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中禅寺湖周回線歩道を散策 | |||||||||||||||||||
このところずっと雨もなく空気もよく乾燥している。近郊の都市公園にはきのこはほとんどない。紅葉狩りを兼ねて中禅寺湖畔の菖蒲が浜から千手ヶ浜への遊歩道を散策した。この中禅寺湖周回線歩道を菖蒲が浜から歩いたのは15年ぶりのことだ(a)。 過去の記憶はかなり曖昧にしか残っていなかったが、この遊歩道は予想外に興味深く景観も優れたものだった。ミズナラとダケカンバとトチノキの巨木が多い。ただ今シーズンのきのこは既に終わりを告げていて、柔らかいきのこは極端に少なく、多くはすっかり乾燥していた。 そんな中で見られたのは、ヌメリスギタケモドキ(b〜d)、チャナメツムタケ(e, f)、ザラミノシメジ属のきのこ(g, h)、材上生のキシメジ科と思われるきのこ(i, j)、発生途上で干からびたクリタケ(n)、ツバをもった大型菌(o, p)、クチベニタケ(q)、立木の上に発生したホコリタケの仲間(r)など。特筆すべきはオドタケで、大抵は幼菌のうちに採取されてしまうので、この写真のように大きく成長した姿はなかなか見られない(k〜m)。 |
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この遊歩道には日当たりのよい岸壁や大岩が多く、そこにはイワタケをはじめ、いろいろなイワタケ属(Umbilicaria)の地衣が多数着いていた。ハイカーの姿は意外と少なかった。 | |||||||||||||||||||
ヒメワカフサタケの検鏡:たまにはHebelomaも | |||||||||||||
先日近郊の都市公園で採取したヒメワカフサタケ(a, b)を検鏡した。胞子紋は短時間でたっぷり落ちた。それを油浸対物100倍レンズで、胞子表面に合焦したり(c)、胞子輪郭部に合焦(d)してみた。表面には微細な疣がある。ついでヒダの断面を薄手(e)や厚手(f)に切り出してみて、シスチジアの有無をみた。縁シスチジアはあるが(g)、側シスチジアは見当たらない(h)。 ついでヒダを一枚スライドグラスに寝かせて縁をみた(i)。倍率を上げてみると縁シスチジアが明瞭にわかる(j)。ヒダの縁を含むごく一部をピンセットでつまみとって、フロキシンで染めKOHで封入すると縁シスチジアの全体像がよくわかる(k)。担子器の基部にはクランプがあるようだ(l)。 記録としてきちんと残すためには、カサ表皮の構造と柄表面のミクロの姿を観察する必要があるが、種の同定のためだけであれば、わざわざヒダ切片を切りだすまでもない。胞子とシスチジアさえ確認すれば「××ではない」「△△の可能性がある」といったことがわかる。 |
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サブパソコンをWindows7からWindows10にアップしてみた。AcronisTrueImageやプリンタとスキャナの類が非対応で使えなくなった。一部のプリンタはメーカーが対応ドライバを公開しているが、NECのレーザープリンタは未対応。対応予定はあるが提供日未定とのこと。 そのWindows10だが、悪評散々だったWindows8とWindows7を折衷したような中途半端な画面で、使い勝手や体感的速度はWindows7とほとんど変わらない。安定してWindows7が動いている環境であればアップせずにそのまま使ったほうが賢明だ。Windows8.1の環境で使っているのであればWindows10にアップした方が使い勝手は良くなるだろう。 |
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晩秋のブナ林散歩:中禅寺湖畔 | |||||||||||||
連日の急激な冷え込みで紅葉が一気に進んだ。竜頭の滝周辺では見頃を迎えて観光客の姿が急増している。そこで、紅葉渋滞を避けて、朝のうちに中禅寺湖畔のブナ林を散策した。 もうすでにキノコはほとんどないだろうと予測していた。歩き出してみると足元にはウスキブナノミタケが大量に発生していた(a, b, c)。今年はウスキブナノミタケの当たり年のようだ。ブナ倒木からはムキタケが顔を出し始めていた(d, e)。足元は落ち葉でフカフカだったが、落ち葉をどけるとシロナメツムタケ(f)やらチャナメツムタケがあちこちから現れた。 まるでカキシメジの様な色合いで群れているチャナメツムタケもあった(g, h)。ヌメリスギタケモドキもまだ随所にでていた(i, j)。遊歩道脇の法面にはクチベニタケが沢山ついていた(k)。動物にムシられたようなサンゴハリタケ(l)があった。落枝にオオゴムタケがついていた。やや干からびたようい見えたが、切断してみるとまだ新鮮だった。毛の短いアラゲコベニチャワンタケの仲間がムラサキゴムタケの様な子嚢菌と隣接しながら同居していた。 |
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昨日はずっと快晴の空が続いていて、対岸からずっと男体山や日光白根山が見られた。 | |||||||||||||
宇都宮アルプス:クルマで悪路を慌ただしく移動 | |||||||||||
宇都宮の市街地の北方に370〜560mほどの山々の連なりがある。東北自動車道の下り線を走っていると宇都宮ICを過ぎてすぐに左側(北西側)に、日光宇都宮道路の宇都宮ICから日光に向かって走りだすとすぐ右側(北東側)に、低山が連なっているのがはっきり分かる。二万五千分の一地形図には篠井富屋連峰と記され、地元では宇都宮アルプスとも呼ばれている。 この山々にコウボウフデなど興味深いきのこが出るという話を聞いた。どんな様子の山なのか知りたいと思い、峰々の山頂への径をいくつか辿ってみた。全山を縦走するという方法もあるが、目的が山登りではないので、最大限クルマを活用することにした。 地図を見ると山稜の南西側には林道が縦横に走っている(a)。林道を拠点にすれば各山頂までは標高差にして100〜200mほど登ればよい。可能な限り林道で高みを目指し、そこから山頂を目指すことにした。途中に広葉樹林があればきのこ観察をしながら進むことになる。 走りだしてみるといたるところで林道が寸断されていた。先月の大雨の影響らしい(b)。舗装路も未舗装路も路面には縦横に深い亀裂が入っている(c)。通行するか否かは自己責任。路面の崩壊さえなければなんとかなる。軽自動車アルトで際どい運転をして無理やり走り抜けた。 登山道の多くはスギ植林地を経て(d)、山頂に至る(e)。随所に狭い広葉樹林が広がる。再びクルマに戻り、また次の山を目指した。全般的にスギ林が大部分で、広葉樹林は狭い帯状にあるだけだった。きのこ観察を主目的に入れるような場所は今回は見つからなかった。 |
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出会ったきのこは少なく、クリタケ(a)、ベニタケ類(b)、ヒメワカフサタケ(h, i)、硬質菌(j)くらいだった。一眼レフの出番はまったくなかった。危険で慌ただしいクルマ散歩だった。 | |||||||||||
紅葉の上州武尊岳にて:ブナ林のきのこ | |||||||||||||||||||
近郊の都市公園にはほとんどキノコがなく、中禅寺湖周辺にも急にきのこが少なくなってきた。そこで久しぶりに上州武尊岳中腹のブナ林に行ってみた。おりしも紅葉がかなり進み、遠望できる尾瀬の山々をはじめ武尊岳の遊歩道も山腹の湿原もすっかり色づいていた。 ブナに特有のブナハリタケ(a, b)、ブナシメジ(c, d)、ウスキブナノミタケ(e, f)に出会ったのは三年ぶりのことだ。ムキタケ(g, h)、暗褐色のツキヨタケ(i, j)、ヌメリスギタケモドキ(k, l)もブナの倒木から出ていた。遊歩道脇にはチャナメツムタケ(m, n)、シロナメツムタケ(o, p)が沢山でていた。前日(日曜日)にきのこ狩りの人たちが多数入ったようだが、地上生のきのこには目もくれずに歩いたのだろうか。良い出汁の取れるオツネンタケモドキ(q, r)もやたらに目立った。 |
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一昨日カメラが不調で撮影したはずの画像が全く記録されていなかったので、昨日はシャッターを切る度に確実に撮影データが記録されているかどうかを確認した。なお、上記に掲げた以外にもアラゲコベニチャワンタケの仲間をはじめ10数種類のきのこに出会った。 | |||||||||||||||||||
日光だいや川公園のきのこ教室 | |||||||||||||
日光だいや川公園で「秋のきのこ鑑定会」の名称で行われている「きのこ教室」に参加した(a)。講師は(株)北研の社長できのこアドバイザーの川嶋健市氏(b)。川嶋さんにお会いするのは今年の7月4日以来で、今回は(株)北研の技術者Oさんや県博の学芸員Sさん、ビジターセンターの解説員Oさんなどは参加していなかった(雑記2015.7.5)。 パワーポイントを使ってきのこの紹介があってから(c)、講師と参加者全員で公園に出て、きのこを採取した(d, e)。数の力とは恐ろしいもので、きのこがいたって少なかったにもかかわらず、30種ほどのきのこが集まった(f)。簡単な解説の後、昼頃に解散となった。 この日はカキシメジ(g)とクロラッパタケ、フウセンタケ類がやたらに多かった。他にはアカヒダワカフサタケ(h)、キツネタケモドキ(i)、アシボソノボリリュウタケ(j)、ハナイグチ(k)、テングノメシガイの仲間(l)などに出会った。何はともあれ楽しい半日を過ごすことができた。 |
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[カメラ不調か?] 隣家の玄関先の切り株に立派なナラタケ群落が現れた。隣人と話をしながら一眼レフで何枚か撮影したのだが、記録媒体には一枚も記録されていなかった。原因は不明だが今年の5月にも同様のことがあった。悔しいことに、判明したのはきのこを採取してしまった後だった。少なくともカメラも記録媒体も午前中は全く異常がなかった。 | |||||||||||||
コウボウフデをたっぷり鑑賞した | |||||||
昨日、塩谷町船生の宇都宮大学農学部演習林を会場に行われた栃木県きのこ同好会の観察会に参加した。同好会の観察会は毎年この時期にこの場所で行われているが、10数年ぶりの参加となった(雑記2003.10.7>、同2001.9.30)。この観察会に参加した主目的はコウボウフデを観察・鑑賞し撮影することだった。今年はコウボウフデの発生はあまり芳しくないとのことだったが、それでも100本以上の子実体に出会うことができた。 猛暑と豪雨がたたったのか、他のきのこはいたって発生が悪く、40名ほどのメンバーが山を歩きまわったにもかかわらず、採取されたきのこはとても少なかった。ひととおり同定作業を終えたあと、演習林内の寮の食堂で皆で昼食をとって歓談したのち解散となった。 |
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採取したのはホオベニシロアシイグチ2本だけで、それも鑑定会場に置いてきたので、帰宅後にきのこ関連の作業は何も必要ない。そこで恒例の温泉にはいってから帰宅した。 | |||||||
近郊の都市公園:軟質菌の近況 | ||||||||||||||||||||
自宅近くクルマで15〜30分ほどの範囲にある都市公園ではきのこ(軟質菌)が少なくなった。日光市の日光だいや川公園や宇都宮市のロマンチック村や文化の森公園など広い都市公園をはじめ、日光市の円山公園や宇都宮市の中央公園などでも柔らかなきのこは少ない。 一昨日と昨日歩いてみて出会えた軟質菌はアミタケ(a, b)、スギタケの仲間(c, d)、ご禁制品つまりシビレタケ属(e, f)、ハタケシメジ(g, h)、ヒメワカフサタケ(i, j)、ヒメコナカブリツルタケ(k, l)、ヒラタケ、ノボリリュウタケ、ハナオチバタケ、小さな落葉分解菌くらいだった。 「きのこ雑記」では硬質菌は消極的にしか取り上げてこなかったが、それは単に気まぐれのなせる技で特に意味は無い。カイガラタケ(m, n)、クジラタケ(o, p)、ツヤウチワタケ(q, r)はじめ十数種類の硬質菌やクロコブタケの仲間などはほぼいつでも多数見られる。 |
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昨日は日光周辺では特に強い風も吹くことなく、雨も大したことはなかった。朝からよく晴れて、男体山、女峰山、高原山はじめ周辺の山がとりわけくっきりと美しく見えた。 | ||||||||||||||||||||
昨日の続き:蓼ノ湖にて | |||||||
奥日光湯ノ湖散策のあと、ハイキングコースとして人気のある湯元光徳線歩道を歩き(a)、ほとんど人の入らない蓼ノ湖の畔を散策した(b)。この小さな湖へは明瞭な径はなく、大部分のハイカーは遊歩道からはるか下に見下ろすだけで通りすぎてしまうのでとても静かだ。 ここでも今シーズンのきのこはほとんど終わっていたが、いくつかの新鮮なきのこにも出会えた。ヤナギのやや高いところにトビイロノボリリュウタケがでていたり(c, d)、倒木にヌメリスギタケモドキがでていた(e)。また、ミズナラかサワグルミらしい樹にはやや乾燥気味のヤマブシタケのように丸い形のサンゴハリタケがついていた(f)。ここでも地表ではカキシメジやフウセンタケ類、ベニタケ類がすっかり乾燥していた。 |
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自宅の風呂代わりに利用している日光市立の温泉はいずれも無色透明でヌル味系のアルカリ泉だ。この日は湯元温泉街にある「日光山温泉寺」で久しぶりに白濁した硫黄泉を楽しんだ。温泉寺は世界遺産「日光山輪王寺」の別院で、温泉に入ることのできる全国的にも珍しい寺で、入浴料金も温泉街の他の立ち寄り湯の半額以下と安いのが嬉しい。 | |||||||
湯ノ湖周辺ではきのこはほぼおしまいか | |||||||||||||
昨日は終日とてもよく晴れた。奥日光ではここ数日の急激な冷え込みで紅葉が一気に進んだ。特に竜頭の滝周辺や湯ノ湖の周辺では鮮やかな赤や黄に色づいた葉が美しい。 朝の湯ノ湖周辺では釣り人も多く、赤く紅葉した姿を楽しむ人も目立った(a, b)。湖を周回する遊歩道を散歩すると、ツキヨタケ(c, d)、カキシメジ(g, h)、クリタケ(i, j)などが見られた。小径のすぐ上の斜面ではミズナラの根元付近にスギタケの仲間が大きな株を作っていた(e, f)。立木にツヤのある丸い粒塊があったので近づいてみるとヌメリスギタケの幼菌だった(k, l)。 |
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湯ノ湖の標高では今シーズのきのこはほぼ終わり告げているようだった。またこのところの晴天続きで林床はすっかり乾燥していて、干からびたきのこが多数見られた。 最近日光の社寺周辺や奥日光では修学旅行の小学生の大集団がやたらと多い。狭い遊歩道でしゃがみ込んでじっくり観察したり撮影などをするのが難しい日々が続いている。 |
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