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2016年1月20日(水) ヒメウロコタケ:子実層面に垂直に長い剛毛体
 家の近くの雑木林で細い落ち枝にタバコウロコタケ属と思われる小さなきのこがビッシリついていた(a, b)。半背着生の茶褐色のキノコで、カサの大きさが幅1cmを超えるものはない(c)。ルーペで子実層托を見ると、面に垂直に真っ黒な棘のようなものが無数に出ている(d)。
 キノコの縦断面を見ると、カサ表面には毛が圧着し子実層から剛毛体が多数出ている(e〜h)。カサ肉の菌糸は茶褐色でカサ表皮の菌糸と同一の色と構造をしている(e, g)。菌糸構造は一菌糸型で、菌糸にクランプはない(i, j)。剛毛体は厚壁で大きい(k, l)。胞子は全く落ちなかった。ヒメウロコタケのようだ。
 
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[雪のため突然の休館:市営温泉「やしおの湯」 ]
 今週いっぱい近くの市営温泉「かたくりの湯」が工事休館。そこで遠くの市営温泉「やしおの湯」に向かった。今市までは青空が広がっていたが、神橋付近から雪が舞いだした。温泉へは国道を左折するのだが、そこに「本日休館」の表示が出ていた。休館日は木曜日のはず、間違いだろうと思いかまわず車を進めた。雪は激しくなり路面はたちまち白くなる。道路が開いていたのは温泉の直前まで。通行止めの表示があり駐車場までたどり着けなかった。雪に閉ざされて突然の休館を決めたのだろう。悔しいが、すごすごと引き返して自宅で風呂を沸かした。ネット上の休館情報はもっと速やかに出して欲しいものだ。


2016年1月19日(火) 関東地方にも雪、日光でも雪!
 昨日は未明から雪が降り出し、朝8:00頃には降雪はほぼ収まったが、すでに積雪は20cmを超えていた。重い湿った雪で竹が折れていた。木戸まで行き(a)、駐車場に出ると車の前はすっかり雪原になっていた(b)。家の前の市道は圧雪で車の通行は非常に少なかった(c)。
 午後2:30過ぎに木戸の外に出てみると、駐車場の前に60cmほどの高さに雪塊の壁ができていた。すぐ前の市道を通った除雪車が路面の雪を左右に排除し、それが家の前を塞いだらしい。このまま凍り付いたら車で出られなくなってしまう。慌ててスコップを使って雪の塊をどけたが、これには1時間ほどかかってしまった。この作業のせいか風邪は悪化したようだ。
 午後4:00頃には木戸までの通路(d)を確保し、車の前の雪をどけ一度市道を少し走ってから車を元に戻した(e)。この時刻になると市道は除雪車のおかげで雪はなくなっていた(f)。しかしこのあたりは終日日陰、明日以降の路面凍結が恐ろしい。
 日光市は栃木県の北西部にあり、面積で県全体の1/4近くを占め低地から山間地まで広がる。報道によればこの日の日光市の積雪は10〜50cmだったという。
 
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 首都圏は雪で大混乱だったらしい。二年前のいわき市での降雪を思い出した(雑記2014.2.9)。


2016年1月18日(月) デュアルブート機のWindowsとLinuxをグレードアップした
 昨日Windows7(32bit)とUbuntu14.04(Linux)のデュアルブートで使用している2007年製PCのOSを、それぞれWindows10とUbuntu15.10にアップグレードした。
 am6:00にWindows10のインストールを開始した。途中何度か再起動するが、この最初の再起動で案の定OSが全く起動しなくなった。PCこそ起動するもののブートローダーがエラーを表示するばかりで、WindowsもLinuxも起動できない。これは想定していたので、「システム修復ディスク」を使ってブートローダーGRUBを削除した。「修復ディスク」を取り出して再起動すると、10へのアップグレードがようやく再開された。このトラブルのため30分ほどが無駄になった。
 このあとさらに数回の再起動があり「Windowsをアップグレードしています」の表示がでた。しかし進行状況を示す数字は遅々として進まず(d)、ようやくWindows10に切り替わったのはam10:30を過ぎた頃だ(f)。アプリ類はすべてもとのままで(e)、無事に稼働してデータも無事だった。
 アップグレードの結果、Windows7の時と比較して起動時間が若干短くなった。しかしNECのモノクロレーザープリンタが使えなくなった(雑記2015.11.25)。NECはもうけの少ない安いプリンタにはWindwos10用ドライバーを提供するつもりがないのだろうか。
 
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 デュアルブート機でのWindows10へのアップはやはり一筋縄ではいかなかった。Ubuntu15.10の導入は短時間で終わった(h, i)。再起動するとOS選択画面が出て(j)、Ubuntuを選択すると15.10になっていた(k)。家庭内LANのWindows上の画像もすんなり表示された(l)。
[注意] Windows10はOS自体が強力なスパイウエアだから官公庁や大学・企業などは導入してはいけないと報道されている。基本的にはWindows7を使い続けるのが賢明で安全だ。
 今朝は雪。外を見ると一面真っ白だ。数日前から風邪気味だったが、ついに鼻水・クシャミ・咳・喉の痛み・悪寒・頭痛の六拍子が勢揃いしてしまった。


2016年1月17日() ツヤウチワタケ:原菌糸のクランプがわかりにくい
 肉眼的観察だけでほぼ同定可能なツヤウチワタケをいちいち実体鏡やら生物顕微鏡を使って観察する物好きなどほとんどいない。過去に何度か検鏡して菌糸型などの確認をしたことはあるが、検鏡写真を撮ったことはなかった。材料は朝の散歩の途中で拾ったものだ(a〜c)。
 この時期に胞子を採取することはまず無理なので、胞子紋採取の手続きはとらなかった。孔口は6〜7個/1mmで(d)、断面は白色で管孔部との間に明瞭な境界はない(e)。管孔部を薄切りにしてフロキシンで染め(f)、倍率を上げるとクランプを持った原菌糸らしきものが見えた(g)。
 次いで管孔部を縦断してみたが特に変わった構造の菌糸はない(h)。カサ表皮やカサ肉では菌糸は平行にビッシリつまっているようだ。環紋に接する方向で切ると、カサ表皮やカサ肉がパイプ状に見えた(i)。菌糸構造は三菌糸型だが(j, k)、原菌糸の隔壁が非常にとらえにくい。そのためクランプがあるのだがとても見づらい(g, l)。
 
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 昨年炎症と痛みで難儀した左足親指付け根が今年に入ってから再び症状が悪化して、このところ歩くのに難儀している(雑記2015.7.2)。昨日に引き続いて、今日はこれからいよいよデュアルブートPCのWindowsとLinuxをアップグレードする作業に着手することにした。


2016年1月16日() 低スペックのノートPCをWindows10にアップ
 デュアルブートPCをWindwos10へアップグレードする前に低スペックノートPCでWindows10へのアップグレードを試してみた。2006年製のDELL製品で、CPU 1.2GHz CoreDuo、メモリー 2.0GB、HDD 80GBのスペックにWindows7 Homeを搭載、発売時はWindwosXP搭載だった。
 昨年2009年製のサブ機をWindows10にアップしているが(雑記2015.10.9)、このPCの場合は一定のスペックを満たしていたので問題なくWindows10にアップできた。しかし、Windows10を搭載するにはギリギリの低スペック・ノートPCでは上手くアップできるかどうか疑問だった。
 予想通りWindwos10のダウンロードの段階で動きがとまり、一晩放置しても変化はなかった(a)。そこで常駐ソフトを徹底的に削除し負荷を軽くした後、am5:10再度ダウンロードから開始。すると一時間ほどして「アップグレードをインストールできます」画面がでてきた(b)。「今すぐアップグレードを開始」をクリックすると「Windows10の更新を構成しています」と出て(c)、「Windowsをアップグレードしています」の画面となり(d)、これが100%になるまでに二時間ほどが必要だった。これでようやくWindows10のスタート画面が出たのはam8:30だった。スペックを確認するとWindows10にアップされていた。「きのこ雑記」も問題なく表示された(f)。
 
(a)
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(e)
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 Windows7時代のアプリは地震監視システムをはじめ大部分がそのまま稼働した。


2016年1月15日(金) 県立博物館からの帰り道で
 日光市に転居してから初めて栃木県立博物館を参観してみた。自然史系と歴史系が同居した博物館だが、予想外に充実した展示内容だった。入館料も250円と思ったよりも安かった。平日の午前中ということもあり、近くの幼稚園が大挙してやってきていてとても賑やかだった。
 帰路杉林の中にある墓の脇を通過中に、アラゲカワラタケ(g, h)、カワラタケ(i)、赤色ではないヒイロタケ(j)などが社内から見えたので車を停めた。スギの切り株に柔らかいきのこがいくつも出ていた。多少干からびてはいたが、どうやら二種類が混じっているようだった。
 一つはニガクリタケモドキのように見えたが(a, b)、胞子をみるとサイズがやけに小さい(c)。ニガクリタケなのかもしれない。もう一種のきのこ(d, e)は胞子表面に微細なイボがあり胞子盤を備えていた(f)。両者ともにスギの切り株にでていたのが妙に印象的だった。
 
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 Linux上で動いている仮想OSのWindows7をアップグレードしてWindows10にするのは危険が大きそうなので、当面この作業に手を出すのは止めて、デュアルブートPCのWindows7を10にアップグレードすることにした。どうやらアップ中の再起動の際に深刻な問題が起こるようだ。


2016年1月14日(木) ウロコタケの仲間がよく目立つ
 冬場はカサと柄をもったきのこはほとんどないし、出かけてみても霜や雪に被われて硬質菌の観察もままならない。だからと行って外出しないと体がなまってしまうので、毎日60〜90分ほど自宅周辺を散歩している。散歩の折にはたいてい古いコンパクトカメラを持って歩く。
 このところ最もよく出会うのはスエヒロタケとウロコタケの仲間だ。たいていはそのまま見過ごすだけで、撮影したり持ち帰ることはしない。しかし、先日と一昨日は途中で出会ったウロコタケの仲間を持ち帰った。桜(上段:1月6日)とコナラ(下段:1月11日)の立ち枯れについていたもので、チウロコタケかモミジウロコタケのように見えた。すっかり乾燥しきっていたせいか、両者とも傷つけても血色の液は全く出ない(d, d')。観察結果からは両者は同一種のように見える。
 子実層をいくら探してもすりこぎ状の糸状体は見つからず(画像)、褐色の色素を含む汁管菌糸が多数あり(画像)、二菌糸型でクランプはない。チウロコタケのようだ。
 
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 LinuxとのデュアルブートPCやヴァーチャル環境でWindowsを使っている知人らが、Windows10へのアップグレードを試みて失敗した話がいくつも飛び込んできた。OSが全く起動しなくなってしまい、高価なMicrosoft OfficeやPhotoshop CSなどを失ったと嘆いていた。わが家でもノート型と据え置き型のデュアルブート機が現役でサブサブPCとして稼働している。
 ちょうどデュアルブート機のUbuntu14.04(Linux)を15.10にアップグレードするつもりだったので、この際、Windows7も10へアップグレードすることにした。きのこのない冬場がチャンスだ。現在自宅のメインPCではWindows7が動いているが、サブ機は昨年10月Windows10にアップグレードしたので、おおよその様子はわかっている(雑記2015.10.9)。ただ、デュアルブート機やヴァーチャル環境でのアップグレードにはいろいろ問題があって一筋縄では行かないようだ。


2016年1月13日(水) すっかり乾燥しきったチヂレタケ
 朝の散歩の途中で足下に落ちていた細い枯れ枝にクシャクシャになって乾燥した小さなきのこが多数着いていた(a)。拾い上げてよく見るとチヂレタケのように見えた(b, c)。子実層面が血色に染まったものがないか探してみたが、そういった子実体はなかった(雑記2016.1.8)。ポケットには紙袋が入っていたので持ち帰った。
 改めて室内で撮影し(d)、断面を切ったり(e)、フロキシンで染めてKOHでバラしてみると、クランプがあり(f)、菌糸表面には微粒子が多数付着している様子を確認できた。半日ほどカバーグラスの上に伏せて蓋をしてみたが胞子紋はまった落ちなかった。チヂレタケに間違いない。ずっと以前に発生したわけではなく、連日の乾燥で縮れていたようだ。
 
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[久しぶりの冬場の前日光基幹林道]
 半年ぶりに古峯神社から前日光基幹林道に入った(雑記2015.7.26)。例によって周辺の林道にいろいろ分け入った。標高600mあたりから上は例年ならば雪がつき路面が凍結しているが今年は全く雪がない。横根山(alt 1,373m)や井戸湿原へ向かう林道は途中で通行止めとなり、その先は路面がツルツルに凍っていた。途中の杉林で出会ったきのこはカワラタケ、アラゲカワラタケ、カイガラタケ、シハイタケ、シックイタケ、ヒメシロカイメンタケだけだった。
 
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2016年1月12日(火) チャウロコタケ:二菌糸型でクランプなし
 肉眼でほぼ確実に同定できてありふれたキノコというと、普通はいちいちていねいな観察やら検鏡などはしない。チャウロコタケもそんなきのこの一つだろう(a〜c)。このキノコは過去に何度か検鏡しているが、撮影したことはなかった。そこで今回は検鏡したおりに初めて撮影した。
 子実体の断面をみるとカサ上の毛被と子実層との間に濃色の下皮がある(d)。落ちないだろうとは思ったが、念のために24時間かけて胞子紋をとってみた。結果は全く胞子が落ちなかった。今回もアミロイドだとされる胞子の確認はできなかった。
 菌糸構造を確認するために、キノコの一部を微量切り取ってKOHで封入してほぐした。ちょっと見には硬そうに見えるが、意外と簡単にほぐれた。これをフロキシンで染めて顕微鏡下で覗いてみた。二菌糸型で原菌糸にはクランプがない(e, f)。
 
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 日光市南部では昨年の12月半ばからずっと雨も雪も降っていない。それでもニガクリタケやエノキタケはたくましく生育していたが、昨日はさすがにすっかり干からび切っていた。


2016年1月11日() 同じ倒木に混生していたタバコウロコタケ科
 家の近くの散歩コースの途中で出会ったキノコについてのメモ。広葉樹の倒木にタバコウロコタケ科のキノコが何種類か混生しているようだった(a, a')。持ち帰ったサンプルを目視で分別してみると(b, b')、どうやら二タイプに分けられた(上段, 下段)。
 両者の断面をみると(d, d')、上段のものは毛被の下の暗褐色の層と子実層端に接する暗褐色層との間に不明瞭だが明色の層がある(d)。それに対して、下段のものはそういった三層構造はみられない(d')。菌糸構造は両者とも二菌糸型のようだ。決定的に異なるのが剛毛体の頻度と形だ。上段のものは典型的なダイダイタケの剛毛体だ。あまりにも大きいので対物油浸100倍では視野に入らないので、20倍(e)と40倍(f)の画像を掲げた。一方、下段のきのこでは、剛毛体は少なく形も小さく短く、形はラッコタケやミヤマウラギンタケの剛毛体に似ている。
 両者ともInonotus(カワウソタケ属)のきのこだろうが、上段のダイダイタケはよいとしても、下段のきのこは手元の図鑑やモノグラフからは種名にまで至らなかった。
 
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 昨日の都内はとても暖かかった。夕方日光市の自宅に戻るとやはりそれなりに寒かった。


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