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日( )
2011年3月30日(水)
 
湯たんぽ
 
 昨日は計画停電が中止となり安心して作業ができた。何といっても電気を喰うのは冷暖房らしいが、ふだんエアコンやストーブは使っていない。冬寒く夏暑いのは自然の摂理。わが家への訪問者は、夏はタオルでしきりに汗を拭い、冬は全身の冷えに凍えることになる。
 歳のせいかこの冬は寒さがとてもこたえた。じっと座って作業をしていると寒さで全身に震えがくることが多くなった。連れ合いに勧められて湯たんぽなるものを使った。確かに足が温まると全身がポカポカしてくる。底冷えのする室内では最高の暖房具だ。
 車を運転するときは別だ。あまりの暑さに判断力が鈍って危険な目に遭ったことがある。寒さで指先の感覚を失いハンドルやクラッチ操作に大きな支障が出たことがある。そうなると自分だけではなく第三者にとっても危険なので、運転中はカーエアコンを使う。 (I. A.)

 わが家はエアコンの使用規制をされているためこの冬は特につらかった。衣類はますます厚くなり入浴時は特に大変であった。この冬はパソコン・顕微鏡の前に座ることが多く、膝かけではつらくなり、ついに押入れの奥にあった湯たんぽを引っ張り出した。
 連れ合いは手足が冷たいとぶちぶち言い続けるくせに衣類に工夫をしないのである。動きが悪くなるというのが言い分である。あまりにうるさいので連れ合いの足元に湯たんぽを置いてみた。効果抜群! ついに湯たんぽをもう一つ買い求めることになった。歳をとったことを自覚しない人といるのはけっこうつらいものがある。 (Y. A.)


2011年3月27日()
 
ヒメとタマ:フロキシン
 
 せっかく見かけたヒメキクラゲとタマキクラゲなので少し持ち帰ってきた。過去に何度も観察しているきのこだが、他に何もないので久しぶりに切片を切り出してみた。薄片切り出しは半乾燥状態にした方が楽なのだが、生のグニャグニャ状態を切ってみた。担子器は水封では非常に見にくいので(d, d')、フロキシンで染めてみた(e, e')。さらに軽く押しつぶして全体をバラしてみた。両者のクランプと担子器を並べた(f, f')。フロキシンの威力は絶大だ。
 
ヒメキクラゲ



タマキクラゲ
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(b')
(b')
(c')
(c')
(d')
(d')
(e')
(e')
(f')
(f')
[キクラゲ類]
 キクラゲ類の胞子と担子器  雑記2009.12.17同2006.5.18
 ヒメキクラゲ  同2009.12.16同2006.2.8同2005.1.23同2004.4.7同2002.12.25
 タマキクラゲ  同2006.12.22同2006.3.4同2004.3.26同2004.3.26

2011年3月26日()
 
平穏なガソリンスタンド
 
 震災発生直後から連日、給油のため長い車列ができていたが、昨日から一変して車列が消えた。今朝、開店直後のガソリンスタンドに行ってみると、まるで何事もなかったかのように、平常どおりの営業活動がなされていた。給油制限もなければ、給油待ちの車の並びもない。
 そこで久しぶりに近場の緑地公園まで車で足を伸ばしてみた。3月25日といえば年度末の五十日(ごとうび)で例年ならかなりの交通量があるのだが、主要幹線にも車は少ない。
 寒い日が続いているせいか、桜のつぼみは硬くきのこもほとんど見られない。一部の多年生硬質菌を除けば、バフンヒトヨタケ、タマキクラゲとヒメキクラゲが見られただけだった。帰路ガソリンスタンドに寄ったところ、全く待ち時間なしに普通に給油ができた。

2011年3月25日(金)
 
計画停電と懐古グッズ
 
 計画停電中は交差点の信号も消える。消えた信号機の下を速度を落とさず突っ込んでくる車がいる。警察官による交通整理が可能なのはごく一部(a)。信号の数は警察官の数よりずっと多い。停電中の交差点は恐ろしい場所になる。自宅周辺の信号も例外ではない。
 自宅近くに交通量の多い五叉路がある。先日ここで停電中に交通整理の警察官が危険な目にあった。一昨日停電中に通ったところ、その交差点の信号だけが明かりをつけていた(b)。おかしいなと思ってふと脇をみると、配電盤近くに自家発電機と警察官の姿があった(c)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 停電にともなって古い道具がいろいろ出てきた。和ロウソクを載せた燭台は廃校になった各種学校からもらい受けたもの(d)。山用ランタンは50年前に自分で使っていたもの(e)。点火用のマッチはやはり50年ほど前のコレクション。懐かしい想いで火をともした(f)。
 それにしても福島原発の事故規模は、悪い方の予測があたってしまった。今朝の報道ではチェルノブイリ(Level7)未満スリーマイル島(Level5)超の「レベル6」、いずれ再評価が必要だという。自宅団地には外国人が多いが、この1週間で急に姿を見なくなった。残念ながら、今後長い年月、福島県川内村でセンボンキツネノサカズキを見ることはできなくなりそうだ。

2011年3月24日(木)
 
中断していた作業再開
 
 震災被災地とは比較にもならないが、輪番停電やらガソリン不足、公共交通機関の減便などでわが家でも外出が難しくなっている。そこで、ずっと中断していたケシボウズ標本の同定作業を再開した。ふだんから冷暖房は殆ど使わないから冬場の室内はとても寒い。同定作業に顕微鏡は欠かせない。じっとしていると寒い。昨日はついに湯たんぽを足下に置いて作業した。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 No.310〜314まで作業を終えた(c)。2006年10〜11月に千葉県で採取した標本だ(a, b)。既に4年以上経過しているが、わずかに柄が細くなっただけで、多くは姿形にさしたる変化はない。
 標本にはしばしば別種が混入している。この確認と仕分けには結構時間がかかる。標本番号を与えたときに一度確認しているのだが・・・。肉眼で多少なりとも疑問を感じれば検鏡が必要となる。先細ピンセットを頭部の側面に突き刺して、胞子と弾糸を取り出す。胞子は油浸100倍でないとよくわからない。その後に初めて検鏡写真を撮影できる(e, f)。ケシボウズの胞子やら弾糸を顕微鏡で覗いたのは実に久しぶりのことだった。カバーグラスが200枚ほど消えた。

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