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2014年4月19日() 日本菌学会関東支部年次大会等々
 今日は朝のうちに車で首都圏に向かい、午後から東京農大で行われる平成26年度日本菌学会関東支部年次大会に出席する予定だ。大会後に行われる話題提供講演のテーマは「水辺の菌類」。演者の一人は北海道の竹橋誠司さんでテーマは「砂浜は菌類のゆりかご」。
 久しぶりに懇親会にも参加して今晩はビジネスホテル泊まり。明日は蓮田市の友人宅に泊まることになるので帰宅するのは月曜日になる。天候の案配は昨日からあまり芳しくない。


2014年4月18日(木) 早朝三春町の瀧桜鑑賞へ
 昨日早朝三春町の瀧桜を鑑賞してきた。三分から五分咲きといったところだが、ちょうどよい見頃だった(a, b)。駐車場の車をみると大宮、所沢、和泉、湘南、品川、横浜、etc. といった遠方からのナンバーが半数以上で、福島、いわきといった地元ナンバーの方が少なかった。
 そのあと城趾公園に行ってオオズキンカブリタケの様子を見てきた。斜面の桜は三分咲きで(c)、確認できた子実体は100個ほどだった(d〜g)。久しぶりに標本として20cmほどの大きさのものを三つほど持ち帰って(h)、巨大胞子を顕微鏡で覗いて楽しんだ(i)。
 
(a)
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(g)
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(i)
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(j)
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(k)
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(l)
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 帰路川内村のいわなの郷に寄ってみたが、きのこの姿は全くなかった。いわき市の鹿又川渓谷に向かって進んでいると、高部の集落で大きなイノシシが檻の罠にかかっていた(j)。近づくと檻をガタガタ動かして威嚇してきた。今にも檻が壊れそうだった。
 帰宅したのは午前中だった。ふと庭の桑をみると新芽が目立つようになり(k)、足下のキツネノワンがかなり大きくなっていた(l)。いつのまにやら新たに数十個ほど発生していた。


2014年4月17日(木) いわき市でようやくミズゴケに出会った
 自宅から17〜18kmほど離れた林道に入ったところ(a)、荒れた山径の足下にミズゴケの群落に出会った(b, c)。ショウジョウバカマも咲き誇っていた(d)。調べてみるとオオミズゴケだった(e)。ちなみにオオミズゴケは環境省のレッドブックでは絶滅危惧T類に指定されている。
 夏になればミズゴケノハナやミズゴケタケなどが発生する可能性もある。その近くではやはり今年初めて樹液酵母を見た(f)。カンムリタケは高さ0.2〜0.5mmの幼菌ばかりだった。
 
(a)
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(b)
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(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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 福島県からは多くのミズゴケ属が報告され、国産40数種のうち30種ほどが見られるという。これら大部分は尾瀬を中心に会津から中通りに分布し、浜通りからの報告例は非常に少ない。浜通りの楢葉町天神岬ではかつてオオミズゴケが見られたが原発事故のあとは未確認だ。
 いわき市から酷道399号線を川内村に向かって北上すると、小川町上小川字沼で市指定天然記念物に指定されている内倉湿原にぶち当たる。酷道はここで直角に折れ曲がる。現在はかなり草原化がすすんでいるが、この湿原ではかつてオオミズゴケが見られたという。これまで何度も調べてみたが、オオミズゴケの姿をみたことはなかった。


2014年4月16日(水) 春爛漫:もろもろのこと
 ここ数日風こそやや強くて冷たいが、とても暖かな日が続いている。市内や近郊ではどこも桜が満開となり農道では水仙やチューリップが花盛り。家の庭の隅にでたエツキクロコップタケは雨も降らないのに結構大きくなった(a)。そのすぐ近くにあるニワトコはすっかり青葉をつけたが、ピス材としての髄をとれそうな枝はない(b)。
 家裏の急斜面ではしっかりと踏み固められた獣道がやたらに目立つ。ほとんどがイノシシ様御用達のようだ。その急斜面では今年はタラの芽が超不作。数本しか採れなかったので、そのまま放射線量測定用に回した。獣道脇のタラノキは枯れたり折れたりしたものが多い。
 暖かくなってにわかに大発生し始めたのがクサギカメムシ(d)。廊下や畳、テーブルやキーボードの上を這うカメムシ退治にはもっぱらガムテープだ。ムカデやヘビの室内出没も近い。書棚、天袋、押し入れではドロバチが(e)、家の軒先などにはクマバチの巣がやたらに目立つ(f)。
 
(a)
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(b)
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(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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 なぜかこの春は、樹液酵母の姿をほとんど見ない。新しい切り株はやたらに多いのに・・・


2014年4月15日(火) イタチタケでよいのだろう
 先日スギ林の腐朽材にでていたナヨタケ属 Psathyrella のキノコを検鏡してみた。先日の雑記にはイタチタケの仲間と記したが、イタチタケとしてよさそうだ(雑記2014.4.12)。
 胞子には発芽孔があるがわかりにくい(b)。しかし濃硫酸で封入すると、図鑑類に記述されている通りスレート色に変色し発芽孔が明瞭になった(c)。ヒダ断面には側シスチジアがみられるが(f)、縁シスチジアははっきりしない(e)。しかし、ヒダを一枚スライドグラスに載せて縁をみると、のう状のシスチジアがある(g)。フロキシンで染めるとわかりやすくなった(h)。シスチジアの形は縁も側もおなじようだ(i)。カサ表皮の状態は細胞状というのだろうか(j〜l)。
 
(a)
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(b)
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(c)
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(g)
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(i)
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(j)
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(k)
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(l)
(l)
 暖かくなって庭の草が一気に伸び出した。今年二度目の草刈り。刃を目立てしてつかってきたがそろそろ限界だ。今年は替え刃を5〜6枚購入せねばなるまい。


2014年4月14日(月) 意外と成長していなかった!
 昨日友人ら四人で三春町までオオズキンカブリタケを見にでかけた。現地ではまだ桜は咲いていなかった(e)。先日観察した幼菌は意外と延びておらず、かろうじて10本ほどが柄をのばしていた(a〜c)。まだ大部分のきのこは頭部だけをかろうじて地上に出した状態だった(d)。
 混雑が予測されたので瀧桜周辺には近寄らずに、田村市から川内村を経由して富岡町の夜ノ森にでた。夜ノ森のソメイヨシノは満開状態で桜のトンネルが美事だった。天気は良し、休日でもあり、マスコミで報じられた効果もあってか、花見客の姿が多数見られた(f)。しかし、原発事故前のかつての賑わいは全くない。周辺の放射線量の数値は相変わらず高い。
 
(a)
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(b)
(b)
(c)
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(d)
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(e)
(e)
(f)
(f)
 暖かくなり田植えシーズンが近いため、集落の農家の動きが活発になってきた。


2014年4月13日() 小さな子嚢菌とキツネノワン
 一昨日スギ林で見つけた橙色の小さな子嚢菌を覗いて遊んだ(a〜c)。子嚢には蓋があり非アミロイド。側糸はアミロイド反応を示す。胞子はまだ十分に熟していないようだった。
 先日庭の桑の樹下をみると、とても小さなキツネノワンが見つかった。画像は昨日午後撮影したものだ(i, j)。発生は昨年よりも早い(雑記2013.4.25)。キツネノヤリタケは見あたらない。
 
(a)
(a)
(b)
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(c)
(c)
(d)
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(e)
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(f)
(g)
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(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(a) 子実体群、(b) 子実層上面、(c) 子実体断面、(d) 托外皮、(e) 子実層:水、(f) 子実層:フロキシン、(g) 子実層:メルツァー、(h) 子嚢先端:メルツァー

 今年はじめて「キノコのフォトアルバム」に2004年の画像をいくつか加えた。久しぶりの作業だったがうんざりした。昨日までは2004年の部分はすっからかんだった。


2014年4月12日() イタチタケが出てきた:近くのスギ林
 家の近くのスギ林で、放置されてボロボロになったシイタケほだ木からイタチタケの仲間(a, b)が出ていた。しかしまだ、いわき市ではカサと柄をもった担子菌はとても少ない。
 先月見つけたスギシャグマはかなり大きくなっていた(c)(雑記2014.3.26)。カバイロチャワンタケの仲間がようやく出てきたがこれまたとても小さい(d, e)。
 スギ林をあとにして車に戻る途中で、鮮やかで小さな子嚢菌が地面から多数でていた(f)。子嚢盤の径は2〜5mm程度で、厚いゼラチン質をもち、柄はなかった。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 一昨日は初夏のような暖かい一日で、クサギカメムシが室内に多数出没して臭いにおいをばらまいてくれた。80〜100匹ほど退治した。昨日は一転して気温が低かったためか、カメムシは10数匹程度だった。あまり使わない本を納めた書棚の奥にはドロバチの巣が目立つ。


2014年4月11日(金) 富岡町 夜ノ森の桜が満開
 埼玉から友人のIさんがやってきたので、ひさしぶりに三人で大熊町の林道に向かった。ほとんど人の通らない林道がなぜかしっかり「除染」され、法面の急斜面がすっかり禿げ山になっている。大雨でも降ればどうなることだろう。広大な除染廃棄物仮置き場にも驚いた(a)。
 富岡町の夜ノ森は昔から桜の名所だ。今年も並木一面に桜が花をつけている。北半分は立入禁止区域となっているが(b)、南半分の桜のトンネルはたっぷり楽しめる。ところが人の姿はほとんどない(c)。それもそのはず、車外に出ないよう指示した看板が随所にある(d)。
 並木の外れに高いクレーンがそびえていた(e)。近づいてみるとNHKの広報取材車だった(f)。昨年は多数のマスコミが並んでいたが今年はNHKのみだった(雑記2014.4.9)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 アミガサタケはみつからなかった。近くに設置された線量計は5.60μSv/hを示していた。


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