Top | since 2001/04/24 | back |
|
|||||||
近くのホームセンターから買ってきた二種類のボルトとナット、小ナット二つを材料に(d)、ボルトナットミクロトームを二台作った(f)。とはいっても、ナットの端近くに電動ドリルで穴を開け(a)、タップ(c)でネジを切っただけだ(e)。他に使った道具は小さな卓上バイス(b)だけ。 電動ドリルが20年ほど前のやや非力なものだったので、穴を開けるのにちょっと時間がかかった。雌ネジを切るタップは5〜6年ほど前から使っている安物だ。小さな卓上バイスはちょっとした工作にしばしば使ってきたが、生徒の夏休み工作用の安価なもの。 大きさの異なるものを二つ作ったが、製作時間はのべ30分ほどだったろうか。大きい方は太目のピスや市販の発泡スチロール棒を使うためのもの。材料費は2セットで800円以下だった。 |
|||||||
|
|||||||
昨夜は長野、神奈川からやってきた友人と一緒に賑やかな宴会となった。一昨日の白金での懇親会に続いて、宴会の連続となってしまった。 | |||||||
|
|||||||
これまでにプレパラート切片の厚みを計測するには、マイクロメーターを使ってきた。生きのこの切片は脆くて水分も多いので、ノギスで計測するには馴染まない。しかし乾燥標本から切り出した薄片ならノギスでも厚さの計測は可能だ。 先にトレーシングペーパーなどの厚さを測ってみたので、マイクロメータだけではなく、デジタルノギスも使って測ってみた。まずは、コピー用紙一枚の厚み(a)。正確には100枚で測ってみて誤差を少なくする(b)。一枚は90〜100μm厚のようだ。同じ要領で「原色日本新菌類図鑑」と「山渓フィールドブックきのこ」の紙の厚さを測ってみた(c〜f)。菌類図鑑の用紙は120〜130μmと厚い。フィールドブックの用紙は90〜93μmほどだった。 |
|||||||
|
|||||||
昨日作成したマツカサキノコモドキのプレパラートに追加しておこう。胞子(g)は非アミロイド(h)で、側シスチジアの頭部には多量の分泌物が付着している(i)。柄の表皮もお手軽簡易ミクロトームで切り出したものだが、大きなシスチジアが多数ある(j〜l)。
|
|||||||
|
|||||||
昨日は日本菌学会関東支部のシンポジウムに懇親会まで参加してから東京を出たので、帰宅したのはpm11:50頃になった。帰宅すると満天の星が綺麗だった。楽しい一日だった。 | |||||||
|
|||||||||||||
作りたてのコンクリートアンカー製ミクロトームを使ってみた(雑記2012.12.6)。先日まで使っていたボルトナットミクロトームと比較すると、ボルト部分がやたらに長いが、短かいボルトに変えるまでもない(a)。胴体部にあたるナット部の肉厚が薄いため固定ネジがやや不安定で耐久性は劣るだろうが(b)、薄片切り出しにはまったく支障ない(c)。 試し切りにつかったのは、先日新舞子浜で採取したマツカサキノコモドキ(d, e)。ルーペで見るとヒダには微細な砂粒が付き、ヒダのシスチジアが突起となって見える(f)。薄片の切り出しはやや難しい部類なのだろうが、とりあえずヒダ(g〜i)とカサ表皮(j〜l)で行ってみた。 ヒダの厚壁シスチジアも(i)。カサ表皮の洋梨形子実層状被(l)も明瞭に識別できる。これだけ切り出せればミクロトームとしては、十分合格といえよう。ちなみに一緒に切られたピス片の厚みを測ると45〜50μmだった。お手軽簡易ミクロトームの実力も馬鹿にできない。
参考:[動画 30秒 お手軽簡易ミクロトーム(コンクリートアンカー製)による切り出し]
|
|||||||||||||
|
|||||||||||||
今日はこれから東京白金の北里大学へ。日本菌学会関東支部のシンポジウムに参加のため久しぶりの上京となる。帰宅するのは夜中になりそうだ。 | |||||||||||||
|
|||||||
下の画像は、去る10月26日に川内村で採取したチャナメツムタケのプレパラートを作った時に撮影したものだ。ちょうどプレゼンテーション用にピスを使った画像が必要だった。それらの中にボルトナットミクロトームに関連する画像があったので取り上げてみた。 切り出し始め(a)と途中(b)の画像を表示した。カミソリを手前に引きながら切っている。このとき切り出したヒダ切片の画像を対物10倍レンズで見たものだが、組織構造は十分によくわかる(c)。対物20倍にしてもさほど見劣りはしない。 ヒダ切片の正確な厚みはわからないが、一緒に生じたピス薄片(d)をマイクロメータで計測したところ50μmと表示された(e, f)。したがって、ヒダ切片もそれに近い厚みだろう。この厚さならば十分実用に耐えるといえるのではあるまいか。
参考:[動画 54秒 ミヤマテングタケのヒダの挟み込みから切り出しまで]
|
|||||||
|
|||||||
ボルトナットミクロトームでも、ちょっと使い慣れれば20〜30μmの厚さに切り出すことは比較的楽にできる。ちなみに同じやり方でカサ表皮切片の厚みを測ったところ15μmと表示された。 | |||||||
|
|||||||||||||
ほぼ1週間ぶりにいわき市の新舞子浜を歩いてみた。先週まではまだ若い子実体ばかりだったマツカサキノコモドキ(a, b)やニセマツカサシメジ(c, d)はすっかり成長していた。Neolecta(ヒメカンムリタケ属)のきのこが広範囲に見られた(e, f)。スナジアセタケの出ていた付近にはコブだらけの胞子を持ったアセタケ属が(g, h)、その脇にはチャダイゴケの仲間が出ていた(i)。 ニセマツカサシメジはたいてい浅い場所に埋まった松かさに着いている(d)。それにたいしてマツカサキノコモドキは深く埋まった松かさまで長い仮根を伸ばしていることが多い。写真(a)の子実体からは長い仮根が伸び、横に10cmほど離れた地中の松かさに繋がっていた(b)。 |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
浜からの帰路、小名浜のホームセンター山新に寄って、 |
|||||||||||||
|
|||||||
昨日の雑記にボルトナットミクロトームでの切り出し量は指先で確認すると書いたが、では目安になる厚さとは具体的にどの程度の厚みなのだろうか。端的に言ってしまえば、薄口トレーシングペーパー(40g/u)の厚さが目安となる。その厚みはおおむね40〜50μmだ。ヒダの断面やカサ表皮をこの厚みに切れば、適切な観察や撮影のできる切片ができあがる。 ノギスと違ってマイクロメータにはラチェットストップがあるので脆いものでも測りやすい。薄口トレーシングペーパー(d)、一枚にはがしたティッシュペーパー[クリネックス](e)、コピー用紙(f)をマイクロメーターで測ってみた。薄口トレーシングペーパーは44μmを示していた。ちなみに中厚口トレーシングペーパー(50g/u)は55μmだった。 ※ 上記コピー用紙(PPC用紙)の連量(厚さの単位:Kg/単位枚数)などは表示なく不明。 |
|||||||
|
|||||||
保育社の菌類図鑑がオンデマンド出版されるようだがその価格を知って呆れた。素直には喜べない。いわゆる「自炊」でPDFファイル化しそれを両面印刷・簡易製本したってこの半額以下で楽勝のような気がする。せめて(I), (II)両巻で12,600円なら妥当な価格に思えるのだが。 | |||||||
|
||
今年はピスを使って切片を作る作業を披露する機会が何度かあった。実体鏡を持っていない人にとっては、ピスは力強い味方となる。しかし、直接ピスを手に持って切るのはかなり難しいようだ。そこで簡易ミクロトームとなるのだが、安価で手頃なものがなかなか得にくい。 使い捨て注射器を使ったミクロトームはピスの固定が難しい。過去に数量限定で作られたものは今や入手困難。ならば長尺ナットとボルトを使ってミクロトームを作ってしまえばよい。部品は3〜4点、材料費はホームセンターで500〜1,000円。作業としてはピスを固定するネジ穴を切るだけでよい。ネジ切りはホームセンターの工作室でやってもらう。それがダメなら金属加工所に依頼する。ボルトナット製のミクロトームは十分に実用的だ(雑記2008.11.2)。 どんな道具でもそうだが、使い方を誤ると期待するような結果を得ることは難しい。ボルトナットミクロトームを活用するにはそれなりのコツがある。ポイントは三つあるようだ。
|
||
|
||||||||||||||||||||||
ゆえあって今朝また改めてケコガサタケの検鏡をやり直した(j, k, l)。いわき市に転居してからケコガサタケのプレパラートを作るのは四度目になるが、ヒダ切片の切り出しはなかなか上手くいかない。ヒダの先端付近の画像はいずれも対物40倍レンズで見たもの(b, e, h, k)。胞子の写真はすべて採取当日にカバーグラスに落とした胞子紋からのもの。
|
||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||
ケコガサタケといってもシスチジアの分布頻度にはかなりの幅がある。縁シスチジアが疎らな子実体もあれば(e)、高い頻度で密集した子実体もある(k)。またヒダ先端がみな崩れた子実体もあれば(b)、水分が多く生ではどうやってもヒダの薄切りができなかった子実体もある(h)。 ケコガサタケ、ヒナノヒガサ、イヌセンボンタケなど、一般に小さなきのこのヒダやカサ表皮の薄切りは極めて難しい。十分成熟した子実体では、ヒダやカサ表皮はとても脆くて、生標本からの薄切りはまず無理だ。生標本から切り出したければ、やや若い子実体を選ぶ必要がある。ちにみに、上掲のヒダ切片は比較のためにすべてボルトナットミクロトームを使って切り出した。 |
||||||||||||||||||||||
|
|||||||||
最近大谷吉雄先生の盤菌類の検索表(Trans. Mycol. Soc. Japan 31: 117-143, 1990)をよく利用している。検索表をたどるときに「側糸のないもの」そんなものがあるんだ。一度はみてみたいと思っていた。 カベンタケモドキらしきキノコを持ち帰った時にとりあえずつまんで顕微鏡でのぞいてみた。子嚢菌の仲間であるかどうかの確認のためだ。「側糸がない!うそっー!」出会ってしまった! カベンタケモドキというとありふれたきのこのように思っていたが、Neolecta属で側糸がないということを意識していなかった。改めてNeolecta属と思うと重みが全然違ってしまう。変ですね。ともかく側糸のないものに出会ってしまった。 「今日の雑記」(2012年11月17日)を参照して私も子嚢の染色を試み、成功! 子実体をKOH中で熱し、水洗いしてから、メルツァー試薬を滴下してみた。きれいな色に染まったのだ。(Y. A.) |
|||||||||
|
|||||||||
昨日の午前中いわき市では雪となった。楢葉町では少し積もった場所もあった。 (I. A.) | |||||||||
|
|||||||
ヤマブシタケは食べるためだけにあり、まさか顕微鏡観察の対象だとは思ったことがなかった。いわきの地でしかもご近所での出会いだったので写真を撮ってしまった(a)。撮影してから「そうだ! 撮影したものは原則顕微鏡観察をする」ということを思い出した。食べる対象でしかなかったキノコを観察するということに妙に感動しながら顕微鏡をのぞいてみました。 「胞子はアミロイドでこんなに紫色!」(b, c) 「シスチジアがあるんんだー!」(d) 「クランプもあるんだー!」(e) のぞいてみるもんですね。食べる楽しみ以外の楽しい世界を見ることができました。 (Y. A.) |
|||||||
|
|||||||
きのこ乾燥機でトウガラシを乾燥した。当初は天日で干していたが、このところ曇りがちでなかなか乾いてくれない。そこできのこ乾燥機を流用し始めた。熱を持ったトウガラシからは特有の「辛い臭い」が漂い、周辺の部屋にも充満する。かなり離れていても辛味が鼻を刺激する。乾燥機の温度を「強」にするとこれまたすさまじい刺激となる。・・・クシャン。 (I. A.) | |||||||
|