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ひょんなことから中国製の簡易ミクロトームを入手した。結論としては小児のおもちゃとしてはよくできているが、目的に叶った機能を期待すると大きな失望を味わうことになる。 シリンダー押し上げネジはギクシャクして滑らかに動かず、押さえ圧調整ネジも不安定で微調整は利かない。押さえの板バネは取り付け位置が悪く、ピスをしっかり固定できない。押さえ部背面が非平滑でネジを締めるとピスがズレる。外側と内側の筒の遊びがとても大きい。 これらの要因が重なって刃物をあてたとたんにピスはいとも簡単にズレてしまう。大幅な改良を施してようやく何とか刃物をあてることができるようになったが、使い捨て注射器を使った簡易ミクロトームの切り出し精度を超えることはできなかった。 |
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ただ、写真だけ見ると実によくできている。価格は数万円する国産品に対して1/8〜1/10。いかにもコピー大国中国の、安かろう悪かろう製品といえる。ちなみにこの製品は、amazon.co.jpでは「おもちゃ」というジャンルで取り扱われている。 | |||||||||||
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日常の足であるスズキアルトを車検整備に出した(a)。代車として提供されたのは古い型式の三菱ミニカだった(c)。アルトはスタッドレスタイヤを履いていたが(b)、ミニカもスタッドレスタイヤを履いていたので(d)、雪道には対処できるが暖房がほとんど利かず寒かった。 代車のミニカを発進させてハンドルを切ろうとした瞬間、あまりにも重いハンドルに一瞬たじろいだ。パワーステアリングがついていなかった。30年ほど前に長野県で自動車整備士として働いていたが、その頃でもすでにパワステなしの車は珍しかった。 ホームセンターの駐車場で運転席のドアをロックして車を離れた。運転席のドアさえロックすれば他のドアはすべてロックされると思い込んでいた。ところが、戻ってみると助手席のドアはロックされていなかった。車内に貴重品などを置いたままにしなかったことにホッとした。 |
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整備工時代に、軽トラをはじめポルシェ、アウディなど多くの車を四六時中扱っていたにもかかわらず、いまや何もかもすっかり脳裏から消え去ってしまったようだ。 | |||||
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いわき市や北茨城市の海寄りでは冬に降雪はあまりなく、よしんば多少降ってもほとんど積もらない。昨日は風もなく強い陽射しに恵まれたせいで、気温こそ低かったが暖房がいらないほど暖かかった。そこで午前中、久しぶりにいわき市田人のブナ林を歩いてみた。 標高600mを越えるあたりでも主要道路に雪はなかったが、間道や林道に入ると雪もあり路面が凍てついていた。しかし、ブナ林の林床に積雪はなく、ブナの立枯れや倒木はカラからに乾いていた。出会ったきのこは、いずれもすっかり乾燥したりミイラ化していた。 |
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埼玉県の川口市だとこの季節でも、公園のウッドチップを歩くと、シロフクロタケやヒトヨタケの仲間数種類によく出会ったものだ。暖かいとはいえ、いわき市はやはり東北地方だ。 | |||||||
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今月後半の土曜日に行われる千葉菌類談話会と菌類懇話会のスライド会に顔を出すことにした。19日は遅刻を前提としてバスを予約し、夜は親しい友人に無理を言って泊めてもらうことになった。26日はマイカー利用として、駅近くのビジネスホテルを予約した。 昨年までは、交通費もさほどかからず宿泊費もいらないから比較的楽に出席できた。今年からはまったく事情が変わった。いわき市から神奈川や千葉は遠い。年金生活の身にJR特急は使えないから、バスかマイカーしか選択肢はない。バスは事前の予約が必要だ。 スライド会の開始はおおむねam10:00〜10:30だ。真っ暗な時間に出発する始発バスに乗っても開始時刻には間に合わない。さらに懇親会まで参加となれば首都圏に宿泊するしかない。おりしも受験シーズンが始まり安いビジネスホテルは意外と早く満杯になっていた。 |
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昨年12月のとある日のこと、茨城県から電話。「顕微鏡の使い方ときのこの観察法を徹底的に知りたい。1月に行ってもいいですか?」 「どうぞ。えっ、ニャンコも一緒にやってくる! それは面白い。ネコと一緒に勉強だ」 年明け早々に、顕微鏡とネコを抱えてやってくるという。 1月3日お猫様とともに二人がやってきた。車中でネコが暴れて大変だったという。室内に開放すると、喜んで家中を跳ね回りはじめた。ネコと戯れつつ、レンズの開口数(NA)や液浸レンズについての質疑や、DNAやきのこの新旧分類などについてやりとりをかわした。 4日はたっぷりと実習三昧。午前中、液浸レンズの取り扱いに慣れることからはじめて、何種類かの胞子を観察したり記録方法を議論し、昼になると超激辛ラーメンを食べに行った。午後になるとボルトナットミクロトームも活用して、ヒダ実質や担子器、クランプなども観察。 二人からは「なぜ? なぜ?」が連発し、おかげで、レンズの数学的解題、きのこの発生学と生態学、学名の元になったギリシアやラテン語、近代ヨーロッパの自然科学と宗教、などなど話題が次々に飛躍展開してとどまるところを知らなかった。昨日午後解散。 |
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それにしても、二人の飽くなき探求心と集中力には、わが連れ合いもすっかり感心していた。楽しい三日間だった。いくら叱られても懲りずに挑戦するおネコさまも、検鏡実習の時は、あるじらの奮闘ぶりをよそに、椅子の背に潜り込んだり、足元で居眠りをしていた。 | |||||||
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庭のシュロの倒木から硬いきのこがいくつもでている(a)。倒木は当初サクラだろうと思っていたが、よくみるとシュロだった。きのこ自体は比較的簡単に取り外せたが、断面を切り出すのにナイフや包丁はまったく刃が立たなかった。 コフキサルノコシカケなどに近い種なのだろうが、とても硬い。木工工作よろしく鋸で切ってみた(b, e)。切り口はチョコレート色の粉末に被われて、雑巾で拭いてもきれいにならなかった(c)。カンナをかけると断面が綺麗になった(d, f)。子実層の断面をルーペで見ると鮮やかな縞模様になっている(g)。その先端付近に付着していた胞子をみたが何ともはっきりしない(h)。 そこで、カサ表面に付着している粉を指でさすってカバーグラスになすりつけてみた(j)。倍率を上げてみるとようやく胞子表面の様子が明瞭になった(j)。子実層やカサ肉の菌糸をほぐしてKOHで封入してみた(k, l)。フロキシンで封入するとなんとまだ混濁のままだった(l)。 |
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サルノコシカケの仲間はお土産でもよく見かける。また形を生かしてブックエンドになったり装飾品にもなっている。今回鋸で断面を切ってみて思った、意外と面白い模様が出てくる。 | |||||||||||||
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元旦にいわき市新舞子の砂浜でウネミケシボウズタケに出会ったことに気をよくして、浜辺の端から端まで歩いてみた(a〜c)。北西風がやや強かったが、快晴で暖かい陽射しのため寒さはほとんど感じなかった。2時間ほどかけてじっくりと探索しながら歩いたのだが、ケシボウズはもちろん、きのこの姿はまったくなかった。 昨年8月に再開したばかりの「道の駅 よつくら港」の脇には大きなテトラポットが長い範囲に積み上げられてバリケードのようになっている。建物裏の浜辺に回ってみると、セメントを流し込む型枠が整然といくつも並び、一帯は立入禁止区域になっている(d)。 四倉周辺では、かつて堤防の陸側に民家が整然と並んでいたが、一昨年3月の大津波でほとんどが全壊した。2年近く経つ今瓦礫の大半は片付けられたが、野ざらしの基礎部分や瓦礫がまったく片付けられていない民家も、いたるところに多数残っている(e, f)。 |
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庭に出てみて改めて愕然とした。昨年末から元旦にイノシシに蹂躙された庭は見るも無惨な姿を呈している。一昨年3月11日以降、イノシシは破竹の勢いで増えてきた。日中平然と集団で現れ、人を恐れない姿があちこちで目撃されるようになった。イノシシからは高線量の放射能が検出され、イノシシ猟に携わる人は激減した。すべては原発事故が原因だ。 イノシシは毎年4〜5頭の子を産む。子は一年半で成獣となる。原発銀座の浜通りには天敵の熊はいない。一昨年生まれたウリボウも昨年秋から今年には新たな子を産んでいることだろう。浜通りには今や例年の4〜5倍の数が棲息するとの指摘もある。 わが家のまわりの集落では、3年ほど前まではイノシシ被害は皆無だったという。それが一昨年あたりから被害が増加し始め、昨年は最悪の年となった。昨年は電気柵で囲われた田畑が急増した。そして、頼みの綱だったその電気柵も破られはじめた。増えすぎたイノシシは次々に人の生活圏に下りてくる。今年はイノシシによる被害が更に拡大することは間違いない。 |
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元旦の朝、暗いうちは満天の星が空を飾り、日が昇ると全天に青空が広がり、寒いけれどとてもすがすがしい朝となった。 大晦日の昨日、吹雪の安達太良山中を経て岳温泉で年越し蕎麦を受け取って帰った(a)。夜中の零時に集落の絹谷諏訪神社に初詣(b)。いったん自宅に戻り、一眠りしてから新舞子浜で初日の出を迎えた(c, d)。いわき市で迎える初めての初日の出だ。 日の出を待つ間、薄明かりの中、凍てついた浜を探索したところ、ウネミケシボウズタケに出会うことができた(e, f)。津波の被害があまりにも凄まじかったので、浜でのケシボウズ発生は数年間は無理かもしれないと思っていた。連中は見た目以上に逞しい。 |
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[メモ] 画像に移し込まれた年/月/日/時をよくみるとちょうど1時間進んでいる。このコンパクトデジカメは5〜6年前に購入したものだが、日時の写し込みをしたのは初めてのことだった。これまでに時刻合わせをした記憶は全くない。 | |||||||
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