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今月26日に電気柵がまたひとつ増えた(c〜f)。7月中頃イノシシ7〜8頭が襲来して家の脇の小川の土手を壊し、川底が灌木や土石ですっかり埋まってしまった。土手の守りの要だった灌木は根こそぎ倒され、積み上げた石垣は崩された。一雨降れば小川が氾濫するのは必定となった。そこで慌てて河川の泥さらいをしたが(雑記2013.7.23)、イノシシ被害は拡大するばかりだった。 そこで最終的な防御手段として採用したのが電気柵だった。以前イノシシ被害がひどかった庭は電気柵を張ってから被害が激減した(a, b)。そこで、河川脇にも効果があると考えての処置が、今回の電気柵となった。 |
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新たな電気柵設置から5日経過する。ダミー柵の時は連日激しいイノシシ被害に見舞われたが、電線を三段に張り直し通電してからはこれまで被害はない。 庭からは昨年同様にツブカラカサタケが出てきた。また勝手口脇にはザラエノハラタケも出た。尿素過剰区画からは相変わらずザラミノヒトヨタケが出ている。 |
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先週の土曜日、激しい雨の中いわき市を出発したが、昼前には雨はすっかり止み、長野県でも日曜日の新潟県でも雨には降られなかった。八ヶ岳南部をはじめ訪ねた地はどこもすっかり乾燥していてきのこの姿はいたって少なかった。 国道20号線の塩尻峠は地元では塩嶺峠とよばれ、峠の頂には塩嶺御野立公園という自然林が広がる。ここは多種多様なきのこがよく発生するので、ひょっとしてと思って行ってみた。ここもひどく乾燥していて出会えたのは、駐車場脇のコケの中でアヤメイグチ、池の周辺でアセタケ類、キツネタケ類、チャワンタケ類など限られた数種だけだった。 採取したきのこは車に置いたクーラーボックスに収めて持ち帰ったが、いずれもかなり傷みが進み胞子紋を取ったり切片を切り出すのは無理な状態だった。アヤメイグチも例外ではなかった。そこで孔口部の一部をつまみ出したりカサ表皮をだましだまし薄切りしてみた。 カサ表皮は暗褐色の色素粒を帯びた細胞がいくつか連なった状態で柵状に並んでいるが(f)、KOHで封入すると全体にコントラストが弱くなり、色素粒は全く溶けてなくなってしまう。 |
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胞子に棘のあるタイプのホウキタケ、いわゆるEchinoramaria亜属を二種採取してしまった。それぞれ上段と下段に、水封した胞子(b, b')、コットンブルーで封入した胞子(c, c')、担子器(d, d')、クランプをもった菌糸(e, e')を並べてみた。 上段のホウキタケ(a)はもしかしてコアラホウキタケかと思ったのだが、胞子の形も違えば担子器のタイプ(四胞子性か二胞子性か)も違う。下段のホウキタケは保育社の検索表からはヒメホウキタケに近い仲間らしい。それにしても、胞子に棘ないし大型のイボをもつタイプのホウキタケは、なぜかいずれも皆一風変わった独特の色合いをしている。 |
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塩尻市の塩嶺公園や長野市の戸隠大峰自然休養林などを歩き、長岡市、南魚沼市、高崎市を経て、今朝自宅に戻った。長野、新潟では雨には降られなかった。走行約1,600km。 | |||||||||||
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2週間ほど前、いわき公園にコケを持ち上げて赤茶色の地下生菌が多数でていた。いくつか持ち帰ったのだが、そのことをすっかり忘れて放置してあった(雑記2013.7.11)。地下生菌についてはまったく知識がないのでよくわからないが、Melanogasterの仲間のように見える。殼皮は1層で、表層の菌糸にはクランプがある(d)。胞子は面白い姿をしていて、水で封入したときは褐色だが(e)、KOHで封入するとやや紫色味が加わった(f)。
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今日はこれから長野県の八ヶ岳に向かって出発。そして明日は新潟県の長岡での勉強会に参加。八ヶ岳ではきのこの発生は芳しくないらしい。まだ外は薄暗いがもうじき出発だ。 | |||||||
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去る21日に下郷町の観音沼で大型のイグチを採取した(a, b)。地表部の背丈は約18cm、カサ表皮はビロード状で、管孔も孔口も黄色、柄は淡黄色で基部はやや赤みを帯びる。変色性はない。冷蔵庫に保管しておいたものを取り出すと柄の色が赤褐色になっていた(d)。 管孔部実質はヤマドリタケ亜型。いくら探しても縁シスチジアがみあたらない(f)。側シスチジアが疎らにある(g, h)。カサ表皮は類球形の細胞が重なり合っている(k, l)。ニガイグチ属のイグチなのだろうか。とりあえず標本ナンバーだけ与えて乾燥標本にした。 |
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家の横と裏側の小川周辺にも電気柵を設置した。電気柵は電線が草などに触れると効果がなくなってしまうので、柵を張る場所を予め草刈りしなくてはならない。そしていったん柵を張ったら、草が電線に触れないよう頻繁に監視しなくてはならない。あ〜ぁ、面倒くさい。 | |||||||||||||
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肉眼でもほぼ確実に同定できる数少ないベニタケ属にオキナクサハツがある(a, b)。このきのこは胞子がとても大きな翼状壁をもっている(c)。先日下郷町で採取し乾燥標本として保存していたきのこを検鏡した(雑記2008.7.17、同2007.7.3)。 ヒダの断面を切り出したが縁シスチジアを避けて切ってしまったようだ(d, e)。側シスチジアは多数ある(d, f)。フロキシンで染めてKOHで封入して押し潰すと、担子器やらシスチジアが明瞭に捉えられた(g, h)。 いつも通りカサ表皮を放射状に切り出し(i, j)、次いで同心円方向に切り出してみた(k, l)。いずれから見ても非常に薄く黄色い上表皮があり、その直下には球形細胞のカサ表皮がみられる。柄上部の表面には多数の粒点が見られるが、検鏡してもその菌糸は明瞭な姿をしていなかった。 |
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下郷町の広葉樹林で採取したきのこにRussula(ベニタケ属)がいくつかあった。Russulaは肉眼的形態と呈色反応くらいしか同定手段がないので、原則として採取も撮影もしない。しかし、あまりにも多数きれいな子実体が溢れていたので、ついいくつか持ち帰ってしまった。 このきのこは傷つくと赤褐色に変色する。呈色反応もいちおうやってみた(e)。ヒダ断面を切り出し、低倍率でみてもシスチジアの類があるようにはみえなかった(g)。しかし、倍率を上げてみると、ヒダの縁にも(h)、ヒダの側にも(i)、ほぼ同じ形と大きさのシスチジアらしき組織がある。KOHとフロキシンで染めてみた(j)。念のために担子器(k)、カサ表皮も撮影しておいた(l)。アカカバイロタケかその近縁種なのだろう。 |
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昨日は雨が降ったり止んだりする不安定な空模様の一日だった。室温は22〜23度。 裏の小川脇に張ったダミーの電気柵(一段)が破られた。ダミーの効果はたった一日だった。イノシシのために川が氾濫したでは笑い話にもならない。実際に電気を通す三段の電気柵を早急に設置しなくてはならない。電気部本体を注文した。あ〜ぁ、新たに3万円の出費! |
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福島県下郷町の広葉樹林では多くのきのこに出会ったが、撮影したのはそのうち50種ほど、標本用に持ち帰ったのは30種ほどだった。他に放射能測定用きのこを7〜8種採取したが、荷物の大半は測定用きのこだった。 昨日の雑記に掲載しなかった大型きのこの一部を列挙した。アカヤマドリとヤマドリタケモドキに関しては、発生したばかりの小さな幼菌から、熟成して崩れる寸前の老菌まで各段階の姿を撮影できたが、この2種だけで撮影枚数は100枚以上となった。 柄は複数だがカサは全体で一つという姿のきのこがよく目立った。ここでは(c, d)と(l)のイグチ類の画像だけを掲げた。よくわからないテングタケ類も多数みられた(g, h) |
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イノシシが小川の土手を大きく崩して、川を土砂で埋めてしまった。昨日は朝早くから小川の修復におわれた。さらに周囲にダミーの電気柵を張った。長靴を履いて川底に入り、スコップで土砂を目の高さ以上ある堤の上に放り上げる作業は結構しんどかった。 夕方から夜中にかけて強い雷雨に見舞われた。早いうちに川を修復しておいてよかった! |
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昨日福島県下郷町の広葉樹林を歩いてみた。いたるところにきのこが大発生していて、特にイグチ類、ベニタケ類、テングタケ類が際だって多かった。 中でも最も多量に発生していたのがアカヤマドリ(i, j)、ヤマドリタケモドキ(g, h)、アシベニイグチの仲間(k, l)、タマゴタケ(d)、ガンタケ(e, f)だった。アカカバイロタケ、カワリハツないしチギレハツタケなどベニタケ属も非常に多かった。イボカサタケも各色が頻繁に見られた(a〜c)。 テングタケ類、イグチ類、ベニタケ類は自家用標本としては採取せず、ほとんど放射能測定用に回した。けっこうよい分量となり、持ち歩くのがしんどかった。 |
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何はともあれ帰宅後直ちに宅急便屋まで測定用きのこを運んだ後、大型のきのこ乾燥器を設置して今シーズン最初のスイッチを入れた。 ふと家の脇と裏をみて驚いた。イノシシに激しく掘り返され、川畔に積んだ土嚢もすっかり破られていた。畑のトマト、ナスなどがハクビシンかタヌキに食い荒らされ、ほぼ全滅となっていた。 |
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このところ近場の公園にはいたるところにツチグリの幼菌が見られる。かつて腹菌類と呼ばれたきのこの仲間は、成菌になると担子器は酵素で溶かされてしまい消失してしまう。そこで、担子器を確認するには幼菌を検鏡する必要がある。 先週いわき公園で採集したツチグリは(b)、切ってみると大部分が内部は既に暗紫色で(c)、すでに担子器は全くなく、胞子(d)と弾糸(e)しか見られなかった。二つだけちょっと違っていた。ひとつは内部が真っ白、いまひとつはやや紫色を帯びていた(f)。検鏡せずに数日放置しておいたところ、いずれも暗紫色に変わってしまい、担子器は既に溶けてなくなっていた。 昨日やはりいわき公園で新たに柔らかな幼菌がいくつも出ていた。切ってみるといずれも内部はまだ真っ白だった(g)。外皮や内皮は複数の層からなっていて(h, i)、真っ白なはんぺん状の部分を検鏡すると、まだ胞子のできていない担子器や、小さな胞子のついた担子器が充満していた(j, k, l)。ひとつの担子器につく胞子の数は4〜8個くらいのようだ。 |
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庭のヒガンバナの球根の株分けを行った。数百個の球根があったのが、庭に石が多くて掘り返すのに難儀した。イノシシの力を借りたい心境だった。 | |||||||||||||
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