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画像にスケールを貼り付けるのに、たいていはバーを描きその長さを表示する文字を貼り付けている(g〜j)。顕微鏡や実体鏡で撮影した画像については、あらかじめ作成してレイヤー群として保存しておいたファイルから、該当する倍率のバーと文字をコピーして貼り付ける(k, l)。顕微鏡の場合はあらかじめ対物ミクロメータを各倍率で撮影し(a)、これを元にスケールを作成したものを使う(b, c)。実体鏡はズーム式なので、精密定規を各倍率ごとに撮影しておき(d)、これを元に作成したスケールを使っている(e, f)。
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顕微鏡や実体鏡のスケールファイルはこれまで、横バーを表示したもの(b, e)だけを使っていたが、縦に表示する場合面倒だった。以前はファイル自体を90度回転させ、そこからバーと文字をコピーしていた。そこで、縦でも横でも直ぐに利用できるファイルを作成した(c, f)。もちろん個別のレイヤーとなっているので、必要なスケールと文字をつまんで、目的のファイルに持って行って離せば直ぐにスケールが貼り付けられる。きのこでもコケでも事情は変わらない。 | |||||||||||||
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富士山ではベニタケ属やチチタケ属が多数みられたが、とにかく採取しないようにして歩いた。ところが、何度も何度も出会ってしまう始末の悪いチチタケ属のきのこがあった。やむなく、同一種と思える2個体だけを採取した(a, b)。帰宅して紙袋を開くまでは同一種だと思っていた。ところがヒダの一部を割ってみると、変色性がまるで違っていた(c)。
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両者ともキハツダケだろうと思っていたのだが、大きな方はムラサキイロガワリハツのようだ。OptioW90 をぶら下げていたにもかかわらず、現地でのメモ写真は撮っていなかった。また、キハツダケは幼菌らしく、胞子紋はほとんど落ちなかった(e)。
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キハツダケは傷つけると緑変し、縁シスチジアは小さくてわかりにくい。側シスチジアはまばらにあって、長く大きな鋭い針のようだ。それに対して、ムラサキイロガワリハツは傷つけると紫変し、縁シスチジアも側シスチジアもほぼ同じような形と大きさで、多数みられる。 それにしても、湿ったコケの中に頭だけ出した状態では、この二つのきのこは実によく似ている。両者とも色やカサ表皮の様子がよく似ているし、ヌメリがあってヒダの縁は巻き込んでいて、柄の表面にはあばたがある。富士山にはムラサキイロガワリハツがやたらに多い。 |
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富士山ではベニタケ属やチチタケ属が多数みられたが、結果としてほとんど採取はしなかった。この日は、最近購入したペンタックスの OptioW90 を首からぶら下げて歩いた。この日、きのこに関してはもっぱら OptioW90 オンリーでの撮影となった。せっかく持って行った一眼レフは、目的のコケに出会えなかったので、まったく出番がなかった。
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先月ミズゴケ撮影中に、リコーの GX100 を水没させて壊してしまい、しばしの代替え品として選んだのが接写と水に強いとされる OptioW90 だった。画質はお世辞にもよいとはいえず、GX100 と比較すると劣悪だ。それでも、薄型でケータイほどのサイズなのでメモカメラとしてはよいかもしれない。先週の雑記(2010.8.6)の画像も W90 で撮影したものだ。 上に並べたのは、富士山で出会ったベニタケ類の一部。それぞれ、ベニタケ類の三種の神器 FeSO4、Guiac、Phenol による呈色反応は異なる。ただ、いずれも持ち帰らなかったので、胞子やシスチジア、カサ表皮などがどうなっているのかはわからない。 |
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富士山は針葉樹林が広範囲に広がっているので、ちょっと歩けばすぐにヘラタケやコゲエノヘラタケにであうことができる。この仲間は、保育社図鑑ではテングノメシガイの仲間に入っているので、出会うととりあえず採取して観察したり、標本にもしてきた。 |
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これまでの雑記でも、ヘラタケは2006.8.27の雑記で、コゲエノヘラタケは2009.8.21の雑記でもミクロの姿を記している。今日の雑記には、胞子単体の画像は出さなかったが、両者共にまるで回虫か線虫のような姿をしている。子嚢はともに非アミロイド。
こうやって両者を並べてみると、あらためて光学顕微鏡の無力さを痛感する。光学顕微鏡による観察からは両者には差異はほとんどない。同様のことは、テングタケ属にもいえる。せいぜい胞子がアミロイドか否かくらいの違いしかない。胞子のサイズには変異が大きい。種の同定に関しては、顕微鏡観察はほとんど必要ない、あるいは無駄に近い。 |
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ここ数日自宅ベランダから富士山の姿がくっきりと見えていた。連日の猛暑に耐えかねて、昨日ついに富士山に逃げ出した。久しぶりにスバルラインを五合目に向けて走った。五合目駐車場からはるか手前で止められて、道路脇に作られた駐車場に駐めさせられた(a)。五合目登山口までは徒歩20〜30分。しかし、景観はすばらしく(b)、山頂も指呼の距離に見える(c)。
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十数年ぶりにお中道を歩いた。ベニタケ属、テングタケ属、クヌギタケ属のきのこが多数出ていることに驚いた。奥庭に向かうときのこの数と種類が増え、三合目付近ではさらにきのこが増えた。圧倒的に多いのはベニタケ属だった。バライロウラベニイロガワリ、ドクヤマドリ、ススケイグチ、ウラグロニガイグチ、イロガワリ、などイグチ類も15〜20種類ほど数えることができた。テングタケ属も10種類以上を数えた。驚いたのは既に多数のショウゲンジが出ていたことだ(d, e)。コケの絨毯に寝転んでまどろんでいると、下界の猛暑が嘘のようだった。 連日の猛暑でおかしくなっていたのだろう。現地で歩き始めて、コケの採取用具と富士山の地図を忘れてきたことに気づいた。GPSもなければ採取袋も不足気味だった。お目当てのコケは見つからず、やむなくきのこ30点、地衣類20点ほどを採取して帰宅した。コケは1点も持ち帰らなかった。こんなに沢山のきのこを持ち帰ったのは今年はじめてかもしれない。 |
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8月に入っても連日猛暑ばかりが続いていて、いっこうに雨が降らない。近場の雑木林や低山にもきのこの姿が全く見られない。噂で聞こえてくるのは、富士山四合目から上、北八ヶ岳の針葉樹林ではそこそこ見られるという。それもあって、ここ1週間ほどは、地衣類・蘚苔類の観察しかしていない。あまりの暑さで、海に出かける気力は全くない。まとまった雨が降るまで「今日の雑記」は「夏休み」といったところだ。 | ||
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