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日( )
2010年12月31日(金)
 
仕事納め?
 
 そろそろ顕微鏡を置いてある机の上も掃除しなくてはと思い、ふと脇をみるとケシボウズタケ (T. brumaleらしきもの) の標本が残っていた(a)。大発生していた個体群のすぐそばでみつけた幼菌もある(b)。ケシボウズタケは散発的発生しかなく、幼菌を見付けられないでいた。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 年末の掃除、料理の合間に3日ほどかかって担子器探しをしたが、これぞ担子器という切片は作れなかった(c)。明らかにグレバが白く、担子器がみられる状態のはずなのにである。KOHとフロキシンを使用したのだが、担子器はどうもフロキシンに染まらないようである。もっともケシボウズの仲間の顕微鏡観察は今回が初めてかもしれない(d)(e)(f)。今晩は見たいテレビ番組はないし、明日出かける予定もないのでまたまた担子器探しをしちゃいそうである。 (Y. A.)

2010年12月30日(木)
 
引落し請求金額にビックリ
 
 昨日届いたクレジットカード利用代金明細書をみてビックリした。支払日は1月11日で、額面が5万円を超えている。こんな高額利用は何年間もなかった。何かの間違いだろうと思いつつ明細をみて、ようやく納得した。円高に気をよくして海外の出版社から洋書を何冊も購入していた。とりあえずささやかな年金を引落口座に入金しておかないと大変だ。
 高額請求の主因は、希英辞典、希羅辞典など古典ギリシア語の辞書と文法書だった。古典語の辞書や文法書なんて普通の人には無用の長物だ。価格が高いのは需要と供給の関係か。独仏語や中国・韓国語だったらきっと2万円もあれば足りるんだろうなぁ。
 つい昨日、プリンタに不具合があって使えないことが判明した。電源を入れると「カートリッジに問題があります。プリンタの説明書を参照して下さい」と表示される。説明書を読んで対処したけれど、いっこうに埒があかない。買ったばかりの年賀状はまだ真っさらだ。あ〜ぁ!

2010年12月29日(水)
 
空しいウッドチップ
 
 さいたま市の自然公園を歩いてみた。例年なら元旦でもきのこがみられる。ヒラタケ、エノキタケ、シロフクロタケやらハタケチャダイゴケでも出ているだろうと思ってのことだった。落ち葉を踏みしめるとザクザクと音がした。落ち葉の下は一面霜柱だった。20分ほど歩いて出会ったのは、バフンヒトヨタケ、ネナガノヒトヨタケだけだった。カメラの出番は全くなかった。家庭菜園のための堆肥をもらうために出かけた形となってしまった。
 帰路ガソリンを満タンにした。ハイオクの価格はばかばかしい。この次車を買い換えるときには(そんなことがあればだけれど!)ノーマルガソリン仕様の車にするぞ、給油の都度そう思ってきた。ふとオドメータをみれば来春には20万Km超となりそうだ。

2010年12月25日()
 
100倍レンズで正確なピント合わせ
 
 海浜砂地にでたキツネタケ属で遊んだ。ヒダを切り出し(c)、カサ表皮をみた(d)。シスチジアの類は見あたらない。今朝の話題は胞子の計測。あらかじめとっておいた胞子紋から胞子のサイズを測ってみた。まず対物40倍で撮影した(e)。ついで対物油浸100倍レンズで、胞子の輪郭部(e')と表面(e'')に合焦したものを撮影した。
 
海浜のLaccaria (a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
 まずは上記三通りの画像をPhotoshopELで開いた(e, e', e'')。その画面上にPhotoRulerを、不透明度(Opacity)40%に設定して載せ、方形モード(Rectangular)で計測した(f, f', f'')。ついで不透明度を100%、つまりデフォルトの状態にした(g, g', g'')。測った数はなぜかいずれも19個。
 ひとつ計測する都度、PhotoRulerの左側画面には、次々に計測値が表示され、左下画面には最大値・最小値・平均値・標準偏差が次々と更新される(h, h', h'')。
 PhotoRulerでの画像計測にはいろいろなやり方があるが、ここでは半透明にして他のアプリケーション上の画像に載せて測る方法をとった。最初に撮影済み対物ミクロメータの目盛りを測って基準値を設定した。ここに掲載した画像の場合、対物40倍では41ピクセルが20μm(h)、対物100倍では52ピクセルが10μmとなった(h', h'')。
 
対物40倍で計測 (e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
対物100倍で計測
輪郭部に合焦
(e')
(e')
(f')
(f')
(g')
(g')
(h')
(h')
対物100倍で計測
表面部に合焦
(e'')
(e'')
(f'')
(f'')
(g'')
(g'')
(h'')
(h'')
 対物40倍レンズで計測したものでは、方形の平均サイズは9.40-8.85と表示された(h)。しかし、表面突起を含めた値か否かは不明瞭だ。一方、油浸100倍レンズで輪郭部を計測したものでは9.13-8.87と表示されている(h')。ここでは胞子表面の突起を除いて計測している。
 おなじ油浸100倍レンズでも、胞子表面に合焦したものでは8.24-7.48と表示された。ただし、これは輪郭部のサイズを勝手に想定(ねつ造?)して計測しているので、信頼性は非常に低い。胞子写真のピントが甘かったり撮影位置を間違った場合はこれと同じことが起こる。
 一般にきのこの胞子は小さいので、正確に計測するためには対物油浸100倍レンズを使う必要がある。対物40倍や60倍レンズでは誤差が大きい。また、常に同じ条件下で、胞子の輪郭部に正確にピントを合わせて計測する必要がある。目視での計測であれ、計測ソフトの利用であれ、まず正確なピントを合わせが大前提となる。

2010年12月24日(金)
 
再びラテンとギリシア
 
 生物系学徒のためのラテン語教科書は昔からいろいろあるようだ。『菌学ラテン語と命名法』はCD版のみとなったが(雑記2007.4.17)、古くは朝比奈泰彦・清水藤太郎『植物・薬物学名典範 −科学ラテン・ギリシア語法−』もよく知られる(a)。牧野富太郎が序を記し、本文は旧漢字カタカナなので慣れないと読みづらいが、内容は全く陳腐化していない。
 英語で書かれたものとして「BASIC LATIN for Plant taxonomists」は実践的なハウツー型の小冊子だが、文字がかすれて読みにくい(c)。著名な「Botanical Latin」には、ギリシア語系語彙の説明でギリシア文字がふんだんにでてくるが(d, e, f)、内容はいたって明快でわかりやすい。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 昨日の今日だが、ギリシア語逆引辞典を買った。態・時制・人称・格・原形がすぐわかり、楽に辞書を引ける。辞書を引ければ一人前、という言葉もある。これを使って難儀した読本に挑戦してみた。1ページを理解するのに要した時間は2時間ほどだった。威力絶大!
 高価な日本語の本を買ったのは失敗だった。西欧では Analytical Lexicon (逆引き辞書) が何種類も安価に販売されている。新約聖書はギリシア語で書かれている。キリスト教文化、古典語教育といった伝統圏では、アナリティカルはありふれた受験参考書のようなものらしい。

2010年12月23日(木)
 
読み物はいったん棚上げ
 
 古典ギリシア語の学習には池田『古典ギリシア語入門』(1998 白水社)と荒木『CDエクスプレス 古典ギリシア語』(2003 白水社)を選んだが、いまだに両者とも第7〜8課あたりをウロウロしている。教科書として選んだのは、練習問題に解答例があり、文字が比較的大きいからだった(雑記2010.12.2)。いずれも解説が簡略過ぎるため、すぐに詳細な文法書が必要になった。
 それにしても、『Liddell and Scott's Greek-English Lexicon』 は刷版の摩耗によるのか、しばしば文字がかすれている。しかも文字が小さく一目ではアクセント記号の種類も分かりにくい。いちいち拡大鏡が必要だが、英語だけでなくラテン語訳も記されているのでありがたい。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 基礎学習と並行して読本を読み始めたものの、この20日間に読めたのはたった2ページ。文法書にはひとつの動詞について6ページにもわたる変化表が載っている。これらと首っ引きで動詞の基本形を見つけ出し、ようやく辞書にあたることができる。内容を味わうゆとりなどまったくない。ばかばかしいので逆引き辞書(変化形から基本形を引く)が欲しくなってきた。
 とりあえず、しばらくは読本は棚上げにして、前述教科書の修得だけに絞ることにした。でも、なんでこんなこと始めたんだろうか・・・???

2010年12月22日(水)
 
「雑記」のファイル 4
 
 昨年に引き続き、今年も容量計算と主要分野の構成比を出してみた(雑記2009.12.22)。12月22日現在、「こけ雑記」をも含めた全占有量は2.3GB、ファイル数は89,445となっている。圧倒的に画像ファイルの占有率が高い。HTMLファイルの簡素化で、画像以外のファイルは減っている。

  2010年 2009年 2008年 2007年 2002年
「雑記」 全体 2.3GB1.9GB1.8GB1.2GB158MB
今日の雑記 927MB856MB850MB620MB74MB
こけ雑記  869MB554MB480MB250MB 

2002/02/06
2010/12/21
2009/12/12
2009/12/21
2008/12/23
2008/12/23
2007/12/12
2007/12/21

 それぞれの開始日と今朝までのアクセスカウンター値を、昨年同様に書き出してみた。「きのこ雑記」の寿命もそう長くはないだろうが、いましばらくは「今日の雑記」を随時更新していこうと思う。

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  今日の雑記      2001/04/24669,260
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こけ雑記      2006/09/0725,986

2010年12月21日(火)
 
クズヒトヨタケ (a)
 
 今の時期ヒトヨタケの仲間は持ち帰りやすい。他にきのこの発生も少なく、採取してから帰宅までの時間も短く、気温も低いので子実体がとけてしまうまで時間がある。幼菌を持ち帰らないとやはりひだ切片はなかなかつくれない。なんといっても小型のきのこで、しかも幼菌はさらに小型であるので、確実に観察しやすいものを選ぶのが難しい(b)。成菌の周囲の堆肥ごとごっそり持ち帰って実体鏡下で幼菌探しをしてみたが、ちょうどよい幼菌の採取は結局できなかった。何度かやってみるうちにほどよい幼菌を採取してもちかえることができるだろう。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
実体鏡下で傘表面とひだ側面にキラキラひかるものが沢山みえた。傘表皮の球形細胞(c)と側シスチジア(d)が光ってみえるのであろうか。側シスチジアは少なく、ブラッキーシスチジアの間から伸びる担子器が可愛いらしい(e)、胞子がなんとも愛嬌のある姿でおもしろく(f)、この胞子もみる角度によって形が変わるので計測するときに悩んでしまう。(Y. A.)

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