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2017年6月10日() 観光客の全くいない静かな龍王峡
 鬼怒川遊歩道の中では龍王峡が最も人気があり、いつ行っても観光客の姿が絶えることはない。特にam7:30頃には駅前駐車場には台湾、韓国、中国からの観光客のバスが必ずと言ってよいほど止まっている。普通なら宿で食事中の時刻に、彼らは遊歩道いっぱいに広がって大声を出して歩いている。am8:00頃になるとようやく日本人の観光客がやってくる。
 ふだんしゃがみ込んできのこなどの撮影をしていると、観光客から「なにを映しているんですか?」「食べれますか?」「What are you filming?」「What are you see?」と煩わしいほどに声をかけられる。径の狭いところでは集団をやり過ごすまで待たねばならない。
 昨日龍王峡駅前の駐車場にam8:10頃に到着した。驚いたのは韓国人観光客らのバスがいなかった。さらに観光客らしき車が数台しかとまっていなかった。遊歩道を散策中ずっと誰一人として出会わなかった。過去何十回も歩いているが、こんなことは初めてだ。
 予測通りきのこは少なかった。アミタケ(a, b)、ツエタケ類(c, d)、コガネヌメリタケ(g)、アミスギタケ(h)、アラゲコベニチャワンタケの仲間(i)、ホウキタケの仲間(j)に出会っただけだった。遊歩道脇ではモリアオガエルの卵塊を包み込む泡が池に落ち始めていた(e, f)。
 帰路、鬼怒川公園駅前の公園に寄ってみると、マツの根元にハナビラタケが出ていた。前日の急な強い雨を受けてすっかり汚れていた(l)。
 
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2017年6月9日(金) 相変わらずきのこは少ない:日光だいや川公園
 関東地方は梅雨入りしたというが一向にそれらしい雨が降らない。日光だいや川公園でも雨不足でこのことろずっときのこの発生は悪い。散歩途中で出会ったものは、アメリカウラベニイロガワリのような大型イグチ(a, b)、乾燥気味のヒロハシデチチタケ(c, d)、同じく乾燥した上に黒みの強いハタケシメジ(e, f)、落葉と草に紛れて見落としそうなヒノキオチバタケ(g, h)、久々に出会ったヒメカタショウロの仲間(k, l)といったところだ。
 暗色のアセタケ属のように見えたきのこ(i, j)は胞子をみると表面が疣に覆われていた。ということはアセタケ属ではない。とりあえずフウセンタケ科ということでこれ以上の追及はやめた。
 
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 6月5日の「駄言駄菌」に「なんだこのきのこは!? カサ表皮の謎」と書いたきのこは、青木実さん新称のヌメリホウライタケのようだ(日本きのこ図版 No.1204:名部篇「第一巻 p.804」)。幼菌の会のSさんからの指摘で判明した。青木図版の記述は実に詳細に観察結果が記されている。カサ表皮の胞子状の細胞は、単に持ち帰る途中で放出された胞子が強い粘性を持つカサ表皮に厚く付着しただけと思われる。Sさんありがとうございます。
 「駄言駄菌」に「こんなきのこに手を出しちゃいけない」を追加した。


2017年6月8日(木) 中禅寺湖東側の湖畔を散策
 曇り空の下、中禅寺湖東側のブナ交じりの湖畔の遊歩道を散策した。ここも全般的によく乾燥していてきのこの発生はとても悪い。コケも縮れたり萎れていて元気がない。
 そんな中でも比較的よく出ていたのはコガネヌメリタケだった(a, b)。もっとも大部分はすっかり乾いて見慣れていないと何だかわからない。ナラタケの仲間も数ヶ所で見かけたが(c, d)、いずれも汚らしい。ブナ樹下にはベニカノアシタケ(e, f)やブナノシロヒナノチャワンタケ(i, j)が多数出ていた。湖面近くの倒木にはオオワライタケも見られた(g, h)。クヌギタケの仲間も何種類か見られたがいずれも目立ちにくい場所に出ていた(k, l)。
 
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 早いもので今月25日で日光に転居してきて満二年を迎える(雑記2015.6.27)。昨日借家の契約更新の書類を取り交わしてきた。緊急避難の仮住まいと思って決めた借家だったが、この先もずっとこの家に住むことに決めている。冬は寒いけれど、最寄り駅まで徒歩8分、スーパーまで徒歩10分、市営温泉へは車で15分、30Km圏にはきのこやこけのよい観察ポイントもある。


2017年6月7日(水) ミヤマトンビマイの成長と杉老木の枝打ち
 二荒山神社の別宮である滝尾神社の境内でミヤマトンビマイが発生し始めたのを確認したのはちょうど一週間前だった(雑記2017.6.1)。大きく開き始めた二株と、参道に出ていたいくつかの株はどうなっているだろうか。観光客に踏みつけられてなければよいが。一週間でどの程度成長したのか観察するのを主目的に昨日現地に行ってみた。
 径18cmほどだった大きい方の株は厚みも増して径は22cmほどになっていた(a)。径15cmほどの小さかった方の株も18cm以上になり色も濃くなっていた(b)。参道に出ていた株のうち平面的な丸い方の株はやや大きくなっていたがまだ翼状の部分は全くでていない(c)。数枚の翼ができ始めていた方の株は踏みつけられたのか、上側の一番大きな部分が折れていた(d)。いずれもまだ胞子は全くできていない。しかし、思ったより観光客による被害は少なかった。

 昨日午後、「こけ雑記」の「観察覚書」にフジノマンネングサを追加した。種の記載のような細かな観察結果は過去に何度か記述しているので、今回はそういった内容は写真にだけ語らせて、もっぱらプレパラート作りに関する話題を中心とした。10年ぶりにコケカッターを使った。
 

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 白糸の滝の先に行ってみると、鳥居の近くの杉の老木の周辺で作業していた。老木からは何本もロープが垂れ下がっていた(e)。ロープの先の方を見ると、作業員が登高器にぶら下がった状態でチェーンソーで枝を切り落としていた。かつて岩登りを楽しんでいる頃、ユマールを使って岩壁で荷揚げをしたことがあったっけ。何とも懐かしくてしばしその場を動けなかった。


2017年6月6日(火) 真岡市の井頭公園にもきのこなし
 先週の5月29日に真岡市の井頭公園で妙なきのこを採取した(駄言2017.6.5)。カサの表面が厚いゼラチン質に覆われ、柄には粘性があった。ところがこのきのこは帰宅するとすぐに冷蔵庫に入れてそのまますっかり忘れていた。一昨日検鏡してみてカサ表皮が何とも納得いかない状態だった。カサの表皮が胞子と同じような形の細胞の層となっていた。持ち帰る途中で紙袋の中で散布された胞子がカサ表面に多量についた可能性も否定できないが、すでに生の時の姿は失われていたので、なんともしっくりしない状態だった。
 今一度採取して確認したいと思って、昨日午前中に再び井頭公園まで行ってみた。ところが園内はすっかり乾燥しきって、風が吹くと砂埃が舞い上がる状態だった。問題のきのこはもちろん、きのこの姿は何一つ見られなかった。それもあって、昨日の午後になって、先週採取したきのこのついての戯言を「駄言駄菌」に掲載した次第だ。


2017年6月5日(月) シイタケほだ場は蚊との戦場
 昨日宇都宮市の起伏のある都市公園を数ヶ所歩いてみたが、どこもきのこの姿はほとんどなかった。戸祭山緑地でわずかに束生する小さなきのこを一株、文化の森公園で小さなヒロハシデチチタケを数個みたが、八幡山公園には何もなかった。
 数日前の朝知り合いの農家のシイタケほだ場を歩いたときの覚書。この日は蚊の羽音がブンブンとうるさかった。ブヨもかなり活発に動き始めていた。相変わらずホウロクタケとダイダイタケばかりがよく目立ったが、それ以外のきのこの姿もボチボチ増えてきた。
 オオシトネタケがだいぶ大きくなってきた(a)。薄手で繊細なチャワンタケも出てきた(b)。アラゲコベニチャワンタケの仲間も何ヵ所かで見られた(c)。子嚢菌はこれら三種類だけで何とも寂しい。担子菌ではウラベニガサの仲間(d)、ヒメスギタケ(e)、ヒノキオチバタケ(f)が多数でていた。
 何年間も放置された場所では草が膝くらいまで繁り始めた。30分ほどその場所をうろついていたら、体中を蚊に刺された。虫よけスプレーはあまり役に立たなかった。
 
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駄言駄菌」に「なんだこのきのこは!? カサ表皮の謎」を追加した。


2017年6月4日() 大型イグチの仲間が出始めた:日光だいや川公園
 昨日は前日とは打って変わってとてもよく晴れて、久しぶりに寒い朝だった。日光だいや川公園を1時間ほど散策したところ、コナラ樹下のハイゴケの間から大型で青変性が強く柄の赤いイグチが7〜8個ほどでていた(a〜c)。さらにシデの樹下コツボゴケの間からはヒロハシデチチタケが多数でていた(d, e)。クラマゴケとハイゴケに覆われた遊歩道脇ではケコガサタケがいくつも顔を出していた(f〜h)。シデとクヌギ樹下のナミガタタチゴケの間からはベニタケの仲間がコケを押し上げ始めていた(i, j)。日光だいや川公園ではこれ以外にきのこは見られなかった。

 朝家を出るとき(am7:40頃)には玄関前にきのこは何一つでていなかったが、帰宅してみると(am10:00頃)小さなきのこが二つでていた。日が当たる前はカサ表面は暗茶褐色で条線が目立ったが、すぐに強い日差しを浴びて明褐色となり条線は分からなくなった(k, l)。先月やはり玄関前の同じような場所に発生したきのこと同じものだった(雑記2017.5.27)。それにしても、たかだか2時間半くらいでここまで成長するとは、なんて成長が早いんだろう。
 

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 相変わらず公園のパークゴルフ場がとても賑わっている。コースに近い側の駐車場には早い時刻からクラブを抱えた人たちの車がビッシリ並んでいる。近々大会でもあるのだろうか。
 「駄言駄菌」に「まるでご禁制品のような」を追加した。


2017年6月3日() 不安定な天候の奥日光にて
 昨日の日光は未明に竜巻注意報・落雷警報がでて、明け方には強い風雨に見舞われた。通勤時刻を過ぎる頃に少し晴れ間がでたので、奥日光に上がってみた。天候はとても不安定で晴れ間が見えたと思えば、すぐに雨となり雷鳴も聞こえ、冷たい強い風が吹き荒れた。
 空のご機嫌をうかがいながら、吊り橋の下で雨宿りをしたり、カサをさして歩いたりして2時間半ほど千手ケ原を歩いた。手袋をしなくてはならないほど空気は冷たかった。
 いくつかのきのこにであった。ヒロメノトガリアミガサタケ(a, b)はまだ出始めらしい。コガネヌメリタケは昨日の発生らしく、雨風に打たれて一部が崩れ、汚れもひどかった(c, d)。タモギタケも風雨でカサが崩れたものが多かった(f)。ヒラタケは発生し始めたばかりの様子だった(g)。オオワライタケもまだ小さい(h)。キララタケには数ヶ所で出会った(i, j)。
 西ノ湖の湖面がほんのわずか広がっていた(k)。たぶん未明から早朝にかけての強い雨のためだろう。フロウソウが岩や木の根、腐葉土などから出ているのはよくみるが、立木の根元から高さ1mほどの位置にまでついているものには初めて出会った(l)。
 
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 「駄言駄菌」に「ルーペと濃硫酸の効用」、「オオシトネタケだった」、「胞子が奇麗なのでいろいろ染めてみた」という駄文を三つ追加した。「キノコのフォトアルバム」を更新した。


2017年6月2日(金) 尚仁沢遊歩道のきのこ
 塩谷町の尚仁沢遊歩道を散策した。高さ20cmにも及ぶ大きなヒロメノトガリアミガサが自重のため倒れていた(a)。来週あたりには奥日光の千手ケ原でも出てきそうだ。キララタケに出会ったのは久しぶり(b)。渓谷の倒木には随所にウスヒラタケの大きな群落が見られた(c, d)。ミズナラの倒木からオオミヤマトンビマイがでていた(e, f)。胞子はメルツァー液で封入するとまさにベニタケの胞子そのものだ。大きなスジオチバタケにもであった(g, h)。このきのこは小さなくせに、見かけによらず大きな棍棒のような細長い胞子を持っている。マスタケかシロカイメンタケか分からないが、柔らかなきのこがでていた(i, j)。たぶんモエギタケ科のきのこだろうが、腐葉土のなかから広範囲に発生していた(k, l)。胞子には発芽孔がある。
 
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 「駄言駄菌」に「封入液が違うとまるで別の見え方」という駄文を追加した。


2017年6月1日(木) ミヤマトンビマイがでてきた
 今年もミヤマトンビマイの見られる季節が始まった。日光周辺には杉の老木が多数並ぶ街道がいくつもある。国道の日光街道は別名杉並木街道。季節になると車からも大きなミヤマトンビマイの株をみることができる。最盛期は例年6月後半だが、速いものは4月末に、多くは5月末頃から顔を出し始める。一昨日立ち寄ったのは東照宮の裏にある滝尾神社境内の杉並木だ。
 一方杉林にでるハラタケ型のきのこは非常に少ない。杉林のことをきのこ砂漠という人もいるほど、きのこに関してはスギ林は不毛地帯だ。ミヤマトンビマイはそんな中での逸品だ。この日もハラタケ型のきのこといえば、スギエダタケとヒトヨタケの仲間をわずかに見ただけだった。
 
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 「駄言駄菌」に「飽きずにコザラミノシメジ」という駄文を追加した。塩谷町の尚仁沢遊歩道を歩いた。これについては明日の雑記に書くことにしよう。


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