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自宅周辺から石森山に向かう道筋にはアオキがやたらに多い。灌木の樹下にはアオキオチバタケがいたるところによく出ている。淡褐色のカサと黒く細長い柄を持った小さな子実体が、アオキの葉やら枝に群れている(a, b)。 ヒダは白色で粗く(c)、カサ表皮には独特の皺が見られる(d)。胞子は非アミロイド(e, f)。ヒダを寝かせて縁をみると、フラスコ状の縁シスチジアが見られる(g)。ヒダ断面を切り出してみると、シスチジアはあまり目立たない(h)。頻度が少ないようだ。ヒダを押しつぶしてフロキシンで染め、KOHで封入すると便腹形〜フラスコ形のシスチジアが少数見られる(i)。 以前観察した子実体について「2タイプの縁シスチジアがある」と記されているが、おそらくこれは誤りで、カサ表皮の細胞がヒダの縁に多数付着したのだろう(雑記2009.6.2)。今回いくつもの子実体のヒダを確認したところ、一つのタイプのシスチジアしか見られなかった。このきのこは、かさ表皮を構成する細胞に特徴があり、面白い姿をしている(j〜l)。 |
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ウメの樹下にもハルシメジがでてきたが、いずれもとても小さい。またふと目を上げると立木にヌメリスギタケモドキがついていた。入れ歯が破損した。今日は久しぶりに歯医者行き。あぁ嘆かわしい、しばし茶類とアルコールが主食か。流動食は大嫌いだ。 | |||||||||||||
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採取から3〜4日放置した後、昨日カバーグラスに伏せておいたオオシトネタケらしききのこが今朝は胞子紋をたっぷり落としていた(雑記2012.5.4)。今朝はそれを、対物40倍レンズ(a)と油浸100倍レンズで覗いてから(a, b)、このきのこの採取地に立ち寄ってみると、子実体はとても大きくなっていた。そのまま、10数kmほど走って広野町のモミ林に行ってみた(c)。 広野町のモミ林には3月からほぼ毎週のように行っていた。今朝はやや暗い樹林の下に真っ白なギンリョウソウがよく映えた(d)。先週の豪雨で崩れて汚れたシャグマアミガサタケが多数みられた(e)。ややミイラ気味の子実体も目立った(f)。ゴールデンウイークにはたまたま近寄らなかったが、そのときがシャグマアミガサタケの最盛期だったようだ。 |
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関東以南ではすでにカンゾウタケやテングタケ仲間が見られるようだが、ここいわき市ではウメのハルシメジもまだ見られず、大型盤菌の季節がそろそろ終わりを迎えつつある。 | |||||||
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エツキクロコップタケを乾燥標本にする前に顕微鏡で覗いて遊んだ(a)。幼菌から成菌までを縦断してみた(b)。成菌のコップ部分から2cm平方くらいを切り出してカバーグラスに載せておいたところ、一晩でたっぷり胞子紋が落ちた。胞子は平滑で大きいので、観察は対物40倍レンズで十分だ(c)。油浸100倍レンズでは全体にピントを合わせにくい(d)。子嚢盤の断面は明瞭に複数層に分かれ(e, f)、子実層(g)、子実下層と托実質上半部(h)、托実質下半部と托外皮(i)が区別できる。子嚢は非アミロイドで、側糸は針状に細長い(j, k)。托外皮層の菌糸表面には黒い色素が沈着している(l)。最外部の毛の様な部分の菌糸は淡褐色から透明白色だ(e, i)。
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コナラ腐朽木や周辺の土上にケコガサタケ属のきのこが多数でていた(a)。カサ頂部に中丘のあるものや、ヒダの付き方が垂生気味のものなどもあり(b)、コレラタケの可能性もあると思い、持ち帰った。胞子には微疣があり、明瞭な胞子盤がある(d〜f)。ヒダを寝かせて縁をみても、縁シスチジアは非常に少ない。ヒダの横断面を何枚も切り出してみたが、縁シスチジアを帯びたものはとても少ない(g, h)。側シスチジアもやはり少ない(g, i)。シスチジアは縁も側もともにフラスコ状で(j)、やや異形のものもある(k)。かさ表皮の菌糸は、頂部から放射状に広がり、平行ないし匍匐状に伸びる(l)。菌糸にはヒダにもカサ肉にも柄にもクランプがあるが、担子器にべーサルクランプは見つからなかった。ヒメアジロガサモドキないしそれの近縁種なのだろう。
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昨日水槽を掃除した。栓が老朽化していて落ち葉と泥でかろうじて塞がっていたらしい。水を十分に満たしたのだが、今朝になると水がすっかり抜けていた。 土葬にしようと水を入れた容器にメダカを拾い上げると、ピクピク動きはじめ、やがて泳ぎだした。1匹だけやや元気がないが、死んではいなかった。水がすっかり抜けたのは早朝だったのだろう。それにしても、水のない水槽に1時間以上もじっと耐えていたとは。[am7:30] やはり水のない環境ではよほど強いもの以外は生き延びられなかったのだろう。元気のなかった数匹が息絶えて水槽の底に沈んでいた。もう少し早く気づいていれば・・・ [am8:20] |
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昨日午前中、仲間三人で福島県川内村に入った。沢沿いの足下は、さながらエツキクロコップタケ(d, e, f)の展示会だった。まだ頭部に孔の開いていない幼菌(a)から切れ込みの入り始めた若い菌(b)、開口部が五角形の星形に開いた菌(c)など、たっぷり楽しめた。 ふと足下をみるとテンガイカブリタケの姿があった。しかしたった一本では標本にもならない。そこで、三人で周辺をさんざん探し回ったが、結局ほかの子実体は見つからなかった。 |
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一度帰宅し、昼食後に二人で広野町の林道に入ったが、いたるところで倒木や路肩崩壊がある。小型の電動チェンソーしか持って行かなかったのが大失敗だった。 道を塞ぐ倒木を除去しようと、径10〜15cmの小枝の切断からはじめて、20cm超の主幹に取りかかっている最中にバッテリー切れ。予備バッテリーに交換したが、途中で再びバッテリー切れとなってしまった。幹に食い込んだソーチェーンの回収に難儀し、それ以上進むことはできず、すごすごと引き返してきた。充電式チェーンソーの非力さをたっぷりと味わった。 |
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カンムリタケ(a)をテーブルの上に放置しておいたら、白色の胞子紋がたっぷり降り積もっていた。胞子紋を棄てる前に水(b)、フロキシン+水(c)、コットンブルー(d)で封入して遊んだ。水で封入したときと比較して、酸やアルカリで封入すると胞子サイズが幾分小さめになった(d)。
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すぐ近くの石森山でも桜樹下にアミガサタケが見られるようになってきたが、発生数がなぜかとても少ない(e)。一昨日の豪雨のあおりで、周辺の道路には流された堆積物があふれ、キシメジ科のきのこはすっかり痛めつけられて形も崩れていた。これらは一晩放置しても胞子紋は洗い流されたのかほとんど落ちなかった(f)。 なお、連休のこの時期、隣近所の農家ではどこも田植え一色だ。外を見れば、早朝から薄暗くなるまで、耕耘機や田植機が忙しそうに動いている。軒下にはツバメもやってきた。 |
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家の近くの杉林で広葉樹の腐朽木から子嚢菌がでているのを確認したのは4月15日だった。20日になるとかなり大きくなった(a)。柄はほとんどないか、あってもとても短かった(b)。まだ胞子は全くできていなかった。しかし、側糸の隔壁中央になにか丸いものが目立った(c, d)。ウォロニン小体(Whronin bodies)かもしれないと思ったが、ここまで顕著な姿をみたのは初めてだった。材ごと自宅に持ち帰って成長を待つつもりで縁側に放置しておいた。 5月1日になるとさらに成長し、白色の柄も伸びてきた(e, f)。茶碗の部分を縦断してみると、子実層、子実下層、托実質、托外皮などの様子がわかる(g)。いくら見ていても、息を吹きかけても胞子の放出は覧られなかった。一部の子嚢には胞子ができはじめていたが、子実層をみると、胞子は未成熟で、大きさがまちまちな楕円形・平滑なものばかりだった。 さらに今朝再び確認すると、成熟した胞子がかなり見られるようになってきた(h)。子嚢は非アミロイドで(k)、胞子は表面が編み目状隆起で覆われていて、嘴状突起のようなものはない(i, j)。3%のKOHで封入するとたちまち表面模様の部分は消失してしまった(l)。さらに、未成熟で若い子実体の側糸にみられたウォロニン小体のような構造はほとんど目立たなくなった。ただ、そのつもりで隔壁中央をじっくりと見ると、小さな丸い構造があるといえばある、ないといえばない、かのように見える。それにしても、成熟までにとても時間がかかるきのこだった。 |
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昨日は終日激しい雨のため、道路はいたるところで冠水・浸水し、車は何度もハイドロプレーニング現象のため挙動が不安定となり、幾度となく危険を感じた。家の裏の小川は今にも氾濫寸前となり、イチリンソウや畔の径は完全に冠水してしまった。 | |||||||||||||
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昨日友人ら6名で広野町と三春町に出かけてみた。広野町では昔の田圃跡に出ていたカンムリタケが十分成熟していた(雑記2012.4.25)。この先まだ1週間ほどは鮮やかな姿を楽しめそうだ。一方、三春町のオオズキンカブリはほとんど終わりを告げていて、残っていた10数個の子実体は崩れたり干からびたものばかりとなっていた(同2012.4.26)。オオズキンカブリやテンガイカブリの寿命は意外と短いのだろう。瀧桜はすっかり花を落として葉桜状態となっていた。
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今朝は鳥の声も少ない。終日雨という予報が出ているが、早朝の今、風はほとんどない。 | |||||||
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フクロシトネタケの仲間を覗いて遊んだ。4月15日には子嚢と側糸が分化していなかった(a)。20日にはやや子嚢が明瞭になったが胞子はまだできていなかった(b)。28日になると胞子はできていたが楕円形で表面は平滑、要するにまだ未成熟胞子だった(c)。 28日に持ち帰った子実体を数日間放置したところ、胞子紋が落ちだし、子実層も成熟しているのを確認できた(g, h)。胞子には両端に嘴状突起があり、表面には隆起した編み目状の模様がみられる(d)。コットンブルーで封入すると、乳酸のためか嘴状突起が膨潤する(e)。KOHで封入すると、嘴状突起も表面の模様もすべて溶けて消失してしまう(f)。 子実層を水(g, h)、メルツァー試薬(i)、KOH(j)、アンモニア(k, l)で封入してみた。アルカリで封入すると、胞子の突起や表層部が膨潤し溶液中に溶け出すが、KOHとアンモニアでは様子がやや異なる。KOH溶液では、封入直後に嘴状突起は見えなくなり、表皮の膨潤した部位が半透明状に見えるが、10秒ほど経過すると、それらは一切見えなくなってしまう。 一方、アンモニアでは、嘴状突起を含めて表層部分が膨潤する(k)。やや時間が経過すると、胞子全体をゼラチン質が覆っているかのような状態となる(l)。 |
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このきのこについては、2008年6月13日の雑記でも同じようなことを述べている。 | |||||||||||||
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いわき市の三森山は、標高こそ656mと低いが山岳信仰の山として古くから親しまれてきた。しかし昨年の福島原発事故以降登山者は激減した。登山口の駐車場にはわが家の車だけ。 霊気漂う原生の森でカメラ(Olympus E-620)を三脚に設置した。ピントを合わせてシャッターを切ろうとした瞬間、液晶画面が真っ暗になり、反応がなくなった。予備バッテリーに取り替えてみたが、カメラは相変わらず無反応。バッテリーは出発前に充電したばかりだった。先日に引き続いてこのE-620も故障かと気が滅入った(雑記2012.4.12)。もはや予備ボディはない。先に故障したボディはまだ修理に出してない。二台とも使えないと困ったことになる。 山から下りて自宅近くでコンパクトデジカメを使ってきのこを撮影した。先ほど全く反応のなくなったE-620の故障具合を再確認しようと、電源をオンにしたところ、何の不具合もなく作動するではないか。念のため、当初のバッテリーと交換したがこれも正常に作動する。 とりあえずほっとしたが、カメラ不具合の理由はわからない。なおカメラばかりではなく、カーナビにも異変が生じていた。往路で表示されていた林道が復路では消えていた。そして、山から離れるにつれ、途中から再び道が表示されるようになった。 |
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