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昨日すぐ近くの石森山の遊歩道を散歩すると、スギ林ではいたるところにスギエダタケが大発生していた(a)。スギの腐朽材からは、明褐色のテングノメシガイの仲間(b)。今年はヤマブシタケによくであう(c)。広葉樹の径ではミヤマタマゴタケが幼菌から成菌まで見られた(d)。 ナメクジに食われたルリハツタケに出会った(e, f)。周囲を探してみたが、この子実体のほかには見つからなかった。来年はこの周辺できっと美しい子実体にであえるだろう。明褐色以外にも、黒色と暗褐色のテングノメシガイの仲間が新たな場所でも見つかった(雑記2012.10.25)。いたる所にでていたベニチャワンタケモドキもそろそろおしまいのようだ。 |
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昨夕、暗くなって勝手口の戸や家の外壁付近でガタガタ、ゴソゴソという音が何度か聞こえてきた。小獣が戸を開けようとをひっかいたりぶつかったりしているようだった。灯りをもって玄関から回ってみたが、何もなかったかのように静まりかえっていた。 | |||||||
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先日川内村から持ち帰ったヒイロチャワンタケ(a)を10年ぶりに覗いた(雑記2002.10.16)。胞子の表面模様(c, e, g)が何とも美しい。コットンブルー(e, f)とフロキシン(g, h)で染めてみた。 子嚢盤の断面を切り出すと、明橙色の子実層と透明な托随層がよくわかる(i)。子実層の色は側糸の色素の色だった(j)。メルツァー試薬で封入するとたちまち暗緑褐色に変わる(k)。この色の変化も側糸の色素の変色による(l)。子嚢先端は非アミロイド。 |
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しくじった! 採取ケースの底にドロドロの液体が溜まり、中のきのこがほとんどダメになっていた。ヒトヨタケのヒダ実質を撮影しようと、川内村から若くて新鮮なヒトヨタケを数株ほど持ち帰っていた。八王子からの突然の来客や他の作業に忙殺され、二日間放置したままになった。この間にヒトヨタケは急速に生長し、溶けてインク色の汁となってしまった。 同日に採取してきたきのこもヒトヨタケの汁を浴びて、ドロドロになりカビや虫に侵されて観察には耐えない状態になっていた。むろん標本的価値もゼロ。泣く泣くほとんど処分した。 |
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一般にPluteus(ウラベニガサ属)のきのこは、変化に富んだ興味深いシスチジアを持っている。上手にヒダの断面を切り出せると、美しい姿を楽しむことができる。しかし、若くて新鮮なうちでないと、ヒダ切片の切り出しは極めて困難となる。 先週近くのスギ林で採集した子実体は形こそきれいだったが(a〜d)、既に新鮮とは言い難かった。そこで持ち帰るとすぐに胞子紋をとり、カサの裏面(e)とヒダの縁(f)をルーペで見て撮影すると、直ちに乾燥標本にしてしまった。今朝は乾燥標本からミクロの姿を楽しんだ。 胞子(g)は非アミロイド(h)。乾燥標本からのヒダの切り出しは難儀したが(i)、ヒダ実質の逆散開型はなんとかわかる(j)。縁シスチジア(k, m, n)は側シスチジア(l, o)より大きい。カサ表皮(q)にも柄の表皮(r)にも色素を帯びた長いシスチジアがある。 |
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顕微鏡観察をするにあたって、生標本からの方が楽なきのこ、乾燥標本からの方が楽なきのこ、どちらでも難しいきのこ、あるいは生でも乾燥でもほとんど変わらないきのこがある。いずれにせよ、すでにバクされ(流れ)はじめたきのこについては、どちらであっても難しい。 | |||||||||||||||||||
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錦秋の土湯峠温泉郷に行ってきた。主たる目的は野地温泉での日帰り入浴。入浴前に土湯峠周辺のブナ林を散歩した。足元はもちろん、あたりの山々は紅葉最盛期で、県外からも多くの観光客がやってきていた。昨年とは大違いで、道路にはひっきりなしに車が往来していた。 ブナ林ではナメコ(d, e)、ムキタケ(f)、ブナシメジ(g, h)、ヤマブシタケ(i)、ナラタケ(j)、ヌメリツバタケモドキ(k)、チャナメツムタケ、キナメツムタケ、キヒラタケ(l)などがよく出ていた。ツキヨタケ、ブナハリタケは既にほとんど終わりを告げていた。特にブナ林の御三家ともいえるナメコ、ムキタケ、ブナシメジはいかにも美味しそうな食べ頃のものが目立った。 |
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夕食はきのこのたっぷりはいった鍋物となった。今現在、福島県内の野生きのこは高い放射能を帯びたものが多く、いっさい食用にすべきではないと思う。食べれば内部被曝は避けられないだろう。したがって、食用にするか否かはあくまでも自己責任だ。 | |||||||||||||
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昨日の川内村についてのメモ。林道の縁に大きな姿のミヤマタマゴタケがみられた(a〜c)。ゴヨウマツ、カヤ、ミズナラ、シデの混じった林ではタンポタケ(d〜f)やハナヤスリタケ(g〜i)がいたるところに出ていた。いくつか掘り出してみたが、ハナヤスリタケの大半はギロチンをしてしまった。これほど多数のツチダンゴが棲息しているとは思わなかった。 ヒメサクラシメジ(j)、チャナメツムタケ(k)、クリタケ、ヒトヨタケなどがよく見られた。例年ならとっくに終わっているはずのセンボンキツネノサカズキ(l)もまだ出ていた。 |
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紅葉も進み冷えも強くなってきたので、きのこはほとんど終わりだろうと思っていたが、多くのきのこが出ていた。複数地点を回るつもりだったが、一ヵ所だけしか行かれなかった。
自宅の庭にはいろいろなきのこがでてくる。先日はワタゲナラタケ(m)、ハタケシメジ(n)、ムジナタケが目立った。初夏に多量の尿素を散布した一画からはいまだアンモニア菌の発生はない。 |
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宇都宮大学による日光でのカメラの設置場所にヒントを得て(s)、イノシシ撮影を目的とした赤外線カメラ(t)の位置を変えた。夜になると6〜8頭のイノシシが次々に現れて、集団で畑や庭をほじくり返す(u〜x)。朝、カメラが支柱ごと倒されていた。最後の画像にはカメラの直前にイノシシの姿があった。いまのところ電気柵くらいしか打つ手がない。 再びカメムシが多数室内に出没するようになってきた。各部屋に紙のガムテープを配置した。 |
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自宅近くの林道の縁にでていたテングノメシガイの仲間を検鏡した(雑記2012.10.23)。胞子には七つの節がある(c)。子実体の頭部を横断面で切って(d)子実層をみると、剛毛があり(e)、多くの側糸は先端が屈曲する(e, f)。子嚢頂孔はメルツァー液で青色になる(g)。剛毛があって隔壁が七つあり、側糸が屈曲するからナナフシテングノメシガイだろう、と思った(雑記2011.10.9、同2006.8.31)。連れ合い(Y. A.)の何気ない台詞を聞くまでは・・・。
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「八つの節を持った胞子があるよ」の一言に、胞子(h)の節の数をあらためて数えてみた(i)。ありゃりゃ、確かに八つの節をもった胞子がある(i)。あらためて、同一子実体の別の箇所の子実層から胞子を確認してみると、やはり隔壁が七〜九ある。そこで、別の子実体の胞子も確認してみた。いずれも、八〜九つの節をもつ胞子が15〜25%くらいある(j〜l)。ナナフシテングノメシガイなら七つの隔壁をもった子嚢胞子が90%以上になるはずだ。変種か別種だろうか? 引越のどさくさに紛れてGeoglossaceae(テングノメシガイ科)についての文献類が行方不明。だいぶ探したがいまだに見つからないので、このきのこの探索も棚上げだ。 |
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昨日、家の近くのスギ林を歩いてみた。スギエダタケの白さはよく目立つ(a)。テングノメシガイの仲間も二種。一つは黄褐色でスギの腐朽木から(b)、今ひとつは暗褐色でコケの間から出ていた(c)。そのすぐ脇にはスッポンタケが柄を伸ばしはじめていた(d)。ナラ科灌木混じりの法面にはワタカラカサタケに似たきのこ(e)や、ベニチャワンタケモドキ(i, j)もよく出ていた。 ナラ科の腐朽木からはフチドリベニヒダタケが出ていた(g, h)。そのすぐ脇にはヤマブシタケ(f)が白色のボールを想わせた(f)。図鑑によってはヤマブシタケは「深山幽谷に出る」と記されたものがあるようだが、首都圏の公園にも出る(雑記2008.11.16)。 |
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いわき市もここ数日、朝晩は急速に気温が低くなってきた。今朝もよく冷えた。半袖の夏用シャツ一枚では少々寒い。そろそろ暖房器具の準備にかからねばなるまい。 | |||||||||||
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10月13日の雑記で「キタマゴタケ?」としたきのこ(a)は猛毒のタマゴタケモドキのようだ。14日から昨日まで、数人の識者の方から「タマゴタケモドキではあるまいか?」というご指摘をいただいた。現地でこのきのこを見た時からキタマゴタケでないだろうとは思っていたが、タマゴタケモドキか否か検討してみるまでには考えが及ばなかった。 指摘にしたがって、あらためて再検討した結果タマゴタケモドキとするのが適切だという結論にいたった。あわせて13日の雑記も修正した。なお、ヒダの縁に溝線があるのか否かという問いに対して、乾燥標本からは自信を持って答えを出すことはできなかった(b〜d)。 ヒダの縁に明瞭な溝線があったか否かの正確な記憶がないので、撮影した画像を拡大してみた(e〜g)。これらからわかることは、明瞭な溝線はない、ということだ。一方、同日に採取した別のAmanita(a)は、現地ではわずかに溝線があるように見えたが、画像を拡大してもよくわからない(j)。一方、このきのこの乾燥標本を見ると、溝線があるかのように見える(k, l)。 |
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ご指摘いただいた識者の方々に、再検討と訂正の機会を与えてくださったこと感謝します。 | |||||||||||||
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自宅から西へ2kmほど歩むと、まだ大小とりどりのきのこが出ている。そのうち、特に多くの子実体が出ていたものをメモした。昨日午後には、紅色のアカヤマタケ属(a, b)、ウラベニホテイシメジ(c, d)、クサウラベニタケ(e)、カラカサタケ(f, g)、テングノメシガイの仲間(h, i)、シロオニタケ(j)。これらは、ほとんどが道ばたから数メートルの範囲にみられた。 紛らわしいことに、クサウラベニタケのような姿のウラベニホテイシメジ(d)とクサウラベニタケ(e)が入り乱れて出ていた。縦に裂いて棄てたらしいクサウラベニタケがいくつも転がっていた。このほかにも、タマゴタケ、ツルタケ、サクラシメジ、ハタケシメジがよく目立つ。 |
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庭の雑草の伸びが急に鈍くなってきた。家の周辺では木々の葉が少しずつ色づき始めてきた。柿の実りはひどく悪く、イチジクは相変わらず鳥にかすめ取られている。 | ||||||||||
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この10月は何度もクギタケやオウギタケに出会った。ともにGomphidiaceae(オウギタケ科)のきのこで、分類学的にはハラタケ科とイグチ科の中間の位置に置かれてきた。Chroogomphus(クギタケ属)とGomphidius(オウギタケ属)はカサ肉の色、カサ表皮のゼラチン化、ヒダ実質のアミロイド反応などが異なるとされる。 ここに掲げた子実体はいずれもつい最近川内村で撮影したものだ。プレパラートは乾燥標本から作った。上段にクギタケを、下段にオウギタケを並べた。顕微鏡でみたとき、最も顕著な差異を見るのはヒダ実質のアミロイド反応と、カサ表皮をKOHで封入したときの様子だ。 |
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昨日はつくば市の筑波実験植物園でおこわなれている「きのこ展」に行ってきた。恒例のきのこ・地衣類の室内展示、ボランティアによる催し、野生きのこの展示・解説、園内のきのこ案内、講演会など、来園者を楽しく過ごさせてくれる工夫に溢れていた。よくみると園内にはいたるところに野生きのこが見られた。なお、きのこ展は10月28日(日)まで行われている。 | |||||||||||||||||||
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家のすぐ近くの石森山の急斜面にやけに柄の長いカキシメジが出ていた(a〜c)。一方、広野町折木の林道の縁ではコケの中から典型的なカキシメジが出ていた(d〜f)。両者の間にミクロレベルの差異は全くなかった。胞子(e)は非アミロイド(f)。シスチジアはなくヒダ実質は並列型(i)。大部分の担子器の基部にはクランプがない(j)。カサ表皮は水で封入してもよくわからないが(k)、KOHで封入すると暗褐色の菌糸が入り乱れている様がわかる(l)。
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近所の山や海辺ではきのこの姿があまり見られなくなった。10月中旬になってから乾燥気味だったが、先週木曜日にようやく雨が降った。気温が下がって今週前半には秋のきのこが見られるようになるだろう。 昨夜は菌懇会のTさん夫妻、Gさんと5人で宴会。今日はこれから筑波植物園の「きのこ展」へ。 |
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