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山岳関連の本を処分して一定のスペースはできた。でも、それと一緒に自分の体の一部を捨て去ってしまったような虚脱感が残った。数年前に登攀用具や山スキー関連の道具を処分したときには、これほどまでには感じなかった。心の中にポッカリと穴があいたようだ。
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「キノコのフォトアルバム」に掲載されているきのこから、ある時期に一定地域で撮影された複数の特定種を抽出しようとしてはたと困った。以前なら、こんな場合コマンドモードのウインドウを開いて、「perl -e '...........;'」とやってリターンキーを押せば直ちに結果が得られた。「...........;」の部分にスクリプト(簡易プログラム)を書くのだが、これがすんなりと出てこない。 以前だったら1〜2分もあればできたはずの処理に、30分以上も費やすことになってしまった。あらためて痛感したことはPerlの基本仕様をすっかり忘れていることだった。思い返せば、2008年12月にも似たようなことがあって、一日かけてC言語とPerlの学習をしている。 |
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日常的にはPerlで書いたプログラムを使用するだけで、昨年はプログラムに手を入れたり修正したりすることもなかった。使わないものは次々と忘れていく。「老い」がそれに拍車をかける。老化防止の意味も含めて、今日から1週間ほどかけてPerl関係の基本書4点(a〜d)に一通り目を通すことにした。ありゃあ、4点合計で2,500ページを超えている。でも日本語だ。 | |||||
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先日リストアップした山岳図書の行き先が決まったので(雑記2010.2.10)、段ボールに詰めて送り出す前に、リストと現物との照合をした。230+60冊の古書は1箇所の書棚には収まらず、複数の書棚に散らばっている。リストと現物との照合はまるで「神経衰弱」ゲームをしているかのようで非常に辛かった。寒さに震えながら照合を終えて山岳古書を大形厚手の段ボールに詰めた。せっかく空いた書棚のスペースだが、あちこちに積み上がった文献類を納めるとすぐに満杯になってしまう。非菌類関連の文献を収納するスペースをどのように確保するかが問題だ。 10年以上使ってきたデスクトップパソコンを新しくすることになった。「10GBの大容量ハードディスク、256MBの大容量メモリ」が売りだったが、今となってはあまりにも貧弱だ。ネットサーフィンとメールだけなら使えるが、画像の保存や加工は難しい。思い切って新しいWindows7パソコンを注文した。本体39,800円+微変更料+税+送料などで、5万円ほどの出費となった。 |
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標本管理は原則として標本番号をベースにしてきた。PC上で標本番号をクリックすると、画像と記載の入ったフォルダーが表示される。たとえばNo.297をクリックすると、光顕画像、SEM画像、認識用画像、記載文などの情報が入ったフォルダーが表示される。 これをみれば記載文を読まずも、No.297はTulostoma fulvellum(タネミケシボウズタケ)だろうと見当がつく。詳細はテキストファイルを開けばよい。新たな標本をこまめに登録しておけば使い勝手はこの上ない。ところがそのつど登録するという作業は結構根気のいる作業だ。 |
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ケシボウズについてもここ数年分200点ほどが未登録状態だった。2月に入ってから毎日少しずつ、認識用画像を撮影しデータベースへの登録を再開しはじめた。当初はコンパクトカメラを手持ちで撮影していたが、ピントが甘かったり、孔口部の様子がはっきりしなかった。 そこで、スタンドにカメラを据え、照明も施して撮影するようになり(a〜c)、全体像や孔口の様子は分かりやすくなった(d, e)。当初はこの単調作業は非常に苦痛だった。ある時期以降エクセルファイルにも記録するようになり、生態写真にもリンクするようにした(f)。しかし、今ではエクセルファイルへの記入が最大の苦痛となっている。 |
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最近顕微鏡の見えがとみに悪くなってきた。一部のパーツを外してみたところ、レンズやプリズムに埃が多数付着している。レンズペーパーにアルコールをしみ込ませて拭き取っても落ちない。さらに悪いことには対物10倍レンズには黴びも発生している。かつて、対物レンズを分解して清掃したまではよかったが、元の状態に組み直すことができず、廃棄したことがある。 カビの発生したレンズは交換するしかないが、プリズムや対物レンズ内側の埃は専門家にメンテナンスを依頼するしかなさそうだ。そうなるとしばらくは、車載用顕微鏡を代理に使うことになる。メーカーが異なるので、スケールの作成など、対物ミクロメータを各倍率で撮影する作業から始めなくてはならない。これが面倒で、このところ放置したままになっている。 |
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『菌学ラテン語と命名法』は、アマチュア研究者や愛好家の間では広く普及して知れ渡っていると思っていた。でもそうではないらしい。絶版となっていた名著(a)が新たに電子版として甦ったのは2007年4月のことだ(b〜d)。この件については、2007年4月17日の雑記に詳しい。
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電子版には「英辞郎」などで名高いPDIC形式の辞書(羅-英-日、日-英-羅)として語彙が納められているので、WindowsでもMacintoshでも使うことができる("PDIC/Unicode Ver.5.4.9 "、"PDIC Viewer (for Macintosh)")。紙にプリントアウトして手元に置くのもよいだろう。菌類以外でも、蘚苔類やら地衣類の基礎文献(e, f)や専門書を読むのにも非常に役立っている。 今日は菌類懇話会の総会・講演会がある。今年の講演は青森の工藤伸一による「アカヤマタケ属と東北の珍しいきのこ」。詳細は「佐野書店ブログ(2002-02-08)」に詳しい。会員に限らず、一般の人の参加も歓迎とのことだ。講演を聴きに出かけるつもりだ。 |
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他にきのこがないので、今朝も一昨日に引き続いて冷蔵庫に保管のエノキタケで遊んだ。ヒダを一枚スライドグラスに寝かせて縁をみた。縁シスチジアは紡錘形やら便腹形をしている。縁シスチジアは、フロキシンで染めないと透明でとても見にくい(g, h)。ヒダの縁は乾燥して、茶色味を帯びて丸まっていたが、横断面を切り出してもやはり状態は変わらなかった(i)。
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ヒダ実質を確認し(k)、側シスチジアを探したが、ほとんど見つからない。何枚ものヒダ横断面を切るうちにようやく側シスチジアに出会うことができた(j, l)。とにかく側シスチジアは非常にすくない。担子器の基部にはクランプがあり(m)、一部の菌糸にはクランプがみられる(n)。 カサ表面にはシスチジアとも異形菌糸ともいえる色の異なる嚢状体がある(o, p)。柄の表面のモジャモジャは茶褐色の菌糸からなっている(q, r)。 |
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昨日は終日福島県の山の中を走り回って、ローカルな温泉を巡ってきた。帰宅すると走行距離は750Kmを越えていた。夜中に家を出てひたすら東北自動車道を北上した。二本松ICで一般道に降りて、土湯峠に向かった。路面はいつしか凍結面を新雪が覆った状態となり、やがて圧雪に変わった(a)。一般道を離れ、冬季閉鎖の道路や林道をスリップしながら雪面を走る(c)。すると道は突然終わりになる(d)。Uターンしてまた別の道に入る。山には大きな雪庇が発達し、いつ雪崩が発生しても不思議はない状態だった(e)。
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吾妻山周辺を離れてからは只見線に沿って南下し、山中の豆腐屋やら鄙びた温泉に寄りながら走った。主要幹線の道路に雪はなく、道脇の積雪は車の高さをこえていた(b)。地元の人しか知らない共同浴場は味わいがあった。更衣室は男女別になっているが、中の湯船は一つ。簡単にはたどり着けない道の奥にある(f)。雪道では、車の尻を振りながらひたすら追い越しては前に出る。久しぶりに松本時代を思い出しながら雪道を楽しめた。 | |||||||
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今月5日に採取したエノキタケを覗いて遊んだ。採取したきのこの大部分は食用に回し、一部をプラスチックケースに容れて冷蔵庫に保管してあった。今朝はそこから二つを横断面で切り出したり、ケースの底を白く染めた胞子を覗いてみた。
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採取から6日経過しているが、きのこは比較的新鮮な状態を保っていた(b)。カサと柄の横断面をみると、ヒダは上生〜湾生気味につき、柄は中空だ。ケースの底に白く張りついた胞子の層には、虫と泥が入り交じっていた。胞子紋は白色で、胞子は非アミロイド(d, e)。冷蔵庫の中で胞子が成長を始めており、菌糸を伸ばした状態のものがよく目立った(f)。 埼玉県南部は雨、北上したら雪だろうか。急に思い立ったので、これから東北自動車道を北上することにした。どこで一般道に降りるかは周りの積雪次第できめよう。 |
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