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水道水とメルツァー | |||||||||
カシタケの胞子を水道水とメルツァー試薬で封入して並べてみた。胞子の形こそ変わらないものの、見た目の印象はまるで違う。ベニタケ属の胞子観察にはメルツァー試薬で封入するのが常識とされるが、水道水でしか見たことのない人もかなりいるようだ。 そもそもメルツァー試薬はベニタケ属の胞子観察のために生み出された試薬だが、ベニタケ属以外のキノコについても、試薬として広く用いられている。メルツァー試薬といえば、その名を知らないのは「もぐり」だとさえ言われるほど、菌類関係では代表的な試薬だ。 きのこの研究者や愛好家は、ベニタケ属やチチタケ属の胞子観察といえば、当然のように直ちにメルツァー試薬で封入してしまう。そのためか、水道水で封入して見たことのない人もいるという。時には水道水やKOHで胞子を観察してみるのも面白い。 |
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メルツァー試薬はきのこの顕微鏡観察にはなくてはならない最も重要な試薬だが、残念ながら(おそらく)どこにも売っていない。また、子嚢菌の子嚢の観察であればうがい薬のイソジンを代用品として使えるが(雑記2009.11.29)、担子菌ではそれもままならない(同2003.12.19)。メルツァー試薬を入手しようと思えば、「研究指向」のきのこ会に照会するしかない。 | |||||||||
子嚢菌の季節:シイタケほだ場にて | |||||||||
午前中近場の廃棄されたシイタケほだ場に向かった。久しぶりに歩いてみるとすでにシオデは伸びきり、ゼンマイは大きく葉を広げていた。ボロボロになったほだ木からはチャワンタケ型の子嚢菌が混在して何種類も出ていた(a)。 カバイロチャワンタケの仲間(b)、フクロシトネタケの仲間(c)、フジイロチャワンタケの仲間(d)等々。カサと柄をもったきのこもいくつか見られた。ヒメアジロガサモドキと思われるきのこ(e, f)、チシオタケの仲間(g)、フウセンタケ属の小さなきのこなどが出ていた。 広野町の折木ではカンムリタケが最後の姿を見せてくれた。数は4月後半(雑記2014.4.28、同2014.4.23)からほとんど増えていなかったが、頭部がすっかり大きくなっていた(h)。 |
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今日は昼過ぎから強い雨が降り出し、激しい雷鳴が響き、凄まじい突風がしばしば襲う。このためか、頻繁に停電が起こり、ケータイが突然プッツリと切れてしまう。何とも不安定な空だ。 | |||||||||
エツキクロコップのみ:川内村にて | ||||||
午前中通勤混雑が一段落した8:20分過ぎに川内村まで行ってみた。沢沿いの山桜樹下を主体に複数箇所を探索した。目的のきのこは見つからなかったが、あちこちでエツキクロコップタケが最盛期を迎えていた(a〜e)。他には、小さな株のクヌギタケ属が少し見られただけだった。 |
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ここ半月ほどは自宅周辺や集落では、ありがたいことにイノシシ被害がとても少ない。石森山でもイノシシの穿り返した跡がほとんどない。しかし、数が減っているとは考えにくい。 | ||||||
ようやく出てきたサクラのハルシメジ | |||||||
いわき公園は「除染」と遊歩道の舗装化できのこの発生環境はずいぶん変わってしまったが、今年もなんとかサクラの樹下にハルシメジが出始めた。まだとても小さく近寄ってじっくり見ないと見落としてしまいそうだ(a〜c)。今年は駄目かもしれないと思っていたのでホッとした。 駐車場のすぐ脇の生け垣の下をみると、やや時期を失した感のあるアミガサタケがいくつも出ていた。おそらく4〜5日ほど前が最盛期だったのだろう(d〜f)。 サクラのハルシメジにしろアミガサタケにしろ首都圏と比較すると2週間から4週間ほど発生が遅い。福島県の中では最も暖かいとされる浜通りのいわき市だが、やはりここは東北なのだ。 |
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わが集落の田圃は三分の二ほどが田植えを終えた。一方で、すぐ近くなのだが、いまだ田圃に水も入っていなければ代かきも行われていない集落もある。 | |||||||
グアヤクとグアヤコール | |||||||||||||
昨日成熟したカシタケをひとつ掘り出すと(a)、カサの頂部が癒着した小さなカシタケが一緒についてきた(b, c)。それぞれは別個の子実体で、束生していた。癒着部を壊さないように慎重にきのこを縦断してみた(d)。子実体を作り始めた段階で、何らかの環境圧が加わって脱分化が起こり、その結果こういった姿になったのだろうか。 実に久しぶりに試薬を用いて呈色反応を確かめて遊んでみた。「グアヤク・・・」と読めるラベルのついた試薬を滴下したところ、ヒダは緑色にならずに暗褐色を帯び(e)、カサ表皮の色はほとんど変化がなかった(f)。本来ならヒダなどはグアヤクで緑色になるはずだ。おかしいと思って試薬のラベルをみた。薄く残ったインク跡は「guaiac」ではなく「guaiacol」と読めた。グアヤクとグアヤコールでは大違い、試薬の色からして全く違う(i)。 |
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今日は試薬を間違えるという初歩的ミスを犯してしまったが、「guaiac」のラベルをよく見ると2008年とあった。いくら冷暗所に保存していたとしても、古い試薬では期待したような反応を得ることは難しい(g, h)。今年はまた新しい試薬を入手せねばなるまい。 | |||||||||||||
やはり出たカシタケ | |||||||
午前中にいわき市の沼の内弁天を散策した。初めてこの場所を知ったときから、春先にはきっとカシタケがでるだろうと感じたので、友人らにもそう話していた。そこで、3月半ば頃から毎週のように通って確認を続けてきた。今日になってようやくカシタケを確認できた(d〜f)。結果として、千葉や埼玉、茨城などに比べると発生の時期が一ヶ月ほど遅かった。 さらに桑の樹下の草地にしゃがみ込んでみると、6〜8cmほどに成長したキツネノヤリタケが多数でていた(a〜c)。昨日の自宅の庭に続いて二件目の発生地確認となった。 |
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今日は風もなく穏やかによく晴れ上がった。集落では田植えも始まった。一方、市街地のショッピングモール周辺は多数の車でごった返していた。 | |||||||
カタクリの大群落とキツネノヤリ | |||||||
朝、二本松市のスキー場のゲレンデを散歩した。残雪の残るスキー場のすべての斜面にカタクリが大群落をなして紫の絨毯を織りなしていた。幅30〜40m、総延長1500mほどの複数の斜面がすっかりカタクリに占拠されていた。上部の残雪の残る部分ではまだ小さな蕾をつけ、下部では最盛期を終えややしおれた花が一面に広がっていた(雑記2013.5.5)。 一部ではショウジョウバカマと混生していた。カタクリの花は1平方メートルに80〜150株ほど見られたので、延べ45,000平方メートルの斜面では100万株以上発生していると推定された。花を踏みつけにせずに歩くことは今年も不可能だった。 スキー場で1時間半はどたっぷりとカタクリを堪能した。ゲレンデを仕切る樹林の下もカタクリだらけだった。この90分間に出会ったのはたった一人の登山者だけだった。 |
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昼過ぎに帰宅して庭の桑樹下をみると、キツネノヤリタケがでていた。いわき市に転居して初めてのキツネノヤリとなった。 | |||||||
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