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今年もセンボンキツネノサカズキに出会えたが・・・ | |||||||
三重県のTさんと三人でセンボンキツネノサカズキを観察に行ってきた。昨年多くの子実体を確認していたので、今年も多数の株を見ることができると思っていたのだが(雑記2014.10.2)、寂しい数の株しか見られなかった(a, b)。来年は出会えるのかはなはだ怪しくなってきた。 この日はほかにはコウタケの幼菌(c)、わずかな数のコウボウフデ(d)、ヒメベニテングタケ(e)、タンポタケを宿主とする虫草(f)、ヒイロチャワンタケ、テングノメシガイの仲間、オニナラタケくらいしか出会うことができなかった。 |
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自宅近くの蕎麦屋(湧水庵)で昼食を済ませてから自宅に戻りTさんと別れた。クルマで走ると三重県は遠い。Tさんが自宅に到着したのは夜の10:00近くだったという。 | |||||||
仲間五人で奥日光を歩いた | |||||||||||||
三重県の友人三人が日本菌学会フォーレのあと引き続いて日光市のわが家にやってきた。五人で戦場ケ原に行って奥日光を散策した。すっかりよく晴れ上がって、日向に出ると暑いくらいだった。ちょっと見たところ乾燥気味であまりきのこは期待できないように見えたが、歩き出してみると結構興味深いキノコがいろいろと出ていた。 スギタケの大きな株(a, b)がバスの終点近くに出ていた。チャナメツムタケ(c, d)やヌメリスギタケモドキ(e)、クリタケ(f)はあちこちにでていた。中禅寺湖畔のミズナラにはムキタケ(g)、ハルニレの倒木にはオドタケ(h)、ミズナラ倒木にはヤマブシタケの幼菌(i)などがついていた。ヒグマアミガサタケには久しぶりにであった(j)。相変わらずオオミノミミブサタケはいたる所にでていた(k, l)。 |
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日光だいや川公園のガーデン・レストランで昼食をとって、公園の一画を散策した後、JR日光線の駅で二人が帰路についた。 | |||||||||||||
キシャモジタケ:やはり胞子に隔壁は見当たらない | |||||||||||||
近くの都市公園のスギ林には、8月頃からキシャモジタケとおぼしき子嚢菌が出ている。この仲間のきのこ、つまりMicroglossumに関して、保育社図鑑には胞子は「2個以上の隔壁を生じる」、今井三子の「北海道帝国大學農学部紀要第45巻4号」には(キシャモジタケは)「胞子には5−7の隔壁がある」と記されている(雑記2013.9.10 -- Y. A.)。 これまでにも何度か検鏡したが、いずれも隔壁は見つからなかった。保育社図鑑のマツバシャモジタケ(M. viride)の項には(子嚢胞子は)「永く無隔壁,のちに4〜5室となり」と記されている。この記述と検索表のMicroglossumの説明からは、キシャモジタケも同様に、長いこと無隔壁だが老生すれば隔壁が生じるかに読み取れる。
今年もまたキシャモジタケが老生するのをじっと待って、胞子を確認してみた。ソーセージ形の子嚢胞子にはいくつもの気泡こそ生じるが、隔壁といえるような構造は見つけられなかった。隔壁があればフロキシンで境界がはっきりと区別されるはずだが、そういった様子もない。 |
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今日はこれから五人で戦場ケ原の散策。オドタケに出会えるとよいのだが・・・ | |||||||||||||
栃木県庁近くの都市公園にて | |||||||
栃木県庁近くの都市公園数ヶ所に行ってみた。県庁舎すぐ裏の八幡山公園にはテングタケが幼菌から成菌まで勢揃いしていた。適度の起伏があり樹種も豊富でこれからのきのこ発生が楽しみな公園だ。そのすぐ北側の戸祭山緑地は足元がぬかるみ状態だったので歩くのはやめた。更に少し北側の長岡公園では、シャカシメジ(a, b)、ケロウジ(c, d)、コウモリタケ(e)、アカエノズキンタケ(f)はじめ多くのキノコを見ることができた。 戸祭山緑地以外は公営の無料駐車場もあり今後もきのこ散歩コースの一つになりそうだ。鹿沼市のドイツパン工房でパンを買って帰宅した。久しぶりに美味いクロワッサンを食べた。 |
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今日の夕方には三重県から数名の菌友がやってくる事になった。夜は狭い家で賑やかな宴会になりそうだ。昼のうちに客人が寝られる場所を何とかして作らねばならない。 | |||||||
近場の都市公園は気温降下待ち? | |||||||||||||
昨日の雑記には載せなかったが、近郊の都市公園はじめこのところ出かける先ではどこでもスギタケやオシロイシメジがよく見られる。中禅寺湖畔にも多数でていた(a, b)。 日光市の都市公園には相変わらずクロカワ(c〜e)、シャカシメジ(f)、アカヤマドリ(g)、クロラッパタケ(h, i)、アシボソノボリリュウタケ(l)がよく出続けていた。夏のきのこのカバイロツルタケ(j)やフクロツルタケ(k)もいまだに見られる。 先週の土曜日以降ほぼ一週間雨がまったく降っていなかったためか、きのこの姿は次第に少なくなっている。腐ったイグチなどがあちこちに転がっている。昨日は終日よく雨が降り続いたから、三四日もすれば秋のきのこが一気に発生することだろう。 |
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いわき市から日光市に転居してはや三ヶ月(雑記2015.6.26)。家は狭いけれども、ほぼ毎日温泉に入れる環境には満足している。問題は寒い冬を無事に乗り切れるかどうかだ。 | |||||||||||||
ブナとその周辺に見られたきのこ | |||||||||||||
昨日午前中に中禅寺湖畔のブナとモミ主体の林を散策した。全般的にきのこは少なかったが、深く積もった落ち葉の中から、淡紫色を帯びたフウセンタケや柄の基部がポッコリ膨らんだ茶褐色のフウセンタケ類がいろいろ出ていて、山にはすっかり秋の気配が漂っている。それらはさておいて、ここではブナとその周辺で見られたキノコだけを取り上げた。 ブナの立ち枯れや倒木からはあちこちでツキヨタケがでていた(a〜d)。また、スギタケの仲間の幼菌らしいきのこが美しかった(e, f)。ふと立ち枯れのブナを見上げるとヌメリツバタケモドキが群生していた(h)。その根本付近からはスギタケの幼菌もでていた(g)。地表に目をやるとキヒダマツシメジ(i, j)やらオオキツネタケ、アカモミタケ、クチベニタケ(k, l)などが見られた。 |
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[二つの話題:マクキヌガサタケとツキヨタケ] 今月15日に中禅寺湖畔からマクキヌガサタケのタマゴ(菌蕾)を持ち帰り(m)、自宅のタッパウエアに据え付けて机の上に置いた。毎日朝と夕に霧吹きで水を与えていたが、一週間ほどはさしたる変化はなかった。数日前から頭部が突出し始めた(n)。しかし、触れてみると固くて開花?はまだまだ先だろうと思っていた。ところが、今日(9/25)の早朝ふと見ると、厚い外皮を突き破ってすっかり成長しきっていた(o, p)。持ち帰ってからちょうど10日目に開いたことになる。 二つ目はツキヨタケ。昨日中禅寺湖畔のブナ林から持ち帰ったツキヨタケはとても明るく発光した(q, r)。隣人と一緒にしばし淡い明かりを楽しんだ。かつて日光のツキヨタケは光らないか光ってもとても暗いという印象があったが、昨夜の明かるさはそんな話題をすっかり吹き飛ばした。 |
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五年ぶりのオドタケ | |||||||||||||
シルバーウイーク最終日の23日、いろは坂を登りam8:00のバスに乗った。連休最終日とあって観光客はかなり少なくなった。朝のうちこそ駐車場には沢山アキがあったが、午後になると首都圏からのクルマがかなり増えていた。それでも遊歩道は人も少なく静かだった。 ハルニレの倒木のホラ(洞)の中やらウロ(凹部)にオドタケが群生していた(a〜c)。五年ぶりの出会いだったが(雑記2010.9.20、同2004.10.23)、場所が場所だけに撮影に苦労した。チャナメツムタケ(d, e)やナラタケ類(f)、クリタケ(g)はあちこちで見られた。きのこ狩りの人たちが入っている様子で、さすがにタモギタケ(h)はどこにでもというわけにはいかなかった。 フチドリツエタケに出会ったのも久しぶりのことだった(i, j)。ツノシメジは倒木からもでていたが(k)、大部分が立ち枯れの高いところから出ていて、手持ちの単焦点マクロレンズでは撮影できなかった。ニカワウロコタケも高い位置に発生したものしか見つからず撮影不可だった。スギタケ、スギタケモドキ、ヌメリスギタケモドキ、オシロイシメジ、(柄の細い)フウセンタケ属はいたる所でみられた。オオミノミミブサタケが8月はじめの頃からずっと発生し続けている(l)。 |
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朝の内まで満杯だった日光市の公営キャンプ場は午後にはすっかり空っぽになっていた。 | |||||||||||||
三点のテングノメシガイを比べてみた | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
宇都宮市街地の都市公園で採取した三点のテングノメシガイを検鏡して比較してみた。各パーツ名下段の「×20」などは総合倍率、「対×40」などは対物レンズの倍率だ。 現地でルーペで覗いた時(b, b', b'')、(1)は剛毛がないかのように見えたが、子実層に埋没するように多数の剛毛があった(d)。そして剛毛は比較的短い。(2)の剛毛は子実層からやや突出しているが、長さは(1)のそれより若干長い程度だ。(3)は長い剛毛が子実層から大きく突出している(d'', e'')。(1)と(2)の胞子はサイズも隔壁の数(七つ)もほぼ同一で、側糸の形状も似通っている。それに対して、(3)の胞子は長く隔壁の数も十五あり、側糸先端の形状は(1)や(2)とはやや異なって見える(f'')。(1)〜(3)のいずれも剛毛があるからTrichoglossum属ということになる。 上記の観察からいえることは、(1)と(2)は同一種でナナフシテングノメシガイ(T. walteri)、(3)はテングノメシガイ(T. hirsutum)としてよさそうだ。 |
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大館一夫さんの近著『春夏秋冬 街のきのこ散歩』(八坂書房)は季節のきのこにちなんだ随筆からなる書だが、面白くきのこ初心者には非常に有用だ。ベテランが読んでも随所に「そうだったのか。そういうことなのだ」とあらためて再認識させられる内容が溢れている。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
きのこがめっきり少なくなった | |||||||||||||
県立図書館と県立博物館に用事があって宇都宮に向かって車を走らせた。大連休中の宇都宮はクルマも少なくどこも静かだった。せっかくだから途中の都市公園に2ヶ所寄ってみた。 最初に立ち寄った公園はいわゆる里山だが、全体に乾燥していてきのこの姿はとても少なかった。そんな中で、タマゴタケ(a)、シロオニタケ(b)、ムジナタケ(c)に出会った。ベニタケ属(d)、フウセンタケ属(e)、アカヤマタケ属(f)のきのこはあちこちによく出ていた(以上携帯カメラ)。 次に寄った公園は市街地の中心部にあって、よく整備され遊歩道の両側には大きな街路樹が立ち並び、足元にはコケが一面に広がっていた。ここは更にきのこの姿は少なかったが、数ヶ所でテングノメシガイの仲間に出会った。3ヶ所からこの仲間を採取した(g, h; i, j; k, l)。ルーペでみると、(g, h)には剛毛らしきものが見えず、(i, j)には短い剛毛が、(k, l)にはとても長い剛毛がみられた(いずれも20倍)。この連中は肉眼とルーペ観察で分かるのは属レベルまで。それ以上知るには胞子や側糸の観察が必要だ(雑記2015.9.19、同2014.8.27、同2006.7.11など)。 |
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朝晩めっきり冷え込むようになってきた。しかし、昨日の日中はとても暑くかなり汗をかいた。 | |||||||||||||
日塩道路から鶏頂山、会津西街道へ | |||||||||||||
先日の豪雨で、日光と南会津を結ぶ大動脈の国道121号線はズタズタに寸断され連休の今も不通のままだ。代わりに有料道路の日塩道路が無料で開放されている。きのこ観察を目的に、枯木沼経由の登山道を鶏頂山に向かったが(a)、きのこの姿はほとんどなかった。沼(b)には赤色(c)や黄緑色(d)のミズゴケが豊富にあるが、ミズゴケ生のきのこは見られなかった。さらに上部の森にもきのこの姿はほとんどなく(e)、ただ南会津の山が遠望できるだけだった(f)。 下山路を誤って延々と下った先は車からは遥かに離れていて参った。ついでに南会津地方のきのこの発生状況を知りたいと思い、尾頭トンネルを経て会津西街道に入った。 秋の会津西街道はきのこ街道となる。あちこちの出店にはその日の早朝採れたきのこが並ぶ。道の駅たじま(g)には首都圏からの観光客の車がひしめき合っていた。店にはマツタケやコウタケ、ウラベニホテイシメジばかりではなく、マスタケ(h)まで売られていた。シャカシメジ、クロカワ、ハタケシメジも売られていたが、なぜかハナイグチは全くみられなかった。 何といってもこの街道筋で一番の老舗は「ひげのおじさん」だ(i)。主の髭のおじさんは今も健在で(j)、その鑑定眼は何十年も前から定評がある。店の商品棚には「38度線」があってその先には上質なマツタケ(k)やらコウタケ(l)が並び、売値は非公開で闇の中だ。 |
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10年ぶりくらいに髭のおじさんに会い、昔と変わりない姿と話しぶりにほっとした。折しも、コウタケを12Kgほど採取してきた人との買い取り価格交渉の現場にも立ち会えて面白かった。 | |||||||||||||
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