Top | since 2001/04/24 | back |
|
||
昨日午後になって注文していたWindows7 Home Permium のDVDが届いた。そこで覚悟を決めていよいよ気の重いうんざりする作業を開始した。まずはC:ドライブにWindows7をクリーンインストール。従来から、OS領域とデータ領域は別パーティションに分けてあるので、大ドジを踏まない限りデータには影響ない。OS導入を一通り完了するのに2時間ほどかかった。 このあと直ちにアンチウイルスソフトをインストールしたところ、Windowsの重要なバージョンアッププログラムが48件あるというメッセージが出たので、やむなくそれらをインストールした。これにまた1時間以上も必要だった。このあとメールソフトを導入したところで時間切れとなった。 今日のこの雑記もメインパソコンからはアップできないので、旧式のサブノート(Windows XP)から実施した。今日は何とかエディタ、FTPソフト、Perl、Officeシリーズを導入し、プリンタやスキャナーのドライバーをインストールするところまでは何とかしたい。 しかし、古いBrotherのプリンタはWindows7には未対応で、今後も対応予定はないという。さらに、Windows VistaのアプリとしてPhotoshopやIllustratorを導入していたが、OS入れ替えに伴って、これらを再びすんなりとインストールできるかどうかも懸念がある。別のPCへのインストールではなく、同一PCへの再インストールであることを認識してもらうのが難しい。 |
||
|
|||||||||
先日多摩湖畔で採取したきのこを冷蔵庫に放置したまま忘れていた。袋から出してみると、中途半端に乾燥していた(a, b, c)。採取した当日にとった胞子紋から、胞子のプレパラートを作った(d)。やはりフミヅキタケ属には間違いなさそうだ。ツバはなくシスチジアもない(e)。ヒダはすっかり縮れて、どう切り出してもまともな切片を作ることはできなかった。菌糸にはクランプがあり(f)、担子器の基部にクランプはみあたらない。カサ表皮は偽柔組織のような菌糸からなっている(h)。
|
|||||||||
|
|||||||||
フミヅキタケなどに近い種なのだろう。ヒダの表面をよくみると、他の菌に侵され、なおかつ虫の糞が無数に着いていた。これ以上追求しても面白味もないのでそのまま処分することにした。 | |||||||||
|
|||||||
「第二週の三日目あたりまではよかったがやはりついて行けない」と理系の知人から『ラテン語四週間』を譲り受けた(a)。英語や仏語の論文を楽に読み、すんなりと内容を把握する人が、いったいなぜ、第二週の三日目あたりで降参したのか、正直よく分からなかった。 そんな疑念をいだきつつ、昨日集中して、練習問題と訳読を主体に第二週の終わりあたりまで目を通してみた。模範解答もあって、よく配慮されて読みやすい(b, c)。第一週から第二週に入ったからといって、急に難度があがることもない。やはり名著だと思った。 しかしたとえば第一週に出てくる練習をみると、「mi eque」が男性名詞「meus equus」の単数呼格であることは少し前の[註]を読まないとわからない(d)。また、「monstro」は語彙集には掲載されていない(e, f)。このように練習問題のヒントが既出の[註]にしかなかったり、訳読に出てくる語が語彙集に漏れている、といった例は第二週からあとでも枚挙にいとまがない。 |
|||||||
|
|||||||
入門者に配慮した優れたラテン語入門書といえば有田潤『初級ラテン語入門』だろう。『ラテン語四週間』は、これらで一通り学んだあと知識の整理などに使うにはよいが、初心者がはじめて接する教科書には向いていない。しかし、英語による解説が苦にならなければ、最善・最強の教科書はやはり『Wheelock's Latin』だろう(雑記2010.11.22、同2010.11.25)。 | |||||||
|
|||||||||||||
コガネタケはわざわざ顕微鏡で見るまでもなく、野外で簡単に同定できる数少ないきのこの一つだ。だからわざわざ顕微鏡を使って観察する人は少ない。胞子だけならまだしも、ヒダの断面を切り出したところでシスチジアもないし、顕微鏡で覗いて興味深い構造はないように思えてしまう。しかしカサやツバ、柄の表面を被う黄粉は実に楽しい姿を見せてくれる。 先日多摩湖畔の緑地から老菌断片と若い菌を持ち帰っていたので、とりあえず胞子(b, c)、ヒダ断面(d, e, f)、カサ表皮(g, h)、担子器(i)などを見た。なぜか老菌のヒダは、一様に縁が丸くよじれていた(d)。黄粉は実に色々な姿をしていて、多数の指先状突起をもっている(j, k, l)。 |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
「きのこ雑記」の中で、継続的に更新されているのは「今日の雑記」だけなので、コガネタケについても「顕微鏡下の素顔」にはお粗末な胞子画像が一枚掲載されているだけだ。 2004年夏のデータ喪失時に数百種のミクロ画像を失ったが、この中にはコガネタケのミクロ画像が400点以上あった(雑記2004.8.1、同2004.8.2、同2004.8.11)。あれから既に7年以上経つが、いまだに消失した数百種について一割も再構築(撮影・観察・記録)できていない。 |
|||||||||||||
|
||
相変わらずパソコンの具合が芳しくない。特にネット環境がひどく、長くても25分間くらいで勝手にネットから遮断される。原因はウイルスなどのマルウエアではなさそうだ。アンチウイルスソフトによれば「ご使用のパソコンは保護されています。(対応の必要はありません)」とのこと。LAN機器のメーカーにも問い合わせたが埒があかなかった。Microsoftには何度も照会したが納得できる解決策はなく、クリーンインストールを強く推奨されるばかりとなった。 クリーンインストールとなれば、問題の多いWindows Vistaではなく、当然Windows7になる。しかし、そうなると、多くのアプリケーションを再びインストールし直したり、namazuシステム(検索システム)等を再構築しなくてはならない。ところがこれが一筋縄ではいかない。そんなこんなで躊躇している間に半年が経過してしまった(雑記2011.9.14、同2011.6.21)。 今月はじめから徐々に、全てのアプリケーションについて、インストール媒体の有無を確認してきた。その結果判明したことは、CDやらダウンロードしたファイルがいくつも見つからないことだった。昨年来、多くのアプリCDを古いからという理由で処分した。ところが、UPgrade版のアプリは古いバージョンのCDが無いとインストールできない。うかつだったが後の祭り。しかし、いよいよ諦めてゼロから再構築をするしかないようだ。あ〜ぁ、嘆かわしい! |
||
|
||||||||||||
ナヨタケというのはもっともっと脆いきのこと思っていた。今までほとんど意識して観察したことのないきのこでもある。手にとったときにはさほど脆いとは感じなかった。かさの色も(a)は淡褐色、(b)は灰白色で違う種のきのこと思い採取してきた。帰宅後の胞子紋の観察結果で違いはみられず同じ種と思われた。かさは時間がたち乾燥気味になると(a)も白っぽくなり始めた。個体によって縁の色にかなり違いが見られるが、どうも乾燥度によって変化しているようである。 胞子には発芽孔があり(c)、濃硫酸でスレート色に変化がみられた(d)。ひだ切片がうまく作れず、子実層托実質は並列か類並列のように思われた(e)。縁シスチジアは多く小型(f)、側シスチジアは大型のものが多く数は少ない(g)。柄上部の観察でもシスチジアがみられた(h)。担子器は4胞子性で可愛らしい姿をしている(i, j)。かさの上表皮(k)の構造からもナヨタケ属、ナヨタケに近いものであるようだ。 ナヨタケ、Psathyrella という名前はよく知っていたがこんな姿もあるのだというのに妙に感心した(雑記2006.11.29、同2009.5.13、同2010.6.5、同2010.12.3)。 (Y. A.) |
||||||||||||
|
||||||||||||
[補足] ナヨタケ属の学名 Psathyrella はギリシア語 (脆い、くだけやすい)に由来するラテン語 psathyra に縮小辞 -ella を付けたもの。 (I. A.) | ||||||||||||
|
|||||||||||||||||||
首都圏の公園にはウッドチップを散布した公園がとても多い。そこにはほぼ通年多くの種類のきのこがよく見られる。なかでもシロフクロタケ、サケツバタケ、ニガクリタケモドキ、フミヅキタケの仲間、ナヨタケの仲間は、正月を含めて冬場にもよくみられる。 先日サケツバタケの子実体を一つ持ち帰っていたので、処分する前に覗きをして遊んだ(a, b)。胞子の発芽孔は水道水で封入した時の方が、KOHで封入した時よりも明瞭だった(c〜f)。それぞれ、胞子表面と輪郭部に合焦した画像を掲載した。 ヒダを寝かせて縁をみると透明で薄膜の縁シスチジアがみえる(g, h)。そこでヒダの断面を切り出して縁をみたが、明瞭な姿は捉えられなかった(i, j)。フロキシンで染めて、封入液をKOHで置き換えてみた(k)。縁シスチジアには二通りのタイプの形がみられる(l, m)。担子器の基部にはクランプのあるものないもの両者がある(n)。 カサ表皮の構造は、水で封入するよりも(o, p)、KOHで封入して軽く圧を加えた方が明瞭に捉えやすい(q)。カサ表皮の菌糸をはじめ、多くの場所でクランプが見られる(r)。サケツバタケを覗いたのは2年ぶりのことだった(雑記2009.10.21、同2008.5.17、同2006.10.27)。 |
|||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||
|
|||||||
なにを勘違いしたか『福音書のラテン語テキストを読む』という変な本をネット上から注文してしまった(a)。届いた本を開いてみると、内容はおよそキリスト教とは関係なく、信者の読書会などではまるで使えない。いわば超入門者用ラテン語練習帳だった。 福音書から選んだ短い例文をアルファベット順に配列し、そこに出現するすべての語句に対して、馬鹿ていねいにいちいち和訳を記し、名詞・形容詞・動詞は活用表を示す(b〜f)。同じ語彙が重複をいとわず何度でも繰り返される。しかも索引も語彙集もない。だから、熱心なクリスチャンが表題に引かれて購入すればガッカリすること間違いなしだ。 |
|||||||
|
|||||||
結果的に、有田潤『初級ラテン語入門』あたりを読み終わった初心者が、語形変化の再確認などに使うには絶好の教材といえる(雑記2010.11.22、同2011.1.7)。ただ入門段階を過ぎると学ぶべき内容はほとんど無い。金欠病の身にはちょっと贅沢な出費だった。 カトリックの総本山バチカンの公用語はラテンだ。ラテン語訳聖書の決定版であるウルガータ聖書は広く普及し、対訳書や逐語訳書も多数出版されている。特に福音書については非常に安価に入手できる。ラテン語−英語の逐語訳や詳細な文法解説付きの福音書を、昼食代金程度の価格で入手できるのも、西欧の伝統文化、いや円高のおかげかもしれない。 |
|||||||
|
|||||||
雨が降り急に気温が下がったので、何か出ているかもしれないと思い、早朝多摩湖畔の緑地に行ってみた。明るくなる頃には既に通勤渋滞が始まり、自宅から現地まで片道38kmほどなのだが、1時間半ほどかかった。早朝の渋滞も懐かしい思い出になるかもしれない。 コナラ林には落ち葉が厚く堆積し、地上生のきのこはほとんど見られない。ニガクリタケやナヨタケの仲間はまだかなり見られた。黄色い巨大なきのこが遠くに見えたので、近寄ってみるとコガネタケだった(a)。近くに出ていた若い菌も柄がナメクジにかじられていた(b, c)。 フミヅキタケの仲間が広範囲に群生していたが、大部分の子実体が霜にやられてカサ表面やヒダがアバタ状になっていた(d)。遊歩道に敷かれたウッドチップからは相変わらずサケツバタケがでていた(e)。ムジナタケもまだまだ出続けている(f)。 |
|||||||
|
|||||||
真冬でもきのこが普通に見られる首都圏だが、11月後半になるとさすがに種類、量ともに急に少なくなる。今朝であったきのこも軟質菌が10種類前後だった。 | |||||||
|