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2014年11月10日(月) タイヤが危なかった!:イノシシ大襲来
 昨日朝、勝手口の戸を開けてビックリした。目の前が起耕されたばかりの畑の様になっていた(a, b)。すぐ脇の駐車スペースもメチャクチャに掘り起こされ(c)、プリウスの後輪のすぐ脇は両側とも激しく掘り起こされている(d, e)。さらに駐車スペースの後ろ側の電気柵に囲われたきのこ実験区もやられている(f)。電気柵はみごとに突破されてしまった(g)(雑記2013.12.20)。
 これまでは車のすぐ脇などに大きな被害はなかった。イノシシに車のタイヤを傷つけられパンクしたり、走行中にバーストしたケースが報告されている。タイヤの傷は一歩間違えば大事故に結びつきかねない。幸い今回はタイヤは無事のようだが、かなり危うい状態だった。
 水道メータの周りも掘り起こされ、水道管やメータが宙ぶらりんになっていた。これまでの経緯から10頭ほどのイノシシが襲来したのだろう。イノシシ激増の原因は原発だ。
 
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[ルリハツのシロは全滅か? これまたイノシシ被害!]
 朝のうちに石森山に行ってみた。出会えたのはナラタケだけだった(h〜j)。今年は8月から3〜4日に一度くらいの頻度でルリハツタケのシロを定期的に見てきたが結局発生しなかった。シロを含めて周辺は夏の頃からイノシシによる掘り返しが凄まじく、徒歩で歩くのにも支障をきたすことが何度もあった。この一帯の菌根系はズタズタに切り裂かれてしまった恐れがある。
 
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2014年11月9日() 木戸川の鮭遡上:PLフィルターがない!
 楢葉町の木戸川渓谷は5月から10月末まで新緑やら紅葉を楽しむことができる。渓谷には落葉樹ばかりではなくモミやブナに加えて照葉樹もあり、キノコもよく発生し種類も多い。一方、木戸川は鮭が遡上する川としてもよく知られている。
 昨日午前中に鮭の遡上を見ようと木戸川河口近くに行った(a)。周囲には水鳥が群がり白鳥もやってきていた(b〜d)。ふだんは静かな川面は、遡上する鮭の群れのためにいたるところで飛沫が立っていた(e)。橋の上から見下ろすと無数の鮭が川を遡っている。
 とりあえずコンパクトデジカメで写した(f)。ついで一眼レフをとりだし望遠レンズにPLフィルターを装着しようとした。ところがバッグから出てきたのは口径の異なるPLフィルターだった。望遠レンズの口径のPLフィルターは破損して手持ち品がないことを忘れていた。
 
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 PLフィルターを使わなければ、水面の乱反射で鮭の姿を捉えることはできない。しかたないので、魚がはねる一瞬を捉えようと何十枚もシャッターを切った。しかし、結局ほとんどは徒労に終わった。写真(g)も(h)も画面には7〜8匹の鮭が写っているのに、ほとんど判別できない。
 帰宅すると勝手口の前で小鳥が落ちて死んでいた(i, j)。とりあえず埋葬して、すぐにアマゾンにPLフィルターを注文した。鮭よ、PLフィルターが届くまで遡上をやめないでおくれ!


2014年11月8日() 錦秋のブナ林で:地元のきのこ会
 昨日いわき市田人地区と北茨城市の県境付近のブナ林に入った。地元のきのこサークルの集まりに参加させてもらった。メンバーは皆気さくな人たちばかりだ。きのこ採りの会場はふだんよく出かけているブナ林だった。林の中や途中の道路脇は錦秋の秋そのものだった(f)。
 この時期になるときのこは圧倒的に少なくなる。ムキタケ(a, b)、ヌメリツバタケモドキ(c, d)、クリタケ(d)、チャナメツムタケ、ヌメリスギタケモドキくらいしかきのこは見あたらなかった。昼食後にきのこを並べるとごくわずかしかなかったが、キノコ談義はいつまでも弾んでいた。この日の一番人気はクチベニタケだった。
 
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 ネットで調べてみると、顕微鏡光源のLED化をやっている業者がいくつかあることが分かった。とりあえず金額と納期などの見積もりをとってみることにした。


2014年11月7日(金) レイマー撮影装置の問題ではなかった
 昨日の雑記で「走査線の写り込み」と表現した現象は、交流電源において起こるフリッカー現象というものだとのご指摘をいただいた。確かに蛍光灯下でテレビ画面などを撮影すると同じような線が写り込む。したがって別段レイマーの装置が悪いわけではない。
 この現象は光源に交流電源を使った顕微鏡では多かれ少なかれ避けられないことになる。一つの解決方としては、光源をLEDにすることだろうか。原理的にLEDは一方向にしか電流が流れないからフリッカーは発生しない。わが家の顕微鏡の光源にはハロゲン球が使われている。ハロゲン球は原理的に交流でも直流でも点灯する。フリッカーが発生するということは交流で使われていることになる。だからこのまま電球部分だけをLED球にしてもすぐに壊れてしまう。AC電源と電球との間に間にコンデンサーを挟んで整流する必要がありそうだ。つまり、根本的な解決には一定の改造が必要になる。何らかの解決策を模索する必要がある。
 フリッカー現象のご指摘をくださった長野県のTさん、ありがとうございました。


2014年11月6日(木) ついに耐えられなくなった: WRAYMERのカメラ
 昨年7月始め頃からレイマーの顕微鏡撮影専用カメラWRAYCAMを使ってきたが(g, h)、元のシステムに戻すことにした。レイマーのカメラは、撮影の安易さやシステム構成の簡潔さなどで大きなメリットがある。画質に関してはそんなものと受け止めこの一年数ヶ月使ってきたが、走査線の写り込みにとうとう耐えきれなくなった。
 走査線の写り込みによる横縞の発生はPhotoshopなどの画像処理ソフトを用いて消すことはできるが、一枚一枚にとても時間がかかる。そんなことに時間をかけることがバカバカしい。横縞は対物油浸100倍レンズでは目立ちにくいが、対物40倍レンズまでの倍率ではよく目立つ(a〜f)。横縞ちらつきの程度は交流電源の安定度やディスプレイとの相性もあるのかもしれない。
 
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 当面は手持ちの旧型一眼レフCanon Kiss X2をメインに(j)、Olympus E-410をサブに使うことにした(i)。EOS Utilityでライブビューモードを使う場合、X2ではミラーアップもシャッターの制御もできないが(k, l)、今現在は精神衛生上こちらの方が自分には好ましい。


2014年11月5日(水) ツブガタアリタケの検鏡は難しい
 先月ツブガタアリタケを五個体採取した(a, b)。昨日ルーペで裸生の子嚢殼を見ると、すでにかなり乾燥気味だった(c)。いくつかの子嚢殼は縦断しても子嚢や胞子がわずかしか残っていなかった(d, i)。めげずに別のアリについた子嚢殼を縦断してみた(e, f)。今度は子嚢がほとんど見られず、胞子はすべて二次胞子に分裂していた(f)。
 あらためて別の虫体から子嚢殼をひとつ選んで横断面で切断してみると、子嚢が多数飛び出してきた(g)。フロキシンで染めて見ると、子嚢の全体像がなんとなくつかみやすくなった(h, j)。倍率を上げると、子嚢先端と胞子を明瞭に確認することができた(k, l)。コブガタアリタケノ検鏡は比較的簡単だったが、ツブガタアリタケのプレパラート作りは思いの外難儀した(雑記2012.9.13)。
 
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 10年ほど前に川口市で購入した冷蔵庫が今年に入ってから急に不具合がでていた。 どうもコンプレッサーに問題があるようだ。日常的にきのこやこけも冷蔵庫のお世話になっているので、この際思い切って買い換えることにした。今日の昼過ぎに届くことになった。


2014年11月4日(火) 胞子の怪?:ドクササコ
 先月南魚沼市のNさんからドクササコをいただいた(e, f)。2005年採取の標本(a)では胞子の姿で気になることがあった。しかしその後、なかなか自分たちだけでは採取できず、2011年になってようやく新潟産と兵庫産の標本をもらい受けた(b〜d)。
 Nさんからいただいた生標本と2005年、2011年の標本を比較しながら検鏡した。結果としてどの標本からもほぼ同一の結果を得た。ヒダにシスチジアはなく(g)、ヒダ実質は並列型で(h)、カサ表皮は匍匐気味に菌糸が絡み合い(i, j)、菌糸にはクランプがあり(k)、担子器はベーサルクランプをもったものが多かった(l)。生状態でも乾燥標本からの観察でも結果に変わりはなかった。

 問題の胞子だが、水やKOHなどで封入すると、保育社図鑑などに記されている通り「胞子は広楕円形〜卵形,3〜4×2.3〜3μm」(m)。ところがアミロイド反応を確認しようとメルツァー試薬で封入したとたんにおかしな現象に見舞われる。低倍率で見るとおよそ円滑な胞子とは言い難い姿がみえてくる(n)。油浸100倍レンズでみると胞子表面には微イボが見える(o)。ちなみに、胞子がメルツァー試薬で微イボを帯びるといった記述のある図鑑はみあたらない。
 2005年にはたまたま採取したドクササコだけに特異なものだと思っていた。次いで2011年にもらった子実体二つ(b)でも同じ現象を味わった。このときは、一部の子実体の胞子は水封状態でも微イボを確認できるものがあったが、撮影はしなかった。そこで今回はあらためてフロキシン(p)、コンゴーレッド(q)、コットンブルー(r)で封入してみた。結果としてどのケースでも胞子表面に微イボは確認できなかった。
 メルツァー試薬を構成するヨウ素、ヨウ化カリウム、抱水クロラールのいずれかの薬品が何らかの作用を及ぼしているのかもしれないが、これらの薬品は手元にはないので、個別に確認することはできなかった。時折、水道水で封入した場合にも胞子表面に微イボが見えることがあるので、上記薬品の作用ではないのかもしれない。
 

(a)
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(p)
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(r)
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 レイマーの顕微鏡専用撮影カメラは低倍率での走査線の写り込み(g, h, i, n)が避けられない。別途空(カラ)撮影をした画像などと併せて面倒な画像処理をすれば消すことは可能だが、それに要する手数と時間がバカバカしい。一年以上我慢してきたが、忍耐も限界に近づいてきた。


2014年11月3日() シロノハイイロシメジの大群落
 昨日午前中遅くなって秋晴れの快適な空模様になったので、紅葉見物を主目的に川内村方面に向かった。出発時刻が遅かったので、紅葉の名所である夏井川渓谷の道は大混雑だった。車窓からの紅葉は思いの外美しく、脇見のノロノロ運転車が多いのも頷けた。
 鹿之俣川渓谷から川内村に入ったが、どこも鮮やかに紅葉していて気持ちよかった。川内村の尾根スジには相変わらずコウボウフデ(b, c)以外のきのこは見あたらず、沢沿いの林道に降りた(a)。林道脇には径20cm以上のおおきなシロノハイイロシメジが大群落を作っていた(d, e)。センボンキツネノサカズキは末期の惨めな姿をさらしていた(f)。ムキタケ(g, h)、ハナビラニカワタケ(k)、タマキクラゲ(j)も随所に見られた。カラマツ林にはキヌメリガサが出ていた(i, j)。
 
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 川内村のいわなの郷では、9月に一緒に行動した千葉科学大学の学生さんにバッタリ出会った(雑記2014.9.15)。川内村が郷里とはいえ奇妙な偶然だった。


2014年11月2日() 新潟県 海浜のガマノホタケ属
 長岡での顕微鏡勉強会でKさんからいただいたキノコである。新潟市の五十嵐浜でナヨタケ属の写真撮影をしていた時、日没近くの夕日で影ができていたので気付いたそうである。前日にKさん家族と同じ浜で観察していたが全く気付かなかった。広い砂浜、汀線近くで極小で目立ちにくい色のキノコをみつけたのは奇跡的である(a, b, c)。
 砂浜のキノコの顕微鏡観察は砂粒の除去が難関で、今までは足を踏み込まないようにしていた。しかし、ガマホノタケ仲間の魅力には負けてしまった。ていねいに砂粒をどけたつもりでもしっかり微小の砂粒が残っていて、スライドグラス、カバーグラスを何枚もダメにした。合計6個体をいただいたのだが成熟していたのは1個体のみであった。
 頭部も柄も中空、頭部実質の菌糸は球形と嚢状の細胞である(d)。柄の上部にはシスチジアらしきものがあり(e)、胞子は楕円形である(f)。子実層には粘性物質があるようでバラす事ができず、担子器(g,h)もシスチジア(i)も充分観察できなかった。そして、たった1本の成熟個体はあとかたもなくなり、できずじまいの観察もあきらめるしかなかった。今回、菌核は確認できなかった。

 新潟では珍しいキノコとの出会いが多数あり、アラゲコベニチャワンタケの仲間を3か所で採取したが時間がとれず5日も冷蔵庫に眠ったままである。  (Y. A.)
 

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2014年11月1日() 10月最後の日は夏日だった
 昨日(10/31)はまるで夏のような暑い一日だった。朝近くの県立「いわき海浜自然の家」の森を歩いた。起伏に富んだ広い森(a)には例年多くのきのこがみられる。海浜の高台に位置しているので、すぐ眼下の四ツ倉の浜から遠く塩屋岬灯台まで見晴らすことができる(b)。
 すでに今年のきのこは終わってしまったのか、出会ったのはミヤマタマゴタケ?(d〜f)とコテングタケモドキだけだった。遊歩道周辺はいまだ放射線量が高く、昨日は高いところで0.45μSv/hほどあった。尾根上のコースを歩くと、周囲から隠すように設置された「除染」廃棄物の仮々々置き場までが丸見えだった(c)。
 
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 一昨年、昨年と近くの石森山ではルリハツタケが10月に発生していたが(雑記2013.10.30同2012.10.31)、今年の10月は姿を見ることができなかった。発生のシロ周辺はイノシシの被害が凄まじく、8月頃からこの一帯では地上生のきのこはほとんど見られなくなっていた。11月に発生するのか、あるいはイノシシに滅ぼされてしまったのか、今はまだ分からない。


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