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このところひどい風邪に捕まって、熱と鼻水などのために集中力がまるでない。むろん外出もままならないから、きのこが出ていようと全く関知せずだ。まとまった読書はできず、顕微鏡を覗くこともままならない、そこで講談社のブルーバックス「見て分かるDNAのしくみ」を買い、収録されたDVDを見て楽しんだ(a)。思いがけず充分楽しめる内容であることを知った。
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この本が刊行されたのは2007年12月だから、すでに満2年以上前のことだ。発刊のことは知っていたが、どうせたいした内容ではなかろうと思い、当時は手にとってみることもしなかった。何も考えずにボーっと眺めようと買ったのだが、収録されたDVDをみて驚いた。 DNAとは何かから始まって、その具体的な働きや、正確な複製のしくみ、損傷箇所を修復する巧妙な機構、減数分裂のしくみなどを、非常にゆっくりとした調子で、BGMと美しい映像を楽しみながら理解できるようになっている(b〜f)。 一方で、科学的な知見を映像で表現することの困難さと制作者の苦労を感じた。生き物を観る目を忘れて、DNA分子断片の文字列解析と系統樹にばかり目がいきがちな昨今だが、あらためて生き物の多様性を作り出してきたDNAというものを再認識することができた。 |
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満開の後に低温が続き、今年のサクラは花季の寿命が長い。サクラ樹下のアミガサタケも寿命が長く、まだまだ最盛期が続いているが、都内では銀杏樹下のトガリアミガサタケがほぼ終わりを告げている。小金井界隈の神社でも銀杏樹下の落葉溜まりに、高さ30cmを超える大きなトガリアミガサタケが多数でている。全般的に今年のアミガサタケ類は大きい。 |
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外見は乾燥気味でやや褐色を帯びていても、切断してみると肉はしっかりして新鮮だった。小さく切り刻んでフライパンで炒めてみた。 | |||||||||
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実体鏡撮影のサブシステムとして利用していたデジカメCAMDEIA5060WZが急に反応しなくなった。メニューから選択するため十時ボタンを押しても全く動かない。電源オンとシャッターボタンは無事だが他の機能は全滅だ。ひと頃は実体鏡撮影や顕微鏡撮影の中心システムとして使っていたものでずいぶんと役立ってくれた(雑記2009.1.2、同2005.2.3)。 最近5〜6年間ほど全く故障知らずだったが、そろそろ寿命なのだろう。修理見積書によれば、基盤交換が必要で代金は中古品相場の倍以上になる。これはもう廃棄しかない。サブシステムで使用する撮影装置は新たに考えなくてはなるまい。デジスコで定評のあったCOOLPIX P6000が修正アダプタを介して取り付け可能という。 テレビをデジタル化したことに関連して、VHSのビデオデッキも廃棄した(同2010.3.26)。VHSテープも大部分はゴミとして処分したが、空撮シリーズ『北アルプス』とか中島みゆき『夜会』(Vol.4〜7)など惜しい物がいくつもあり、一部はいまだ捨てきれずにいる。 |
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先日のベニタケ属のきのこを捨てる前に顕微鏡で覗いてみた。胞子はメルツァー(a)とフロキシン(b)。ヒダを一枚スライドグラスに寝かせて縁をみるとシスチジアが多数ある(c)。そこで、ヒダ横断面を切り出してみた(d)。杉か檜の花粉が付着している。
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相対的に縁シスチジア(e)は側シスチジア(f)より大きめのものが多い。担子器は大きいので油浸レンズにせずとも細部まで観察できる。ここでは油浸100倍を用いた(g, h)。カサ表皮は水で封入してもはっきりせず(i, j)、フロキシンで染めた後KOHで封入すると明瞭になった(k, l)。キクラゲの担子器に似た形のカサシスチジアが多数ある。カラムラサキハツかその近縁種のようだ。 | |||||||||||||
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突風の後の気温上昇で埼玉県南部の見沼代用水沿いのサクラ並木も急に満開となった(a)。サクラ樹下にはアミガサタケが次々に出始めた(b〜d)。一方銀杏樹下に出ていたトガリアミガサタケはそろそろ終わりを告げているようだった(e)。そして、相も変わらず見沼のウッドチップ公園にはいたるところにネナガノヒトヨタケないしマグソヒトヨタケらしききのこが群生している(f)。
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3月の気温が低かったせいか、今年はキツネノワンの発生が芳しくない。最盛期はこれからなのだろうが、昨日の時点では、見沼地区数ヶ所で一つの発生もみられなかった。 | |||||||
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一昨日茨城県の霞ヶ浦に面した歩崎公園で、スダジイの幹にできた小さな洞から淡肌色のきのこが出ていた(a, b)。カサはすっかり泥をかぶり(b)、透明感のある柄が際立っていた(c)。ヒダの付き方は上生〜離生(d)。ベニタケ属のきのこらしい。1cm角ほどの小片を齧ってみると、舌先が軽くしびれるような辛みがあった。そのまま飲み込むと、後になって胃がムカムカした。
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持ち帰ったきのこは淡肌色からやや変色しており、カサ表面は紫色〜淡緑色を帯びていた。カサとヒダにベニタケ属ではお定まりの硫酸鉄、グアヤク、フェノールをかけてみた。5分経過してもグアヤクの部分が若干緑色になった程度で、他の試薬を滴下した部分に変化はなかった。30分ほど経過するとグアヤク部分は緑色に変わり、フェノール部分は茶褐色に変色した(e, f)。硫酸鉄の部分にはほとんど変化はみられなかった。 | |||||||
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今の時期、キブシは黄色い花をつけて遠目にもすぐわかる。また、ニワトコも若葉をつけて目立ちやすい。どちらも林道脇やハイキングコース脇の開けたところによく出るので楽に見つけることができる。今年もまたピスを採取するつもりで、昨日茨城県の山中を走り回った。 ニワトコもキブシもいくらでもあった。しかし、適当な太さの髄をもった枝をつけた樹にはまったく出会えなかった。良い枝をつけた樹は、背丈がとても高くて届かなかったり、急峻な崖の途中から出たものばかりだった。鋸の出番はほとんどなく、300Kmほど走り回ったにもかかわらず、たった1本のピスも得られなかった。収穫ゼロは初めての経験だった。 きのこはない、ピスは採れない、風は強い。持ち帰ったのは霞ヶ浦湖岸で採取したツクシンボウだけだった。久しぶりに沢山とった。遅くまでツクシンボウの袴採りに追われた。 |
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もう数十年来のことだが、この時期になると、四谷駅で電車を降りて、馴染みの老舗「わかば」で鯛焼きを買う(a)。それを頬張りながら上智大学から続くサクラ堤を歩き(b)、靖国通りの桜並木を楽しみつつ(c)、靖国神社脇から千鳥ヶ淵に出る(d)。ボートに乗って水面から見上げるサクラは逸品だ(e)。堀の斜面にはスミレや山吹に隠れるようにアミガサタケが出る。 千鳥ヶ淵からは靖国神社の大銀杏の下を歩き、九段下から神保町の古書店街に向かう。古書探索の後、小川町を経て萬世橋を渡り(f)、秋葉原にでて電気街でジャンク品を漁る。萬世橋脇に交通博物館があった頃にはそこでさらに1〜2時間を過ごした。 |
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水面からのサクラは満開が最良だが、予測では混雑する週末となり雨も懸念される。そこで、まだ三分咲きの時期を選んだ。寒さがたったのか、アミガサタケは見あたらなかった。 | |||||||
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