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カサにササクレがありツバを持ったCortinarius | |||||||||||
先にいわき市田人で採取したキノコは胞子その他の特徴からCortinarius(フウセンタケ属)のキノコと思われる。発生場所はブナ交じりのコナラ、ミズナラ混生林の林道わき。遠目にはムジナタケのように見えた。束生したり単生したりで多数が群生していた(a, b)。近づくとササクレフウセンタケのように見えたが、柄表面にはササクレがなく縦条が走るのみ。よくみれば、いずれも早落性の大きな膜質のツバがある(c)。ヒダのつき方は湾生ないし上生(d, e)。 胞子表面には微イボがある(f, g)。ヒダの断面を切り出してみたが、シスチジアの類はみあたらない(h)。ヒダ組織の一部をKOHで封入して押しつぶして探してみたが、やはりシスチジアはなさそうだ。組織にはクランプがあり(i)、担子器は柄の部分がとても長い(j)。 |
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Cortinariusの仲間には未報告種がとても多い。多くはツバをもたず、シスチジアのある種も少ないので、顕微鏡で観察しても特徴的な違いは分かりにくい。 | |||||||||||
コガサタケ属:縁シスチジアの形が特徴的 | |||||||||||||||||||
久しぶりにきれいな整った姿のコガサタケ属(Conocybe)のキノコに出会った(a〜d)。7〜8本のキノコを持ち帰った。柄の表面を見ると暗色の粒子塊が多数ついている(e)。 胞子を水道水で封入すると発芽孔が確認できた(f)。ヒダを一枚取り外してスライドグラスに乗せて縁をみた(g〜i)。この属独特の縁シスチジアが多数見られた。ここまでは学習用顕微鏡を使って誰にでも簡単に確認できる。 ヒダを切り出すのは意外と難しい。数枚まとめて何とか断面を切りだした(j)。ところが先端を見るとかなり潰れているが、縁シスチジアは確認できる(k)。カバーグラスの縁からフロキシンを流し込んで反対側の縁に濾紙をあてて過剰な水分を引き抜いた。すると切片も同時に潰れてしまったが、シスチジアの形は鮮明になった(l)。 同じようにして、柄の縦断面を切り出すと、縁シスチジアと同じような姿の柄シスチジアが見られた(m, n, o)。次いでカサの断面を切り出すと、表面は類球形の細胞から構成されている(p, q)。そうそう、検鏡写真の(g), (j), (m), (p) は対物4倍レンズで、(h), (k), (n), (q) は対物40倍レンズで、(f), (i), (l), (o), (r)は油浸対物100倍レンズで見たものだ。 |
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久しぶりに途中経過の検鏡写真などを多数並べてしまった。上記の結果などから判断するとこのきのこはコガサタケとしてよさそうだ。 今朝9:30頃に帰宅した。往きには庄和道の駅で、愛らしい姿の子燕をみた。帰宅後ふと庭を見ると警戒心の強いはずのニャン太郎が無防備な姿で寝ていた。 |
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今シーズン初めての真面目なきのこ観察 | |||||||||||
シイタケほだ場で採取したきのこでかなり腐朽のすすんだ材に群生していた(a〜c)。傘は褐色で乾燥すると淡色になり、中心がやや突出、放射状の条線があり、縁が波打っている。柄は下方にわずかに太まり基部は球根状のものもあり白い菌糸の塊がついている。つばなし、中心生、中空、白色で繊維状の鱗片がみられる。ひだは密、上生、灰褐色から褐色に変わる。 顕微鏡観察ではカサの上表皮は無色の嚢状細胞が子実層状になっている(d)。柄の組織でなんとか菌糸のクランプを確認した(e)。ヒダ実質は並列型で側シスチジア(f)、縁シスチジア(g)がある。胞子紋は黒褐色、水封入では発芽孔はよくわからなかった(h)。濃硫酸では淡スレート色に変化し発芽孔を何とか撮影できた(i)。担子器は4胞子生であるようでベーサルクランプがある(j)。 原色日本新菌類図鑑での検索ではなんとか独力でナヨタケ属まではたどりつくことができた。きのこ観察を始めて7年目になるがあきらめない鍛錬のおかげか? 単に切片が作りやすかったのか? あまり時間をかけずにここまでの観察ができるようになった。 (Y. A.) |
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今日(土曜日)は都内の大学で行われているギリシア語とラテン語の読書会に出席。そして、明日は神奈川県川崎市で行われる菌類懇話会の総会に出席。連日日光市まで戻るのも大変なので、埼玉県西川口のマンスリーホテルに宿をとった。 日光に転居してからは、首都圏に出るのには鉄道を利用しているが、今回は二人とも一緒に出掛けるので、西川口までマイカーを使うことにした。二日分の駐車料金を含めても、二人で電車を使って首都圏に出る場合と比較して、交通費は半分以下になる。 (I. A.) |
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奥日光はお湿り待ちか? | |||||||||||||
昨日午前中に奥日光の千手ヶ原を散策した。赤沼車庫am8:10発のバスを使った。千手ヶ原はすっかり乾燥していてきのこの姿はとても少なかった(雑記2016.5.19)。それでもオオワライタケだけは遊歩道からもよく目立ち、黄褐色の大きな姿をあちこちで見せてくれた(f)。 カンカン照りのハルニレ倒木にタモギタケの幼菌がいくつも出ていた。おそらくこれ以上成長することなく、しおれてしまうことだろう(a, b)。そのすぐ近くの腐朽木にはクヌギタケの仲間が多数でていた(c, d)。遊歩道の杭からはマツオウジが(e)、その足元からはチャワンタケの仲間がでていた(g)。これら「仲間」は標本採取をしなかったので種名まではわからない。 硬いきのこの幼菌が遊歩道の足元からでていた(h)。ミズナラと思われる広葉樹の立ち枯れには大型で厚みのある硬質菌が多数ついていた(i, j)。そのうちの一つ、径25cmほどのものを切断してみた。とても硬くて鋸で切るのに5分ほどかかり腕が疲れた。カサの殼皮の段数と同じ数の子実層が見られた(k)。子実層のひつひとつはとても鮮明だ(l)。 |
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千手ヶ原発am11:00のバスに乗って赤沼バス停に戻ったが、観光客が多くほぼ満席だった。クリンソウはあちこちですっかり開花している。来週からは「クリンソウ騒ぎ」でバスが混雑するだろう。なお、西ノ湖は相変わらず湖水が激減して、湖底から男体山を仰ぐことができた。 | |||||||||||||
鹿沼市の横根高原井戸湿原の散策 | |||||||||||||
朝雨が降っていたが鹿沼市の横根高原を散策した。距離にして自宅から40Kmほど、一時間弱で前日光ハイランドロッジの駐車場に到着した(a)。井戸湿原へのハイキングコースはここが拠点となる(b)。遊歩道はツツジのトンネルの中をゆく。今はヤマツツジが咲き誇っている(c)。シカ除けのネットを越えると湿原領域に入る(d)。井戸湿原はいまはかなり乾燥して全体が草原化してしまった(e, f)。湿原にミズゴケは少なく、ミズゴケ生のきのこ等も全くみられない。 象の鼻に着く頃には雨もすっかり上がり、皇海山(すかいさん)、日光白根山、男体山、女峰山などが一望できた。遊歩道周辺にもきのこの姿は全くなかった。 |
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古峰神社の前を通過して横根高原に上がる途中の県道脇で、キイロスッポンタケの群落に出会った(g〜h)。足元一面に発生していたので周囲は異臭に包まれていた。その近くでは、オオワライタケ(k)、アラゲコベニチャワンタケの仲間(l)なども見られた。 | |||||||||||||
北茨城市平潟漁港といわき市田人水呑場にて | |||||||||||||
北茨城市の平潟漁港にはタブとスダジイの巨木が多数ある。タブには何もでていなかったが、スダジイにはカンゾウタケの幼菌と老菌が多数ついていた。幼菌は色は鮮やかだが(a, b)、断面の霜降り模様は未完成だ(c)。一方老菌はといえば、色こそ退色しているが(d, e)、断面は見事な霜降り模様を見せてくれる(f)。 いわき市田人の水呑場周辺にはブナの林が広がる。そこの路傍ではウラスジチャワンタケが(g, h)、ブナ倒木からはスギタケモドキ(i, j)やキララタケ(k, l)などが多数でていた。他にも何種類かよくわからないハラタケ類のきのこがでていた。 |
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昼間の小名浜はとても涼しくて快適だった。夕方日光に戻ると空気が生暖かった。まだ夏ではないが、「夏は涼しく、冬は暖かい」いわき市と、「夏は蒸し暑く、冬は寒い」日光市を感じた。 | |||||||||||||
高原山釈迦ヶ岳のイヌブナ帯を散策 | |||||||
とても暑い一日だった。日光市街地の北東方面に聳える高原山釈迦ヶ岳(alt 1795m)の登山口まで車を走らせた。自宅からは40Kmほど、およそ一時間で到着する。すでに先客の車が一台止まっていた(a)。登山口の標高は約820m。尚仁沢上流部のイヌブナ自然林は標高920〜1020mあたりに広がり、登山口から尾根道を徒歩一時間ほどで到達する。 きのこの姿はほとんどなく、かろうじてヒラタケ(c, d)、ナラタケ(e, f)に出会っただけだった。登山口まで戻ったのち、改めて沢沿いの小径をイヌブナ帯まで歩いたが、沢には全く水がなく、硬質菌だけしかみられなかった。じっとしていると涼しいが、日向を歩いていると汗でグッショリ濡れる暑さだった。帰路ひさしぶりに「社員食堂」で(雑記2016.3.25)、トンカツ定食を食べた。 |
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今日はこれからいわき市までパンを買いに行き、友人宅で一緒に昼食をとってから帰宅する。そうそう、昨日はまた身近でクマさんにであった。五月はすぐ目の前での出会いは二回目だ。黒い毛がムクムクして愛嬌がありとても可愛かった。 | |||||||
シイタケほだ場の定点観察 | |||||||||||||
近くのシイタケほだ場は杉林の中にあってかなり広く、古い材から新しい材まで揃っていて変化を楽しめる。奥の方には10数年前のほだ木、手前側には数年前のほだ木と、栽培をやめた順に整然と並んでいる。古いものは今にも土に帰りそうなくらいにボロボロだ。 今は古い材にも新しい材にもウラベニガサが多数出ている(a〜c)。ボロボロの古い材には相変わらずフミヅキタケが群生している。比較的新しい材からはヒメスギタケがよく出ている(d, e)。その足元にはニガクリタケが随所に見られる(f)。 チャワンタケの仲間がすっかり成熟し始めた。オオシトネタケは発生から成熟までに1ヵ月以上かかるが、今はほとんどが胞子を噴出している(g, h)。カバイロチャワンタケもほぼ成熟しているが胞子の噴出はまだみられない(i, j)。オオチャワンタケのように見えるものが地上にも材上にも多数でていて、盛んに胞子を噴出している(k, l)。 |
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藪の中は蚊やブヨをはじめ虫が急激にうるさくなってきた。虫よけスプレーと蚊取り線香が必須の季節になってきたようだ。今シーズン初めて蚊取り線香を使った。 | |||||||||||||
胞子をたっぷり落としたミノタケ | |||||||||||||
中禅寺湖畔でブナの腐朽木から新鮮で柔らかいミノタケが多数でていた。先の冬に採取したミノタケは発生からかなり時間を経ていたのか胞子は全く採取できなかった(雑記2016.1.28)。今回出会ったミノタケは1時間ほどでたっぷり胞子紋がとれた(f)。そこで水道水(g)、メルツァー試薬(h)、フロキシン(h)で封入して遊んだ。胞子をつけた担子器も視野の中に多数みられた(j)。三菌糸型のきのこでクランプは豊富にある(k, l)。
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昨日はギリシア語の読書会が臨時休講となったので、真岡市の都市公園に行ってみた。おりしもバラ展が開かれていたのでとても賑わっていた(m)。足元はすっかり乾燥していてきのこの姿はほとんどなかった。かろうじて見られたのは、ウッドチップ上のフミヅキタケ(n, o)、小さなベニタケ属の幼菌(p, q)、ホコリタケの仲間(r)くらいだった。
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日光市の都市公園の散策 | |||||||||||||
近くの都市公園を散策したところ、イヌシデやアカシデの周りにはヒロハシデチチタケが多数見られた(a〜c)。遊歩道脇には泥で汚れたハタケシメジの姿も見られた(d, e)。ウラスジチャワンタケはすっかり干からび始めていた(f)。ウスタケが出始めていた(g, h)。遠目にもきのこの群落が広がって見えたが、近寄ってみるとモリノカレバタケだった(h, i)。 国道119号線の杉並木街道脇には、いくつもの水車を備えた杉並木公園がある。その水車の一つに大きなキノコがついていた(k)。そばに寄ってみるといずれもみなマツオウジだった(l)。東照宮近くの杉の老木の下には、ミヤマトンビマイの幼菌が発生しはじめていた。成菌の姿とは似ても似つかない。その近くにはミイノモミウラモドキなども見られた。 |
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マイナンバーカードを受け取るため日光市役所に行った。久々に蕎麦以外の外食をとったついでに観光客となって、観光名所の神橋やら金谷ホテル旧館などを見物した。 | |||||||||||||
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