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昨日市内の公園を歩いてみた。先日の雨が発生を促したのか、大型のきのこも顔を出し始めた。ヒロハシデチチタケはやたらに大きくなっていた(a, b)。ニオイワチチタケ(c, d)とチョウジチチタケが隣接して出ていた。この両者はとてもよく似ているが、臭いと乳液の変色具合が異なることで区別されるという。 きのこ狩りの人でも入ったのか、ヤマドリタケモドキの若い菌だけがもぎ取られ、大きなものは随所に棄ててあった。その脇の草むらには、Psilocybe(シビレタケ属)らしいきのこがいくつも見られた。ひさしぶりに不気味な青色に変色したカサと柄を見た。ほかにもRussula(ベニタケ属)の大型菌4〜5種、アミタケ、チチアワタケなども見られた。 |
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今朝再び同じ公園に行ってみた。目的は放射能測定用のサンプル採取だったが、改めてアカモミタケとしたキノコ(e, f)を放置した場所にも寄ってみると、傷ついた部分が青変していた。ということは当初感じたように、これはハツタケなのだろう。 | |||||||||||||
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広葉樹の腐朽枝に小さなゼラチン質のきのこが多数ついていた(a〜d)。一見したところクロゲシジミタケのように見えた。胞子を見ると俵形でクロゲシジミタケの類球形とは違っていた(e)。メルツァー液で封入してもアミロイド反応はマイナスだった(f)。とても小さいばかりではなく厚いゼラチン質のためにヒダの断面切り出しに難儀した(g)。薄膜の縁シスチジアとやや厚膜で先端に結晶を帯びた側シスチジアが多数ある(h〜j)。カサ表皮は菌糸が平行に走っているが(l)、その下は厚いゼラチン質に被われている(k)。 ヒメムキタケ属の小さなきのこはどこにでもあり、それらの多くがいまだ未記載種のようだ。 |
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土の上から出れば「ツチスギタケ」で、材上から出れば「スギタケ」だと、いまだに思い込んでいる人が意外と多い。両者は別種であり肉眼的にも色合からして違う。偉そうなことを言っているが、自分も十数年ほど前には、土から出るものはツチスギタケだと思っていた。 大手出版社の図鑑をはじめ複数のきのこ図鑑のツチスギタケ画像が間違っていることが主因なのだが(山渓図鑑ではいちおう正誤表が出ているが・・・)、ネット上に置かれた「ツチスギタケ」という名の写真は大半がスギタケかその近縁種だ。 「スギタケ」と呼ばれているきのこは実は複数の種がごっちゃになっているらしい。隠蔽種とかコンプレックスと呼ばれるやつだ。なかにはツチスギタケによく似たものもある。 細かい議論は抜きにして、以下(a)〜(l)は、先日川内村で採取したツチスギタケとそのミクロの姿だ。胞子の発芽孔は水やKOHで封入した場合分かりにくいが、濃硫酸で封入すると発芽孔の有無はわかりやすい。(k), (l)はクリソシスチジアを捉えるためKOHで封入している。 一方、ライン下の(a')〜(f')は(広義の)スギタケ画像で、最近10年間に撮影したものだ。 |
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昨日午後、きのこ雑記の「サイト内全文検索」が突然動かなくなっていることに気づいた。一昨日までは異常がなかったから、昨日何かがあったようだ。再び正常に機能するよう修正するのに手間取った。原因は不明だが、CGIプログラムに改ざんされた痕跡があった。 | |||||||||||||||||||||||||
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先月末頃から庭のあちこちにMelanoleuca(ザラミノシメジ属)のきのこが頻繁に姿をみせるようになった。カサ径3〜6cmの小形のものから10cmほどのものまである。カサ表皮の色も明褐色のものと暗褐色のものがある。柄の基部が明褐色ものと黒褐色のものがある。ヒダはともに白色で、両者共に柄の基部には白色の菌糸がまとわりついている。 今日取り上げたのはそれらのうち、明褐色のカサで径4〜6cm、柄は基部まで暗褐色の子実体(a〜c)。ヒダの縁を見ると縁シスチジアがとても少ない(e)。7〜8枚ほど切り出してやっと縁シスチジアを捉えた(f, g)。尖った先端に結晶がついているが、フロキシンで染めてKOHで封入すると結晶物は消失していた(h, i)。側シスチジアはない。担子器にはベーサルクランプはない(j)。カサ表皮は平行菌糸被で(k)、柄にシスチジアはなかった(l)。 広義のコザラミノシメジということになろうか。とりあえず標本番号だけ与えて乾燥した。 |
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今日から土曜日まで日本菌学会関東支部の第27回菌学ワークショップが筑波大学菅平高原実験センターで実施される。テーマは、「ビョウタケ目の採集・培養と観察」。本サイトの共同運営者 Y. A. がこのワークショップに参加するため、am3:20にフォレスターで出発した。 | |||||||||||||
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先週18日に採取した大型のアセタケ属菌を覗いてみた。柄は上から下まで同じような太さだ。ヒダの縁には薄膜大型のシスチジアがあり、側シスチジアは無い。カサ表皮は並列に菌糸が並び、濃色の細い菌糸が混じる。カサ頂部は細い菌糸が縦横に入り乱れている。柄の表皮には随所にシスチジアがみられる。 胞子サイズからはキヌハダトマヤタケを思わせるが、柄の基部が凹頭状に膨らんでいない。胞子がやや小さめだがオオキヌハダトマヤタケとしてよいのだろう。 |
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つい最近であったキノコのうち、胞子がアミロイドの画像を三点。(m) (n)はミヤマトンビマイ、(o) (p)は小さな小さなチチタケ属、(q) (r)は赤変したのち黒変するベニタケ属。
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昨年秋に近くのスギ林でキシャモジタケないしカバイロテングノメシガイを思わせるきのこが出ていた(a〜d)。今年もまた時季こそ違うが、ほぼ同じ場所に同じ種と思われるきのこがでていた(雑記2012.10.31)。ちょっと見たところ成熟した成菌のように見えた。わずかに落ちた胞子紋からみた胞子は隔壁ができておらず、まだ未熟と思われる(e)。 子実層を水(f)、KOH(g)、メルツァー液(h)で封入してみた。油浸100倍対物レンズで見た画像も撮影した(i, j)。側糸は糸状で先端が湾曲している(k)。メルツァー液で表面をコーティングされた胞子からは内部の泡の様子は分からない(l)。 昨秋はタイミングが悪く、成熟した子実体を得ることができなかったので、今回は成熟するまで再びじっくり待つことにして、一週間前に比較的大きめな子実体を二つだけ持ち帰った。キシャモジタケであれば放置乾燥しても黒褐色にはならないはずだ。一週間放置乾燥してみた。 |
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ありゃりゃ、庭の一隅にニセホウライタケもでている。今年になって庭からはキコガサタケ、ハタケキノコ、コザラミノシメジ、オオザラミノシメジ、フミヅキタケ、キサケツバタケ、オキナタケ、ツルタケ、ハタケチャダイゴケ、ザラミノヒトヨタケ、ザラエノヒトヨタケ、ネナガノヒトヨタケ、ツルタケ、ジンガサタケ、ヒトヨタケ属数種、パラソラ属数種、etc. とずいぶん多くのきのこが出ている。 | |||||||||||||
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しいたけほだ場で採取したきのこである(a, b)。縁シスチジアはふんだんにあり(c)、綿毛のようなもやもやした変なもので覆われている(d)。子実層托実質は並列型で側シスチジアはみられない(e)。柄にもシスチジアはある(f)。担子器とシスチジアの基部にはクランプがみられる(g, h)。胞子は平滑、どうも簡単に壊れてしまうようだ(i, j)。 カサ上表皮の切片の観察をしたとき「すごい! シスチジアがいっぱいだー」と思っていた(k, l)。形が縁シスチジアと同じ様な姿をしていたからである。そしてカサ上表皮の構造を毛状被あるいは並行菌糸と判断した。保育社図鑑の検索表をたどるとチャヒラタケ科となり、属の検索表をたどるとカサ上表被の構造以外はビロードムクエタケ属Simocybeが疑われた。 青木実『日本きのこ図版』では、カサのシスチジアだらけに見える部分をカサ上表被とみなしているようだ。すると柵上被〜類子実層状被とみなすことができる。これだけ密生していればシスチジアではなく上表被そのものとみなすのが妥当なのだろうか。そう考えるとチャヒラタケ科ビロードムクエタケ属Simocybeの仲間としてよいと思われる。 (Y. A.) |
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[昨日午前中の川内村] 「イワナの郷」は原発事故のあと閉鎖され村の除染基地となっていたが、6月に再開され昨日は多くのお客さんで賑わっていた。いわな担当Wさんのにこやかな顔があった。 このところの雨不足のため、きのこの発生は芳しくない。テングツルタケ(m)、ウスタケ(n)、ツチスギタケ(o)をはじめ、傷つけると赤変しやがて黒変する白色のベニタケ属(p)、大型のイグチ(q)などが見られた。今はもはや地中の幼菌を確認する必要はないが、昨秋発生したコウボウフデのミイラの存在を確認し(r)、改めて発生場所を再確認した。 (I. A.) |
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昨日昼過ぎ庭の一部に灰褐色の菌輪のようなものができていることに気づいた。午前中にはこんな輪はまったくなかった。輪の径は3m、幅は20〜30cmほどある(a, b)。近寄ってみると、葉や茎の表面に灰白色の粒のようなものが無数についている(c〜e)。ルーペで見ると径0.3〜0.5mmの類球形〜楕円体が密集している(f)。類球形表面の薄い膜には灰色部に白色の網目にも似た模様があり、大理石を思わせる(g)。丸い粒の断面も白黒の模様がみえる(h)。どうやらこの得たいの知れないものは変形菌のようだ。午前中に変形体が這っていたはずだ。 そう思ってよくみると細毛体らしきものもある(i)。胞子は球形で表面は微細な粒点に被われている。胞子を納めた袋の膜は粒状の石灰質のように見えるが(k)、本当に石灰質なのだろうかと疑問に思った。そこで、希硫酸をかけてみるとブクブクと泡がでてきた(l)。間違いなく石灰質のようだ。岩石の確認に希硫酸を使うのは、石灰岩生の蘚苔類や菌類では常套手段だ。 ということは、モジホコリ科(Physaraceae)のモジホコリ属(Physarum)の変形菌ということになろうか。発生環境と子嚢壁の特徴、胞子、石灰質の形状、細毛体などの様子から、P. cenereum(ハイイロフクロホコリ)だろうと思う。 変形菌に詳しい人から見れば、なんといい加減な同定だと言われそうだが、変形菌のことはまったく門外漢ゆえ、観察のポイントもよく分からない。同定結果に信頼性は低い。 |
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今年に入ってはじめて「キノコのフォトアルバム」を更新した。2013年に撮影したきのこを50点ほど追加して、各種リスト(インデクス)を更新した。 | |||||||||||||
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昨日早朝4:30頃に撮影したザラミノヒトヨタケ(a)は昼前には縮れて倒れていたが、まったく液化はしていない。同時刻、姿形がそっくりなザラエノヒトヨタケは、カサがすべて液化してもとの形はまったく残っていなかった。 am4:30に出ていた幼菌(b)は午後になっても大きさも形もほとんど変わっていなかった。一方、早朝成菌だった子実体のカサ(c, e)は、午後になるとカサの縁が上側にめくれ上がって、筒状になっていた(d, f)。これまで見た子実体でカサが液化したものはこれまでにない。 胞子は濃硫酸で封入すると縦横共に膨潤し、発芽孔から透明な内容物の一部が飛び出した(g, h)。成菌のヒダを観察するのは無理なので、白色毛むくじゃらの幼菌をピスにはさんで切り出した(雑記2013.6.15)。ヒダの断面はくさび形ではなく、付け根から先端まで同幅となっている(i)。縁シスチジアもあれば、側シスチジアもある(j)。カサ表皮は切る方向によっては球形細胞の層に見えるが(k)、実はやや短めの細胞が並列に並んでいる(l)。 保育社『原色日本新菌類図鑑』では、このきのこは「はなはだしくは液化しない」と記されているが、むしろ「ほとんど液化することはない」と理解するのが的を得ている。 |
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ヤマクラゲを収穫して茎を薄切りにした。きのこ乾燥器が二台ともヤマクラゲ乾燥器になってしまった。そういえば今年初めにも乾燥リンゴを作ったっけ(雑記2013.1.13)。 | |||||||||||||
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今年はじめて日光に行ってきた。ほぼ一年ぶりだった(雑記2012.5.14)。日光まで、埼玉時代は往復300Kmほどだったが、いわき市からは500Km弱となり、以前のように気楽には出かけられなくなった。奥日光は曇り時々晴れ間と霧雨、日光市街は雨時々豪雨だった。 昨年より一ヶ月以上遅いこともあって、シャグマアミガサタケやオオシャグマタケは既にまったく見られず、タモギタケも第二陣が末期(g)で第三陣(h)が出はじめていた。雨不足と続く高温のためかホシアンズタケは崩れきった成菌と小さな幼菌(k)が多かった。 コガネヌメリタケが至るところで見られたが、多数が束生した株は崩れ、少数の子実体からなる株が多かった(i, j)。大型のヒラタケがよく目立った(l)。 旧分類のヒダナシタケ類がいろいろと見られた。ミヤマトンビマイは今が最盛期で大型の子実体がいくつも出ていた(a, b)。シロアミヒラタケに似た姿の大型菌がハルニレ腐朽木からでていた(c, d)。カラ松から出るツガマイタケに出会ったのはじめてだった。マスタケは若くて柔らかく大きな子実体がよく出ていた。他にも5〜6種のきのこを採取した。 |
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この時期の日光はクリンソウ鑑賞目的の客が非常に多く、100台ある駐車場は平日でもam8:00には満杯となってしまう。このため、往きは高速を使ってam7:00前に到着した。悪天候のためか、駐車場はまだたっぷり空きがあった。帰路は専ら一般道を走っていわきに戻った。 | |||||||||||||
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