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先日採取したマントカラカサタケの胞子とヒダを検鏡してみた。カバーグラスに落とした胞子紋を水道水で封入すると、厚壁をもった楕円形の胞子が見えた(a)。カラカサタケの胞子とよく似ている。この属の胞子には発芽孔があるのだが、水封ではよく分からない。 メルツァー液で封入すると偽アミロイド反応を示し、発芽孔が何となくわかるようになった(b)。フロキシンで染めてKOHで封入するとやや鮮明になった(c)。写真(b, c)で青色矢印が発芽孔を示し、緑色矢印が担子器に繋がっていた部分だ。写真(c)は濃硫酸で封入したもの。 |
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ヒダの切り出しはうまくいかなかった(e)。縁シスチジアの有無ははっきりせず(f)、子実層托実質の様子もよくわからない(g)。ヒダをスライドグラスに寝かせて縁をみても、縁シスチジアの有無はやはりよくわからない。担子器の基部にクランプがあるかどうかはわからない(i, j)。 | |||||||||||
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今朝am4:00に出立し、am6:30には山梨県の一ノ瀬高原に到着した。思いの外順調に走れ、予測より1時間ほど早く現地に到着した。ところが、いくら歩いてもきのこがほとんどない。そこで東京に戻って、奥多摩湖から都民の森に上ってみた。ここにもきのこの姿はなく、御前山と三頭山を結ぶ稜線状の鞘口峠を巡る単なるハイキングになってしまった。 山間部や亜高山帯できのこが見られないので、首都圏近郊の緑地に舞い戻った。東京と埼玉の県境にある野山北公園を歩いた。赤坂駐車場近辺にはドクツルタケなどごくわずかのきのこしかない。昨日の川越市などの雑木林とは大違いである。ついでカタクリの湯駐車場に移動してみると、多くのきのこが出ていた。多くがカビにおかされて白色となっていた。しかし、20分ほど歩くと10〜12種ほどのきのこに出会った。滞在は短時間にして昼過ぎには帰宅した。 |
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もっとも印象的だったのはマントカラカサタケだった(a, b, c)。柄の基部は膨潤している(d)。まだ充分に開ききっておらず、ヒダの部分は内被膜にすっかり被われていた(e)。しかし約1時半間後に帰宅してクーラーボックスを開いてみると、カサは広がり半分ほど内被膜が外れていた(f)。 | |||||||
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埼玉県南部から西南部の雑木林を歩いてみた。イグチ類、テングタケ類、ハラタケ類などの大型菌があまりにもたくさん発生しているのに驚いた。しかも多くが夏のきのこだ。 特に目立ったのがミドリニガイグチ(a)、キアミアシイグチ(b)、ムラサキヤマドリタケ(c)、ヤマドリタケモドキ(d)、フクロツルタケ(i)、シロオニタケ(j, k)、ハラタケ(p)だった。少なくとも十数個以上の子実体に出会った大型菌だけに限定して画像を掲載した。 写真こそ掲載しなかったが、この他にもウラムラサキ、イタチタケ、ハナオチバタケ、スジオチバタケ、ベニタケ類、アセタケ類、ハラタケ属、イッポンシメジ属などに多数出会った。 |
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強い雨風の影響なのかひどく汚れたきのこ(m, n)や腐敗しきった大きなきのこも多かった。しかし、たまたま入った複数の雑木林のどこもがきのこで溢れていた。これほど多数のきのこが発生しているのを見たのは何年ぶりかのことだった。軟質菌だけを取り上げたが、今朝最も多数出会ったきのこはボタンイボタケ(r)だった。 | |||||||||||||||||||
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先日雨の富士山で端正な姿のハナガサタケに出会ったので一部を採取してきたが、状態はあまり芳しいものではない。処分する前に検鏡写真を撮ってみた。ハナガサタケのミクロの姿を撮影するのは三度目のことになる(雑記2010.10.3、同2009.8.29、?同2005.8.26)。 |
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胞子紋がなかなか落ちず、複数個体の複数個所から採取を試みてようやく採れた(c)。すでにヒダはビショビショ、ベチャベチャで切り出しに難儀した(d)。ヒダの切断面には、縁にも側にも同じような形のシスチジアが見られ(e, f)、薄膜のもの、クリソシスチジア、微粒子の充満したものと3パターンある。ヒダを一枚スライドグラスに寝かせてみてもそれはわかる(g)。菌糸にはクランプがある(k)。カサ表皮の構造は明瞭に捉えることができなかった(l)。 | |||||||||||||
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土日にきのこ仲間が河口湖町に集まった。今年で三回目の富士山観察会だ。三重県勢を中心に、兵庫、長野、埼玉、茨城などから20名以上が集まった。高速道路があちこちで寸断されたり、富士吉田に通じる自動車専用道や国道が閉鎖となったりして、一時は無事に集まれるのかどうか心配されたが、結局予定のメンバー全員が土曜日に集まることができた。
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台風性の強い雨風のため富士スバルラインは不通。ドル箱路線の中央自動車道が不通のため、富士山北面周辺の観光地はどこも閑古鳥が鳴いている。西湖周辺や、なるさわ道の駅でもわずかのきのこが見られたが、総じてきのこの姿はとても少なかった。 富士山の北面、標高1,000〜1,800m界隈を歩くと、オオモミタケ、クロカワ、ショウゲンジ、亜高山性のイグチ類なども見られた。薄暗い森のなかでハナガサタケやホウキタケ類が鮮やかな色を見せてくれた。帰路は大回りだが、東名自動車道の富士宮インター経由で帰宅した。 |
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先日日光で出会った暗褐色の子嚢菌で遊んだ。子実体の断面には子嚢が少なく、まだ完熟状態ではなさそうだ。水道水やKOHで封入すると胞子は小さな気泡で満たされている(d)。そのままエタノールで置き換えると内部の様子が変わった(e)。改めて子実層をコットンブルーで封入してみると、胞子表面には縦の隆起ないし溝があることがわかる(f)。 類球形の塊の断面はまるでサラミソーセージのようだ(i, j)。根状菌糸束の内部は白色〜暗肌色ゼラチン質で、隔壁のない菌糸が充満している(k, l)。類球形の塊内部の白色部もほぼ同様の菌糸からなっている。ミミブサタケ属 Wynnea の子嚢菌らしい。根状菌糸束はナラタケのものと思われる。塊状の部分にはナラタケが深く侵入しているのだろうか。 |
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今日はこれから富士山。三重県勢は既に御殿場を通過したようだ。台風がどう動くか? |
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さる7月31日国際植物学会での決議(メルボルン)の核心部は以下の項らしい。規約の名称も国際植物命名規約から藻類・菌類・植物国際命名規約と変更された。Resolution 5大きな変更は三点、(1) 新種報告は電子出版の論文でもよい、(2) 新種の報告は英語でもラテン語でもよい、(3) 菌類に於ける二重命名法の廃止。アマチュアに最も関わりの大きいのは(2)だろう。従来新種報告にはラテン語記載という壁があった。その障壁がなくなるのだから、新種報告と新産種報告との間の壁がかなり低くなる。 ではラテン語の知識は不要になるかというと、そうや問屋が卸さない。確かにラテン語作文能力は不要になるかもしれない。しかし過去の膨大な文献の多くがラテン語で記載されている。種の検討に文献を避けて通れない以上、いやでもラテン語の読解力はやはり今後も必要だろう。 | ||
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昨日仲間四人で日光を歩いてきた。台風接近の悪天候のため人出は少なく、バスは往復とも貸し切り状態だった。例年に比較するときのこはかなり少なかったが、和名をもったきのこ40数種類に出会った。標本として持ち帰ったきのこは数種類だった。
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天候不順のためかツノシメジの発生が遅く、例年なら7〜8月に最もよく見られるのだが、今年はかなり事情が違う。つい最近になってようやく発生が始まった(a, b)。スギタケ、スギタケモドキ、ヌメリスギタケ、ヌメリスギタケモドキ、ヒメベニテングタケがよく目立った。 奇妙な子嚢菌に出会った。地上生でミミブサタケなどに近い(?)暗赤褐色の菌だが、基部からはナラタケの菌糸束を思わせるような長くて丈夫な菌糸束が延びている(g, h)。 久しぶりの濁った硫黄泉がとても気持ちよかった。 |
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