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「きのこ雑記」新たなURL | http://fungi.sakura.ne.jp/f_index.html |
タングステンニードル作成 (4):交流研磨 | ||||||
家庭用の100V電源を用いた交流電解研磨を行えば、φ0.5mmのタングステン線なら5〜15分の短時間でφ0.002〜0.008mmのニードルが出来上がる。
AC電源からは高電流が流れるので、素材や道具立てのうち(雑記2017.1.18)、電気コードだけは1200Wの配線用ビニール平行線を使った(2m, 300円)。100Vの電源コンセントからそのまま電解装置に繋ぐのは危険なので、途中に電流調整のために何らかの装置をかませるのがよい。上記の文献(1)のように60W電球を二つ繋ぐのも一つの方法だが、夏場と冬場に作ることが多かったので、電流調整には100〜300W程度のミニヒーターなりミニ扇風機を使ってきた(a)。 |
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タングステン線と銅線の両電極を電解液に浸したのち、コンセントを電源に差し込んだら、まずミニヒータの電源を [弱] にする。すると直ちにタングステン側から泡が多量にでて、タングステンが表面から溶け出してくる(c, d)。数分間で先端がかなり細くなるので、あとは手でタングステン線を電解液に出したり入れたりして太さを調整すればよい(d)。 タングステン線を電解液に出したり入れたりすると、ジリジリと音がして先端部から火が出るがこれは問題ない(e)。ただ、付近に燃えやすいものがあれば注意が必要だ。 |
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タングステンニードル作成 (3):直流研磨 | |||||
ここでは最初に12Vの電池を使った直流研磨による方法を扱った。電源となる12Vの電池には、軽自動車やバイク用バッテリーを、あるいは1.5V電池8個を直列にする。
ワニ口の先にタングステン線を挟んで電池のプラス極側に繋ぎ、両者を電解液に浸してバッテリーに繋ぐ。するとタングステン表面から泡が発生し始める。タングステンが溶けていく様子は分かりにくいが、あとは一晩ほど放置して先が細くなるのを待てばよい。 |
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12V電源による直流研磨は7〜8時間と時間がかかるので、夜に仕掛けておいて翌朝に出来上がっているという作り方をしてきた。直流研磨は時間がかかるが安全性は高い。 昨日ほぼ六年ぶりに「こけ雑記」に「観察覚書」をアップした。身近にありふれたエゾスナゴケだが、長いこと離れていたので、いろいろと戸惑うことばかりだった。さらに、先日書き換えを終えたINDEX作成プログラム(雑記2017.1.17)に思いがけないバグが潜んでいた。早急にデバッグをして誤りをつぶさねばならないが、結構面倒くさそうだ。 |
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タングステンニードル作成 (2):事前準備と道具だて | |||||
タングステンニードルの件でいくつか照会があったので、以下複数回にわけて参考情報を記しておこう。特別な道具や設備がなくても、家庭で容易に極細針は作れる。材料やら道具立ても大げさなものや特殊なものは不要で、購入に面倒な手続きの必要なものはない。
製作には中学校の理科でおなじみの電気分解を利用する。素材はφ0.5mmのタングステン線(a)、1mで350円ほど。電解液として過炭酸ナトリウム等の酸素系漂白剤(c)、スーパー等で300円程度。百円ショップにある被覆線。アルコールランプかガスライター(b)。ワニ口クリップか金属性洗濯ばさみ(d)。ガラス瓶ないしビーカー。金属線を切るのにはペンチかニッパーを使う。 |
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電気分解を利用した研磨には交流研磨と直流研磨があり、それぞれメリット・デメリットがある。きのこの単胞子分離やコケの解剖などに使うニードルでは正確で精密な精度は不要で、要するに先端がφ0.002〜0.008mm程度になればよいから、いずれの方法でも構わない。 [メモ] ひどい風邪につかまってしまったようだ。昨日から激しい頭痛、悪寒、咳、関節痛、吐気、倦怠感のため昨夜はほとんど眠れず、今朝布団から出たのもam8:00過ぎだった。その後も炬燵に潜り込んで横になっていた。昨日夕方悪寒と頭痛をおして温泉に行ったのも祟ったかもしれない。少なくとも日光に転居してから、これほど体調不良のことは今まではなかった。 |
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「こけ雑記」関連スクリプトの書換完了 | |
「こけ雑記」のINDEX作成スクリプト類の全面書き換え完了(雑記2017.1.9、同2017.1.6)。さきの「きのこ雑記」関連スクリプトと同じく(雑記2016.3.23)、今回もRubyで書かれていたものを含めて、すべてをPerl5のv.24.0対応のスクリプトで書き換えた。実行時間もかつての5〜6秒から瞬時に完了となり、関連スクリプトの総数も半減してすっきりした。 この書き換えに先立って、RubyとPerl5の再学習が必要だった。なんといっても使わないものはすぐに忘れていく。動かなくなった過去のプログラムを眺めていると、なぜここでこんなコードが必要なのだろうとか、ずいぶんと無駄なことをしているなぁとか感じた。では、それをどういったコードで書き下ろせばよいのだろうとなると、すんなりとは書けなかった。結局、RubyとPerlをイロハから再学習するほかはなかった。Rubyは解読するために、Perlは構築するために。 デバッグ作業はすべてUbuntu(Linux)上で行ったが、念のためにWindows上でも期待通りの動きをしてくれるか否かを確認してから、最終的に二つのバッチファイル(Windows)、一つのシェルスクリプト(Linux)で各々実行できるようになった。 かたくりの湯が定休日なので、昨日夕方やしおの湯に行った。自宅の雪はほとんど消えたが、神橋から先は歩道ばかりではなく車道もしっかりと雪道と氷道だった。雪のおかげでやしおの湯はとても空いていた。久しぶりに雪の露天風呂を一人占めにして楽しんだ。しかし、今朝は前夜からの降雪のため自宅周辺は再びどこも真っ白だ(今朝の東武日光駅前:ライブカメラより)。 |
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タングステンニードル作成 | ||||
久しぶりに先端が極細の針を何本か作った。一般的なきのこの観察では用がないかもしれないが、植物病原菌やカビの単胞子分離やコケの解剖には、先端が極細の針が必須だ。といっても、STM (走査トンネル顕微鏡:Scanning Tunneling Microscope)で必要とされるような細くて精度の高いものは必要ない。また出来上がり品を購入するとえらく高価だ。 ステンレスやニクロムでは強度や薬品耐性が不足するので、いつもタングステンを用いてきた。今回作ったのは以前と同様に、φ0.5mmのタングステン線の先端部分をφ0.01〜0.03mm程度にしたものだ(a)。φ0.1mmのタングステン線を使えばもっと短時間で先端がφ0.005〜0.01mmのものを作れるが、あまりにも細いためフニャフニャしてかえって扱いにくい(c)。φ0.5mmのタングステン線だと標準的なシャープペンシルにも添えつけられる。柄にはピスや割り箸を使ったりしているが、百円ショップのシャープペンシルはお手軽で良い柄となる(b)。 |
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タングステンニードルはしょせん消耗品、六年ほど前まではコケの解剖に必須だったので、毎月二本ほど作っていたが、いわき市に転居してからは全く使っていなかった。 | ||||
千葉菌スライド会から帰宅 | |||||||
昨日は千葉県立中央博物館で行われた千葉菌類談話会のスライド会に参加した。恒例のハンドベル演奏を含めて、今年も多くの演者による興味深いテーマの発表があった。個人的に特に興味を感じたのは小倉豊史さんの「きのこ模型の気流可視化」と根田 仁さんの「菌類図譜に見るツキヨタケ」だった。新年会のあと千葉のビジネスホテルに宿泊した。 今朝ビジネスホテルをam7:00頃に出立して総武線快速、半蔵門線、東武日光線(複数駅で乗換え)と乗り継いで日光市の自宅に帰宅したが、東武日光線の本数の少ない時間帯だったのか、短い区間を何度も乗り換えて、帰宅できたのはam11:50を回っていた。東武電車の乗車時間はまだしも、乗換駅での待ち合わせ時間が各35〜50分もあった。電車を降りると駅近くに停めておいた車の除雪が最初の仕事だった。家の中はすっかり冷え切ってなかなか温まらなかった。 |
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再びピンセットのこと | |||||||
カサの径が3mm〜8mm程度のハラタケ型のきのこのヒダ切片を切り出すのは結構厄介だ。こういったきのこに対しては、ふだんは半分に割ったカサをスライドグラスに寝かせ、カサと複数のヒダをまとめて切ってきた。時には一枚のヒダを取り外してそれを切ることもある。 こういった細かな作業をするときに、ピンセットの先端の太さが問題となる。きのこの扱いに関しては、ふだんは複数のピンセットを使い分けてきた(a, b)。このうち(2)は砥石を使って先端を細くしたものだ。(3)は理化学教材の先細ピンセット、(4)は細密ピンセットだ。 先端部の太さの比較のため、0.1mmと0.5mmのタングステン線を並置してみた(c, d)。このタングステン線は先端を0.01〜0.05mm程度にするための素材で、まだ未加工のもの。ふだん柄付き針として使っている虫ピンは細密ピンセット(4)と比べても、先端だけは結構細い(e)。 高価な細密ピンセットも使っているうちに先端が丸みを帯びたり歪んでくる(f)。画像(f)のうち(4)と(4')はかなり使い込んだもので、(5)はまだ数回しか使っていないものだ。 今年に入ってから何種類かのコケを観察し始めたが、(4)やら(4')のように先端が崩れ始めたピンセットでは葉の取り外しなどで難儀した。ただ、この4〜5年間は少なくともきのこの扱いに関しては、(4)やら(4')で全く問題なく各種の処理ができた(雑記2008.12.5、同2006.06.18、たわごと2008.12.9「ピンセットのこと」)。 |
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今日は電車で千葉菌のスライド会へ。今夜は千葉泊で日曜日の朝帰宅の途につく予定。 | |||||||
隣接して塊を作っていたけれど | |||||||||||||
朝の散歩道、途中の歩道脇の小砂利にポッコリとした塊をなしたコケがたくさんあった。少し色味の違う二つの塊を持ち帰った(上段、下段)。ルーペを使わずに肉眼だけで見ても、なんとなく違っているらしいことは分かった(a, a')。ルーペで見ると確かに両者は違うようだ(b, b')。 塊の中から数本ずつ取り出して比較してみた(c, c'; d, d')。(c)と(c')は乾燥状態のもの。(d)と(d')は湿った状態のものだ。それぞれの葉を一枚比較してみると、上段のコケは中肋が先端から突出し、葉の中央部の細胞は六角形をなしている(e, f)。一方、下段のコケは中肋は葉頂で止まっていて、葉の中央部の細胞は方形をしている(e', f')。 上段のコケはハリガネゴケ科のホソウリゴケ(Brachymenium exile)のようだ。下段のコケはまだよく観察していないが、葉身細胞にパピラやマミラが見当たらない。両者ともまだ「こけ雑記」の「観察覚書」には記録として載せてはいない。 |
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コケの葉は小さく、たいていは一細胞層からなっているせいか、横断面の切り出しがとても難しい。きのこならば、たいていの場合50〜80μmに切りだせばヒダの断面は簡単にプレパラートにできる。しかし、コケの場合は少なくとも20〜30μm以下に切りださないと断面のプレパラートはできない。昨日も上段のホソウリゴケの葉の断面切り出しには苦労した。 | |||||||||||||
ここ数日の諸々のこと | |
年が明けて以降、このところずっと暖かい日が続いていたが、昨日は風もあって冷え込みが強くなった。灯油の減り方が俄かに早くなった。身近にみられる硬質菌はいずれもすっかり干からびて見る影もない。庭や道路脇のコケも乾燥して多くが茶色になっている。 「こけ雑記」のINDEX作成プログラムの全面書き換えは順調に進行しているが、Perl5の仕様の要の部分をほとんど忘れているので、マニュアル本を再び読み返しながら進めている有様だ。少なくともRuby 1.8で書かれていたものはすべてPerl5で置き換えた。Ruby 1.8についても多くを忘れているため、旧版のRuby本も参照せざるを得なかった。 週末のギリシア語講座が休講なので、すこしほっとしてのんびり構えていたら、いろいろな作業がやりかけでとまっていた。今度の週末は千葉菌類談話会のスライド会がある。先日数時間かけて、かなり場当たり的でいい加減なPPTファイルを作成したが、これはどうもあまり芳しくない。昨日はこれに少し変更を加えてみた。 |
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板橋バイパス沿いの朝の散歩 | |||||||
朝の散歩道にこれまで歩いたことのないルートを選んでみた。自宅近くを通る板橋バイパスは日光宇都宮道路を越える橋上からの見晴らしがとてもよい(a)。国道121号線のバイパスになっていて、途中には土沢インターの出入り口もあって車の通行量が多い。立派な歩道があるが(b)、なかなか歩く気にはなれず、これまでは車でしか通ったことがなかった。 一度くらい歩いてみようと思って、森友交差点近くまでバイパスを散策してから、土沢公民館の近くを経由して帰る道に入った。ここでは大規模な圃場整備が行われていた(c)。 帰路、途中で二宮林と呼ばれる杉林に少し足を踏み入れると、ハラタケ型のきのこがいくつか出ていた。ホウライタケの仲間(d)、スギエダタケ(e)、チャダイゴケの仲間(f)などが見られた。ハラタケ型のきのこに出会ったのは今年に入って初めてのことだった。 |
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夕方やしおの湯まで行ってみると、神橋周辺から先の歩道がテカテカに凍りついていた。脇道も日陰は雪と氷のためとても滑りやすかった。さすがに散歩の人はいなかった。 | |||||||
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