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2016年5月20日(金) 宇都宮の都市公園を散策
 昨日午前中に宇都宮市の都市公園を散策した。いろいろなキノコが出てきた。ヒロハシデチチタケはすでにかなり大きくなっていた(a〜c)。ほとんどのシデ樹下にこのキノコはでていた。ハタケシメジはまだ全般的に小さいが多数の株にであった(d〜f)。
 一方、いわゆるご禁制品、つまりシビレタケ属の仲間もあちこちで株立ちしていた(g〜i)。この仲間はどれも採取はもちろん持ち帰りも保管も法律で禁止されているので、属名まではすぐにわかるが種名を知ることはできない。なぜか都市公園にはよく出る。
 他にはウラスジチャワンタケが最盛期を過ぎてやや干からび気味で随所に見られた。アセタケ類も数種みられたが、整った姿のものは少なかった。
 
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 公園からの帰路、宇都宮市の書店でNHKのラジオテキストを購入し、そのあと馴染みの味噌ラーメン店に寄ったところ残念ながら休業日だった。スズキアルトにオイル補充。


2016年5月19日(木) 奥日光散策:オオワライタケが最盛期
 昨日もニャンコには留守番をしてもらって四人で戦場ヶ原を散策した。am8:10始発のバスはガラガラで客は全員で5〜6名だった。朝は肌寒かったが、すぐに暑くなってきた。
 遊歩道を歩くうちに次第にハイカーなどが増えてきた。タモギタケがすでにかなり大きくなっていた(a)。ヌメリスギタケモドキも随所に大きなキノコを作っていた(b, c)。キイロスッポンタケはやや乾燥気味だったが久しぶりの出会いだった(d, e)。オオシャグマタケは最盛期のはずだが、出会った子実体はすくなかった(g, h)。エツキクロコップタケがまるで柄のないような状態でカンバの倒木からたくさん出ていた(i, j)。よくみればヒメアジロガサモドキがいたるところで見られた(k, l)。しかし、昨日最もよくみられたのはオオワライタケだった(f)。
 どこから人が湧いてきたのか、帰路のバスはほぼ満席だった。
 
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2016年5月18日(水) 雨降りの日光市の山中にて
 来客のニャンコに留守番をしてもらって(a)、四人で蕎麦屋に行き、鹿沼の屋台を見に行ったが、あいにく休館日だった。ずっと雨が降り続いていたが、先日カンムリタケに出会った場所に行ってみることにした(雑記2016.5.16)。(今日の画像はメモ用簡易カメラによる)
 途中の標高1,100mあたりでオオワライタケ(b, c)、ヒトヨタケ(d, e)などに出会った。水中の材からは子嚢菌らしきものや(f, g)、クヌギタケの仲間(j)などが見られた。雨の中で二人は熱心にカンムリタケを撮影していた(k, l)。コケの間からカサに特徴的なしわを持ったキノコが出ていた(h, i)。シスチジアを見ると類球形の縁シスチジアと槍のようにとがった多数の側シスチジアが見られた。顕微鏡写真は撮らなかった。
 
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 昨日は終日雨だったが今朝は良く晴れ上がっている。奥日光を歩いてみることにした。


2016年5月17日(火) クロシワオキナタケ:カサのヌメリがとても強い
 シイタケほだ場では用済みの古い榾木からいろいろなきのこが出るので楽しめる。クロシワオキナタケもシイタケほだ場の常連だ。このキノコはカサ表面の粘性が非常に強く、紙袋などで持ち帰るとカサが袋の内側にベタッと貼り付いてしまい、後の処理に困ることになる。
 この日も適当に紙袋に放り込んでしまったので、帰宅後紙袋を開けると既にきのこは形が崩れていた。胞子紋はたっぷり落ちたが、襞の切り出しはうまくいかなかった。
 胞子を水封(d)、KOH(e)、濃硫酸(f)で封入してみると、全体に両端のとがった楕円形で発芽孔があることがわかる。封入する薬液による形の変化は意外と少ない。襞を一枚取り出して縁をみるとこん棒状やら便腹状の大型薄膜のシスチジアがたっぷり見られる(g)。切り出した襞の先端を見てもそれは納得できる(h, i)。あとはシスチジアと担子器をフロキシンで染めて遊んだ(j〜l)。
 
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 昨年6月にいわき市を出る直前には、キノコ標本が3,000点ほどあった。引越しにあたって荷物を減らすためもあり、良質な標本だけに絞って半分以上処分した。さらに、先月かなり処分したので、結果的に600点ほどになっていた。この600点ほどの標本を昨日すべて科博のH博士に引き渡した。自宅に残るのはつい最近採取した硬質菌10数点だけとなった。
 昨夜、ニャンコが茨城県から客人二人を連れてやってきた。家じゅうを駆け回って賑やかだ。


2016年5月16日(月) やっとカンムリタケに出会えた
 昨日は暖かく良い陽気で観光地には多くの車が繰り出していた。自分たちも午前中に日光に転居して初めて足尾地域を観光して回った。どこも家族連れの観光客が多かった。撮影したのは [わたらせ渓谷線] の終点近くの三つの駅舎(通洞、足尾、間藤)だけだった(a〜e)。
 足尾からの帰路、林道の途中でカンムリタケに出会った(f〜j)。カンムリタケはありふれたキノコだから、身近な場所にもあるはずだと思って4月頃から探してみたが、なかなか出会えなかった。針葉樹の葉が落ちたやや濁った緩い流れのある環境を見つけられなかったからだ。いずれにせよ、日光市に転居して初めて、日光市内でカンムリタケに出会えたことになる。
 
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 今日はこれからつくば市の科博へ。手元の標本はすべてここに収めることになった。


2016年5月15日() 中禅寺湖畔で出会ったきのこの覚書
 先日中禅寺湖畔で見かけてアシナガイタチタケとしたきのこ(a, b)は、数個を持ち帰って自宅で肉眼的・顕微鏡的特徴を確認している。4月にもアシナガイタチタケの検鏡写真は取り上げているので(雑記2016.4.29)、ここには水封の胞子(c)、濃硫酸で封入した胞子(d)、低倍率(対物20倍)でみた側シスチジア(e)とカサ表皮(f)の画像だけをメモとして残した。
 同じく同日湖畔で出会ったキノコ(g, h)は種名まではわからなかったが、胞子紋は暗紫色で、水道水で封入した胞子は意外と大きく紫色を帯びている(i)。しかしKOHで封入すると黄褐色に変色した(j)。シスチジアは意外と小さく、担子器と同じくらいの大きさで(k)、フロキシンで内容物が染まるが、KOHでは変色しなかった(l)。
 
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 昨日の東京は暑かった。夕方の東京はどうだかわからないが、日光に戻ると肌寒かった。


2016年5月14日() シイタケほだ場が急に賑わい始めた
 近くのシイタケほだ場に行ってみると、カサと柄を持ったきのこが急激にいろいろ出始めた。特に多くて目立ったのがフミヅキタケで、古い榾木のいたるところに群生していた(a〜c)。ヒメスギタケはまだとても少なく小さなものがいくつか見られただけだった(d〜f)。クロシワオキナタケがよく出ている(g〜i)。このキノコに出会ったのは久しぶりだ。紙袋にいれて持ち帰ったところ、滑りの強いカサ表皮が紙袋に張り付いてしまって、すべてが汚らしい姿に崩れてしまった。
 他にはフサヒメホウキタケ(j)、カバイロチャワンタケの仲間(k)をはじめ5〜6種が見られた。特に顕著なのは硬質菌の幼菌がいろいろと出てきたことだ。ほだ場の林床では草がかなり伸び始めて長靴で歩かないと、どうにもならないようになってきた(l)。
 
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 今日は土曜日、東京でギリシア語とラテン語の読書会の日。古典語というものは日常全く触れる機会がないので、意識的に毎日30〜50分ほど学習を続けていないと忘れてしまう。ラテン語はまだしも、ギリシア語ではそうなると読書会が針の筵になってしまう。


2016年5月13日(金) 中禅寺湖畔の散歩:男体山に見守られて
 昨日朝は中禅寺湖畔を歌が浜から阿世潟まで散策した。朝の歌が浜駐車場はゴールデンウィークの混雑とは打って変わって、嘘のようにガラガラだった(a)。男体山頂にはわずかに雲がかかっていたが、歩を進めるうちに雲はなくなった(c)。阿世潟につく頃には再び湖上にわずかに雲が広がり始めたが、男体山は相変わらずくっきりと見えていた(d)。
 この散策コースにはブナやミズナラの大木が多いが、ツリガネタケを全身にまとって立ち枯れたものがやたらに目立つ(f)。昨日出会ったキノコは少なく、アシナガイタチタケ(g, h)、ヌメリツバタケモドキ(i, j)、モエギタケ科らしき幼菌(k, l)、新鮮なミノタケ、カワラタケの幼菌くらいだった。
 
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 昼前には帰宅して、きのこの胞子紋をとったり、菌糸型を確認することができた。


2016年5月12日(木) ツリガネタケとニレサルノコシカケ
 奥日光にはハルニレやミズナラの巨木が多い。かつてはこの周辺は一面にミヤコザサに覆われ、そのササに隠されて樹木の根元にはマイタケが大きく育っていた。今はシカの食害でその周辺のササはほとんど消えてしまい、遠目にもすぐにわかるようになってマイタケもすっかり消えてしまった。シカはチシマザサやクマザサにはあまり関心ないらしく、この仲間のササはよく繁茂している。クマザサの群生する場所にはなぜか巨木は少ない。
 カンバ、ブナ、ミズナラにはツリガネタケが多数ついている。ツリガネタケをとる人はほとんどいないのでどこにでも多数見られる。よく見かけるのは小型の釣り鐘状のものだが(a, b)、巨木の倒木や立ち枯れには、しばしばとても大きなツリガネタケもみられる(c, d)。カサの途中からさらに小さなカサを多数発生させて面白い姿になったものもよくある(e, f)。
 一方、ハルニレの巨木の根元には巨大なニレサルノコシカケを見ることができる(g〜j)。中には株の幅が2mに及ぶものもあり、その上に乗っても簡単には壊れない。多くは白色から淡い肌色をしているが、すっかりコケに覆わせてキノコの姿が隠れてしまうものもある。その断面をみると幾層にも重なった子実層が見られる(k)。
 
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 暖かくなってきたので、林床にはアオダイショウがしばしば日向ぼっこをしている(l)。


2016年5月11日(水) 狐の槍と狐の椀が花盛り
 神橋(東照宮の前)を過ぎ国道120号線を奥日光方面に進むと、国道122号線(足尾方面)への道が左に分かれる。その少し先の国道脇のクワの樹下には、ちょうどいまの時期、キツネノワンとキツネノヤリタケが多数顔を見せている(a〜e)。ここは標高は750mくらいだろうか。川口市やいわき市での発生にくらべると、三週間から一か月ほど遅い。
 お手軽に両者の組織の一部をつまみ出して、子実層を水道水(g, h)、メルツァー試薬(h, k)、フロキシン(i, l)で封入して遊んだ。(g)〜(i)がキツネノワン、(j)〜(l)がキツネノヤリタケだ。キツネノワンの子嚢先端はアミロイドだが(h)、キツネノヤリタケは非アミロイドだ(k)。
 この場所では過去に何度かクマに出会っている。この日もキツネノヤリタケを撮影しているすぐ脇の樹木には新しいクマの爪痕がしっかり残っていた(f)。
 
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 地元のキノコの会の行事予定をみると、定例の観察会やらもろもろの行事がほとんど土曜日に行われる。四月から土曜日は東京の大学の講座(ギリシア語・ラテン語の読書会)に出席し始めたので当分不参加となる。きのこ同好会ばかりではなく、今年は土曜日に行われるに行事はすべて欠席することになる。土曜日に動けるのは、大学が夏休みの期間だけとなる。


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