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大学の長い夏休みが終わっていよいよ今週の土曜日からギリシア語講座が再開となる。今回の課題20問をまだ全くやっていない。これらの課題をこなすには、古代ギリシヤの代表的戦史2点(ヘロドトスとツキジデス)と新約聖書の成立史に関わる周辺知識が不可欠だ。 このため、8〜9月前半にかけて古代ギリシア史を学び、その一方でヘロドトス、ツキジデス、クセノフォン、ペリクレスの著作を読み、さらに旧約聖書と新約聖書に目を通すのが精一杯で、ギリシア語そのものの勉強からはやや遠ざかっていた。 特に膨大な量の旧約聖書にはかなりの時間をとられている。最近図書館から借りた本といえば、ユダヤ教・キリスト教関連のものばかりだった。特に岩波書店の旧約聖書(全4冊)は大部で高価なうえ、詳細な注釈がついていて、ていねいに読むと半年でも足りない。 皮肉なことに、「信仰は狂気、宗教は詐欺」と自他共に自認していた者が、よりによって聖書ばかり読んでいたとは。先週からギリシア語の修辞論に取りかかったが、形態論のイロハをかなり忘れている。今日もこれから-mi動詞の活用の復習だ! 今週はキノコはいったん棚上げ。 |
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富士山のブナの立ち枯れから採取したものである。薄暗い場所だったため生態写真は撮っていない。見つけられたのは5個体だけであった。観察記録を書こうとして別種が混じっていると思われたので、胞子のみを確認してみた。 どれもすべて、いぼいぼ付きのまんまるい楽しい胞子で、同一種であった。托髄層、托外皮層の菌糸の構造はゼラチン質にじゃまされよくわからなかった。外見はどこにでもあるチャワンタケと思ったが、以外な形の胞子で大いに楽しませてもらった。マルミノチャワンタケ属 Plicaria らしいが国内ではあまり報告されていないようだ。 (Y. A.) |
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富士山から若いオオキノボリイグチを持ち帰った(a, b)。老菌は採取しなかった。案の定胞子紋はまったく落ちなかった。カサ表面のベルベット状の手触りが楽しい(d)。孔口部の先端にも管孔の表面にも同じような形のシスチジアがある(g〜i)。フロキシンで染めKOHで封入し、押しつぶしてシスチジアと担子器をバラした(j, k)。カサの表皮は長く連なった菌糸が柵状に並んでいる(l)。子実層に付着した胞子はまだごくわずかしかなかった。
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逸見喜一郎著『ラテン語のはなし --通読できるラテン語文法--』を再読した。300ページ弱の読み物なので、気楽に寝そべりながら5〜6時間もあれば読了できる。さすがにこの本だけで初級文法を学ぶのは無理だけれど、強い動機付けを得られる面白い読み物だ。種の記載に必須ではなくなったとはいえ、ラテン語がわかると生き物の「名」がグッと身近になる。 | |||||||||||||
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先日富士山で採取したクロチチタケを覗いて遊んだ(a, b)。このきのこをじっくり見たのは一年ぶりのことだ(雑記2010.8.24、同2009.8.13)。2本の子実体がカサを重ねるように出ていたが、下側のカサ表面には胞子がたっぷり落ちていた(c)。 胞子を、メルツァー液(d)、うがい液のイソジン(e)、コットンブルー(f)で封入してみた。イソジンはメルツァー試薬の代理はつとまらない。うがい薬でアミロイド反応の代用判定ができるは子嚢菌の場合だけだろう(同2009.11.22、同2009.11.29、同2007.7.26)。 |
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おきまりのヒダ断面を切り出して(g)、先端をみると細長い縁シスチジアがある(h)。側シスチジアはない(i)。フロキシンで染めてKOHでバラしてみると、縁シスチジア(j)、担子器(k)が明瞭に捉えられた。カサ表皮のアイタケ型は典型的で面白い(l)。 | |||||||||||||
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昨日、きのこ雑記の運営者二人だけで久しぶりに富士山を歩いた。今年は他のきのこ仲間と何度か富士山を歩いている。しかし、わがまま放題ができずに少々欲求不満になっていたので、昨日深夜3:00に家を出て一般道をひたすら走って富士山に到着した。 その結果、久しぶりにマツタケ(a, b)、クロカワ(c, d)、ヤマドリタケ(e, f)にも出会った。ただ、マツタケについては発生環境が妙だった。というのは、コメツガ樹下ではなく、シラビソ樹林に出ていたからだった。周辺をいくら見回しても100m以内にコメツガは全くなかった。 |
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クロカワは夜、付け焼きにして酒の肴になった。ヤマドリタケはレッドデータ標本に回した。ひと頃のショウゲンジ人気はすっかり衰えたのか、きのこ狩りの人たちからは全く見向きされていない様子だった。ちょっと歩けば数十本のショウゲンジは簡単に集まる状態だった。富士山行きの主たる目的だったフジウスタケやキツネノサカズキには一つも出会えなかった。 | |||||||
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昨年末からネット関連機器の損傷が原因と思われるネット環境不安定の現象が頻発した。ルータやLANケーブル交換によって安定を取り戻したが(雑記2011.1.3)、6月半ばに急に不安定となった(同2011.6.21)。しばしば予兆なしに突然ネットから遮断され、なかなか接続できるようにならない。これに対し、とりあえずの応急処置として以下のように対応してきた。いずれにせよ再びネット環境が回復するまでには最短でも10〜15分、長いと1〜2時間に及んだ。
(1)PCを再起動しネットにつないでみる。それで駄目なら、
6月の時点では上記の処置(2)段階まででたいていはネット環境が回復した。1週間のうちに数回ほど、時折(3)段階までやる必要があった。これらは、加入しているケーブルネット会社に相談した結果の措置だった。それでもネットに繋がっているのは最大でも60分ほどだった。 |
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久しぶりにきのこの観察をした。先週9月6日に川越市の雑木林で採取したオニイグチ属のきのこだ(a, b)。持ち帰ったものは紙袋にいれたまま、ずっと冷蔵庫の野菜ケースに放置したままだった。既に一週間が経過しているが、開けてみると意外なことに新鮮な状態を保っていた。ちなみに、当日採取した他のイグチ類(5〜6種)はすべてが腐敗したり崩れていた。
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子実体の一つを縦断してみると直ちに赤変したが白色の部分が結構残っていた。しかし1分もすると全体が赤色になった。40分ほどすると黒変しだし、1時間後には全体が黒色となった。きのこを採取した当日(9/6)に胞子紋をカバーグラスに採取してあったので、そのまま検鏡した。オニイグチの胞子と比較すると一回り小さくて表面の網目模様が曖昧だ。 管孔部を縦と横から薄切りにしてみた(j, k)。実質は散開型で側シスチジアが多数ある。孔口部の先を薄く切り出して縁シスチジアを確認してみた(m)。側も縁もシスチジアの形はほぼ同じで、側シスチジアにはKOHで濃色に染まるタイプが含まれる。 保育社図鑑(I)の検索表に準拠するとすなおにコオニイグチ Strobilomyces seminudus に落ちる。コオニイグチの「コ(子)」は胞子の大きさが小さいからなのだろう。 ほぼ1週間の絶食を終了した。3〜4日間の短期絶食も含めると通算70〜80回目くらいだろうか。これまでは何とも感じなかったのに、今回は絶食中の山歩きが少々きつかった。基礎体力の低下か、あるいは3週間ほど前からの熱中症のせいか。今日の午後からは普通食に復帰。 |
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今日は日本菌学会第55回大会(札幌)の二日目。そして、それに続くフォレー初日の講演会が北海道で行なわれていることだろう。慢性金欠病の身に北海道旅行はちと辛い。
この数週間のわが家をみると、連れ合い(Y. A.)はもっぱら顕微鏡を覗き込んだり観察記録を書いたり、文献にあたったりとキノコ観察に余念がない。一方わが身を振り返ると、キノコやコケは何一つ観察せず、もっぱら読書のみ。それもキノコやコケとは全く関係ない書ばかり。
もとはと言えばギリシア語だ。原語テキストを前に、語彙はわかる、文意も分かった、でも内容が理解できない。「なぜ?」ばかりなのだ。先月初めころまでは、統語法・修辞法が充分理解できていないからだと思っていた。でもそうではなかった。当時の人たちの意識・思考法など、文化的歴史的背景の理解が不足していることに気づいた。 |
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