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2016年9月30日(金) クロカワ、キシメジ、シャカシメジなど
 昨日の午前中はずっと雨だった。午後になって小降りとなったので、近くの都市公園に行ってみた。クロカワがあちこちに出ていた(a, b)。第二陣の発生だ(雑記2016.9.18)。キシメジも再び出始めた(c, d)。よく知られた食菌ではほかにはシャカシメジ(k)、ハタケシメジ(l)も随所に見られた。ヌメリツバイグチも多数でている(e, f)。不思議とチチタケの姿を見かけなかった。これはきっとチダケ狩りの人たちに採取されてしまったのだろう。彼らは天候に関係なく探し回っている。
 ベニタケ属、チチタケ属、フウセンタケ属のきのこは多くの種類がでていたが、これらはとりあえず見なかったことにした。他にはカラカサタケ(g, h)、クロラッパタケ(i, j)などが見られた。
 
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 [腹が立つ<更新>:Microsoft--Windows10]
 昨日Windows10の電源を切るとき「更新してシャットダウン」を選んだ。今朝PCの電源を入れるとブルー画面の中央に「更新プログラムを構成しています。PCの電源を切らないでください。処理にはしばらくかかります」との画面が現れ、画面の下部には「PCは数回再起動します」と表示され、そのままフリーズしたような状態となった。この画面がおよそ30分ほど続いた。
 忘れたころになってようやくログイン画面が現れた。ログインすると、今度は再びブルー画面の中央に「準備をしています。PCの電源を切らないでください」と現れ再び5分ほど経て、ようやくログイン後のウインドウが現れた。
 結局PCの電源をオンにしてから、まるまる35分以上利用できずに待たされることになってしまった。なんて人を馬鹿にしたやりかたなのだ。Microsoftの馬鹿野郎め!


2016年9月29日(木) センボンキツネノサカズキ:健在だがずいぶん減った
 月曜日(9/26)の午後、福島県川内村でセンボンキツネノサカズキの発生状況を見て回った。原発事故に伴う「除染作業」のため分布域の2/3ほどが消滅してしまったが、今年も複数の領域で発生を確認できた(雑記2015.9.30同2014.9.28同2013.9.29同2011.10.3、etc.)。ただ、今年は総じてきれいな株は少ない(a〜f)。連日の過剰な多雨と高温のためか、発生した当初から黴などに侵されたり、成菌になる前に腐敗が始まった株が多かった。
 また川内村のもう一つの代表的なきのこであるコウボウフデは発生が始まったばかりで、まだ小さな若い菌が多い。今週末あたりになれば柄が今少し伸びるように思えた(g〜i)。
 川内村発行の「観光ガイド」(j)の「秋」のページ(k)には、センボンキツネノサカズキを「世にも珍しいきのこ」として紹介している。ここには『もし、見つけた場合は、そっとしてあげてください』と明記してある(l)。同村には毎年発生する場所としてはおそらく日本で最も広大なコウボウフデの発生地があるが、それらについては触れていない。
 
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 今回福島県内から持ち帰ったきのこ標本の多くが、数日間冷蔵庫に保管しておいたにも関わらず、早くも全体が黴に侵されたり、小さな虫に食われてボロボロになっていた。過度な高温多湿のため、幼菌の段階からすでに腐敗が始まり内部から虫に食われていたようだ。


2016年9月28日(水) 人が入らぬ山はいたるところきのこだらけ
 一昨日と昨日、福島県の飯舘村(9/26am)と川内村(pm)、土湯峠周辺(9/27am)と下郷町(pm)を歩いた。どこもきのこは豊富に出ていたが、秋のきのこは少なかった。
 月曜日(9/26)の朝、福島県飯舘村の村民の森あいの沢に入った。ここは2011年3月の東京電力福島第一原発事故のため、いまだ人の居住は許可されていない。「村民の森」は事故以来ずっと閉鎖され、一帯はいまだに「除染作業」のためか立入禁止となっている。
 一昨年もここできのこの観察をしているが(雑記2014.9.23)、人が入らないと森や菌類などがどうなるのか興味深い有様を知ることができた。たとえばニンギョウタケだが、斜面に直径20〜30m程の菌輪を作って250〜300株が大発生していた。菌輪の数は少なくとも5〜6個ほど確認できた(a〜f)。一株は一抱えほどの大きさだ。この大発生の様は一昨年の比ではなかった。
 カラスタケについても菌輪こそ確認できなかったが300〜350株の発生を確認した(g〜i)。大方が株の径20〜40cmほどある。さらにアミタケに至っては40〜70個ほどの子実体の群生を50〜60ヵ所で確認した。このほかにも、20〜30種のきのこが大発生をしていた。
 
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 二日間で高速道路走行160kmを含めてトータルで650kmほど走り、随所で山歩きなどをしたので、結構くたびれた。宿でもギリシア語の復習をするより温泉にばかり浸かっていた。


2016年9月27日(火) ゴンゲンタケ:子嚢は非アミロイド
 先ほど(pm5:00頃)帰宅した。RDB検討種のカラスタケ、センボンキツネノサカズキ、コウボウフデは胞子紋などはとらず、そのまますべてを乾燥器にかけた。
 とりあえずゴンゲンタケだけ検鏡した(a, b)。胞子はとても大きくて紡錘型をしている(c)。子実層を水封でみたあと(d)、メルツァー試薬で封入した。子嚢先端は非アミロイドだ(e)。側糸は先端がわずかに膨大している(f)。こういう単純な形をしたきのこは検鏡するにあたっても、作成するプレパラートは極わずかでよい。頭部の子実層を切り出しさえすれば終わりでいたって簡単だ。
 
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 ふと考えた。ギリシア語とラテン語の学習のため東京の大学に毎週土曜日通学しているが、いったいどのくらいの通学費用がかかっているのだろう。講座自体は90分が二コマ。通学時間は片道約3時間半、交通費は片道2,100円(東武鉄道)〜4,200円(JR東日本)。年間の講座回数をおよそ22回とするとトータルの交通費は9〜18万円ほどになる。これは結構いい金額だ。毎回の講座にしっかり身を入れて臨まないと莫大な浪費になってしまう。


2016年9月26日(月) 亜高山帯の針葉樹林にて
 昨日朝、群馬県片品村で標高1,750〜1,800mの針葉樹林を歩いた。早朝から日光白根山を目指す登山者と思われる人の多いことに驚いた。途中車が非常に多かった。
 興味深い二点のきのこにであった。一つはモエギタケ属で、柄が白色のささくれで覆われ触れると白色の粉が手に着く(a, b)。今一つはカサが濃いあずき色、柄があずき色の網目がだんだら模様になっているイグチだった(c, d)。両者とも後日観察メモをアップしようと思う。
 ツバアブラシメジ(e)、キナメアシタケ(f)、ムクゲヒダハタケ(g)、ヤマイグチ(h)、シロヤマイグチ(i)、アオネノヤマイグチ(j)、クロチチタケ(k)、ワタカラカサタケ(l)など、多くのきのこに出会った。カサや柄にヌメリのないフウセンタケの仲間は多数でていた。サンゴハリタケやオシロイシメジは最盛期だった。ようやく秋のきのこシーズンが始まったようだ。
 
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 これからRDB関連の調査のため福島県に行くことになった。今夜は福島県の温泉旅館泊まりとなる。早朝4:00前に高速道路に乗らないと深夜割引が適用されない。急がねば。
 今週の土曜日のギリシア語・ラテン語講座のための学習時間がなかなか確保できない。今夜の宿にはテキストを持ち込んで準備をしないと物理的に間に合わない。あぁしんどい!


2016年9月25日() ワタカラカサタケ:保育社図鑑ではシスチジアなど非掲載
 このところ頻繁にワタカラカサタケに出会う。ふだんはいちいち足を止めて観察したり撮影したりはしないのだが、何気なく撮影して一つだけ持ち帰ってしまった(a, b)。そうなると、胞子やシスチジアなどを観察することになる。このきのこのミクロの姿は過去になんどか観察しているが(雑記2009.10.19同2007.9.26同2006.9.26)、ここ6〜7年はまったく見ていない。
 胞子はかなり大きくて、観察には対物40倍レンズで十分だが、ここは対物油浸100倍レンズで撮影したものを掲げた(c)。偽アミロイドで(d)、白色の胞子紋にメルツァー液を注ぐと全体が直ちに赤茶色に染まる。保育社図鑑には胞子の偽アミロイドの件や、縁シスチジア(e, f)などについては触れておらず、ワタカラカサタケ節のところで「傘の表皮は柵状被よりなる」とあるだけだ。なお、今回はカサ表皮の画像は掲載しなかった。
 
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 ギリシア語・ラテン語読書会覚え:昨日は夏休み明け最初の講座だったが、参加者が激減していた。来週になってみないとわからないが、少なくとも昨日の演習は空席が目立った。


2016年9月24日() 亜高山帯針葉樹林のフウセンタケ
 ごく一部のきのこを除いてベニタケ属とフウセンタケ属はふだんから見ないことにしている。ところが、群馬県片品村の亜高山帯を散策しているとき出会ったフウセンタケの仲間をなぜか持ち帰ってしまった。その特徴的な姿になんとなく惹かれたのかもしれない(a〜d)。
 胞子表面には微細ないぼがある(e)。ヒダをいくら見てもシスチジアの類はない(f, g)。倍率を上げてもただ担子器が見えるだけだ(h)。KOHで封入すると胞子はより鮮やかな色になった(i)。担子器の基部にクランプはなさそうだ(j)。カサ上表皮は細い菌糸からなるがその直下は球形の細胞層がある(k)。カサ上表皮の菌糸にはクランプがある(l)。ひだ実質の菌糸にもクランプがある。
 
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 昨日午後3:15頃、急に「きのこ狩りに行こう」ということになり、近くの公園に出向いた。残念ながら、目的のきのこは得られなかった。そこで給油をして、温泉に入って帰宅した。
 今朝はこれから東京の大学へ。帰宅は夜8:00頃になる。往きは北千住まで直通(区間快速)があるからよいが、帰路は区間快速がないので細かく何度も乗り換える。これが結構辛い。


2016年9月23日(金) 雨の那須野が原公園散策
 昨日も終日雨。朝、軽自動車のアルトで出発した。雨は弱くなったり土砂降りになったりして、路面はいたるところで広く冠水していた。水にハンドルをとられながら一時間ほどで那須野が原公園に着いた。休日にも関わらず激しい雨のため来園者はまばらだった。
 カサをさして長靴を履き、メモ用カメラをポケットに散策を開始した。時に激しい雨のためカサの布を通して雨粒が頭や肩にあたる。こんな天候の日にわざわざ散策するのはよほどの物好きかアホだろう。ふだんなら必ず見られる犬の散歩姿も全くない。
 いたるところに豊富にきのこが出ていたが、強い雨に打たれて、多くが汚れたり千切れたり倒れたりしていた。コテングタケモドキ(a〜c)やヌメリイグチ(d〜f)、ホウライタケ属、モリノカレバタケ属、ベニタケ属はいたるところで群生していたが、汚れてきたならしいものが多かった。コトヒラシロテングタケ(g)、シロイボカサタケ(h)、キイボカサタケ(i)、ナラタケモドキ(j)は特によく目立った。ケロウジの仲間(k)もでていた。呆れたのはこの季節にアカマツの根元に、泥汚れでとても汚らしい姿で大きなハナビラタケがでていたことだ(l)。
 
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 長い長い大学の夏休みも終わって、明日から再びギリシア語とラテン語の読書会が再開される。今日はこれから必死に下準備をしないと大変なことになる。


2016年9月22日() ヤマブシタケとハンノキイグチ
 霧雨の奥日光、竜頭の滝に車を停めた。遊歩道から高山を越えて中禅寺湖畔にでるハイキングコースを歩いた。遊歩道では多数のアオイヌシメジが美しかった。このコースで最も多かったのがハンノキイグチだった(i, j)。数十カ所で、それもハンノキとはまるで関係のない場所にでていた。次によく出会ったのがヤマブシタケだった(a, b)。これは遠目にもよくわかり10カ所以上で見られた。高いところにあったり崩れ始めているものもあって、採取できたのはわずかだった。
 昨年とほぼ同じ中禅寺湖畔で上質のクロカワがでていた(c, d)。さらに思いがけなかったのは、立ち枯れのハルニレの高いところにホシアンズタケがでていたことだ(e)。地上6mほどの高さに出ていたので、長い枯れ枝を見つけて突っついて落とした(f)。
 ようやく秋のきのこであるクリタケ(g, h)やクリフウセンタケ(k, l)、スギヒラタケなども出てきた。終日霧雨が降っていたせいか、観光客は非常に少なく、千手が浜からのバスはほぼ貸し切り状態だった。いろは坂を下ってもやはり霧雨が降り続いていた。
 
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 クロカワとヤマブシタケは三重県の菌友に向けて送り出された。タモギタケは少なかったが、やはり立ち枯れの高い場所に出ていた。この日はRDB要検討種が三種得られた。


2016年9月21日(水) 大小の担子器と胞子をもつHygrocybe
 日光だいや川公園の杉林樹下には、異形胞子(大小の胞子)をもつHygrocybe(アカヤマタケ属)のきのこが数種類見られる。大小の胞子を作る担子器もぞれぞれ別の大きさだ。
 今朝ここで取り上げたのは、それらのうち明るい橙色をしたきのこ(a, b)。胞子を対物40倍でみると、二種類の大きさの卵型の胞子がみられる(c)。水道水(d)、メルツァー(e)、フロキシン(f)で封入して油浸100倍対物レンズで見た。大小の胞子サイズがあまりにも違うので、どちらかに合焦すると他方はボケてしまう。
 ヒダを切り出して(g)、倍率を上げて子実層を見ても、大小の担子器があるかどうかはわからない(h)。フロキシンで染めて(i)、倍率を上げても結果は変わらない(j)。そこで、これをKOHで封入して押しつぶしてみると、大小の担子器が混在していることがわかる(k)。油浸100倍レンズでは胞子同様に、どちらかに合焦すると他方のピントが合わなくなる(l)。
 ヒダの断面をSEM(操作型電子顕微鏡)で見れば大小の胞子や担子器が併存して並んでいる様子が手に取るようにわかるのだろうが、残念ながら今はSEMを使える環境にない。
 
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 昨日いわき市の海浜にある神社林では強い風雨のため歩くのがやっとだった。ニワタケ、チャオニテングタケ、ベニタケ類がいくつも出ていたが、まともな撮影結果は得られなかった。小名浜のパン屋周辺では嘘のように風雨は収まり霧雨が続いていた。帰路の福島・栃木県境の峠では強い雨と路面を流れる水流に何度もハンドルを取られた。午後3時半前には帰宅できた。


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