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Scutellinia scutellata アラゲコベニチャワンタケ | |||||||||
今までに採取したアラゲコベニチャワンタケ属16点を調べた結果は意外であった。和名がついているアラゲコベニチャワンタケ S. scutellata が大多数だろうと予想していたが違っていたのだ。同定は検索表をたどれば簡単にできると勝手に思っていたが、そうはいかなかった。Shumacherによると S. scutellata は誤同定が多い種でもあるようである。 鮫川村のブナの倒木上で採取した標本(a〜d)といわき市四ツ倉で採取した標本(e〜h)はともに S. scutellata としてよいと思うが自信はもてない。チャンスがあったら是非国立科学博物館の収蔵庫に行って過去の研究者が S. scutellata とした標本をみてみたい。そして、多数を観察することで同定の正確さがあがることを今年に期待したいものである。 (Y. A.) |
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今日はこれから上京して九段の千鳥ヶ淵へ。ソメイヨシノの様子はどうだろうか。 (I. A.) | |||||||||
トガリアミガサが出てきた | |||||||
一気に春がやってきた。いわき市の石森山でもトガリアミガサタケが出てきた(a, b)。まだ幼菌が主で発生数も少ないが、一昨年発生の確認をしたのは4月12日だったからかなり早い。昨年は広範囲にわたるイノシシ被害のため、ついにどこに行っても発生確認はできなかった。 石森山ではハラタケ型のきのこはまだとても少ないが、ボロボロになったマツ腐朽木からウラベニガサ属とおもわれる小型のきのこが出ていた(c, d)。 |
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ピスの素材として知られるキブシの花が目立つようになってきた(e)。花をつける前には自信を持ってキブシと判定できないので髄の採取は控えていたが、ようやくピス材の採取に向けて適材探しにかかれそうだ。 自宅の裏山や徒歩範囲では、シュンランが最盛期を迎えている(f)。花を少量摘んで、春の味わいとして酒の肴にした。カタクリはまだ花をつけていない。 |
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食材としてのツクシンボウ | |||||||
自宅の庭では一週間ほど前から連日次々とツクシンボウが辺りを埋め尽くす(a)。十数分でたっぷりボール一杯分採れる。昔から春には野草摘みをしてきたが、春の野草の中では最も好きなのがこのツクシンボウだ。特に佃煮に仕立て上げた物がもっとも味わいがある。 ツクシンボウにも摘み頃がある。スクッと伸び上がって、柄が赤くなり、頭部がわずかに開き始めたものが最もよい(b)。頭部がまだ硬いものや(c)、少し開いた状態まではまだ許せる(d)。これら三者の頭部を比較してみた(e)。たとえ柄が赤みを帯びて柔らかくても頭部が開ききってしまえばもはや食材失格となる(f)。特有のほろ苦さは成熟した胞子の味だからだ。 |
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庭のヤブツバキ樹下には花が多数落ちている。その脇からは次々と新しいツバキキンカクチャワンタケがでてきている。ふと井戸の脇をみるとモグラの死骸が転がっていた。 | |||||||
古いシイタケほだ木から出たきのこ | |||||||||||||
近くのうち捨てられたシイタケほだ場の腐朽木からカサと柄をもったきのこがでていた(a〜c)。カサと柄をもったきのこに出会ったのは1月のフユヤマタケ以来のことだ(雑記2014.1.10)。長い冬も終わりを告げてきのこのシーズンが始まったのかもしれない。 念のためカバーグラスに胞子紋を採り、そのカバーグラスを用いて顕微鏡で胞子を覗くことになったが、いろいろと困惑することばかりだった。キムワイプは空っぽ、机上に放置されたままのスライドグラスは埃だらけ、蒸留水は蒸発して空っぽ、カミソリの刃は錆びていた。まずは顕微鏡周りを掃除して、撮影装置を繋ぐことから始めねばならなかった。 不慣れな作業に戸惑いつつ、胞子をエタノール(d)、水道水(e)、濃硫酸(f)で覗いた。ヒダの切片は上手く切り出せなかったが、ヒダ実質部の並列型と縁シスチジア(g)、側シスチジア(h)の存在は確認できた。ヒダの一部を押し潰してフロキシンで染めてシスチジアを再確認した(i, j)。菌糸にはいたるところにクランプがあり(k)、カサ表皮は菌糸が平行気味に匍匐している(l)。担子器の基部に明瞭なべーサルクランプは見つからなかった。ヒメアジロガサモドキだろうか。 |
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各地から桜開花のニュースが伝えられるが、いわき市界隈ではソメイヨシノのつぼみはまだ堅い。来週は東京 千鳥ヶ淵に出向いて、堀の水面上から桜を楽しむことにしよう。 | |||||||||||||
モミシャグマ スギシャグマ | |||||||
いわき市でもシャグマアミガサタケが出始めた。今日の午前中に確認できたのは二ヵ所で、ひとつは自宅から8〜10kmの距離にあるモミ林だ(a〜c)。もう一ヵ所はそこから1kmほど手前のスギ林だ(e, f)。モミシャグマとスギシャグマといったところだが、いずれもまだ幼菌で大きなもの(a)でも高さ4cmほど。スギシャグマのうちのひとつはまだ1cmに満たない(e)。スギ林では子嚢菌かキクラゲの幼菌かわからない径5mmほどの小さな子実体も見られた(f)。 昨年と一昨年シャグマアミガサタケを確認できたのはいずれも4月だったが(雑記2013.4.21、同2012.4.15)、きっと3月中に発生し始めていたのだろう。 |
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庭ではイチリンソウが咲き、ギョウジャニンニク、シュンランが目立ち始めた。ここ連日ツクシンボウがボール一杯採れる。ハカマ取りに費やされる時間も馬鹿にならない。 | |||||||
Spa Resort Hawaians そしてツクシンボウ | |||||||
いわき市に転居してから、一度は行ってみようと思っていたスパリゾート ハワイアンズで半日を過ごしてきた。多数の県外車と観光バスの駐車する広大な駐車場に驚かされたが、中に入ってその広さにまた度肝を抜かれた。すでに学校は春休み。平日にもかかわらず多数のお客さんにまた驚いた。たっぷりと温泉につかり、フラガールのダンスや火の舞いのショーを楽しんだ。 帰宅すると庭のツクシンボウが急激に大きくなってきた。良質のものはまだ少ないが、それでも20分ほどでたっぷりボール一杯採れた。ハカマとりに一時間ほどかかった。 |
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スパリゾート ハワイアンの入場券は友人のSさんにいただいた。ありがとうございました。 | |||||||
初物ツクシンボウ、そして雨漏り! | |||
昨日の午後になって今年初めてツクシンボウを少しばかり摘んだ。全体にまだ小さくて出来も悪いが(a)、夕食時に佃煮となって酒の肴になった(b)。ほろ苦くて美味かった。スクッと伸びて良い状態のツクシンボウを採れるのはあと5〜6日ほど先になってからだろうか。 今朝から雨が降り始めた。継続して雨が降れば決まって雨漏りがはじまる。やはり午後になってポツリポツリ。雨漏りは今のところ台所とその周辺が中心で、きのこやコケの標本室では雨漏りはみられない。不幸中の幸いだが、夕食時にガスコンロが使えないのは痛い。 |
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先日の雑記にUnix系OS上でPhotoRulerを動かすことについて記したが(雑記2014.3.18)、これは多少なりともUnixの知識、コマンドライン操作、Wineの功罪、.NETの導入などへの理解が必要だ。うかつに行うとOSの再インストールを強いられる羽目になる。ご用心ご用心。 | |||
新舞子浜の植生が全滅 | |||||||
久しぶりに新舞子浜に行ってみた。堤防から砂浜への降り口がどこも閉鎖されていて(b)、堤防の随所に防潮堤工事の看板が掲げられていた(a)。先月にはこんな看板はなかった。念のために堤防に上がって浜をみて驚いた。堤防脇まで20〜30m幅で長く続いていた植生が物の美事にすっかりなくなっていた(c)。 この一体はつい昨年までウネミケシボウズタケが出ていた所だ(同2013.1.1)。再びケシボウズ仲間がでるまでにはこれから先長い長い年月が必要だろう。一方、堤防より内陸側の新舞子公園にはまだナガエノホコリタケがいくつも残っていた(d)。 |
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自宅の庭やら周辺ではツクシンボウが急に大きく育ってきた(e)。今年最初のツクシンボウの佃煮は今晩辺りに食べることができそうだ。庭のアズマイチゲ(or キクザキイチゲ)は今月初めから開花しているが、イチリンソウはまだ花芽をつけていない。 自宅周辺にはいつの間にかイノシシの作った獣道が至る所に縦横に走っている(f)。一昨年はさほど目立たなかったが、昨年夏頃から獣道は急激に増えた。 |
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Linux上でPhotoRulerを使う | |||||||
先月WindowsXPからUbuntu Linuxに乗せ換えた古いノートパソコンは全く支障なく日常的に使っている(雑記2014.2.13)。メインパソコンを設置してある部屋の朝は寒い。そこで冬場には「雑記」更新など日常作業は、もっぱら炬燵に入ってDELLのノートパソコンで処理していた。このパターンはWindowsXPからUbuntu Linuxになっても同じ状況が続いている(a, b)。 WindowsXPを捨ててLinuxに換えてからいくつか困ったことがある。その一つが胞子サイズなどの測定にPhotoRulerが使えないことだった(f)。残念ながら現時点ではWindowsにしか対応していない。そこで使用をあきらめていたのだが、ひょっとしてwineを使えばLinux上でもPhotoRulerが動くんじゃないかと思って試してみることにした。 Linuxにwineを導入するのは至って簡単で数分で済んだ。そして「/home」フォルダにPhtoRulerの本体をコピーしてクリックするとあっけないほどすんなりと起動した。今現在使っているウインドウ画面は画像などのドラッグ&ドロップに対応していないので、お試しには透過モード(30%)を使ってみた(c, e)。いくつかの機能が使えないが、胞子測定などはおおむね可能だった。計測結果はExcelではなくLibreOfficeのCalcに貼り付けてみた。結構つかえる。 |
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MacintoshのOS X は基本的にUnixだからwineが使える。手元にMacのPCはないので試すことはできないが、たぶんマック上でもPhotoRulerは動くんじゃないのかなぁ。 [注] 写真(c)のノートパソコンDell Latitude D520はWindows 7とUbuntu 13.04のデュアルブート。Windows7には例によって有料のアプリは何一つ入っていない。 |
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酷道399号はまだ雪の壁 | |||||||
いわき市方面から川内村に入るルートは三つある。最も一般的なルートは国道6号なり県道35号を北上し富岡から県道36号を使う道だ。次いで夏井川に沿って北上し川前から県道287号に入る道だ。難路として嫌われているのが国道399号を使うルートで、狭くて急勾配の屈曲した道が延々と続く。特に積雪期は危険なルートとなり、それゆえ酷道399号と揶揄される。 今日の午前中に、2月の大雪の余韻が残る国道399号を北上して川内村に入り、いわなの郷まで行ってきた。予想通り路面には全く雪はないが、道の両側はまだ雪の壁が続く(a)。途中の戸渡分校跡はまだしっかりと雪に閉ざされており(b)、校舎脇の線量計も雪に遮蔽されて異常に低い値を示していた(c)。いわき市と川内村の境界付近はまだ雪に覆われているが、村の中心部では雪はかなり少なくなっていた。早春の子嚢菌はまだどこにも見られなかった。 |
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いわなの郷の周辺はまだ一面雪の世界で(e)、駐車場はまだ雪の壁で囲まれていた(f)。 | |||||||
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