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日( )
2013年7月20日()
 
きのこがとても少ない
 
 今朝、朝食前5:30頃に市内の公園を数ヶ所歩いてみた。ほとんどの場所にきのこはなく、海辺近くの神社の遊歩道にだけベニタケ類、イグチ類を中心に幼菌や小型のきのこが見られた。それらのうち、大型のきのこだけを拾い出してみた。
 カサ径15cmを超える大きなチチタケ(a)、コテングタケモドキ(b)、アカヤマドリ(c)、ハナガサイグチ(d)、ホオベニシロアシイグチの幼菌(e)、アミスギタケ(f)はよく目だった。他にはイグチ類の小さな幼菌が多数みられたが、いずれも種名を特定できるような代物ではなかった。
 
(a)
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(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
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(e)
(e)
(f)
(f)
 7月に入っても連日の冷夏と乾燥のため、どこもきのこの姿は少ない。一昨日ようやく待望の雨が降ったので、明日あたりからきのこの姿も少し増えるかもしれない。

2013年7月19日(金)
 
WRAYCAN-NF & NY-1S:胞子で比較
 
 (株)レイマーの製品WRAYCAM-NF130+付属のリレーレンズ(a)と(株)マイクロネットの製品NY-1S+オリンパス製一眼レフE-410(b)で、胞子の画像を比較した。NIKONの顕微鏡BIOPHOTの三眼鏡筒に装着して撮影した。それぞれ対物油浸100倍で撮影したままの画像を並べた。画像は単純に縮小しただけで、そのほかの処理は一切施していない。
 上段はNF130画像、下段はNY-1S画像で、(b), (b')はアヤメイグチ(水封)、(c), (c')は同KOHで封入、(d), (d')はコビチャニガイグチ、(e), (e')はミドリスギタケ、(f), (f')はニガイグチモドキの胞子だ。一眼レフでの撮影はNDフィルター(減光フィルター)を使って光量を抑えている。
 
(a)
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(b)
(b)
(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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(a')
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(b')
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(c')
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(d')
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(e')
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(f')
(f')
 画像を見ると普通に利用する場合にはどちらを用いても大差ないように感じる。両者ともパソコンデータとして保存し、利用にあたっては何らかの画像処理を施すことになる。
 パソコンや一眼レフに不慣れであれば(株)レイマーのNFシリーズが圧倒的に楽だろう。画質にこだわるならば(株)マイクロネットのNY-1S+一眼ボディーに分がある。コスト的には、NFシリーズが5〜12万円、NY-1S+一眼ボディーが21〜29万円と、NFシリーズが割安だ。

2013年7月18日(木)
 
小さな紫色のEntoloma
 
 川内村のイワナの郷で出会った小さな紫色のEntoloma(イッポンシメジ属)で遊んだ(a, b)。この仲間は胞子を見れば属レベルまではすぐに分かるが、種のレベルまで落とそうと思えば、細かな肉眼的特徴をあげつらう必要がある。たいていは縁シスチジアも側シスチジアもなく、カサ表皮の構造も単純なため、顕微鏡はほとんど役に立たない。
 胞子(c)、ヒダ断面の先端付近(d)、ヒダ断面の中央部(e)、カサ表皮(f)を撮影した。担子器の基部には、クランプがあるようにもないようにも見える。とりあえず肉眼的特徴などからヒメコンイロイッポンシメジかそれに近い仲間のキノコとしておこう。
 
(a)
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(b)
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(c)
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(d)
(d)
(e)
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(f)
(f)
 いわき市内の公園にも、新舞子浜の海浜公園にも砂浜にも、どこにもきのこの姿がない。このところのいわき市は、雨は降らない、気温は低い、これではきのこは発生しない。昨日夕方になってようやく雨が降り出して、今朝まで降り続いていたが、昼になって真夏が戻ってきた。

2013年7月17日(水)
 
タマゴタケ遊び:大玉村
 
 福島県中通り大玉村の公園を歩いてみた。各種のテングタケ類をはじめ、ベニタケ類、チチタケ類、イグチ類が多量に発生していた。中でも場所によっては足の踏み場もないほど大発生してよく目立ったのがタマゴタケ、チチタケ(k)、ヤマドリタケモドキ(l)、ベニタケ類、だった。
 タマゴタケは、菌蕾を縦に切ったり横に切きったり成長順に並べてみたりして遊んだ(a〜f)。ヒメコナカブリツルタケ(g)、ガンタケ(h)、テングタケ(i)、カバイロツルタケ(j)、ツルタケなどにも至るところで出会った。しかし出会いたかったテングタケ類は発生していなかった。
 形態的特徴と呈色反応から同定可能なベニタケ類はごくわずかしかない。そこで、少しでも曖昧なベニタケ類は原則として撮影も採取もしない。昨日はカワリハツ、チギレハツタケ、オキナクサハツ、クサハツ、アカカバイロタケ、クロハツ、アイタケなどが大量発生していた。
 
(a)
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(b)
(b)
(c)
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(d)
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(e)
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(f)
(f)
(g)
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(h)
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(i)
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(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 一方、同じ中通りでも30kmも離れていない郡山市の逢瀬公園などはカラカラに乾燥していてきのこの姿はほとんどみられなかった。

2013年7月16日(火)
 
カラカラ地面:フラワーセンター
 
 昨日朝、再び石森山のフラワーセンターに行ってみた。園内はよく乾燥していてきのこの姿は非常に少なかった。そんな中で比較的多くの子実体を見たのがコテングタケモドキ(a, b)、ヘビキノコモドキ(c, d)、オオツルタケ(e, f)だった。
 他に出会ったきのこといえば、ウラグロニガイグチ、ベニタケ属数種、アセタケ属数種、くらいのものだった。きのこがほとんど無いので、家を出て80分後には帰宅していた。直射日光の下はとても暑かったが、日陰に入ると涼風が吹いていて快適だった。
 
(a)
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(c)
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(d)
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(e)
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(f)
(f)
 庭の尿素過剰環境には相変わらず草がそこだけほとんど生えてこない。アンモニアガスでも発生しているのだろうか。2週間ほど前からきのこも全く出なくなった。
 馬糞堆もすっかり沈み込んでほぼペシャンコになった。早朝のヒトヨタケ類の乱立もすっかりなくなった。今はザラエノヒトヨタケ、ネナガノヒトヨタケなどが少数発生するのみだ。

2013年7月15日()
 
大混雑にビックリ:フラワーセンター
 
 昨日は昼過ぎになってから雨も止んで涼風も吹き出したので、石森山のフラワーセンターに行ってみた。連休とイベントが重なったせいか、いくつもある駐車場や周辺の路上が車で溢れかえっていた。人の群れに恐れをなしてすごすごと逃げ帰った。
 帰路、少しだけ石森山の遊歩道を歩いた。昨年とほぼ同じ場所でバライロツルタケに出会ったが(雑記2012.10.4)、すでに崩れはじめていた(a, b)。他にもタマゴタケ(c)、アワタケ(d, e)、アイタケ(f)、コビチャニガイグチ(g〜i)、ミヤマベニイグチ(j, k)などが見られた。ミヤマベニイグチの胞子表面の縦縞はとても弱く(l)、輪郭部に合焦すると殆ど分からない。
 
(a)
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(b)
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(c)
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(f)
(f)
(g)
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(i)
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(j)
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(k)
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(l)
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 結局、ドライブ15分+徒歩30分くらいのちょっとした散歩にしかならなかった。石森山のフラワーセンターには明日にでも出直さねばなるまい。

 昨日の雑記に掲載した「明黄褐色のきのこ」はビロードエノキタケ(Xeromphalina tenuipes)の近縁種らしい。菌類懇話会顧問の井口潔氏からメールをいただいて判明した。保育社図鑑の記述を見ると柄やシスチジアについては特徴がよく一致しているが、カサ表皮の状態がかなり異なる。本種のカサ表皮はビロード状ではない。ご指摘ありがとうございます。


2013年7月14日()
 
倒木から出ていた明黄褐色のきのこ
 
 一昨日富岡町の大倉山自然公園で明るい黄褐色で柄がビロード状のきのこに出会った(a, b)。広葉樹の倒木から出ていてカサ径4〜6cm、柄はやや強靱で、ちょっと見たところホウライタケ属を思わせた。胞子紋は白色で、KOHで封入すると(c)、水で封入したときよりもサイズがやや大きくなり、縦横比も変化した。胞子はアミロイド(d)。
 厚くてしっかりしたヒダは切りやすかった。ヒダ実質は錯綜し(d)、先端が枝分れした縁シスチジア(g, i)と厚壁の側シスチジア(h, j)があり、担子器は細長い。カサ表皮は意外にも細い菌糸が立ち上がり気味にやや匍匐している(k)。柄は上から下まで毛状の菌糸に被われている(l)。
 
(a)
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(c)
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(g)
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(i)
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(j)
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(l)
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 ホウライタケ属ならば胞子は非アミロイドだし、カサ表皮の構造もあまりにも違う。それでも、多分(旧)キシメジ科のきのこではないだろうか。
 現地は高線量地帯で、原発事故以降つい最近まで閉鎖されていたため、遊歩道はすっかり荒れ果てている。当日も手持ちの線量計で4.6〜8μSv/h(地表1m値)を示していた。

2013年7月13日()
 
多様なイグチがゴソゴソと
 
 昨日早朝朝食前に海辺の神社林を、朝食後の午前中に川内村の沢沿いの広葉樹林を、さらに富岡町の広葉樹林を歩いて、昼過ぎに帰宅。いずれも0.46〜3.4μSv/hで、放射能の高線量地域だ。各地とも雨不足で地表はカラカラだったが、それでも思いがけず20種類以上のイグチ類に出会った。以下の画像はそれらのうちの一部だ。
 画像は多分、コオニイグチ(a)、オニイグチモドキ(b)、スミゾメヤマイグチ(c)、アカヤマドリ(d)、アメリカウラベニイロガワリ(e)、アケボノアワタケ(f)、ウラグロニガイグチ(g)、ヤマドリタケモドキ(h)、ウツロイイグチ類似菌(i)。クリカワヤシャイグチに似ているが胞子が平滑(j)、ニガイグチモドキ(k)、ビロード状(子実層状〜柵状組織)のカサ表皮を持つイグチ(l)。
 
(a)
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(b)
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(c)
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(i)
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(j)
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(k)
(k)
(l)
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 早朝の神社は暗く、スミゾメヤマイグチやオニイグチの仲間には多数出会ったが、ほとんどの写真は暗くてまともに写っていなかった。テングタケ類もまだ多数見られた。
 ベニタケ類が圧倒的に多かったが、形態的特徴と化学反応だけでは同定がほとんど不可能なので、ふだんは撮影も採取もしない。気が向いて撮影したのはアイタケだけだった。

2013年7月12日(金)
 
ホタルが室内に飛び込んできた
 
 昨日は朝から庭の草刈りをしてさんざん汗をかいた。やや熱中症気味となり何もする気になれず、午後アワタケやクロアシボソノボリリュウを顕微鏡で覗いて遊んでいた(a〜e)。
 何気なくふと足元をみると何か黒色のゴミのようなものが落ちている。見ていると動きだした。拾い上げるとホタルだった。暑さで弱っているのか、腕に載せるとそのまましばらくジッとしていた(f)。外に出して川べりの葉にとまらせると、いつの間にかどこかに飛んでいった。
 夜暗くなってから外に出てみると、たった一匹の蛍しか飛んでいなかった。昨年に比較すると寂しい限りだ。やはり今年4月の集中豪雨と河川氾濫の影響だろうか(雑記2013.4.7)。
 
(a)
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(b)
(b)
(c)
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(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 暑くて寝苦しい夜だった。am3:30に外に出てみると、馬糞堆から発生していたヒトヨタケ群の大半は既にカサから溶け始めていた。明るくなる頃には皆溶けてしまっていることだろう。

2013年7月11日(木)
 
テングタケの仲間が最盛期
 
 一昨日、昨日と早朝に近場の公園を歩いてみた。目立つのはテングタケ類(a〜j)とアセタケ類、キツネタケ類だった。テングツルタケらしきもの(c, d)、やたらに柄の太いツルタケ(i)などが印象的だった。イグチ類は少ない。数ヶ所にチチタケの大群落ができていた(k, l)。数分間に新鮮な子実体を100本以上採取できたので、昼食はチダケうどんとなった。放射線量測定用も多数採取できた。クロアシボソノボリリュウも大きな群れをなして発生していた(m, n)。
 アカダマタケのように見えるきのこが多数コケを持ち上げて群生していた。切断してみるとどうも様子が違う。何かよく分からない地下生菌だ(o, p)。こういったきのこの合間には、あちこちに単生から数本が束生したシビレタケ属らしいきのこが目立った(q, r)。
 
(a)
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(b)
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(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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(g)
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(h)
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(j)
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(m)
(m)
(n)
(n)
(o)
(o)
(p)
(p)
(q)
(q)
(r)
(r)
 ここ数日、いわき市も猛暑が続いている。早朝にもかかわらず1時間ほど屋外で動くと全身が汗まみれになった。昨日は顕微鏡室の大幅模様替えをした。〜〜疲れた。

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