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久々のナナフシテングノメシガイ | |||||||||||||
筑波実験植物園で行われている「きのこ展」は今日が最終日となる(雑記2016.10.1)。園内にはテングノメシガイの仲間が大群生している(a, b)(同2016.10.3)。これほどの群生はとても珍しい。この仲間の正確な同定には顕微鏡による観察が欠かせない。 ルーペで子実体の表面をみるとなんとなく剛毛があるように見えるが、もしかすると飛び出した胞子が毛のように見えているのかもしれない(c)。頭部の断面を見てもやはりよくわからない(d)。カバーグラスの上に一時間ほど放置すると胞子がたっぷり落ちた(e)。胞子はとても大きいので観察には対物40倍レンズで十分だ。七つの隔壁をもっている(f)。 子実層の断面を切り出して(g)、倍率を上げてみると剛毛の存在は明瞭にわかる(h)。側糸の様子もよくわかる。どうやらナナフシテングノメシガイに間違いなさそうだ。切片を改めてメルツァー試薬で封入すると子嚢先端が青色に染まる(i, j)。顕微鏡を覗いていると、胞子が子嚢先端から次々に飛び出していく姿を見ることができる(k, l)。 |
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[鹿沼の彫刻屋台を見てからみかも山公園へ] 昨日午前中にみかも山公園で行われた「きのこ観察会」に行った。ちょうど今は鹿沼市で「鹿沼秋祭り」が行われていて、20数台の彫刻屋台が市街地を練り歩く。早朝はまだ市街地の道路を通れるので、見事な彫刻屋台が引かれる姿を見てから、みかも山公園に向かった。 今回の「きのこ観察会」の講師は(株)北研の研究員 大前宗之さん(o)。30数分間のスライドのあと(p)、参加者全員で公園内を歩いてきのこ観察(q, r)。講師の説明がていねいで分かりやすかったこともあって、参加者は熱心に講師にいろいろ質問していた。 |
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多量の胞子を放出:ハナヤスリタケ | |||||||||||||
群馬県片品村の菅沼周辺で採取したツチダンゴ生の虫草であそんだ。一つ目はハナヤスリタケ(a, b)。結実部をルーペでみると虫草特有の微疣が整然と並んでいる(c)。カバーグラスの上に一晩放置したら表面が白色の絹状のものに覆われていた(d)。カバーグラスには白色の絹状の塊ができていた(e)。顕微鏡の低倍率で覗いてみると、鬘でもみているかのようだ(f)。 子嚢殼は卵型で埋生型(g, h)。子嚢胞子を見ると肥厚した先端は虫草共通の形をしている(i〜j)。フロキシンで染めてみた(k)。二次胞子は角が丸みを帯びた長方形に見える(l)。 |
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[タンポタケではなかった!] 二つ目はタンポタケのようにみえる虫草(m, n)。上記のハナヤスリタケと隣接して出ていた。現地で見たときタンポタケに間違いなさそうだと思った。掘り出してしまったので二つほど持ち帰った。帰宅後念のために頭部の子嚢殼が埋生型であることを確認した後(o, p)、子嚢胞子を見た。一次胞子をみたときなんとなく変だな、と思った。タンポタケなら二次胞子が細長い紡錘形のはずだが、これは長めの円筒形をしている(r)。どうやらタンポタケモドキのようだ。 |
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秋晴れの日光だいや川公園 | |||||||||||||
昨日朝の日光だいや川公園、芝生広場からは女峰山が鮮やかに見えていた(a)。まだ何種類かのイグチ類、たとえばアケボノアワタケ(b, c)、シワチャヤマイグチ(d)、ウラグロニガイグチ(e)、ヤマドリタケモドキに似たイグチ(g, h)などがよく出ていた。しかし圧倒的に多いのはベニタケ属、チチタケ属、モリノカレバタケ属だった。他にはナガエノチャワンタケやクロラッパタケ(f)、小さな落ち葉分解菌だった。さらによくみれば、クロカワがまだあちこちで見られた(k, l)。杉林ではアカヤマタケ属のきのこが数種類でていた(i, j)。
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このところ軽自動車のアルトがいろいろと不調だったので、公園からの帰路近くの自動車整備工場に寄って、点検・修理を依頼して代車で帰宅した。エンジンの問題は解決困難だとわかったので、フロントのブレーキパッド交換だけをやってもらった。出費は1万7千7百円也。 今日はまた東京に出てギリシア語・ラテン語の読書会だ。前回の講座から早くも一週間。きのこシーズンにはどうしても西洋古典語の十分な準備ができないでもどかしい。 |
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巨大なオドタケ束生群 | |||||||||||||||||||
RDB検討種がらみの調査のため奥日光千手が浜の周辺を歩いた。主たる調査目標のきのこはオドタケとニカワウロコタケ。両者とも本州ではハルニレに特有のきのこだ。 探索を始めてすぐに出会ったのはオドタケだった。ハルニレ巨木の根元の洞に一抱えもありそうな巨大な束生群がでていた(a〜d)。ハルニレそのものはまだ元気のよい樹木だった。オドタケは採取できたので、そのあとはもっぱらニカワウロコタケ探しに時間を費やした。結局、ニカワウロコタケとしては小さなものを一つだけ見つけただけに終わった(e, f)。 ハルニレの倒木から見慣れないきのこがでていた(g, h)。姿かたちはまるでホンシメジの幼菌を大きくしたかのようだ。ヒダは密で柄は硬くしまってしっかりしている。姿こそ大きいがまだ幼菌らしくて胞子紋は全く落ちなかった。シロタモギタケの幼菌に間違いなさそうだ。 他には何ヶ所かでヤマブシタケ(j, k)やナラタケ(n)、チャナメツムタケ(o)、クリタケ(p)、ヌメリスギタケモドキ(q)、スギタケ(r)、ツキヨタケ(s)、ムキタケ、トビイロノボリリュウタケ(i)などにも出会った。特にヌメリスギタケ(l)が、立木の上から下までビッシリついている姿は壮観だった。 |
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小学校の秋の遠足シーズンが始まったらしく、奥日光はちびっ子たちであふれかえっていた。また、子供たちを運ぶ大型観光バスが群れを成して走り、駐車場でもひしめきあっていた。 | |||||||||||||||||||
アカネアミアシイグチ(Boletus kermesinus)だった | |||||||||||||
先月の雑記(2016.9.26)で赤色の奇妙な姿のイグチ(同日:c, d)と書いたきのこについての覚書だ。これは日本菌学会のMycoscience Vol.52, Num.6, 2011でアカネアミアシイグチ(Boletus kermesinus)という和名を伴って新種発表されたきのこだった。日ごろ分類にはほとんど関心がないため、同誌の記事には全く目を通していなかった。同論文の共著者の一人である小山明人氏から指摘されて初めてこの種名を知った。小山さんありがとうございました。 採取した当日急いで撮影した画像を以下にいくつか掲載した。Mycoscienceの記載はすべて英文だが、同論文の共著者の一人である種山祐一氏のサイト「牛肝菌研究所」の「イグチ科きのこの記載」の該当種の項に美しい写真とともに、日本語による詳細な記載がある。イグチ類に関心のある向きは是非とも参照されたい。 |
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顕微鏡撮影用カメラ(Canon Kiss X2)が故障した。先月半ば頃からしばしば不調が続いていたが、ついに「Err.99」と表示されて何の操作もできなくなった。Canonの修理センターに今晩『らくらく修理便』で送ることになった、早くても4〜5日ほどかかるようだ。見積価格は1.2〜1.5万円。ネットオークションで同型中古機の落札相場をみると1.2〜1.5万円。ん〜む。 |
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中禅寺湖畔を歌が浜から阿世潟へ | |||||||||||||
中禅寺湖畔の立木観音近くの歌が浜から阿世潟への遊歩道にはブナが多い。この標高ではまだ一部の樹木が紅葉し始めたばかりで、紅葉狩りにはまだ早いからか昨日はとても静かだった。遊歩道をのんびりと散策すると、意外と多くのきのこが出ていた。 倒木や立ち枯れの樹木には、クリタケ(a)、ナラタケ(b)、スギタケ(c)、ヌメリスギタケ(d)、チシオタケ(j)などがよく出ていた。ブナ倒木からはツキヨタケ(g)、ブナハリタケ(h)、ニカワハリタケ(i)、ムカシオオミダレタケなどがいくつも見られた。一方、ブナシメジ(e)とムキタケ(f)がブナではなく、ミズナラの倒木から出ていた。 地表に目をやるとウスキブナノミタケ(k)やアシナガタケ(l)がいたる所に無数にでていた。しかし、大型で褐色のフウセンタケの仲間は数種類しかみることができなかった。 |
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珍しく湖畔でおにぎりを頬張って、昼過ぎにいろは坂を降り、市営温泉「やしおの湯」で温まってから帰宅した。散策から昼過ぎに帰宅するのは久しぶりだった。昨日は天気予報で蒸し暑くなるとの予想がでていたが、奥日光も下の今市周辺も快適な一日だった。 | |||||||||||||
『Micro Graphic きのこ解体図譜』予約開始 | |||||||||||||
きのこの分類や分布に関心のある方には是非とも手元に一冊備えておくべき文献がまたひとつ世に出ることになった。竹橋誠司・睦子著『Micro Graphic きのこ解体図譜』だ。限定出版で予約申し込み期限は10月末日となっている(A)。きのこ416種が例示(B)のように詳細に記載され、非常に貴重な記録であるとともに、きのこの同定には不可欠な文献といえる。申込の締め切りは今月末。詳細はデモ用チラシ(PDFファイル)あるいは画像(A)を参照されたい。 |
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[紅葉の始まった亜高山帯にて] 日光でも標高の高いところではでは既に紅葉がかなり進んでいる(a)。昨日の朝、標高1840mの金精トンネルを越えて、群馬県片品村に入り亜高山帯の針葉樹林を散策した(b)。 夏のきのこはほとんど姿を消して、ハナイグチ(c)、スギヒラタケ(d)、チャナメツムタケ(g, h)などが多数出ていた。クリイロイグチ(i,j)、クロチチタケ(k, l)も見られた。さらに低地でも見られるが、アオゾメタケ(e)やカベンタケモドキ(f)も数ヶ所で群れていた。 |
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きのこ展:筑波実験植物園にて | |||||||||||||
昨日、国立科学博物館 筑波実験植物園で行われている「きのこ展」に行ってきた。好天に恵まれたこともあって、親子連れの姿が多かった。今回は変形菌がメインになっていることもあり、関連イベントには長い行列ができていた。 恒例の野生きのこの展示も賑わっていたが、屋外の植物園の庭にはマントカラカサタケ(f)が列をなして出ていたり、ウラムラサキ(g, h)、タマゴタケ(i)、テングタケ(j)、ナナフシテングノメシガイ(k)、ナガエノホコリタケ(l)をはじめ、多くのきのこが出ていた。ナナフシテングノメシガイは20〜50個からなる群れが数十から100以上という大群落を作っていた。その一方で、砂地ではナガエノホコリタケが数個しか見られなかった。 |
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朝、プリウスで筑波に出発しようとしたところウンでもスンでもない。やむなく軽自動車のアルトで筑波に向かった。筑波までおよそ100Km、2時間ほどのドライブだった。日常の足(プリウス)が気になるので、12:00には植物園を出発し、pm2:00頃には帰宅した。すぐにJAFを呼び応急処置をしてもらいディーラーに向かった。代車で帰宅。車が元のように使えるようになったのは、夕刻6:00過ぎだった。ハイブリッドカーのバッテリートラブルは高くつくことを実感した。 | |||||||||||||
先週火曜日の福島県下郷町 観音沼メモ | |||||||||||||
先週の火曜日(9/27)のメモ。朝土湯峠周辺のブナ林を散策。秋のきのこの発生はほとんどなく、例年なら今の時期必ず見られるナメコ、ムキタケ、ブナシメジには全く出会えなかった。出会ったきのこといえば、ツキヨタケ、ヤマイグチ、アカヤマタケ属、テングタケ属くらいだった。 午後福島県下郷町の観音沼に立ち寄った。持ち時間が少なかったこともあって、観察予定地の1/3ほどしか歩けなかったが、フウセンタケの仲間がいろいろ出ていた。 特に多かったのが アカヤマタケ属のきのこは何種類もみられたが、ひときわ目立った巨大なきのこがあった(i, j)。カサ径8〜10cmほどあり、すぐ近くの同種と思われるきのこの数倍の大きさだった。 |
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昨日はギリシア語・ラテン語の読書会。参加者はそれぞれ12人と16人だった。4月開講時にはそれぞれ50人、65人いたが、回を重ねるにつれ、櫛の歯が抜けるように次々と減っていった。今日はこれから筑波実験植物園で開催されている「きのこ展」へ行ってみることにした。 | |||||||||||||
展示標本用の野生きのこ採取 | |||||||||||||||||||
今日からつくば市の国立科学博物館 筑波実験植物園で「きのこ展 〜変身!変形菌! もうひとつのきのこの世界〜」が始まる(10/1〜10/10)。そのときに野生きのこも展示される。この展示には、これまでも全国各地のきのこの会やアマチュア愛好家による協力が不可欠だった。 弊サイトの運営者も協力を求められていたこともあって、昨日は午前中に那須連山の麓に出向いて野生きのこを採取した。昼頃に帰宅して梱包しクール便を使ってきのこ展の担当者あて送り出した。ここでは先週初め頃までは多くの大型菌が豊富に出ていたが、昨日はそれらはほとんど終わって、目立ちにくい小さなきのこが支配的となっていた。 以下それらの一部だ。ケロウジ(a, b)、ニオイワチチタケ(c, d)、コトヒラシロテングタケ(e, f)、ブドウニガイグチ(g, h)、ウラムラサキ(i, j)、ヒメキツネタケ?(k, l)、ザボンタケ(m, n)、アミタケ(o, p)、シロハツモドキ(q, r)。ほかにも10種ほど採取した。フウセンタケの仲間もかなり出ていた。 |
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更新されたWindows10は、不具合だらけで使い勝手は非常に悪くなっていた(雑記2016.9.30)。おまけに、いくつものソフトが動かなくなり、ExpressZipPlusなどという不埒なソフトが勝手に組み込まれ、そのためにタスクマネージャーなどが呼び出せなくなった。そこで、Acronisによるバックアップを用いて旧バージョンに戻して、ようやくこの雑記をアップできた。 | |||||||||||||||||||
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