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ここ数年間、きのこの乾燥には段ボール箱に餅網を差し込み、下側に開けた穴に布団乾燥機の先を突っ込んで行っていた。埼玉時代にはこれを冬は室内に、夏はベランダに置いていた。いわきに転居してからは広い縁側があるので、数日前までそこに置いていた(a)。 室内で布団乾燥機を稼働させるとかなり熱がでる。これは夏の暑い日には辛い。そこで縁側の外側に外部電源を設け、そこのすぐ近くにきのこ乾燥機を置けるようにした(b, c, d)。これで暑い夏は外で乾燥できるようになった。端板と丸鋸を使ってのやっつけ仕事だった。 |
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このきのこ乾燥機セットは携帯用なのでコンパクトではあるが、いっぺんに多数のきのこを乾燥することはできない。大きめの乾燥機はヒーター(トレポカ)が壊れて数年前から使えなくなっていた(きのこ簡易乾燥機:2002.3.21)。そこで新たに、常設の乾燥機を作ることにした。ベニヤ合板でなるべく安価に作る予定で大雑把なイメージ図を描いて、それに基づいて図面を引いた。今日は合板と木ねじなどを調達して、作業は明日か明後日の早朝になろう。 早朝の庭には、相変わらずParasola属、Conocybe属の繊細なきのこが多数見られる(e, f)。そういえば、昨日はじめてシオカラトンボを見た。しかしオニヤンマの方が多く、しばしば室内に入り込んで食卓のまわりをうるさく飛び回るので、つまんでは外に放り出している。 |
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もろいきのこや小さなきのこのヒダ薄片を切り出すのはなかなかむずかしい。そして、せっかく薄く切り出せたと思ったら、スライドグラスに載せるときや、カバーグラスをかぶせる時にしくじって、薄片を台無しにしてしまうことがある。今日の画像は最近数ヶ月の失敗例だ。
(a, b)はコブアセタケ。カバーグラスに付着したゴミを一緒にかぶせてしまった。実体鏡の下で慎重にカバーグラスを外して、再びかぶせたところ、厚壁シスチジアも薄膜シスチジアもゴミのためにひん曲がったりゆがみ使い物にならなかった。再び切り出しをやり直した。 |
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切り出した切片が多少厚くても、ゴミや気泡が付着しても、同定のための検鏡であれば、全く気にしない。しかし、講座に使おうとか、公刊物などに掲載するとなると、どうもうまくない。そこで結局やり直しとなるのだが、「今日の雑記」のような随想めいたメモでは気楽に掲載してしまうことになる。でもやはり、できればきれいな薄片の画像を掲載したいものだ。 | |||||||
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先日採取したヒロハチチタケを覗いた(a, b)。チチタケ属はすぐにカミソリが切れなくなり、子実体に触れるだけで手がべとべとになるので、できれば触れたくない。しかし、この仲間以外のきのこがほとんど見られないので、今日も懲りずにヒロハチチタケをいじくり回した。 胞子紋にベッタリと乳液が一緒に落ちて、乳紋となってしまい、はっきりした胞子画像を得られなかった(c)。ヒダを切り出すとカミソリの切れが急に悪くなった(d)。縁シスチジアがあるが(e, f)、側シスチジアは見あたらない。担子器がとても長い(g, h)。カサ表皮(i, j)と柄の表皮(k, l)はビッシリと微毛に被われている。 |
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お盆の期間(8/13〜8/16)、近隣や周辺の民家からは子供たちの歓声がよく聞こえてきた。庭にはふだんあまり見かけない帰省者たちの車が何台も駐車していた。15日から16日にかけて帰省していた人たちが次々と慌ただしく首都圏などに戻っていた。17日には市街地の道路渋滞やスーパーマーケット駐車場の大混雑は解消し、これまでの平常状態に戻った。とはいっても原発事故前の静かないわき市からはほど遠いが。 | |||||||||||||
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早朝の庭にはParasola(ヒメヒガサヒトヨタケ属)、Conocybe(コガサタケ属)の小さく繊細なきのこが多数見られる。陽光が射しはじめるとすぐに萎んだり崩れてしまうものが多い。昨日もam5:00頃の庭には50〜60本のParasolaが開いていた(a〜f)。ヒメヒガサヒトヨタケ、コツブヒメヒガサヒトヨタケ、オオカバイロヒトヨタケの3種は確認できた。しかし6:30頃には10数本となり、8:00頃には一本も見えなくなった。旧分類のCoprinus(ヒトヨタケ属)を観察しようと思えば早朝が勝負だ。ヒダやカサ表皮の構造を観察するにはつぼみ(幼菌)が必要だ(雑記2002.6.19)。 川口時代は、これらの仲間を観察するためには、暗いうちに車を30分ほど走らせなくてはならず、一種類でもあれば、アイスボックスにいれて、崩れないうちに直ちに持ち帰らねばならなかった。今は起床すれば目の前にきのこの姿があり、ゆっくりと生態観察もできる。 |
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那須高原の甲子温泉周辺から茶臼岳周辺の森を歩いてみたが、どこにもほとんどきのこの姿はなかった。夏休み中の観光地の大混雑を目の当たりにして、うんざりして帰宅した。 夜中のam3:00頃に降り出した待望の雨は、am4:30頃にはすっかり止んでしまった。 |
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何と言っても見つけにくいキノコである。ともかく小さい! そしてコケなどの同色のものから密かに発生している(a)。これまで偶然にみつけたものが2回、人に案内してもらったのが1回である。今回も渓流のそばでコケの上に座って昼食をとり、食後にボーっと目の前のコケの絨毯を見ていたら「枯葉がコケに刺さっている」のを見つけた。それにしては色がモスグリーンでなにか変だなと思い、近づいてよく見てみればマツバシャモジタケであった。思わず連れ合いを大声で呼んでしまった。しゃがんで探さなければ見つからない厄介なキノコである。
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十分な量の胞子が落下せず撮影に苦労し(b, c)、子実体にゴミが沢山ついていたため、切片も簡単には作成することができなかった。子嚢先端はメルツァー液で可愛らしく染まり、無弁子嚢であるのも確認できた(f)。とりあえず頭部、柄の組織も観察してみた(d, e)。頭部と柄が明瞭に区別でき、胞子の形からマツバシャモシタケ(Microglossum viride)としてよいようだ。 (Y. A.) | |||||||
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山渓フィールドブックス『きのこ』には、Lactarius(チチタケ属)の冒頭ページに三種の大型白色系きのこが掲載されている。そのうちの最下段にあるのがケシロハツモドキだ。今朝は先日採取したケシロハツモドキを覗いてみた(雑記2012.8.8)。 ヒダが非常に密で幅狭く頻繁に二叉に分岐している点を別として、顕微鏡下の姿はケシロハツの検鏡画像ととてもよく似ている(雑記2012.8.13)。シスチジアは縁にも側にも高頻度で多数あるが、多くは先端に小さな球形の頭部をもっていた(j)。担子器の柄が長いものも目立った(k)。カサ表皮(l)や柄の表面もケシロハツのそれととてもよく似ている。 |
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川口市では初夏からお盆の頃に見かけるトンボというと、ほとんどがシオカラトンボ(=ムギワラトンボ)で、大型のオニヤンマやギンヤンマはめったに見られなかった。ところが、ここで見かけるトンボは大部分がオニヤンマで、たまにギンヤンマを見る。オニヤンマは高い頻度で現れほぼ毎日身近に飛んでいる。でも、いまのところシオカラトンボはまだ見ていない。 | |||||||||||||
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昨日川内村では「川内村復活祭」が行われ、かわうちの湯前の広場では各種アトラクションが行われていた。午前中いわなの郷に行ってみた。宿泊棟近くにはきのこの姿は全く無かった。ひどく荒れた林道を上部まで進むと、周辺には大きく育ったニセアシベニイグチがあちこちに見られた(a〜d)。ほかにはニガイグチモドキ(e)、アメリカウラベニイロガワリ、ウラグロニガイグチ、イロガワリもあり、数は少なかったがクリイロイグチに似たきのこ(f)なども見られた。 村内の別の川の流域では、キショウゲンジ(g, h)、オオモミタケ(i, j)、マツバシャモジタケ(k)、ドクツルタケ等も出ていた。ヒメコナカブリツルタケ(l)、ツルタケ、カバイロツルタケ、アオゾメツチカブリは広範囲に見られた。ニセアシベニイグチにいたってはどこにでも出ていた。 |
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昨日は、いわき市に転居して以来最も蒸し暑さを感じた日だった。なお、大きくカサを広げた巨大なオオモミタケは、一部を標本にしたが大部分は庭の樹木脇に処分した。 | |||||||||||||
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先日のアオゾメツチカブリに引き続いて(雑記2012.8.10)、大型で白色系のLactarius(チチタケ属)を覗いて楽しんだ(a, b)。乳液は白色で時間が経っても白色のままだ。典型的なケシロハツのようだ。例によってヒダとカサ表面で、硫酸鉄、グアヤク、フェノールによる呈色反応をみた(c, d)。ヒダ断面を切り出すと(f)、縁にも側にも多数のシスチジアが見えた(g, h)。カサ表皮は細い菌糸の毛におおわれ(i, j)、柄の表面には針状の毛が無数に生えている(k, l)。なお、カサ表皮や柄には、ツチカブリとは違って、シスチジアは見られない。
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昨夜半というか今朝というか、am1:40頃に外に出ると満天の星空だった。20〜30分ほど空を見上げていたが、流星は5〜6個しか見られなかった。明るくなる頃には、雲がかかって青空の部分は少なくなり、蒸し暑くなってきた。 | |||||||||||||
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一昨日楢葉町の林道で、モミ林樹下にコウモリタケがでていたので、今朝は近場のモミ林に行ってみた。すっかり乾燥していてきのこは極めて少なく、水流に沿った場所にヒロハチチタケ(a〜c)とケシロハツモドキ(d〜f)が出ていただけだった。ほかにはベニタケ属のきのこが数種類出ていたが、例によってこれらは見なかったことにした。
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川口市からいわき市に転居してすでに半年以上、はじめてのお盆を迎えた。川口市時代お盆の都内は車がとても少なくて静かだった。いわき市の自宅周辺はお盆でもふだんと全く変わりない。しかし、いわき市の市街地では車があふれ、いたるところで渋滞が発生している。 原発事故で自宅を追われた被災者や原発関連の作業員の流入で、ただでさえ人や車が溢れているところに、お盆で帰省の車がどっと押し寄せているのだからたまらない。スーパーマーケットの駐車場では空きを探すのに苦労する有様だ。 昨日午後からようやく待望の雨が降り始め、今日の朝方3:00頃まで降り続いた。 |
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昨日朝食前に新舞子浜の砂浜と防風林を歩いてみたが、きのこの姿はまったくなかった。何も発生していないことの確認をしたのみに終わってしまった。 原発事故に伴う楢葉町の警戒区域が昨日解除され立入が自由となったので、午後になって楢葉町に入った。海辺では津波の被害で瓦礫の撤去もままならず(a)、「通行止め」表示を見なかったことにして進むと、道路が突然激しく波打ち橋が落ちていた(b)。 県道35号線(いわき浪江線)を北上すると富岡町との境界で「この先警戒区域につき通行止め」の表示とバリケードが現れた(c)。簡易線量計を周辺の地表付近に向けると6μSv/hを超えていた(d)。不審者の警戒のためだろう、いたるところでパトカーに遭遇した。 |
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乙次郎林道に通行止めの表示はなく、崖崩れや路面崩壊ヵ所の一部は修復されていた。モミ林にはコウモリタケが出ていた(e, f)。路面は次第に荒れてきたが、さらにすすむと、突如バリケードに阻まれた(g)。ところが向きがおかしい。表示が読めない。 車を停めて、徒歩でバリケードの先に行ってみると、「立入禁止」の看板だった(h)。路面はさらに激しく荒れて、小型の四駆などでないと踏破するのは難しそうだった。Uターンをして、すごすごと引き上げてきた。今にも崩れそうで怖い路肩が何ヶ所もあった。 |
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