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緑青色のHygrocybe(アカヤマタケ属) | |||||||||||||
都市公園の杉林に出ていた緑青色のHygrocybeについての覚書。杉林では当初黄橙色のHygrocybeを継続的に観察していたが、他にも複数種のHygrocybeが出ていることに気づいた。先日の雑記で取り上げた異型胞子をもった暗褐色のきのこやら、ここで取り上げたきのこだ。存在に気付かずにいくつも踏み潰していたのか整った姿の子実体が少なかった(a〜e)。 胞子は小さく(f)、非アミロイド(g)。フロキシンで封入すると輪郭部が明瞭に捉えられた(h)。ヒダ断面を切り出してみたが(i)、縁シスチジアは無論、側シスチジアもない(j)。単子器の基部にはクランプがあるがなかなか捉えにくい(k, l)。 これまた「スイス」や「ヨーロッパ」の菌類図鑑に類似種はみあたらない。Hygrocybeの専門書(もしあればだが・・・)やモノグラフ(同じくもしあれば)、あるいは近年の論文などにあたれば何か手がかりがつかめるのかも知れないが、そこまで深入りするつもりはないので、観察・鑑賞して楽しむだけでやめておこう。 |
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昨日は台風性の強い雨風のため全国的に被害が続出したが、日光市も例外ではなかった。あちこちで道路が冠水し、午後にはいろは坂は通行止めに、JR日光線も運休になってしまった。温泉からの帰路、橋の下を流れる大谷川は凄まじく増水していた。夜遅くにはついに大雨特別警報がでた。無理もない、この三日間ずっと強い雨が降り続いているのだから。 | |||||||||||||
巨大なセンニンタケ:男体山にて | |||||||||||||||||||
雨の林道を標高1850mまで走り、その後ゲートに阻まれてすごすごと引き返した(a, b)。途中男体山に登る径を少し歩いた。ザレた法面に巨大で異様なきのこが出ていた(c)。掘り出してみると左右の幅35cmほどもあるセンニンタケだった(d, e)。子実層面が特異な姿をしている(f)。周辺をよく探してみると、他にも普通サイズのセンニンタケがいくつも見られた(g, h)。 途中のシラビソ・コメツガ林にはチャヒメオニタケ(i, j)、ワタカラカサタケ(k, l)、ハナイグチ(m)、シロヌメリイグチ(n)、オシロイシメジ(o)、タマゴタケ(p)、ゴンゲンタケ(q)、ノボリリュウタケ(r)など多くのきのこが出ていた。雨も強くなったので、適当なところで引き上げた。傘をさしてはいたのだが、カメラがびっしょり濡れていた。 |
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宇都宮の県立図書館までは自宅からは距離にして22kmほどなので、順調に走ることができれば30分ほど。しかし、市街地に近づくとお決まりの渋滞が発生する。だからたいていは40〜50分ほどかかる。それでもJR日光線を使うより早いし交通費も格段に安い。ほぼ10日に一度位の頻度で図書館通いをしているが、昨日も雨の影響もあってうんざりするほど渋滞した。 | |||||||||||||||||||
今年は美しいマスタケによく出会う | |||||||||||||
昨日は終日雨。それでも戦場ヶ原には観光客の姿が途切れることはなかった。傘をさして西ノ湖近くの遊歩道を歩いていると鮮やかなマスタケが立木に多数ついていた(a, b)。今年は実によく美しい姿のマスタケに出会う。7月以降、毎週一度は大きなマスタケの株に出会ってきた。 遊歩道の足元のカンバの倒木からは雨に濡れてササクレがやや伏せがちなツノシメジがいくつも出ていた(c, d)。その周辺の地表には次々にヒメベニテングタケがでている(e, f)。サナギタケもとても多い。スギタケモドキはやたらにみるが(g, h)スギタケにはまるで出会わない。カラマツ林にはハナイグチがあちこちに顔を出し始めた(i, j)。シロヌメリイグチも遊歩道脇によく出ている(k, l)。久々にカバノアナタケの菌核にも出会った。 |
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雨の中を歩くのが嫌になって結局一時間ほどで駐車場に戻った。まぁ、こんな雨の中戦場ヶ原を歩くなどよほどの物好きのすることだろう。もちろんバスはガラガラだった。 | |||||||||||||
またまた異型胞子・異型担子器 | |||||||||||||
近くの都市公園の杉林で出会ったHygrocybe(アカヤマタケ属)を取り上げた。一見したところスミゾメキヤマタケ(H. chloroides)のカサ表面がササクレた様にも見えれば、暗い色のクロゲヤマタケ(H. ramentacea ined.)のようにも見えるが(a〜f)、そのいずれとも異なっていた。 カバーグラスに採取した胞子紋を何気なく見ると、大小の胞子が混在してみえた(g)。この日同時に小さな胞子をもつHygrocybeを採取して、同じ箱の中で胞子紋を採取していたので、当初はコンタミだろうと思った。あらためて単独に胞子紋を採取してみたがやはり大小の胞子が混在していた(h)。胞子のメルツァー反応は非アミロイド。ヒダの断面を切り出して(i)、先端をみると棒状の組織が多数あり、これをシスチジアと見るかどうか意見の分かれるところだろう。担子器にも大小があり(k, l)、子実層に入り乱れて存在している。大小いずれの担子器も四胞子をつける。先日のHygrocybe同様「スイスの菌類図鑑」や「ヨーロッパの菌類図鑑」に該当種は見当たらない。 |
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[10年ぶりにキノコのフォトアルバムに手を加えた] 今年は「キノコのフォトアルバム」を比較的よく更新している。現在のデザインは15年前に作成した時のままで、その後使用言語は変わったが(雑記2013.9.15)、これまでほとんど手を入れたことがなかった(m)。今回いじったのは「撮影年月日リスト」「by the Date」の部分で(n)、これを新しいもの(最新の月日)から古いものという順に並べることにした(o, p)。 2006年以前のデータについては従来通り1月からはじめて昇順に列挙してある(q, r)。2015年と2014年以前とで表示を変えてもよいのだが、とりあえず2006年以前と2007年以降とで分けた。 英文表示の「by the Date」も同じように2006年までとそれ以降で表示が変わっている。いずれにせよ、自動で索引を作成する仕組みなので、こういった表示方法に変更するにはスクリプトに手をいれる必要があった。ひさびさにPerlとRubyのコードをいじくった(同2014.2.25)。 |
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昨日は東京世田谷まで行ってパンを買ってから川口市の友人らと昼食時を過ごして帰宅した。夕方から小雨が降り始め、帰宅したpm6:00頃には本降りの強い雨になった。 | |||||||||||||
珍妙なSuillus(ヌメリイグチ属):金精山 | |||||||||||||
昨日は二週間ぶりに朝からよく晴れた。ふだんはam7:00前に出かけることは殆どないが、天気が良いので珍しくam6:00過ぎに自宅を出発して奥日光に向かった。7:00少し過ぎに金精トンネル前の駐車場に到着すると、すでに30台以上の車が停まっていて、駐車スペースはほとんど満杯だった。主に首都圏ナンバーの車で、金精峠から日光白根山向かう登山者の車らしい。 登山者に混じって急登の道を峠に上り、日光白根山に向かう登山道を進むと、いたる所にヤマイグチばかりがよく目立った(a, b)。登山道からは男体山・湯ノ湖やら菅沼・丸沼が一望のもとに俯瞰できたが、am10:00頃になるとすっかり雲に覆われてしまった。。 ヤマイグチの仲間はいろいろ出ていて、シロヤマイグチ(c, d)やら、柄の上部が赤色のヤマイグチ(e, f)、アオネノヤマイグチ、スミゾメヤマイグチとおぼしきものなどいろいろ見られた。 切り立った尾根の右側の急斜面に妙な姿のイグチ(Suillus)が多数でていた。ハナイグチに似ているが、カサ表面が特徴的で、尾根上の登山道から見るとヒョウの模様のようだった(g〜j)。おっかなびっくり斜面を下り、樹につかまりながらなんとか10数個のきのこを撮影した。キノボリイグチの大群落を見たのは初めてだった。斜面にはアミハナイグチもあちこちに群生していた(k, l)。 |
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他にもオニナラタケ、フウセンタケ属、チチタケ属、アカヤマタケ属、テングノメシガイ属などにもいくつも出会った。気が向いたら、後日雑記にメモすることになるだろう。 | |||||||||||||
都市公園は相変わらずきのこだらけ(二日目) | |||||||||||||||||||
前日につづいて近場の都市公園を歩くと、相変わらず多種多様のきのこがいたる所に出ていた。ざっと数えてみたらゆうに100種を超えた。早朝散歩の人たちもあちこちで足を止めてきのこを見ていた。一昨日と昨日掲載した種以外でよく見られるものを掲載した。 シャカシメジが再び顔を出し始めた(雑記2015.7.5)(a, b)。ウスタケもでているが、オニウスタケと思われるものも見られる(c, d)。チチアワタケ(e, f)、アメリカウラベニイロガワリ(g, h)、ハンノキイグチ(i, j)、アケボノアワタケ(k, l)、シワチャヤマイグチ(m, n)、アカヤマドリ(o, p)も広範囲に出ている。ニガイグチモドキも多いが、ここでは奇妙な形をしたものを取り上げた(q, r)。 場所によってはクサウラベニタケ主体に一面にEntolomaが発生していたり、カレバキツネタケを中心にLaccariaだらけで、きのこを踏みつぶさずに歩くのが困難なほどだ。この日は他にも20数種のきのこを撮影した。丁寧に観察したり撮影したら一日、二日ではとても足りない。 |
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公園内では随所に巨大化したイグチ類(オクヤマニガイグチ、アシベニイグチ、アメリカウラベニイロガワリが多い)が見られ、カサ径20cm以上のものが束生している姿もあった。 奥鬼怒の山ではスミゾメシメジ、オシロイシメジなど秋のきのこが顔を出し始めた。これらの一部は「キノコのフォトアルバム」→「撮影年月日リスト」→「2015年」の冒頭に掲載済み。夫婦淵から加仁湯温泉への遊歩道はきのこ観察には向いていないことが分かった。 |
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イボカサ三兄弟など:都市公園続き | |||||||||||||||||||
都市公園のきのこの続きだ。昨日は掲載しなかったが、あまりにも沢山出ているきのこだけをここに追補することにした。二つ三つしか見られなかったきのこは無視した。 この二週間ほど、どこに行っても頻繁に出会うのがイボカサの仲間だった。今回は久しぶりにこれらを撮影した。アカイボカサタケ(a, b)、シロイボカサタケ(c, d)、キイボカサタケ(e, f)が10m四方の範囲に多数でていた。ミイノモミウラモドキなど他にもEntolomaは多数みられた。 ふだんRussula(ベニタケ属)の仲間はよほどのことがない限り見ないことにしている。だから特別な場合以外は撮影することもほとんどない。しかし、あまりに多数でていたので三種類だけ撮影した。シュイロハツ(g, h)、クロハツ(i, j)、クロハツモドキ(k, l)だ。 Laccaria(キツネタケ属)やMarasmius(ホウライタケ属)もやはりふだんはあまり目に止めないのだが、これまたきれいな子実体が多かったので、ウラムラサキだけ撮影した(m, n)。変わりどころでは、クロアシボソノボリリュウ(o)、ズキンタケ(p)を撮影した。 イグチ類はヌメリイグチ、アワタケ、チチアワタケ、アメリカウラベニイロガワリ、オクヤマニガイグチなどがでているが、ここでとりあげたのはひとつだけ。ちょっと見はウツロイイグチのようだが、菌糸にクランプがあり、胞子をみればクリイロイグチの仲間らしい(q, r)。 |
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一昨日は公園内の狭いほんの一部分しか歩かなかったので、昨日あらためてまたキノコ散策をやってみた。その時も再びクロカワをはじめ、実に多くのきのこが出ていて驚いた。それらについては明日の雑記で代表的なものを取り上げることにしたい。 | |||||||||||||||||||
大きなきのこがいろいろと:都市公園 | |||||||||||||
昨日午前中、杉林のHygrocybe(アカヤマタケ属)の観察を主目的に近くの都市公園に行ってみた。新たな種類も含めて7〜8種類のHygrocybeが賑やかに出ていた。90分間ほどしゃがみこんで観察しているうち疲れたので売店でソフトクリームを食べて引き上げることにした。 車に戻るついでに売店近くの広葉樹林を覗いたところ、あまりに多くのきのこが出ていることに気づいた。まさかと思ったのがクロカワ(a, b)だった。遠目には大きなクロハツのように見えた。キシメジ(c, d)、ヌメリイグチ(e, f)、アンズタケ(g, h)、ハラタケ属(i, j)、大型で青変性のあるSuillus(ヌメリイグチ属)(k, l)などをはじめ、他にも20数種類のきのこにであった。 公園に着いた当初はHygrocybeを観察した後、いつもどおり園内を一周するつもりだったが、結局東側の一隅を歩いただけで引き上げることになった。秋のきのこが一気に出てきた。 |
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この一週間ほど連日雨で肌寒い秋の陽気だったが、昨日は再び暑い夏が戻ってきた。採取したクロカワは夜つけ焼きにして酒の肴にした。ほどよいほろ苦みが美味かった。 | |||||||||||||
ブナ・モミ・コメツガ林の続き | |||||||||||||
8月31日に中禅寺湖畔のブナ林からモミ・コメツガ林を歩いた時に出会ったきのこの続きだ。まずは小さくて目立ちにくいが特徴的なきのこを二点。コケイロサラタケに出会ったのは久しぶりのことだ(a, b)。ロクショウグサレキンモドキは腐朽木一面についていた(c, d)。 ミズナラの樹下にキシメジ科らしい大きなきのこがでていた(e〜h)。センボンイチメガサが大きな株を作っていた(i, j)。秋の気配を感じさせるフウセンタケ属がいろいろと出始めていた。そのうちからオオウスムラサキフウセンタケの画像だけを取り上げた(k, l)。他にもホウキタケの仲間4〜5種、落ち葉分解菌7〜8種、ハナオチバタケ、ケロウジの仲間などに出会った。 |
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昨日も終日雨。雨と霧の中、塩谷町の尚仁沢遊歩道を散策したがきのこはほとんどなかった。アオネノヤマイグチ、オニイグチ、ヤマドリタケモドキ、ヌメリニガイグチ、アワタケ、カバイロツルタケ、モリノカレバタケ、シロイボカサタケ、キイボカサタケ、チチタケ、ベニタケ類、ホオベニタケなどが見られたが、数も少なく状態もあまり芳しくなかった。カメラの出番は全くなかった。 | |||||||||||||
中禅寺湖畔のブナ・モミ・コメツガ林 | |||||||||||||||||||
このところずっと終日雨の日が続いていて、きのこ散策や屋外観察はほとんどできない。昨日朝も雨だったが、中禅寺湖まで上がれば雨は止んでいるだろうと思っていろは坂を上がった。予測通り曇り空だったので、湖畔のブナ林からモミ・コメツガ林を散歩することができた。 ハンノキイグチ(a〜c)、クリカワヤシャイグチ(d〜f)、シロヌメリイグチ(g, h)、キヒダタケ(i, j)、アオネノヤマイグチ(k, l)、キイロイグチ(m, n)、シロイボカサタケ、キイボカサタケ、チチタケ、ツエタケ、カバイロツルタケがやたらに多かった。久しぶりにツエタケ(o)、ヌメリツバタケモドキ(p)などを撮影してしまった。フサクギタケ(q)、チシオタケ(r)には今月何度もよく出会った。 昼ころに散歩を切り上げた。下りのいろは坂はずっと濃い霧の中で、日光の市街地まで降りると案の定、雨だった。自宅周辺も雨。曇り空は上の方だけだったようだ。 |
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悪天にもかかわらず日光市内も中禅寺湖周辺も都会ナンバーの車があふれていた。 | |||||||||||||||||||
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