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気温も上がった。雨もよく降った。でもきのこの姿がない。多摩湖畔の緑地を歩いてみた。地面や転がっている材には適度の湿り気が感じられる。ところが、ウッドチップも寂しい状態だ。ナヨタケ属、コガサタケ属、フミヅキタケ属も見られない。 マツの倒木や切り株にマツオウジが、コナラの腐朽木にウラベニガサ類がでている。これらは関東地方では、一定の湿り気さえあればいつでも見られるきのこだ。 |
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以前はこの時期になると、ヒロハシデチチタケ、サケツバタケ、コザラミノシメジなどが見られたのだが、最近は全般的にきのこの姿は少なくなってきた。かつてはよい観察ポイントだったさいたま市の秋ヶ瀬公園でも、最近はきのこの姿が非常に少なくなっている。 | ||||||
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いわき市四ツ倉のしいたけほだ場傍にで出ていたチャワンタケ仲間を検鏡した(a, b)。なんとなく側糸というのは細い棒状と勝手に思っていたので、この側糸にはびっくりした。子嚢盤の縁を観察していて変な組織があるのに気づいた。切断の仕方が悪くて托髄層の球形細胞が混入したのかとはじめは思ったが、縁を構成している菌糸のようである。球形細胞が数珠状になっていたり、先端組織は細い棒状でもその下はシリンダー状で隔壁部がくびれてみえるものがある(c, d, e)。 |
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肉眼的にはオオチャワンタケに近いのでは、と連れ合いにアドバイスを受けていたが側糸の形態でぶっとんでしまった。側糸、胞子の形態からはPeziza variaに近いように思われた。これはスイスの菌類図鑑 I No.53と「British Ascomycetes」で調べた結果である。特徴の一つとして、子実体の断面の中間にある色素が濃い部分の菌糸が長いと書いてある。しかし、亜球形の細胞しか観察できなかった(g, h)。 P. variaは「日本産菌類集覧」には掲載されていない。このチャワンタケ仲間の観察をはじめてから5日もかかってしまった。横文字の記載文を英和辞典を引き引き読むのに時間に大半をとられて、やっと原稿を書き始めることができた。「知りたい」という欲求が強いためか今までより辞書引きの「お苦しみ」が少なくなっていた。 (Y. A.) |
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先日採集したオオズキンカブリタケは老熟し崩れたものばかりだった(a)。子実層も崩れているが、何とか切ってみた(b)。メルツァー反応は陰性(c)。側糸には先端がやや膨潤したものもある(d, e)。大部分の子嚢には胞子は二つしか含まれていないが(f, g)、随所に三つの胞子をもつ子嚢もある(h, i)。胞子の観察は対物40倍レンズで十分だ(j)。油浸レンズを使う必要はない。
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10年ほど前、初めて撮影した顕微鏡写真がオオズキンカブリタケだった(雑記2001.4.30)。当時の画像は、コンデンサーを絞り過ぎたものが目立つ。この頃はオリンパス製の単眼顕微鏡を使い、撮影にはニコンのデジカメCOOLPIX950を使っていた。接眼レンズにレンズ保護用フィルターを密着し、それをビニールテープでぐるぐる巻きにして、デジタルカメラを顕微鏡に装着した。安直な簡易アダプタの総経費は1,200円ほどだった(同2002.5.23」)。 | |||||||||||
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1週間前に訪れたにもかかわらず再び日光を歩いてきた(雑記2011.5.10)。もう終わっていると思っていたが、シャグマアミガサタケがよい状態で残っていた(a)。先週は小さな幼菌しかみられなかったオオシャグマタケは成菌も出ていたが、例年と比較して発生が非常に悪い(b)。 先週全く見られなかったテンガイカブリタケは、既に発生を終えていた。わずかに見られたのはかなり乾燥して今にも倒れそうなものだけだった(c)。オオズキンカブリタケは最盛期を過ぎて半乾燥標本となったものや崩れたものばかりとなっていた(d)。キツネノヤリタケとキツネノワンが最盛期だったが、アミガサタケは大部分が高さ1〜2cmほどの幼菌だった。 |
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先週乾燥気味だったタモギタケの幼菌はすっかり乾燥標本化していた。残雪が遅くまで多量に残り、その後は雨量が少なく低温が続いたせいか、きのこの発生は例年とはかなり異なるようだ。桜は先週硬いつぼみ状態だったが、昨日は多くの場所でようやく開花し始めていた。 | |||||||
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パソコンの中で辞書を引く場合たいていはPDIC Unicodeを使う(k, l)。ここには『CD版 菌学ラテン語と命名法』から羅英和と和英羅の辞書を登録してあるので、菌類文献を読んだりするのに不便はない。ところが外出先で辞書を引きたい場合はそうは行かない。 5〜6年ほど前までは研究社『新リトル英和辞典』を常に持ち歩いていた。使い始めて既に40年を超えているのでかなりガタがきている(a)。2004年に小学館『SPED EOS』を購入してからはこれを持ち歩くようになった(b)。しかし新リトル英和に比較して分厚くボテっとして重い。 そこで3〜4年前から携帯電子辞書を持ち歩くようになった。今使っているCASIOのEX-wordシリーズXD-SW9400(c, i, j)には、菌学ラテン語(d)や保育社『原色日本新菌類図鑑I, II』、同『日本蘚苔類図鑑』、平凡社『日本の野生植物 コケ』の3冊の内容も収録してある。 |
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小さくて軽いだけではなく文字のサイズもワンタッチで変更できるのはありがたい。保育社図鑑のクリイロイグチ属の解説(e, f)、ムラサキミズゴケの解説(g, h)を出してみた。 ただ残念なことに、これらの収録テキスト類には、単語を検索するようなキーを付けられない。したがってもっぱらページめくりキーを何度も押して該当ページにたどり着くしかない。それでもやはり何冊もの図鑑類を持って歩くことに比べたら圧倒的に便利だ。 |
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明日から大学のギリシア語講座を受講するので、今日の内に名詞・形容詞・動詞など一通りの変化形を確認し、構文法概念の整理をしておく必要がある。それに先だってわが身のためにメモを残しておくことにした(雑記2011.3.6、同2011.4.25)。 昨年12月から学習を続けてきて古典ギリシア語の全体像がようやくみえてきた。日本語で書かれた古典ギリシア語の教科書には優れた書が多いが、独習者に配慮して練習問題に解答例を付したものは以下の3点しかない。当初(I)をベースに学習を開始し、すぐに(II)を併用するようになった。(II)を一通り読了したところで、例文と練習問題の豊富な(III)を追加した。 |
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(I)を終始メインの教科書として使ってきてようやく残りあと2課となった。もはや暗記的要素はほとんどなく、今は統語論と修辞論で難儀している。練習問題はやや少ないが厳選されている(b)。ただ、変化表の組み方が中途半端で(d)、不規則変化動詞のリストにいたってはあまりにも小さな字で組まれていて拡大鏡が必要だ(c)。さらに誤植も結構残ったままだ。 (II)は全体が180ページ足らずで薄くて手頃に思えたが、韻文主体であり解説もあまりに簡略過ぎるので、理解困難なまま例文を暗唱するだけになりかねない。ただ、例文や練習問題のギリシア文をCDで繰り返し聞くことができることは大きな魅力といえる。 (III)は今年の3月から使い始めたが独習書としては最もよくできている。例文や練習問題も豊富で、解答例も適切だ(b'', c'')。ページ数は466と最も厚く、解説も上記2書と比べて圧倒的に詳しくわかりやすい。変化表も見やすい(d'')。ただ最大の難点として文字が小さいこと。このため、拡大鏡を使っても気息記号やアクセントの種別が判然としない語がかなりある。 結果として初めて古典ギリシア語を学ぶには、(I)で言語の全体像をさっと把握し、次いで豊富な例文と練習問題を備えた(III)をメインに本腰を据えて学ぶのが適切に思える。表題にある「四週間」で読了できるのはよほどの才能・素質を備えた一握りの人だけだろう。 |
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昨日はクラッシュ間近と思われるハードディスクの交換で、長時間の作業を強いられた。OSとアプリケーションを新しいハードディスクに移し替え、データ類をコピーする作業だが、リカバリーに等しい作業をすることになり、うんざりしながらの作業だった。
今週末に東京農大で行われる日本菌学会関東支部の年次大会では、「話題提供講演−菌類分類学を取り巻く最近の動向−」として、理研の岡田 元氏による講演「多型的生活環をもつ高等菌類における二重命名法と統一命名法の概略と最近の動向」がある。国際植物命名規約と菌類を巡る最近のホットな話題で、是非とも聞きたいテーマだ。 |
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パソコンから耳障りな異音が出るようになって数ヶ月になる。ブーンと唸るような音が波のように大きくなったり小さくなったりする。電源投入時が特にひどい。いくつかあるファンや電源は静かで異音はしない。特に今朝はブーンという音に混じってカラカラという音も聞こえる。カラカラ音が大きくなるとたいていは遠からずハードディスクがクラッシュした。 パソコン内部には320GBと1TBの2台のハードディスクが内蔵されている。カラカラ音がするのは起動ドライブのある320GBの方だった。最近1ヶ月ほどバックアップをとっていなかったので、今朝はまず外付けUSBハードディスクに全データをコピーし、Acronis True Image で OS のバックアップをとった。そしてAmazonに内蔵ハードディスクを注文した。 2TBのハードディスクが6,000円台ということに驚いた。ディジタル録画の媒体としてハードディスクが使われるようになってから、ますます安価になったらしい。明日注文したハードディスクが届いたら、早速交換してシステムとデータを書き戻さなくてはならない。 |
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