることは知っていた。昨日のこと、「きのこ」の画像検索をしているとき、うかつにもアダルトサイトへ導くリンク部分をクリックしたらしい。よくみると背景と似た色の小さな文字で「年齢認証 18歳以上 ◎」とあった。しまった!、と思ったが後の祭り。次の一瞬、怪しい画像が画面いっぱいに広がった。 ややあって中央に、「ご加入ありがとうございました。当サイトは有料アダルト動画サイトです。あなたのIDはxxxxxxです。本日から3日以内に指定口座にご契約金をお支払い下さい。入金が確認されれば、正式契約が締結されて動画を楽しむことができます。そして、この表示も消えます。表示が消えない場合は下記へお電話ください。」といった表示がでた。 よくみれば、ブラウザの右上隅にあるはずの「閉じる」アイコン「×」がない。強制終了しないと消せないので、やむなく CTRL+ALT+DEL キーでタスクマネージャーを起動してブラウザを終了した。そして、5分後くらいにパソコンの電源を落とした。
これで一件落着かと思いきや、そうではなかった。今朝Windowsを起動して、20分ほどすると入金促進画面が突然現れた。上記の表示に加えて、2日後の支払期限までの秒読みカウンターまで表示されている。強制終了しても20分おきに再び画面中央に出現する。インターネットから遮断しても事態はかわらない。どうやら、Windowsのレジストリが書き換えられたようだ。 いずれにせよ早いうちに処置しておかないと、パソコン内部の個人情報が読み取られて悪用される。残る手段はWindowsの再インストールだけ。そんなこんなで、今日は早朝からWindowsの再インストールと日常環境構築の作業で半日が潰れてしまった。あぁ〜くたびれた! |
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仲間4人で日光を歩いてきた。お盆帰省の前哨戦が始まっていたようで、早朝の東北自動車道には異常に車が多く、パーキングエリアやサービスエリアはどこも車で溢れていた。台風の接近で空は重苦しく雲が垂れ込めていたためか、日光の遊歩道に人は少なかった。 バスは休日ダイヤ。きのこがよく発生していた。バスを降り歩き出してすぐ、ほぼ50m四方の斜面には色鮮やかなきのこで賑わっていた。眺め、撮影していると、いつの間にか1時間が経過していた。これでは先に進めないと思い、多くのきのこを無視して歩くことになった。 |
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よく目立ったのはイグチ類、テングタケ類、モリノカレバタケ類だった。バスの窓からもすぐにわかったのはハナビラタケ(a)、久しぶりに出会ったのはニカワウロコタケ(b)。タモギタケ(c)、ホシアンズタケ(d)は最盛期を過ぎて崩れたものが多かった。カンバの倒木を広く覆っていたスギタケモドキは見事だった(e)。最も出会いの多かったのがヒメベニテングタケで、幼菌から成菌、老菌まで様々なすがたを見せてくれた(f)。濁った硫黄泉と引き上げ湯葉がよかった。 | |||||||
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顕微鏡画像にスケールを入れるのは、各倍率ごとにあらかじめ作成したものをクリック&ペーストで簡単に貼り付けられるからよい。しかし、三脚やズームレンズを使って撮影した画像にスケールを入れる場合は、人それぞれいろいろなやり方があろう。 |
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「きのこ雑記」では意識的にスケールは入れていないので、一例としてミズゴケ画像にスケールを入れる方法を示した。標本撮影では定規を一緒に撮影する(a)。それを元にバーを引く(b)。作成したバーを適当な位置にずらす(c)。指定サイズにトリミングしてバーを移動する(d)。バーの太さを指定幅(6pxl)に直す(e)。スケールにサイズを入れる(f)。昨日の雑記の(g)〜(j)も同じ手順で作成したものだ。なお、これらの処理にはPhotoshopElementsを使っている。 | |||||||
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