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転居からこの一ヶ月慌ただしい毎日が続いていた。さらに自宅借家周辺にはまだきのこがほとんどない。そこで福島市の高湯温泉で一晩のんびりすることにした。磐越道経由で行けば温泉宿まで2時間もかからないが、あえて一般国道を経由して行くことにした。 国道399号線は川内村、葛尾村、浪江町、飯舘村を経て伊達市にいたるが、経由地はいずれも放射線量の高い地域で、住民の多くが非情にも避難を余儀なくさせられている。村や町の中は広範囲に警戒地域となり、いたるところで通行止めとなっている(a〜d)。飯舘村役場の建物はわずかに人影があるだけで、寒々としていた(e)。庭の線量計が何とも空しかった(f)。 国道399号線はいわき市と伊達市を南北に結ぶ主要国道の一つだが、狭い山越えの道で、積雪と凍結のためか冬季は交通量も少ない。福島第一原発の事故以来、さらに通行量は少なくなっている。昨日も川内村まではわずかに何台かの車とすれ違ったが、そこから北では対向車にはほとんど出会わなかった。さらに人影がほとんどない集落をいくつも通過した。 |
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高湯温泉では珍しく老舗の大型ホテルに泊まったが、宿泊客の少なさに驚いた。景観や泉質は申し分なく、料理も従業員の対応もとても満足できるものだった。多くの宿が、宿泊費を下げたり、サービスや食事を充実させ、大変な営業努力を重ねている様子がよくわかる。しかし風評被害の影響は甚大で、団体客の激減は目を覆うばかりだった。 帰宅すると庭のクロッカスが花を開き、梅は白い花をつけ、初春の訪れを感じさせられた。あと2〜3週間もすれば子嚢菌がいろいろ顔を見せてくれることだろう。 |
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埼玉県川口市の近郊では1月から2月はじめの頃には、たいていツバキキンカクチャワンタケの姿が見られる(雑記2011.2.7、同2008.1.8、同2005.1.30、同2003.2.1、etc.)。そこで、いわき市でもあるいはと思って探してみた。 手始めに借家の庭でツバキ樹下の落ち葉をかき分けてみた。数本の下をていねいに見たがきのこの姿はない。そこですぐ近くのいわきフラワーセンターまで行ってみた。ここにはツバキが多数あるのだが、まだどこにもツバキキンカクチャワンタケの姿はみられなかった(a)。 遊歩道の脇にはタマキクラゲがいたるところに見られた(b)。小径の法面にはツチグリがいたるところに群生していた(c, d)。きのこではないが、芝にはイシクラゲがやたらに目立った(e)。 |
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例年になく寒い時季に転居してからじきに一ヶ月が経過する。広々とした庭はまだ冬景色のままだ(a, b)。この間に降雪もあったが翌朝には消えていた(c)。つい一週間ほど前までは段ボールが廊下に残っていたが(d)、今は引越にともなう作業はほぼ片付いた。 一昨日まではパソコンの隣には顕微鏡や撮影装置に繋げる電気コードが雑然と置かれ(e)、顕微鏡本体は押し入れで肩身の狭い思いをしていた(f)。電気工事も完了したので、ようやく顕微鏡を机上に設置することができるようになった(g, h)。 |
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昨日午後に、いわき市在住の友人・知人以外では初めて、遠方からの訪問客があった。四月につくば市から石川県に移るKさんだ。三月は旅立ちと別れの季節でもある。こたつを囲んで、久しぶりに菌類や博物館などにまつわる四方山話を楽しんだ。 | |||||||||
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転居以来これまで容量不足と場当たり的配線のために、パソコンを安定して使えない状態が続いていたが、やっと解消した。これまでは、こたつとファンヒーターを使っているとパソコンが非常に不安定でしばしばブレーカーが落ち、顕微鏡を使うどころではなかった。 昨日早朝、遠くの電柱から解体予定の作業小屋経由で来ていた電線を、母屋に直接引き込む作業から始まった(a, b)。配電盤は作業小屋から取り外され、新たに母屋の外壁に移動された(c)。昨日までの仮分電盤は新らしいものに取り替えられて(d, e)、パソコンや顕微鏡などを置く部屋には、これまでとは別系統の配線が来ることになった(f)。 |
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最近10年間を振り返ってみると、これほど長い期間顕微鏡に触れることなく過ごしたのは初めてのことだ。結果的には昨年12月半ばから約2ヶ月以上及ぶ。きのこに関してはここ数ヶ月採取していないので、幸いにも未観察の標本はない。しかし、コケに関しては半年以上全く離れていた。手元には乾燥状態となって放置されているコケ標本が100点以上ある。 | |||||||
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いわき市内の市街地や学校などにはあちこちに線量計が設置されている(a)。さらに広野の少し先、Jヴィレッジから北は厳重に閉鎖されて一般車は入れない(b)。昨年の大津波の被災地は未だ凄惨な状態を曝しているが、田園地帯はようやく日常の営みを取り戻しつつある。 わが借家も田園地帯の一角に位置し、家の北側は小川を挟んで、直ちに広葉樹と杉植林の山となっている。徒歩で10〜20分も歩けば、その先には手頃な散策路が続く。今朝は周辺を巡り少しばかり歩いてみた。低温と強風のため立ち止まると寒さが身にしみた。 |
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空気が澄んでいるため、路傍の樹木には地衣が多数ついている(c)。倒木や腐木にはアラゲキクラゲ(d)、スエヒロタケ(e)がよく目立つ。エノキタケやヒラタケはカラカラに乾燥している(f)。 | |||||||
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車のナンバープレートが「大宮 300」から「いわき 300」になったが、まだ自車のナンバーを覚えられない(a, b)。部屋の壁いっぱいに押し込まれた本は、菌類、蘚苔類、地衣類、分子生物学、情報処理、西洋古典語、etcなどがゴチャゴチャに並び、いまだ未整理のまま(c)。他のジャンルの本や一般書は別の部屋の書棚にやはりバラバラに並んだままだ。
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昨日電設業者に電気配線の仮工事をしてもらった。応急処置ゆえ配電盤からの電線は地面を経て勝手口の脇を這い、軒下に吊されたままだ(d, e)。しかし、とりあえず一組のディスプレイ・パソコン・プリンタを同時に使えるようになった。顕微鏡や撮影装置をパソコンと同時に使えるようになるのはまだ二週間ほど先になる。基本電力量をアップして正式の配線が終わるまで、室内配線は宙に浮いた状態となったままだ(f)。 | |||||||
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とりあえず無線LANの構築も終わって何とかパソコンを使える状態にはなったが、電気が非常に不安定で継続的に利用することができない。メインのデスクトップパソコンと20インチのディスプレイ、プリンタ、スキャナーを同時に使うと簡単にブレーカーが落ちる。パソコンとディスプレイの電源が入った状態で顕微鏡の電源をオンにするとブレーカーが落ちてしまう。 契約電気容量が30アンペアのはずなのに、パソコンなどは全く使わず別の部屋の電灯をオンにしただけで、他の部屋の灯りが一瞬暗くなったり、「強」にしたはずの電気掃除機が勝手に「弱」になってしまったりする。電気工事業者にみてもらうと、配電盤と配線が不良な状態で、電圧が不安定な上に20アンペアしか使えない状態になっているという。 とりあえず契約容量の30アンペアを使えるよう応急的な再配線工事をしてもらうことになった。電気工事が終わるまではパソコンと顕微鏡を同時に使うことはできない。 |
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午前中に警察に行って自動車保管場所証明を受け取り、その足で管轄の陸運事務所に向かった。広い敷地の中央に広い駐車スペースがある。駐車場を挟んで東西に建物が二つあった。必要な書類に記入して、自動車税の申請などをすませて、旧ナンバープレートを自分で取り外した。新たな車検証と「いわき」ナンバーのプレートを発行してもらったが、このために何度も両端の建物を行ったり来たりしなくてはならなかった。ナンバープレートを自分で車に取り付けたあと、係官から封印をしてもらって一件落着。ナンバー変更の手続きをしたのは20年ぶりだが、やはり何とも面倒くさい。やっと今日からは「いわき」ナンバーだ。 | ||
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いわき市にきて以来これまでは荷物の開梱と整理に追われて外を歩くことは全くなかった。一通りの開梱作業は済ませたが、まだ整理作業がほとんど進捗していない。これまで外出というと、役所やスーパーマーケット、灯油の買い出しなど、車での外出ばかりだった。 今日は1時間半ほど借家裏の学校林を歩いてみた(a)。いわき市にきて初めての散歩だ。借家を出て5〜6分は杉植林の小径が続くが(b)、すぐに赤松や山桜混じりの雑木林になり(c, d)、やがて林道にでる。尾根筋を通る林道からは四ツ倉の海を見渡すことができる(e)。 |
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日向の杉にはすでに大きくなった雄花が多数ついていた。借家裏の小川では先日ヤンマタケが見つかったというので、川に沿って探し歩いてみたが、見つけることはできなかった。いずれにせよ借家から20分も歩けばキノコやコケを観察する豊かな環境がすぐ近くにある。 | |||||||
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引っ越し荷物の開梱はほとんど終わったが、荷物の整理にはまだかなり時間がかかりそうだ。二月末頃までには顕微鏡を使える環境を整えることができそうだ。どうやらパソコンの設定をいじるゆとりもできた。川口市で10年前から使っていたCoregaのルータでは思い通りの無線LAN環境を構築できなかったので、新たに最新のBuffaloのルータを購入した。何とも簡単にあっけなく無線LAN環境の構築ができた。時代が変わったことを痛感した。また、amazonからの配達は思いの外早く、川口市時代とほとんど変わらなかった。 | ||
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今朝目を覚まして居間の寒暖計を見るとマイナス一度。一方、外はマイナス八度。居間のファンヒーターを点火して30分ほどするとようやく摂氏二度まであがった。テレビのスイッチをオンにすると、渋谷のNHK屋上から朝の実況放送をやっているところだった。「ここはマイナス一度。とても寒いです」と気象予報士の若いお姉さんが震えながらしゃべっていた。 川口市に住んでいた頃は、屋外がマイナス一度なら室内は摂氏六度以上あった。密閉性の高い団地だったので、ガスコンロにヤカンを乗せて30分もすればすぐに十二度になった。さすがにいわき市の古い民家ではそうはいかない。ここに暮らして一週間超、ファンヒーターなどをガンガンたいても、居間や台所で摂氏十度を超えた日は今のところ一度もない。それでも太陽が顔を出して、日が差し始めると南側の縁側はとても暖かくなる。 数カ所の灯りをつけて炬燵などの暖房を使うと、パソコンの挙動が不安定となり、しばしばブレーカーが落ちてしまう。すると無停電電源装置が悲鳴をあげる。どうやら電気容量が不足気味らしい。配電盤工事と電気容量のアップが完了するまでは、パソコンを使いながら顕微鏡を覗くことはお休みだ。連日強い風と寒さの中で荷物整理に追われている。 |
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トップページの画像をアバタケシボウズタケからセンボンキツネノサカズキに変更した。また、あわせてプロフィールの文面も若干修正した。昨年の大津波の影響やもろもろの事情のため、海浜のケシボウズタケ探索は当面棚上げとなる。いまだ顕微鏡や実体鏡は使える状態からはほど遠く、押し入れにポリ袋をかぶせた状態のまま。本も一応ひととおり書棚に納めたが、何がどこにあるかわからない。パソコンもようやくディスプレイや配線コードなどを掘り出した状態だ。廊下にはまだ段ボールがズラッと並んでいる。 | ||
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