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都市公園のきのこたちは交互に夏休み? | |||||||||||||
山ではきのこが一斉に夏休みをとったかのようにほとんどきのこの姿がみられないが、都市公園のきのこたちは交互に休暇をとっているらしく、次々に新たな発生がある。 淡い色のテングタケ(a, b)、ツルタケ(c)、幼菌から成菌までのヘビキノコモドキ(d, e, f)、アカハテングタケ、ツバとツボをもった白色のテングタケ属などが随所に見られる。2週間ほど前にも幼菌に出会っているが、再びムレオオイチョウタケにであった(g, h)。チチタケは相変わらず出続けている(i, j)。小ぶりのオクヤマニガイグチも見られる(k, l)。他にも、淡色のアワタケ属、柄の網目の弱いムラサキヤマドリタケに似たイグチ、よく分からないイグチなど、典型的な姿とは程遠い色や形のきのこが結構多い。 |
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「日本百名水」の湧水現場で人が水を汲む姿は各地で見てきたが、昨日栃木県塩谷町の尚仁沢湧水では驚いた。遊歩道を歩いて湧水(沢水)まで行かなくても、近くの親水公園には湧水が引かれていて、お手軽に水を汲むことができるようになっている。広い駐車場もある。駐車していたのは多くが都会ナンバーで、1Lから10Lのペットボトルやポリタンクを多数積んでいた。6〜20個のペットボトルを収めた大型プラスチックケースを幾つも準備して水汲み場に群れていた。これらにいっぱい水を入れて車に積むと過積載まちがいない。ハンドルを取られ事故を起こすケースも結構あるという。土日には水を汲む人々の長い行列ができるらしい。 | |||||||||||||
山のきのこたちは一斉に夏休み? | |||||||||||||
あまりに暑いので、少し標高の高い山間部に逃げ出した。奥日光から山王林道を経て、川俣湖畔の馬坂林道を北上し、土呂部を経て市街地に戻った。標高1500m近辺でいくつかのイグチ類とCystoderma(シワカラカサタケ属)に出会っただけで、行程の大部分の場所ではきのこの姿はとても少なかった。まるで一斉に夏休みをとったかのようだ。 数少ないイグチ類だが、種名までわかるものは殆どなかった。大型のものでは、柄上部に細かい網目があり変色性が弱いイグチ(a, b)、アメリカウラベニイロガワリに似ているが柄に網目のあるイグチ(c, d)、ドクヤマドリに似ているがカサ表皮の構造が異なるイグチ(e, f)など。 中型から小型のものでは、コウジタケに似ていて孔口部に触れると青変するが傷つけると赤変するもの(g, h)、ヒメコウジタケ(i, j)、カラマツベニハナイグチと思われるもの(k, l)などが見られた。 |
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不思議と林道に車は少なく、山王林道で一台、馬坂林道でも一台の対向車に出会っただけだった。山の上は涼しかったが、日光の市街地に降りてくると蒸し暑かった。夕方になるとお決まりの雷鳴が鳴り響き、時折豪雨に見舞われた。 | |||||||||||||
何処にでもある小さな白色のきのこ | |||||||||||||
何処に行っても落枝をみると背着生で白色の小さなきのこが沢山ついている。カサの頂部周辺には微毛がみられ、柄はない。ヒダははじめ白色だが成熟すると褐色になる(a〜c)。胞子紋は淡茶褐色で短時間で多数の胞子を落とす。 胞子は水封では表面が平滑に見えるが(d)、KOHで封入した時表面が軽くザラツイて見える(f)。胞子は非アミロイドだ(e)。ヒダを薄切りにして先端を見てもシスチジアらしきものは見えない(g)。しかし、ヒダの縁を軽く押しつぶして倍率を上げてみると、薄膜棒状の縁シスチジアがあることがわかる(h, i)。単子器の基部にクランプはなさそうだ(i, j)。カサ表皮は透明で上手く捉えられず、フロキシンで染めてみたが今ひとつ明瞭には捉えられない(k)。カサ肉には何処にでもクランプが見られる(l)。ニセコナカブリとしてよいのだろう。 |
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昨日早朝都市公園を散策したところ多くのきのこが出ていた。いちいち止まるので、1時間に200mほどしか進めなかった。テングタケ類が多いが、イグチ類もまだいろいろ見られた。 | |||||||||||||
興味深いきのこなど:都市公園にて | |||||||||||||
都市公園で見られたきのこの補足。蘚類に覆われた一体に硬質菌が広がり、随所にキツネタケ属のきのこがでていた。その中にカサを作らず柄とヒダばかりの子実体があった。遠目にはまるでアミガサタケのようにも見えた(a〜c)。オニイグチ系のきのこがようやく出てきた。胞子は大きな網目模様。オニイグチに近いものかもしれない(d〜f)。 白色系のテングタケ類は緑色のコケの中ではとてもよく目立つ(g〜i)。保育社図鑑や山渓図鑑からは正体不明で、カサに条線はなく胞子はアミロイド。カサが黄色から褐色を帯び蕪状のツボをもつ大型菌も目立った(j, k)。触れると手がベトベトになり、これといった臭気はない。公園にはホタルが多い。アワタケを見ていたら一匹のホタルが飛んできて羽を休めた(l)。 |
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家のすぐ前の市道はゆるやかなS字カーブの下り坂になっている。このため非常に見通しが悪く、直前に来るまで走行中の車の姿が見えない。この一ヶ月の間、車を出すときに何度も恐ろしい思いをした。そこで許可を得て、昨日カーブミラーを設置した。ミラーに映る範囲は地形的な制約から多少マシという効果しか得られないが、それでも安心度はかなり違う。 | |||||||||||||
再び大型イグチ類が豊富に | |||||||||||||
連日猛暑が続いているが、早朝の都市公園に行ってみるとイグチとテングタケの仲間が豊富に出ていた。オクヤマニガイグチ(a, b)、イロガワリ(c, d)、アメリカウラベニイロガワリ(e, f)、ミヤマイロガワリ(g, h)、ニガイグチモドキ(i, j)、キアミアシイグチ(k, l)はじめ、ウラグロニガイグチ、アカヤマドリ、ヤマイグチの仲間、オニイグチの仲間、クリカワヤシャイグチの仲間、ヤマドリタケモドキ、アワタケなどのイグチ類が目立った。 自宅に戻ってからはもっぱら胞子を覗いて遊んだ。旧分類のオニイグチ科に属するイグチの胞子は変化に富んでいて楽しいが、それ以外のイグチ類の胞子に面白みは感じられない。 |
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昨日は夜になって激しい雨になった。今朝は雨はやんでいるが空はどんよりしている。 | |||||||||||||
スギ植林地ばかり:小来川から前日光 | |||||
日光市明神から小来川(おころがわ)方面と鹿沼市北部の山間地を巡って林道中心に走り回ってみた。目的はきのこの新たな観察ポイント探しだ。前日光の古峰神社の周辺までを、小さな行き止まりの林道も含めて道さえあれば入ってみたが、周辺はどこもスギ植林地ばかりだった。広葉樹林や天然林のような場所は一ヶ所も見つけられなかった。どうやらこの地域にきのこの観察ポイントに適した地は全くないようだ。以前埼玉に住んでいる頃に何度も来た場所だが、古峰神社本殿の屋根が藁葺き屋根であることをはじめて知った。
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家の中のカビ発生が尋常でない。先日綺麗に拭きとったはずの場所に、今朝またカビが大量発生していた。カメラや顕微鏡のレンズも危ない。毎回使用後に除湿庫等に格納すればよいのだろうが、予算とスペースの関係からそれは無理。今のところこれといった打つ手が無い。 | |||||
引っ越しはもうこりごり | |
福島県いわき市から栃木県日光市に転居して今日で一ヶ月になる。今年の4月末にいわき市の借家はもう貸せないという家主からの一方的通告に始まった今回の引っ越し騒ぎだが、ようやく一段落した。これまで何度も遠方への引っ越しは味わってきたが、いずれも若い頃のことだ。今回は広い家から狭い家への転居ゆえ多くの専門書を処分せざるを得なかった。それも図書館に引き取ってもらえず、燃やすゴミとか古紙として処分せざるを得なかったのが悔しかった。さらに体に故障を抱え体調不良も重なって、今回の引っ越しは本当にしんどかった。 日光の冬は極端に寒い。強皮症で強いレイノー症状の身にどこまで耐えられるのか、ひと冬過ごしてみないと分からない。その状況しだいではさらなる転居も否定出来ない。高齢になってからの引っ越しは非常に辛い。できることならば、もう二度と引っ越しはしたくない。 非常に残念だが楽しみにしていた第35回虫草祭(8月1〜2日:於 広島県廿日市市, 女鹿平温泉クヴェーレ吉和)への参加をキャンセルした。虫草祭の頃までに普通に歩けるようになる望みはほとんどなく、体調回復の可能性も薄いと判断した。 昨日は菌懇会事務局のKさんのお供をして、日帰りで福島県川内村のいくつかのきのこポイントを回ってみた。どこもきのこの発生はあまり芳しくなかった。小松屋旅館の天山そばがとても美味しかった。往きは高速道路を使い、帰路は一般道オンリーで帰ってきた。 |
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鬼怒川遊歩道のきのこ:続き | |||||||||||||
一昨日鬼怒川遊歩道を散策した時に出会ったきのこの続き。昨日はテングタケの仲間の一部を取り上げたが、今日はそれ以外のきのこで多少とも印象に残ったものだけを取り上げた。 ビロードツエタケに出会ったのは久しぶりのことだった(a〜c)。道端に鮮やかな橙色の塊が見えたので、近づいてみるとハナガサイグチだった(d〜f)。ヤマイグチは今シーズンはじめての出会いだった(g, h)。どこにでも見られるカメムシタケだが(i〜l)、ホストのカメムシの姿がこれまでによく見てきたものと少し違っていた(k)。 |
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この日遊歩道を後にしたのはam8:40頃で帰宅したのが9:15頃。昼食をとろうと12:00頃に台所に行くとき、左腕に何か冷たいものを感じた。ヤマビルだった。たった今腕に食らいついたばかりらしく、まだ血を吸ってはいなかった。ところが、既に凝結防止作用をもった液を注入したらしく、腕の血はいつまでも流れ続け、pm6:00を過ぎても止まらなかった。不思議なのは体に取り付いてから吸血行為を開始するまでの時間が3時間ほどあることだ。この間何処にいて何をしていたのだろうか。また、こんなに長い時間血が止まらないのもはじめてのことだった。 昨日は東京まで行って、パン屋(世田谷区:ブロートハイム)と登山靴店(巣鴨:ゴロー)、秋葉原のジャンク店に行ってきた。パンを買って靴を修理に出し、SDカード等を買ってきた。夕方菌懇会事務局のKさんがやってきた。夜は三人で宴会となった。 |
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早朝の鬼怒川遊歩道にて | |||||||||||||
早朝30分ほど車を走らせて川治温泉あたりで鬼怒川遊歩道を散策した。タマゴタケ(l)をはじめ、テングタケの仲間がよく出ていた。それらのうちから興味深いものだけを取り上げた。 カブラテングタケのようにもコタマゴテングタケのようにも見える白色系の大型菌が出ていた(a, b)、やや若いもの(c)や幼菌(d)もいくつもあった。苔の中からでていた若い菌を掘り出してみると、地下部は意外と長かった(k)。ツボの形からはカブラテングタケに近いような気がする。また、これとよく似てはいるが明瞭な袋状のツボを持ったテングタケ仲間もあった(e, f)。 シロウロコツルタケ(旧 フクロツルタケ)も多数みられたが(g)、面白いものがあった(h)。引っこ抜いてみると、カサの裏面が一面厚い被膜に覆われていた(i)。たいていはカサを大きく開く頃には被膜はほとんど消失しているのだが、この子実体では被膜が肥厚してヒダをすっかり覆い隠してしまっていた(j)。他には同じような子実体は見当たらなかった。 |
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かつてこの界隈にはヤマビルはいなかったのだが、最近はかなりの頻度で出没するようになっている。シカの数も増えているようで、足元の笹に若い葉はみられない。 | |||||||||||||
今年もキヌガサタケに出会えた | |||||||||||||
昨日早朝日光市を出発して秩父の長瀞地区まで車を走らせた。目的の竹林でam6:30から8:40までキヌガサタケを観察した。竹林の中は暗くて蒸し暑く、蚊の猛攻撃にさらされる(a)。しかし、この2時間少々の間に複数のきのこの成長過程をジックリと眺めることができた(b→d, h→k)。 「キノコのフォトアルバム」の「キヌガサタケ」のページには、2007年から2013年までの写真は掲げていないが、この間を含めて、ほぼ毎年梅雨時の蒸し暑い日に長瀞を始め各地で「開花」の様子を楽しんできた。何度見ても感動を呼び起こすきのこだ。きのこの女王様にふさわしい。 なお、キヌガサタケの成長の様子は、山と渓谷社『日本のきのこ』の522ページ(新版でも旧版でも同じページ)に水野氏による時間入りのていねいな写真が掲載されている。 |
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今回は気まぐれにカメラを設置して撮影している風景をガラケイで撮影した(e, g)。 | |||||||||||||
イグチ類は終わってテングタケ類が | |||||||||||||
連休中の日光市内は終日どこも観光客の車で混雑していた。幸い自宅の周辺は観光客の車はほとんど通らないが、迂闊に車でメインの街道などに出るとえらい目に遭う。 昨日の早朝近くの公園を散策すると、多くのきのこが前日夕方の強い雨のためか泥汚れが激しかった。先週までは大型イグチの類が多数でていたが、すでにイグチ類はほとんど見られず、テングタケの仲間が最もよく目立った。テングタケ(a)、ツルタケ(f)、フクロツルタケ(旧名)(g)はいたる所にでているが、多くが泥にまみれて汚らしい。白色でカサに明瞭な条線のあるテングタケ属のきのこが沢山でていたが(c, d)、いずれもカサにKOHをかけると黄変した(e)。ドクツルタケの仲間にしては違和感がある。 キツネタケの仲間(h)やベニタケ属、チチタケ属はふだん出会ってもめったに撮影しないが、相変わらず非常に多い。チチタケは多くが虫に食われていた(i)。ズキンタケ類もよく目立った(j)。ブドウニガイグチに似ているイグチも多く見られた(k, l)。 |
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昨夕は1時間あたり80mmという非常に激しい雷雨に見舞われた。今市付近では路面全体がまるで湖水のようになった。視界は非常に悪くハンドルを取られる状態で、車の流れは終始ノロノロだった。帰宅して知ったが、日光地方には大雨・洪水警報がでていた。 | |||||||||||||
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